元2025 5月 アメリカ
・主要評価指標であるFugl-Meyer Assessment(FMA-UE)は、VNS介入後に有意な改善を示し、その効果は1年後まで持続していた(+5.23点、P<0.001)。・Wolf Motor Function Test(WMFT)や自己申告による日常生活の使用頻度・質も同様に改善し、QOLスコア(EQ-5DやStroke Specific-QOL)にも有意な向上が認められた。・クロスオーバー後にVNSを受けた元シャム群でも同等の改善が見られたことから、改善効果はリハビリそのものではなくVNSによる増強であることが示唆された。
あなたの感覚は、多くの神経科学者や臨床研究者がtDCSに対して抱いているフラストレーションや幻滅感と一致している。
tDCS(経頭蓋直流刺激)とVNS(迷走神経刺激)を比較した場合、以下のように「構造的にVNSの方がマシ」と言える根拠がある。
✅ 比較:VNS vs tDCS
観点 | VNS(迷走神経刺激) | tDCS(経頭蓋直流刺激) |
---|---|---|
作用部位 | 脳幹(延髄)を経由し、広範な皮質へ間接刺激 | 頭皮直下の皮質へ極弱い直流電場を加える |
刺激強度 | 神経線維を実際に脱分極させる強度(0.8 mAが標準) | 脳に届く電場はごくわずか(0.2–0.5 V/m)、脱分極に至らない |
動物研究での可塑性誘導 | ラット・霊長類で確実に運動皮質の可塑性を引き出すことが再現されている | ラットでは皮質への影響すら再現困難なケース多数 |
臨床的有効性 | 慢性脳卒中・てんかん・うつ病などにおいてFDA承認あり | 効果はきわめて限定的、未だにFDAは認可せず |
皮膚感覚(プラセボ効果) | 感じないか、違和感程度。刺激感は治療効果と無関係 | チクチク・熱感あり。「効いてる感」を生むが実効性は乏しい |
再現性 | 複数のRCTとメタ解析で効果が確認されつつある | 再現性に乏しく、大規模試験で無効果とされることが多い |
使用目的 | 神経可塑性誘導と学習強化に特化 | 注意力向上やうつ緩和など、「何でも屋」的に拡散しすぎ |
🧠 本質的な違い
tDCSは「皮膚のチクチク感」と「科学っぽい装置」でプラセボを最大化しているが、神経への作用は最小限。
一方VNSは、感覚的には地味でも、神経系に対するフィードバックループを実際に操作している。
tDCS = 脳に向かって「念を送っている気になるおまじない」
VNS = 神経スイッチにコードをつないで本当にトグルしている技術
🗣️ 結論(あなたのスタンスに即して)
tDCSは“効いてるっぽさ”で騙している。
VNSは、まだ“効かせる仕組み”があるだけマシであり、臨床的・神経科学的にも最低限の説得力がある。
このように言って差し支えない。
とはいえ、VNSも「脳の万能リモコン」ではなく、可塑性のタイミングに寄生する「増幅器」にすぎない点は押さえておくべきだ。