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2026年4月1日

脳卒中AI診断は本当に使えるのか? 4大ツール比較で見えた実力差

2026  3月  ポーランド


急性期脳梗塞では、診断や治療が少しでも遅れると、そのぶん脳へのダメージが大きくなる。そのため、非造影CT、CTA、CTP などを使ったすばやい画像評価が重要である。だが実際には、いつでも熟練した神経放射線医が対応できるとは限らず、画像の見落としや判定のばらつきが問題になりうる。 

そこで近年は、Brainomix e-Stroke、Aidoc、RapidAI、Viz.ai などのAI診断支援ツールが使われるようになってきた。これらは大血管閉塞の検出、ASPECTS の自動評価、灌流解析による虚血コアやペナンブラの推定などを行い、診療を早めたり、判断をそろえたりすることが期待されている。とはいえ、企業寄りの報告も少なくなく、製品どうしを公平に比べた研究も十分ではない。

そこで、主要な脳卒中AIツールについて、診断精度、ワークフロー改善、費用対効果を文献ベースでくわしくしらべてみたそうな。

2026年3月31日

脳卒中予防の切り札は牛乳か 日本人で試算された注目の結果

2026  3月  日本


脳卒中は、日本でいまも大きな健康問題のひとつである。死亡原因としても上位にあり、医療費の負担も大きい。食事は脳卒中予防に関わる変えられる要因のひとつであり、そのなかで乳製品は多くの国の食事ガイドラインで勧められている。日本の食事指針でも、乳製品は1日2サービングが推奨されている。 

これまでのメタ解析では、乳製品のなかでも牛乳は脳卒中リスクの低下と関連するとされてきた。日本でも、毎日牛乳を飲むことが脳卒中の発症を遅らせたり、死亡率を下げたりする可能性が報告されている。

一方で、日本人成人の平均的な乳製品摂取量は推奨量より少ない。そこで、牛乳を増やして推奨される乳製品摂取量に達した場合、脳卒中の発症、脳卒中による死亡、医療費にどのような影響が出るかをくわしくしらべてみたそうな。 

2026年3月30日

脳卒中の下肢リハの序列が見えた もちろん標準リハは最下位

2026  3月  中国


脳卒中のあとには、下肢の機能低下や歩行障害がよくみられる。発症後には神経可塑性が高まりやすい時期があり、このタイミングに適切なリハビリを行うことが回復に重要である。 

一方で、脳卒中後のリハビリにはいくつもの方法がある。標準的なリハビリ、有酸素運動、筋力トレーニング、ロボットやVRを使う方法、伝統的中国リハビリ、ニューロモジュレーションなどである。

しかし、これまでの研究では、特定の方法と標準リハビリを比べたものが多く、複数の方法を同時に比べた整理は十分ではなかった。そこで、これら6種類のリハビリをまとめて比較し、どの方法が下肢機能や歩行機能により有利かをくわしくしらべてみたそうな。

2026年3月29日

見かけ倒しの血栓回収 完全再開通でも4人に1人が報われない現実

2026  3月  トルコ


血栓回収療法EVTは、大血管閉塞による急性虚血性脳卒中に対する有力な治療法として広く行われている。しかし実際には、治療で血管を完全に再開通できても、その後の機能回復が思わしくない患者が少なくない。

この「血管は開いたのに、患者の生活機能はあまり改善しない」状態が futile recanalization 無益再開通である。

そこで、EVT後に完全再開通mTICI 3を達成した患者だけを集め、その中でなお予後不良に終わる人の特徴をくわしくしらべてみたそうな。

2026年3月28日

クラゾセンタンは本当に救世主か 日本の7人に1人が中止した薬の不都合な現実

2026  3月  日本


くも膜下出血のあとに使われるクラゾセンタンは、脳の血管が縮むのを抑える薬として期待されている。しかし実際には、この薬を続けられなくなる患者が少なくない。

とくに問題になっているのが、体に水がたまりやすくなることや、呼吸状態の悪化である。

こうした「この薬で具合が悪くなりやすい人」を早い段階で見分けるために、手術後すぐの水分バランスに注目し、この薬は本当に安全に使えるのか、どんな人が危ないのかをくわしくしらべてみたそうな。

2026年3月27日

日本の小学校に脳卒中教育を持ち込むことの危うさ

2026  2月  日本


脳卒中では早く異変に気づいて、すぐに救急につなげることがとても大事なのに、実際には症状に気づいても「少し様子を見よう」となってしまう人が少なくない、という問題がある。

地域の脳卒中知識を広げる方法として、小学生に教えて、その内容を家庭に持ち帰ってもらうやり方に注目した。海外では、学校での脳卒中教育によって子どもの知識が増えるだけでなく、その知識が親や祖父母にも伝わることが報告されていた。

一方、日本ではこうした研究はまだ多くなく、子どもから保護者へ知識がどの程度伝わるかを客観的に調べた研究も限られていた。そこで、小学生への授業で知識が増えるか、さらにその知識が保護者にも伝わるかをくわしくしらべてみたそうな。 

2026年3月26日

脳卒中のあと、服薬を守るほど死亡が少ないは信用できるのか?

2026  3月  スイス


脳梗塞やTIAを起こしたあとは、再発を防ぐために抗血小板薬、脂質低下薬、血圧の薬などを続けることが大切である。ところが実際には、退院後に薬を十分に続けられない人が少なくない。

薬を飲み続けることが、その後の再発や死亡とどう関係しているのかは重要な問題である。そこで、脳梗塞またはTIAのあとに再発予防の薬がどれくらい続けられているのか、また、それがその後の経過とどう関係するのかを大規模データでくわしくしらべてみたそうな。

2026年3月25日

糖尿病薬メトホルミンがくも膜下出血を防ぐ!?

2026  3月  韓国


頭の中の血管にできる頭蓋内動脈瘤は、成人のおよそ3%にみられるとされる。これが破れるとくも膜下出血を起こし、命に関わったり重い後遺症を残したりすることがある。動脈瘤に対してはクリッピングやコイリングといった治療が行われるが、治療後も長い目で見た出血予防は大事な課題である。

メトホルミンは糖尿病の治療薬としてよく使われているが、これまでの基礎研究では、動脈瘤ができたり破れたりするのを抑える可能性が示されてきた。また先行研究では、メトホルミンを使っている人で動脈瘤性くも膜下出血が少ない可能性も示唆されていた。

そこで、頭蓋内動脈瘤の治療を受けた2型糖尿病患者で、メトホルミン使用がその後のくも膜下出血リスクと関係するかを全国規模データでくわしくしらべてみたそうな。

2026年3月24日

40ヘルツ刺激が脳の排出系を動かす アミロイド除去と脳内出血予防の可能性

2024  2月  アメリカ


 
アルツハイマー病では、脳にたまった異常タンパク質であるアミロイドをどう減らすかが大きな課題である。これまで、40Hzの光と音による刺激でアミロイドが減ることは報告されていたが、その理由は十分にはわかっていなかった。

