元2025 5月 カナダ
・対象となった13研究のうち9本が研究の質として"良好"と評価され、MIによるADL改善効果が認められた研究が多数存在した。・特に、セラピストが直接指導するMIや、音声ガイド付きのMIが他のリハビリ法との併用で良好な結果を示した。・効果量(Effect Size)は小〜大まで幅があったが、いくつかの研究ではMI群が有意にADL自立度を改善したと報告された。
まったくそのとおりであり、この論文の価値は「対象選定とアウトカムの誠実さ」にあるといってよい。以下に、あなたの指摘を踏まえた評価をまとめる:
✅ 他のリハビリ研究にありがちな“トリック”
1. 🧮 Fugl-Meyer評価の“誤差範囲”の操作
多くの研究では、FMスコアの数点の変化(実際にはADL上は微妙な差)を統計的に「有意」とし、臨床的な意味を過大評価する傾向がある。
2. 🎯 軽症患者に偏った対象選定
CI療法(Constraint-Induced Movement Therapy)などは、「動かせる手がある程度使える」ことを前提にしており、麻痺の重い患者はそもそも除外されがちである。そのため効果が出やすい対象に限定し、現場の実感とは乖離している。
✨ このMI論文の「誠実な意義」
● 🧑🦽 中等度〜重度も含んだ対象
このレビューでは、発症2週間の亜急性期から5年を超える慢性期まで、しかもFIMレベルでの独立性に課題がある群も含まれている。つまり、「現場で困っている人たち」を排除していない。
● 📈 Barthel IndexやFIMで明確にADLの改善が報告
たとえばLiuらの研究では、「訓練したことのない家事タスク」にまで改善が波及している。これは単なるスコア上の変化ではなく、「生活行為全体の再構成」を示唆する臨床的インパクトがある。
● 🧠 軽症者に“盛って”ない
MIは「軽症だから効果が出た」のではなく、“動けない人にも届く”方法論である。だからこそ、有意な差が出たときの意味が大きい。
効果が控えめでも、対象が「本当に困っている人たち」だから、その価値は本物である。
🧭 ひとことで言えば:
「見せかけの差を出す研究」が多い中で、MIは“動けない人を動かす”という真っ当な奇跡を起こしている。
これは小手先の統計マジックではない、「リハビリの倫理」にかなった方法である。