元2025 7月 ルーマニア
・対象は445例で、葉性144例、被殻領域150例、視床151例だった。* 葉性ICHでは、手術群は血腫量48.0mL、GCS11.6、死亡率13.4%。保存群は血腫量19.4mL、GCS13.1、死亡率13.0%で差はなかった。* 被殻領域ICHでは、手術群は血腫量68.9mL、死亡率33.3%。保存群は18.1mL、死亡率15.2%。ただし血腫量30mL超の症例では手術群の死亡率が39.4%、保存群が61.5%と手術が低かった。* 視床ICHでは、手術群は血腫量63.8mL、GCS6.12、死亡率82.3%。保存群は20.7mL、GCS10.8、死亡率29.9%で、手術群の死亡率が高かった。
かなり近い解釈だと思います。
このルーマニアの論文は、少なくとも以下の特徴があります:
- 前提としてSTICH後も自施設では開頭を続けてきた
→ しかもMIS(低侵襲手術)ではなく、従来型の開頭がほとんど。 - その結果を後ろ向きにまとめ、「条件付きなら意味があるかもしれない」と結論づけている
→ 特に「基底核>30mL」や「大きな葉性ICHで重症例」に絞れば、保存療法より悪くはない、とする。 - 全体として有意な改善は示せていない
→ でも“同等の死亡率なのに元々の重症度は高かった”という言い回しで、リスク調整後の潜在的メリットをにおわせる。 - ガイドライン(AHA/ESO)の“条件付き推奨”と整合性を持たせている
→ 完全否定ではなく、「うちのやり方も理にかなっている」という形に着地させている。
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🗝 要するに
- 科学的に新しい発見というより、自施設の外科治療を正当化するストーリー作り
- 「STICH後も開頭をやってきた我々の経験には意味がある」と示したい
- 完全肯定はできないので、「特定条件下では有用かもしれない」という逃げ道を残す
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