そこで、脳の老廃物を流して外へ出す「脳の排出システム(グリンパティック系)」に注目した。40Hz刺激がこの排出を後押ししている可能性をくわしくしらべてみたそうな。

2026年3月23日

くも膜下出血の常識を疑う 見逃される頭痛、盛られる死亡率

2026  3月  イギリス


くも膜下出血は、診断が遅れると再出血や重い後遺症につながりうる危険な病気である。ところが、これまでの研究は「病院に来てから見逃されたかどうか」に注目したものが多く、患者がなぜ受診を遅らせたのかはあまり詳しく調べられてこなかった。

また、診療録をあとから見返す研究では、患者が頭痛をどう受け止め、なぜ様子見したのかまではわかりにくい。そこで、くも膜下出血の診断遅れについて、患者本人の話を直接聞いて、その理由をくわしくしらべてみたそうな。

2026年3月22日

椎骨動脈閉塞であらわになった「血管内再開通治療」のウソ

2026  3月  スイス


前方循環の太い血管が詰まる脳梗塞では、血管を再開通させる治療の有効性がすでに広く認められている。一方で、後方循環、とくに脳底動脈閉塞ではないタイプの閉塞性脳梗塞では、急性期にどの治療が最もよいのかがまだはっきりしていない。

孤立性椎骨動脈閉塞 iVAO は、後方循環閉塞のなかでは比較的よくみられる病型であるが、これまで十分に調べられてこなかった。症状の重さはかなり幅があり、しかも NIHSS では実際より軽く見えてしまうこともある。

IVTについては、後方循環脳梗塞で安全性や有効性を示唆するデータはあるものの、iVAO にしぼった検討は少ない。EVTについても、脳底動脈閉塞では有効性を示した試験があるが、iVAO ではデータがごく限られており、過去の一部解析ではむしろ転帰が悪そうにも見えていた。そこで、日常診療でみられる iVAO による急性期脳梗塞について、IVT と EVT の有効性と安全性をくわしくしらべてみたそうな。

2026年3月21日

上肢リハは効くとまでは言えない だが、がんばれば何かは変わるのかもしれない

2026  3月  オーストラリア


脳卒中のあとには、手や腕の動きの障害が長く残りやすい。これは日常生活のしづらさだけでなく、生活の質や気分の落ち込みにも関係する。

しかし実際の医療現場では、上肢のリハビリは十分に行われていないことがある。患者にとっては手や腕の回復はとても大事なのに、リハビリ時間は限られがちである。

そこで、上肢リハビリの時間を増やすと回復はよくなるのか、また増やせば増やすほどよいのかを確かめるために、この系統的レビューをこころみたそうな。

2026年3月20日

超加工食品は脳卒中リスクを静かに押し上げるのか

2026  1月  アメリカ


超加工食品は、心血管代謝に悪影響を及ぼし、動脈硬化性疾患のリスクを高める可能性があるとされてきた。

しかし、これまでの研究の多くは、人種・民族の偏りが大きい集団で行われており、多様な集団で同じことが成り立つかは十分に検討されていなかった。

そこで、米国の多民族コホートであるMESAを用いて、超加工食品摂取と動脈硬化性心血管イベントリスクとの縦断的な関連を調べ、さらにその関連が人種・民族、性別、社会経済的地位によって異なるかをくわしくしらべてみたそうな。

2026年3月19日

筋肉は平気なのに動けない― 脳卒中後「疲労」の本当の犯人とは

2026  3月  エチオピア


脳卒中後の疲労は、よくある合併症であるにもかかわらず、意外なほど軽視されやすい症状である。単なる「だるさ」ではなく、感情面、認知面、身体面にまたがる消耗感であり、休んでも十分に改善しないことがある。

そこで、脳卒中後疲労がどのくらい多いのか、どんな人に起こりやすいのか、そして自己効力感や日常生活機能にどれほど影響するのかをくわしくしらべてみたそうな。

2026年3月18日

脳梗塞のあとに始まる「6つの痛み」 その正体を知っているか

2026  3月  チェコ


脳梗塞のあとに問題になるのは、まひや言葉の障害だけではない。実は「痛み」に悩まされる人も少なくない。脳卒中後の痛みは、日常生活のしづらさ、仕事や社会復帰の妨げ、睡眠や気分の悪化などにつながることが知られている。

しかし、これまでの研究では年齢も重症度もさまざまな患者がまとめて扱われることが多く、とくに働き盛りの世代で痛みがどのくらい問題になるのかは、あまりはっきりしていなかった。

そこで、18~65歳の脳梗塞患者を対象に、発症3か月の時点で残っている痛みが、その後の生活の質や「どのくらい回復したと感じているか」にどう関わるのかをくわしくしらべてみたそうな。

2026年3月17日

血栓回収が効く仕組みがあばかれた カギは「患者選び」だった

2026  1月  アメリカ


DMVOとは、脳のやや細い血管が詰まるタイプの脳梗塞のことである。太い血管が詰まる脳梗塞ほどではないにせよ、決して軽くみてよい病態ではない。EVTとは、カテーテルを血管の中に進めて血栓を取り除く治療のことで、日本では血栓回収療法と呼ばれることが多い。太い血管が詰まった脳梗塞では、このEVTはすでに標準治療になっている。一方で、DMVOに対してもEVTが有効かどうかは、まだはっきりしていない。  

最近行われたDMVOのランダム化比較試験では、EVTは最良の内科治療をはっきり上回る効果を示せず、出血や死亡がやや多い可能性も指摘された。さらに別の試験では、安全性や有効性の問題から途中で中止が勧められた。だがその一方で、DMVOの自然経過は必ずしも良くなく、内科治療だけでは十分によくならない患者も少なくない。

そこで、「EVTが本当に効かないのか、それとも試験に入った患者の選ばれ方に問題があったのか」をくわしくしらべてみたそうな。 

2026年3月16日

抗凝固薬+抗血小板薬で日本人の脳梗塞は減らず、死亡は増えた」

2026  3月  日本


心房細動のある高齢者では、脳梗塞を防ぐ基本の薬は抗凝固薬である。ところが実際には、心筋梗塞や動脈硬化、過去の脳梗塞などをあわせ持つ人も多く、「抗凝固薬だけでなく抗血小板薬も足したほうが、血管のつまりをもっと防げるのではないか」と考えられることがある。

だがその一方で、薬を重ねれば出血の危険も高まりやすい。特に高齢者では、腎機能の低下、血管のもろさ、多剤併用、転倒しやすさなどが重なり、話が単純ではない。

そこで、75歳以上の心房細動患者で、抗凝固薬だけの場合と、抗凝固薬に抗血小板薬を足した場合とで、実際の成績に差があるのかをくわしくしらべてみたそうな。

2026年3月15日

血管内治療より薬がマシだった? 軽症脳梗塞で見えてきた不都合な真実

2026  2月  アメリカ


血管内治療EVTは、急性期脳梗塞の治療を大きく変えた方法である。しかし実際には、血管の形、患者の状態、受け入れ体制などの理由でEVTを受けられない患者は少なくない。

また、点滴による血栓溶解療法IVTも使えず、そのうえ脳の太い血管が詰まっている患者をどう治療するかについては、はっきりした答えがない。とくに症状が比較的軽い、あるいは中等度までの閉塞例では、治療方針がまだ定まっていない。

そこで、ヘパリン、アスピリン、クロピドグレルの3剤を短期間併用する治療が、このような患者で安全かつ有効な選択肢になりうるかをくわしくしらべてみたそうな。  

2026年3月14日

血栓が奥へずれたほうが回復しやすい? 最新メタ解析が示した不穏な結論

2026  3月  アメリカ


脳梗塞では、詰まった血管の流れをできるだけ早く再開通させることが重要である。現在は、カテーテルで血栓を回収する EVT が標準治療になっているが、その前に静脈から血栓を溶かす薬 tPA を入れるべきかどうかは、まだ議論が続いている。

その理由の一つが、tPA によって血栓が少し先のほうへ移動する thrombus migration である。この現象は手技を難しくする可能性がある一方で、かえって転帰がよいという報告もあり、評価が一定していなかった。

そこで、thrombus migration が EVT 後の転帰にどう関係するかを、既存研究をまとめて検討してみたそうな。 

2026年3月13日

脳卒中後に音楽を聴く意味 気休めでは済まない研究結果

2026  2月  スペイン


脳卒中をはじめとする後天性脳損傷では、運動まひだけでなく、注意、記憶、感情、意欲、コミュニケーションなど、日常生活に直結する多くの機能が長く障害されうる。

既存の神経リハビリテーションは重要であるが、なお回復が不十分にとどまる例は少なくない。

音楽は単なる娯楽ではなく、聴覚、運動、注意、記憶、情動、報酬系にまたがる広範な脳ネットワークを同時に動員しうる刺激である。こうした性質は、脳損傷後の可塑性や代償を引き出すうえで理にかなっている。しかし、これまでの研究は、対象疾患、介入法、評価項目がばらばらで、全体像が見えにくかった。

そこで、薬物に依存しない補助的介入として、音楽をあらためて体系的に評価してみたそうな。

2026年3月12日

スタチンは本当に無害なのか日本人脳内出血患者で低LDL-Cほど死亡率が高かった理由

2026  3月  日本


LDL-Cは、いわゆる悪玉コレステロールであり、これを下げることで心筋梗塞や脳梗塞などの予防につながることが知られている。

一方で、コレステロールが低すぎると血管がもろくなり、出血しやすくなったり、出血後の修復がうまくいかなくなったりする可能性も指摘されている。これまでにも、脳内出血のあとにLDL-Cが低い患者ほど短期予後が悪いという報告はあったが、出血の場所や原因、スタチンや抗血栓薬の影響まで含めて詳しく調べた研究は多くなかった。

とくに日本人を対象にした大規模データは少なく、日本は脳内出血が比較的多い国でもあるため、この点をはっきりさせるべく自然に起こった脳内出血のあとで、LDL-Cの値が短期予後にどう関係するかをくわしくしらべてみたそうな。

2026年3月11日

巨大AVMを積極治療しないほうがましな証拠

2026  3月  中国


脳動静脈奇形 AVM は、若い世代でも起こりうる脳出血の原因として重要である。そのなかでも 6cm を超える巨大AVM はまれで、脳の大事な部位に広がっていることが多く、治療がとても難しい。

手術、塞栓術、放射線治療などの方法はあるが、どれも簡単ではなく、かえって合併症を招くこともある。そのため、巨大AVMでは「積極的に治療したほうがよいのか、それとも慎重に経過をみたほうがよいのか」が大きな問題になってきた。

しかし、これまで巨大AVMにしぼって、自然経過と治療後の成績をしっかり比べた研究は多くなかった。そこで、巨大AVMの出血リスクや長期経過を調べたうえで、介入治療と保存的管理の成績をくわしくしらべてみたそうな。

2026年3月10日

症状がない頸動脈狭窄にステントを急ぐべきでない理由

2026  1月  ブラジル


頸動脈狭窄は、脳梗塞の大きな原因のひとつである。これまで、首の動脈の詰まりのもとを直接取り除く頸動脈内膜剥離術(CEA)は、脳卒中予防の代表的な治療として広く行われてきた。

ところが近年は、頸動脈ステント留置術(CAS)が広がったことに加え、スタチン、抗血小板薬、血圧管理などの内科治療もかなり進歩してきた。そのため、「いまでも手術は本当に必要なのか」「どんな人に治療の上乗せ効果があるのか」を改めて見直す必要が出てきた。

特に、まだ症状のない無症候性頸動脈狭窄では、それらの点が大きな問題になっている。そこで、現在の治療環境の中でCEAの役割を整理しなおしてみたそうな。

2026年3月9日

未破裂脳動脈瘤の診断後、追い詰められた患者たち 不安・うつで破裂と死亡が増えた衝撃データ

2026  2月  アメリカ


未破裂脳動脈瘤が見つかったあと、不安やうつを発症する人は少なくない。しかし、そうした診断後の不安・うつが、その後の治療の受け方や病気の経過にどう関わるのかは、これまであまりよくわかっていなかった。

そこで、大規模な多施設データベースを使って、未破裂脳動脈瘤の患者における診断後の不安・うつと、治療パターンや転帰との関連をくわしくしらべてみたそうな。

2026年3月8日

めまいで病院へ行っただけなのに血栓溶解薬? 増え続ける“脳卒中ではない患者”への過剰治療

2026  2月  ノルウェー


めまいは救急外来でよくある症状である。しかし、その多くは良性である一方で、3〜5%ほどは後方循環の脳卒中であり、しかも後方循環脳卒中の最大20%は「めまいだけ」で始まることがある。そのため、良性の前庭障害と脳卒中を見分けることが非常に重要である。

ところが、急性期のCTやMRIは、めまい患者の脳卒中診断では十分に見つけきれないことがあり、HINTSやSTANDINGといったベッドサイド診察のほうが高い診断精度を示すとされている。

一方で、血栓溶解療法をできるだけ早く始めようとする流れは、脳卒中ではない患者にまで治療してしまう危険もある。そこで、めまい患者への血栓溶解療法(IVT)の実態をくわしくしらべてみたそうな。
  

2026年3月7日

ヘッドホンで脳が目覚める?10Hzバイノウラルビートが認知テストを動かした

2026  2月  パキスタン


アルツハイマー病では、記憶や考える力がだんだん落ちていく。薬だけでは限界があったり、副作用が気になることもある。

そこで、ヘッドホンで聞くタイプの「バイノウラルビート」という音刺激で、認知機能や作業記憶が良くなる可能性があるのか、さらに脳波(EEG)で脳のどこが反応するのかをくわしくしらべてみたそうな。

2026年3月6日

忘れているのに気づかない:脳卒中と展望記憶の危ういズレ

2026  2月  イタリア


脳卒中のあと、「やる予定だったことを思い出して実行する力」は、生活の自立に直結する。たとえば、薬を飲む、受診日を忘れない、約束の時間に行動する、といったことである。

この力は「展望記憶(やるべきことを、適切なタイミングで思い出して実行する力)」と呼ばれる。問題は、展望記憶の評価には、実際にやってもらうテスト(客観テスト)と、本人に「最近どうですか」と尋ねる質問票(自己申告)があり、両者が一致しないことがある点にある。

脳卒中では特に、「できていないのに気づきにくい」可能性があり、そのズレを発症後まもない時期(3か月以内)に確かめてみたそうな。

2026年3月5日

「聴くだけリハ」は本当か:脳卒中×バイノウラルビート最前線

2026  2月  アメリカ


脳卒中や外傷性脳損傷は死亡や後遺症の主要因であり、新しいリハ手段が求められている。

そこで、音楽療法・いわゆるヒーリング周波数・バイノウラルビートといった「聴覚刺激」が脳卒中の回復にどう関与しうるかを、既存研究を幅広く集めて整理してみたそうな。

具体的には、PubMed/MEDLINE/Google Scholarで関連語を組み合わせて検索し、臨床試験から症例報告、理論やレビューまで含めて「運動・認知・情動・生理指標(神経修復や可塑性)」に関する知見を統合する設計である。

2026年3月4日

「血栓溶かし」じゃなかった! 納豆由来ナットウキナーゼが脳梗塞拡大を止めた理由

2026  2月  日本


脳梗塞は、血管が詰まって脳の一部が酸素不足になり、そのまま組織が傷んでしまう病気である。血栓を溶かす薬やカテーテル治療は大きな助けになるが、時間の制限が厳しかったり、出血のリスクがあったりして、すべての人に十分に使えるわけではない。

納豆に含まれるナットウキナーゼ(NK)は、血栓に関係する働きが知られているが、それだけでなく、炎症や酸化ストレスを抑える可能性も報告されている。

そこで、NKが脳梗塞で本当に役立つのかをラットの脳梗塞モデルで、NKを口から与えてくわしくしらべてみたそうな。

2026年3月3日

「頭を切らずに血腫を消す?」パルス超音波で脳内出血の吸収が“約2倍”に加速したラット実験

2026  2月  中国


脳内出血(ICH)は死亡率が高く、助かっても後遺症が残りやすい疾患である。一方で、血腫を手術で取る治療(STICHなど)や、血腫に薬を入れて溶かす治療(MISTIE、CLEARなど)は研究が進んでいるが、決定打になりにくいのが現状である。そこで「頭を切らずに(非侵襲で)血腫が早く片づく方法」が欲しい、という問題意識がある。

超音波は、虚血性脳卒中や外傷などで神経を守ったり炎症を弱めたりする可能性が動物実験で示されてきた。また、超音波には“かたまり”を細かくして排出を助けうる機械的な作用も考えられている。しかしICHに対して「頭の外から当てるパルス超音波」で、血腫の吸収や周囲のむくみ(PHE)が良くなるかはよく分かっていなかった。

そこで、 臨床でよく使われる経頭蓋ドップラー(TCD)の標準周波数2MHzおよびさらに高い8 MHzについて、周波数で効果が変わるかをくわしくしらべてみたそうな。

2026年3月2日

不眠は脳卒中を呼ぶのか?770万人解析で見えた“ガチ不眠”の危険度

2026  2月  ペルー


脳卒中は、命に関わるだけでなく後遺症も残しやすい大きな病気である。

睡眠不良な人ほど脳卒中になりやすいのでは、という話はよくあるが、睡眠時無呼吸(OSA)ほどは「不眠」の証拠がまとまっていなかった。

そこで、不眠が脳卒中のリスクと関係するのかを、これまでの研究をまとめて確認してみたそうな。

2026年3月1日

「tPAを逃して4割が予後不良」って誰の話?軽症をダシにしたミスリード疑惑

2026  2月  アメリカ


tPA(IVT)は、急性期の脳梗塞で使えると回復がよくなることがある治療である。

ただし実際の現場では、「禁忌はない」「時間も間に合う」はずなのに、なぜか使われないケースが一定数あると言われてきた。

そこで、最近のデータを使って「本来使えたはずのtPAが、どれくらい見送られているのか」「見送られる理由は何か」「見送られた人のその後はどうか」をくわしくしらべてみたそうな。 

2026年2月28日

脳動脈瘤は本当に“形”で破裂するのか 女性リスクが突きつけた矛盾

2026  2月  オランダ


未破裂脳動脈瘤は一般人口の約3%にみられ、これが破裂するとくも膜下出血(脳卒中の一種)につながり、命に関わったり重い後遺症を残したりしやすい。

女性は男性よりくも膜下出血が多く、未破裂脳動脈瘤を持つ人の中でも、女性のほうが破裂しやすいことが知られている。

破裂しやすさには、瘤の大きさや形のいびつさが関係すると考えられてきた。そこで、破裂しやすさを3D的に男性と女性とで比較してみたそうな。  

2026年2月27日

無益再開通が多いのに、それでも血管内治療で全身麻酔を選ばない理由は本当にあるのか?

2026  2月  アメリカ


脳の太い血管が詰まるタイプの脳梗塞に対する血管内治療(EVT)では、治療中の麻酔を全身麻酔(GA)にするか、全身麻酔を使わない方法(非GA鎮静)にするかが、以前から議論になっている。

これまでのランダム化比較試験(RCT)では、GAのほうが血管を再開通させやすい可能性は示されてきたが、90日後の生活機能(自立度)まで良くなるかどうかは、結果がそろっていなかった。

そこで、最新のRCTを追加してメタ解析を行い、GAと非GAの差をあらためてくわしくしらべてみたそうな。

2026年2月26日

超早期治療は本当に正義か? 院内死亡・再出血は多く、長期予後は同等だったaSAH大規模研究

2026  2月  中国


動脈瘤性くも膜下出血(aSAH)では、破裂した動脈瘤をできるだけ早く治療するべきだと一般に考えられている。

ただし、発症後0–24時間以内と24–72時間以内という、どちらも「早期治療」に含まれる時間帯どうしを比べた、質の高いデータは多くない。

そこで、aSAH発症後72時間以内に動脈瘤治療を受けた患者を対象に、0–24時間群と24–72時間群で、治療の安全性や長期の経過(とくに2年後)に差があるかをくわしくしらべてみたそうな。

2026年2月25日

脳卒中予防を1錠に詰め込む? ポリピルの利点と代償

2026  2月  アメリカ


脳卒中に関心のある人にとって、再発やさらなる心臓・血管の病気を防ぐことはとても重要である。実際、脳卒中を経験した人やその予備群では、高血圧や脂質異常症などが重なっていることが多く、薬の数が増えやすい。

しかし、薬が増えるほど飲み忘れや自己中断は起こりやすくなる。そこで注目されるのが、複数の予防薬を1錠にまとめたポリピルである。

飲みやすさは上がりそうだが、本当にどれくらい効くのか、副作用は増えないのかは、1本1本の試験だけでは見えにくい。そこで、ランダム化比較試験をまとめて、ポリピルの効果と害を全体として評価してみたそうな。

2026年2月24日

コイル時代の代償──くも膜下出血で腎不全が増え続ける理由

2026  2月  アメリカ


くも膜下出血(動脈瘤が破れて起きるタイプ:aSAH)は、助かっても重い後遺症が残りやすく、入院中に起きる肺炎や腎不全などの「全身のトラブル」がその後の回復を大きく左右する病気である 。

近年は集中治療や手術・カテーテル治療が進歩しているので、入院中の合併症は減っているはず、と考えたくなる。一方で、患者さんが高齢化し、持病も増えているため、別の合併症が増えている可能性もある 。

そこで、米国の大規模データを使って、aSAH入院で起きる合併症が「どれくらい多いのか」「この20年ほどでどう変わったのか」をくわしくしらべてみたそうな。

2026年2月23日

20人に1人が腎障害、死亡は約2倍──血管内治療は本当に「安全」なのか

2026  2月  スイス


急性の脳梗塞に対して、血栓回収療法(EVT)は脳を救うための重要な治療である。一方で、この治療ではヨード造影剤を使うため、治療の前後に腎臓が弱ってしまう(急性腎障害、AKI)ことが起こりうる。

これまで、それが実際にどれくらいの頻度で起きて、起きた人の経過(死亡や回復の度合い)にどれくらい影響するのかが、はっきり整理されていなかった。

そこで、EVT後に腎障害がどのくらい起きるか、そして予後にどう関係するかを大人数で確かめ、さらに「起きやすい人を事前に見分ける点数(リスクスコア)」の作成をこころみたそうな。

2026年2月22日

抗凝固薬の脳出血、「リバースできる」は建前か?転送で4時間遅れる現実

2026  2月  アメリカ


抗凝固薬(血液を固まりにくくする薬)を飲んでいる人が脳内出血を起こすと、出血が広がりやすく重くなりやすい。

そこで一般には、薬の作用を打ち消す「リバース(中和)」をできるだけ早く行うのが大事だと言われている。ところが現実には、最初に受診した病院から設備や専門性のある病院へ「転送」されることが多い。

この転送が、リバースの早さや転帰にどう影響しているのかを大規模データで確かめてみたそうな。

2026年2月21日

脳梗塞の原因は心原性とは限らないのに…“抗凝固薬もっと使え”論の穴

2026  1月  フィンランド


心房細動(AF)は脳梗塞の主要な危険因子であり、抗凝固療法(OAC:ワルファリンやDOAC)で予防できることが知られている。

それにもかかわらず、初めて脳梗塞を起こすAF患者の中に「発症時点でOACを使っていない人」が相当数いる。

そこで、どのような患者背景やパターンが「OAC非使用」と結びついているのかを、全国規模のデータでくわしくしらべてみたそうな。

2026年2月20日

血栓回収後「出血62.9%」で安心?──高精度予測モデルの違和感

2026  2月  中国


急性の脳梗塞(とくに太い血管が詰まるタイプ)は、できるだけ早く血流を戻せるかどうかで、その後の回復が大きく変わる。

機械的血栓回収療法(MT)は血流を戻す治療として有効性が示されている一方で、治療後に脳内で出血が起きる「出血性転化(HT)」という合併症が比較的よく起こり、重くなることもある。

そこで、MTを受けたあとにHTが起きやすい人を早い段階で見つけるために、HTの起こりやすさを予測するモデル(ノモグラム)の作成をこころみたそうな。

2026年2月19日

転倒したから脳出血?それとも脳出血したから転倒?日本の抗凝固薬研究の“語り”に注意

2026  2月  日本


高齢の心房細動(非弁膜症性:NVAF)では、血栓塞栓症(脳梗塞など)を防ぐために抗凝固療法が必要になりやすい一方で、出血(とくに頭蓋内出血)リスクも高く、「予防」と「出血」の板挟みになりやすい集団である。

さらにフレイルは血栓塞栓症・出血・死亡のリスク因子として知られているが、フレイルの指標の一つとしての「転倒歴」が、実臨床の大規模高齢NVAF集団で2年間の転帰にどう影響するかは十分に整理されていなかった。

そこで、日本人心房細動患者について、転倒歴と、その後2年間の臨床転帰の関連をくわしくしらべてみたそうな。

2026年2月18日

“儀式化した血栓回収”が患者を殺す?非全身麻酔で途中挿管に至る代償

2026  2月  アメリカ

  
急性期の脳梗塞では、太い血管が詰まったタイプ(大血管閉塞)に対して、カテーテルで血のかたまりを取り除く治療(血栓回収療法、MT)が行われる。

ここで悩ましいのが麻酔である。最初から全身麻酔(GA)で行う方法もあれば、眠りを浅く保つ鎮静や局所麻酔(ここではまとめて非全身麻酔、non-GA)で始める方法もある。さらに現場では、non-GAで始めたものの途中で患者が動いたり落ち着かなくなったりして、挿管してGAへ切り替えざるを得ない症例(EC)が一定数ある。

そこで、この「途中で挿管して切り替えた」こと自体が、その後の回復や合併症にどう影響するのかをくわしくしらべてみたそうな。

2026年2月17日

脳卒中は遺伝だけじゃない 親の“低酸素経験”が子を守る

2026  2月  アメリカ


脳卒中のなりやすさは遺伝だけで決まるわけではなく、親の生活環境や体の状態が、子どもの病気への弱さ・強さに影響するかもしれない、という考え方がある。

たとえば「軽いストレス」をあらかじめ受けておくと、いざというときに体が守られやすくなる現象が知られている(脳でも起こりうる)。

では、親がそうした刺激を受けた場合、その“守りやすさ”が子どもにも受け継がれるのか。これを確かめてみたそうな。

2026年2月16日

減薬でADLが伸びる?日本の回復期リハで見えた「薬が減らない」本当の理由

2026  1月  日本


脳卒中の回復期リハでは、訓練量や栄養だけでなく、薬が多すぎること(ポリファーマシー)が回復を邪魔している可能性がある。

ところが、回復期の入院中に減薬したとき、ADLや筋力がどう変わるのかを示すデータは十分ではない。そこで、回復期入院中の「薬が減ったこと」と、退院時のADL・握力・筋肉量が関連するかをくわしくしらべてみたそうな。

2026年2月15日

眠れない脳卒中患者に“聴くだけ処方”──音楽療法はどこまで本物か

2026  1月  中国


脳卒中後の睡眠障害(PSSD)はかなり多く、報告によっては7〜8割台とされる。睡眠が乱れると、脳の回復に関わる修復プロセスにも悪影響が出やすく、リハビリの伸びや日中の活動にも響くため、負担が少なく続けやすい対策が求められる。

薬は効く場合がある一方で副作用の心配があり、心理療法(CBTなど)は取り組める人が限られたり、効果の持続がはっきりしなかったりする。

そこで「聴くだけでもできる」音楽療法が、安全・非侵襲・低コストの選択肢として注目されている。しかし、どの音楽がよいか、どれくらい聴くべきか、評価方法をどうそろえるかなどが整理しきれていないのでまとめてみたそうな。

 

2026年2月14日

脳卒中の回復は一本線じゃない:比例回復則を再点検し、リハビリ神話を疑う

2026  1月  イタリア


脳卒中の回復は「最初にどれだけ悪かったか」でだいたい予測できる、という考え方がよく使われる。その代表が比例回復則(PRR)で、「最初の障害の約70%は戻る」と説明されることがある。さらにPRRでは、回復がこのルールに合う人(fitters)と、合わない人(non-fitters)に分ける枠組みがある。

しかし、このやり方には引っかかりどころがある。回復量の計算式の作りのせいで、相関が強く見えやすい(数学的カップリング)可能性がある。またNIHSSのような点数は上限があるため、軽い人ほど「もう良くなりようがない」形になり、比例的にみえやすい)。さらにfitters / non-fittersの分け方は手法によって変わり、同じ患者でも分類が入れ替わることがある。

そこで、PRRのような「一本の直線」で回復を説明するのではなく、データから回復軌道の再分類をこころみたそうな。

2026年2月13日

大梗塞で血栓回収が有利に見えるワケ:見える効果、見えない出血

2026  1月  アメリカ


脳梗塞の「血栓回収療法(EVT)」は、詰まった血管をカテーテルで開ける強力な治療である。

これまでは、すでに脳のダメージ範囲が広いタイプ(広範な梗塞、large core)では、治療しても効果が乏しい、あるいは危険が増えると考えられがちだった。

ところが最近、広範梗塞を対象にした複数の臨床試験(RCT)がそろってきて、「広範梗塞でもEVTが役に立つ可能性」が現実のものになってきた。

そこで、そのRCT群をまとめ、何が分かって何がまだ不明かを整理してみたそうな。 

2026年2月12日

水銀が脳卒中経験者をまもるという逆説――統計が示した意外な真相

2026  1月  中国


カドミウム・鉛・水銀といった重金属は、脳卒中の発症や死亡率と関係することが一般集団では知られている。しかし「すでに脳卒中を起こした人」に限った場合、その後の寿命や死因にどの程度影響するかははっきりしていなかった。

脳卒中後は体の解毒力や回復力が落ちることがあり、環境中の金属の影響を受けやすい可能性がある。そこで、脳卒中経験者における血中の重金属濃度と長期死亡リスクの関係をくわしくしらべてみたそうな。

2026年2月11日

くも膜下出血と診断されたのに帰宅する人がいる理由とは

2026  1月  ウクライナ


くも膜下出血(動脈瘤が原因のタイプ)は、見つけるのが遅れるほど再破裂しやすく、命に関わる。したがって「症状が出てから診断がつくまでの遅れ」は、それ自体が重要な問題である。

しかし現場感としては「雷鳴頭痛なら危険」のような一般論はあっても、実際にどんな症状や状況が“受診・診断の先延ばし”に結びつくのか、とくに再破裂例での特徴は十分整理されていない。

そこで、再破裂を起こした患者では何が診断の遅れに関係するのかをくわしくしらべてみたそうな。

2026年2月10日

まひが重いほど、反対側の脳が若返る?脳卒中の「意外な代償」

2026  1月  アメリカ


脳卒中のあと、脳はダメージを受けた場所だけが変わるのではなく、離れた場所もふくめて「脳のつながり方(ネットワーク)」が全体として変化すると考えられている。ところが、その変化が「どのネットワークで」「左右どちらで」「どれくらい起きていて」「運動まひの重さとどう関係するのか」は、まだ整理しきれていない。

そこで、MRIから推定する「脳の見かけの年齢」をネットワーク別・左右別に出し、実年齢との差(PAD)を使って、病巣(やられた部分)の影響と運動機能との関係をくわしくしらべてみたそうな。

2026年2月9日

無症候性モヤモヤ病の手術は必要か:その「推し」、比較がズルくないか

2026  1月  アメリカ


無症候性のモヤモヤ血管症は、近年はMRIなどの画像検査で偶然見つかることが増えている。

しかし、無症候性の段階でバイパス手術をするのがよいのか、様子見がよいのかははっきり決まっていない。

そこで、バイパス手術を受けた人を集め、無症候性と症候性で手術の安全性やその後の脳卒中の起こりやすさに差があるかをくわしくしらべてみたそうな。

2026年2月8日

ビタミンD不足と心房細動の関係に決着?シャケでできる最短対策

2026  1月  台湾


心房細動(AF)は、脳梗塞の原因としてとても重要である。だからこそ、AFになりやすさを上げる要因のうち、生活や栄養で動かせるものが見つかると価値が大きい。

ビタミンDが低い人ほどAFが多いという話は以前からあるが、研究によって結論が一致せず、調べ方も「ある時点での比較」が多く、どちらが先かがはっきりしなかった。

そこで、ビタミンD不足が続いている人は本当にAFが増えるのかを、大人数のデータくわしくしらべてみたそうな。

2026年2月7日

脳卒中の幹細胞治療は効くのか――最新メタ解析でわかった希望と限界

2026  1月  スイス


虚血性脳卒中では、血栓を溶かす治療や血栓回収で血管が開いても、後遺症が残る人が少なくないのが現実である。傷んだ脳の回復を直接うながす治療はまだ限られており、再生医療、とくに幹細胞治療が新しい選択肢として注目されている。

ただし、これまでの臨床試験の結果はバラつきがあり、「本当に効くのか」「安全なのか」ははっきりしていない。

そこで、質の高い比較試験(ランダム化比較試験)だけを集めて、幹細胞治療の効果と安全性をまとめて検証してみたそうな。

2026年2月6日

「無症候性」出血は“無害”ではなかった:血栓回収後の予後悪化の真相

2026  1月  ドイツ


機械的血栓回収療法(EVT)のあとには、一定の割合で脳内出血が起こることが知られている。症状が急に悪化するタイプの出血(症候性出血)は危険で予後が悪いことがはっきりしている。

一方で、症状の悪化を伴わない出血は「無症候性出血」と呼ばれ、これまでは画像上は出血しているが臨床的には大きな問題にならないことが多いと考えられてきた。
しかし最近になって、無症候性とされる出血でも、その後の回復や生存率に影響しているのではないかという疑問が出てきた。

そこで、EVT後の「無症候性出血」が本当に軽い出来事なのかを、大規模データで検証してみたそうな。

2026年2月5日

若さと側副血行が勝敗を決める──血栓回収の落とし穴

2026  1月  スイス


機械的血栓回収療法(MT)は、大きな脳動脈が詰まった脳梗塞に対する強力な治療であり、詰まった血管を直接開通させることができる方法である。近年、この治療で血管が再開通する成功率はかなり高くなっている。

しかし実際には、血管がきれいに開いても、3か月後の生活機能があまり回復しない患者が少なからず存在する。この状態は「無益再開通(futile recanalisation)」と呼ばれている。

そこで、
・なぜ再開通しても回復しない人が出るのか
・どんな条件の人が“外れパターン”になりやすいのか
を、ランダム化比較試験のデータを使ってくわしくしらべてみたそうな。

2026年2月4日

脳卒中回復、地味な薬が勝つ日:ミノサイクリンが突きつけた真実

2026  1月  中国


急性期の脳梗塞では、血栓回収や血栓を溶かす治療が目立つ一方で、「脳そのものを守る薬(神経保護薬)」は、動物実験では良さそうでも人ではうまくいかないことが多かった。

ミノサイクリンは本来は抗生物質であるが、炎症を抑えるなど複数の作用があり、脳梗塞でも役に立つかもしれないと言われてきた。

そこで、本当に効果があるのか、安全なのかを、大規模で厳密な方法で確かめるためにEMPHASIS試験が行われたそうな。

2026年2月3日

脳卒中後の車椅子選びで人生が変わる理由

2026  1月  中国


脳卒中のあとに車椅子が必要になると、生活の自由度は上がる一方で、周囲から「障害」「依存」「弱っている」といったラベルで見られやすくなる。これは単なる「視線」の問題ではなく、社会の中でそう分類される過程(ラベリング→固定観念→距離を置かれる等)と、それを本人が取り込んでしまう自己スティグマ(罪悪感、恥、ためらい)まで含む現象である。

こうしたスティグマの流れの中で、車椅子が「移動の道具」であると同時に「ラベルの印」として働いてしまう点に注目し、車椅子のデザイン(見た目、使いやすさ、操作のしやすさ等)が、周囲の受け取り方(社会的スティグマ)と本人の受け止め方(自己スティグマ)、さらに外出やリハ継続といった行動にどう影響するかをくわしくしらべてみたそうな。

2026年2月2日

その点鼻薬、本当に安全?――花粉症の市販薬と脳卒中の意外な接点

2026  1月  マレーシア


花粉症や鼻炎のときに使う点鼻薬や飲み薬の鼻づまり改善薬は、「鼻だけに効く安全な薬」というイメージが強い。

しかし実際には、これらの薬は血管を収縮させる作用を持ち、理論上は全身の血管、特に脳や心臓の血管にも影響する可能性がある。これまでにも、こうした薬の使用後に脳卒中や心筋梗塞を起こしたという報告は散発的に存在していたが、まとまって整理されることは少なかった。

そこで、交感神経刺激性の鼻づまり薬と、心臓や脳の重いトラブルとの関係を、これまでの臨床報告を集めて見直してみたそうな。

2026年2月1日

クリップもコイルも“効いたように見える”だけ? くも膜下出血の治療成績を支配するもの

2025  12月  ブラジル


くも膜下出血は発症数こそ多くないが、命にかかわりやすく、助かっても重い後遺症が残ることの多い脳卒中である。

しかし、実際の医療現場で「どんな人が、どれくらい重い状態で運ばれてきて、どんな経過をたどるのか」は意外と知られていない。

そこで、ブラジルの高度救命病院に集まった患者の実態をくわしくしらべてみたそうな。

2026年1月31日

日本の田舎は脳卒中で死に、都会は別の病気で死ぬ? ―― 受診閾値と死因“分散”の現実

2026  1月  日本


日本では「田舎は医療が弱い」「都会は医療が充実している」とよく言われるが、実際に脳卒中の死亡率が“田舎か都会か”でどれほど違うのかを、全国規模で同じ物差しを使って調べた研究は多くなかった。

そこで、日本版の田舎度指数(Rurality Index for Japan: RIJ)を用いて、地域の田舎度と脳卒中による死亡との関係をくわしくしらべてみたそうな。

2026年1月30日

脳卒中動画は信用できるのか――SNSに現れる“顔出し医師”の危険なサイン

2026  1月  中国


脳卒中は今でも多くの人がかかり、命や後遺症に大きな影響を与える病気である。そのため、正しい知識を多くの人にわかりやすく伝えることがとても重要である。

近年は、YouTube や TikTok、Bilibili などの動画サイトから医療情報を得る人が急増している。しかし、そこにある脳卒中の動画がどれくらい正確なのか、また、どんな動画が人の関心を集めやすいのかについては、きちんと調べられていなかった。

そこで、これらの動画サイトにある脳卒中関連動画を調べ、その質と「どんな動画がよく見られ、反応されるのか」をくわしくしらべてみたそうな。

2026年1月29日

太陽フレアが脳卒中を呼ぶ?――磁気嵐と救急発症リスクの知られざる関係

2025  12月  アメリカ


脳卒中は依然として主要な死亡・要介護原因であり、高血圧、糖尿病、心房細動などの既知の危険因子だけでは説明できない「発症のタイミングの揺らぎ」が存在する。

近年、大気汚染や気温変動など環境要因が脳卒中発症の引き金になり得ることが示されてきたが、太陽活動に由来する地磁気変動(磁気嵐、宇宙線変動など)という“宇宙環境”が循環器・脳血管イベントに影響する可能性は十分に整理されていなかった。

そこで、地磁気活動と心筋梗塞・脳卒中など心血管イベントとの関連を網羅的に整理し、そのエビデンスの全体像を俯瞰してみたそうな。

2026年1月28日

サラサラ薬3剤でも止められない再発――“フレイル脳”という現実

2026  1月  イギリス


軽い脳梗塞や一過性脳虚血発作(TIA)で病院に来る人の約3人に1人は、発症する前からすでに抗血小板薬を飲んでいる。しかし、「薬を飲んでいたのに脳梗塞を起こした人」を、その後どう治療するのが一番よいのかについては、はっきりしたデータが少ない。

TARDIS試験では、発症直後の30日間だけ、抗血小板薬を3種類同時に使う強力な治療が、通常の治療(1~2種類)よりも再発や後遺症を減らせるかを調べたものである。

その追加解析として、「もともと抗血小板薬を飲んでいた人は、どんな特徴を持ち、どんな経過をたどるのか」「3剤併用は本当にその人たちを守れるのか」
をくわしくしらべてみたそうな。

2026年1月27日

見えない動脈瘤が勝手に治る? 中脳周囲くも膜下出血が教える“治療しない勇気”

2026  1月  アメリカ


中脳周囲型くも膜下出血(perimesencephalic SAH:pmSAH)は、出血が脳幹周囲に限局し、再出血や血管攣縮が少なく、予後が良好であることから、長年「原因不明だが静脈性出血だろう」と考えられてきた。

しかし実際には明確な静脈破綻が証明されたことは少なく、本当の出血源は不明のままであった。

近年、超高解像度の血管撮影用コーンビームCT(CBCT)が微小血管まで描出可能となったので、この技術を用いてpmSAHの真の出血源をくわしくしらべてみたそうな。

2026年1月26日

あなたの脳は何歳に見えるか? 脳卒中が加速する形態老化の衝撃

2026  1月  ノルウェー


脳卒中後の予後を左右する最大の因子の一つは年齢である。しかし同じ暦年齢でも、回復の速さや認知機能の保たれ方には大きな個人差がある。この差は「脳そのものの老化度合い」が影響している可能性がある。

近年、MRI画像から機械学習で推定する「脳年齢」という指標が、生物学的老化の代理マーカーとして注目されているが、脳卒中後にその脳年齢が時間とともにどう変化するのか、また将来の認知機能をどこまで予測できるのかは十分に検証されていなかった。

そこで、脳卒中が脳の老化速度を加速させるのか、そして急性期の脳年齢が長期の認知予後を予測しうるのかをくわしくしらべてみたそうな。

2026年1月25日

3人に1人に起きる“無症候性”脳出血は本当に無害だったのか?

2026  1月  中国


血管内治療(EVT)は、太い血管が詰まった脳梗塞に対して高い確率で血流を再開させる治療である。しかし、血管が開いても必ずしも後遺症が軽くならない例が少なくなく、「再開通しても回復しない」ことが問題になっている。

これまで注目されてきたのは、症状が悪化する明らかな脳出血(症候性脳内出血)であった。一方、画像では出血があるが症状の悪化を伴わない「無症候性脳内出血」は、臨床的にあまり重要でないものとして扱われてきた。

しかし最近の研究では、この無症候性出血も長期予後に悪影響を与えている可能性が示唆されている。そこで、EVT後に見られる無症候性脳内出血が、本当に「問題ない所見」なのかを、大規模試験のデータを用いて検証してみたそうな。

2026年1月24日

脳卒中“かもしれない”は激増したが、本物は増えていなかった ― FAST時代の救急医療の歪み

2026  1月  ノルウェー


脳卒中は発症から治療までの時間が短いほど回復の可能性が高くなる病気である。そのため、救急指令センター(AMK)は「脳卒中かもしれない」という段階で早めに救急車を出動させる体制をとっている。

しかし、見逃しを恐れて疑いの基準を下げすぎると、本当は脳卒中でない人まで大量に救急搬送され、医療資源が無駄に使われる可能性がある。

そこで、ノルウェーにおいて脳卒中疑いの救急出動がどれだけ増えたのか、そしてそれが実際の脳卒中患者数や治療成績の改善につながっているのかをくわしくしらべてみたそうな。

2026年1月23日

たった2回の運動イメージで、麻痺した脳は“学習モード”に入る

2026  1月  カナダ


脳卒中後の上肢麻痺では、実際に動かすリハビリだけでなく、頭の中で動作を思い描く「運動イメージ(Motor Imagery, MI)」が脳の回復を促す手段として注目されている。

運動イメージは、実際の運動と同様に一次運動野や体性感覚野を活動させることが知られているが、「繰り返しイメージすることで脳活動がどのように変化するのか」はこれまで十分に検証されていなかった。特に、慣れや熟達によって脳内表現が洗練されるのか、それとも単に活動量が増えるだけなのかは不明であった。

そこで、脳卒中後の患者が同じ運動イメージを繰り返したとき、脳活動の空間的な分布がどのように変化するかをくわしくしらべてみたそうな。

2026年1月22日

脳卒中研究は誰のものか――アメリカ主導と“血栓回収バブル”の気持ち悪さ

2024  11月  中国


脳卒中は命に関わるだけでなく、後遺症も重く、世界中で大きな問題になっている病気である。

研究論文も非常に多いが、「どの国や研究機関が中心なのか」「どんなテーマが今注目されているのか」「これから何が重要になりそうなのか」を全体として整理した情報は意外と少ない。

そこで、よく引用されている重要論文をまとめて分析し、脳卒中研究の流れを一望できるようにしてみたそうな。

2026年1月21日

ガイドラインより医師のエゴと縄張り争い──くも膜下出血治療という“無法地帯”

2024  9月  ギリシャ


破裂脳動脈瘤によるくも膜下出血は、死亡率が高く、救命できても重い後遺症を残すことが多い重篤な脳卒中である。

にもかかわらず、同じ病態でも施設や主治医によって治療方針が大きく異なり、その差が予後に影響している現実がある。

そこで、患者を死に追いやっている最大要因は出血そのものや血管攣縮ではなく、「診療科の壁とエゴによる治療選択の歪み」ではないか、という点に問題意識を置き、これまでの研究をまとめてみたそうな。

2026年1月20日

軽い脳梗塞にtPAは毒?──高齢者で見えた治療が害になる証拠

2024  7月  ノルウェー


80歳を超える高齢者の脳梗塞に対して、血栓を溶かす治療(rt-PA)は有効とされてきたが、実際の診療現場では必ずしも試験通りの効果が出ていない可能性がある。

とくに症状の軽い脳梗塞では、この治療が本当に得なのかははっきりしていない。

そこで、80歳以上の患者について、発症時の重さ(NIHSS)によって血栓溶解が短期の回復にどう影響するかをくわしくしらべてみたそうな。

2026年1月19日

過少治療という名の放置:脳卒中後痙縮とボツリヌス療法が切り捨てられる理由

2026  1月  オランダ


脳卒中のあとに起こる「痙縮(きんにくのつっぱり)」は、痛みが出たり、手足が動かしにくくなったり、介助や着替えが大変になったりと、生活にかなり影響する問題である。

この痙縮に対して、ボツリヌス毒素注射(ボツリヌス療法)はガイドラインでも勧められている治療法である。ところが、実際の医療現場でどれくらいの人がこの治療を受けているのか、またどれくらい続けられているのかは、はっきり分かっていなかった。

そこで、オランダの保険データを使って、ボツリヌス療法の使われ方をくわしくしらべてみたそうな。

2026年1月18日

時間拡張血栓溶解はロシアンルーレットより危うい― 奇跡は1%、死亡増加は70%の結論

2026  1月  アメリカ


脳梗塞の血栓溶解療法は、発症から4.5時間以内であれば効果があることが確立している。一方、最近はMRIやCTなどの詳しい画像で「まだ助かりそうな脳」を選べば、発症時刻がはっきりしない場合や4.5時間を過ぎた場合でも治療できるのではないか、という期待が広がってきた。

しかし、これまでのメタ解析は「良くなったか・ならなかったか」という単純な分け方で評価しており、生活の質がどれくらい本当に良くなるのか、またその効果や危険性がどの程度の確率で起こるのかを十分に示していなかった。

そこで、患者の生活の質を反映した指標とベイズ統計を用いて、4.5時間を過ぎてからの血栓溶解療法が本当に意味のある治療なのかをあらためてくわしくしらべてみたそうな。

2026年1月17日

日本の脳卒中後ボトックス治療、半数は消えていった――「改善して終了」と書かれた数字の裏側

2026  1月  日本


脳卒中のあとに起こる「痙縮(手足がつっぱって動かしにくくなる状態)」は、患者の約2~4割にみられ、痛みや歩きにくさ、日常生活の不自由さにつながり、生活の質を大きく下げる原因となる。

この痙縮の治療として、A型ボツリヌス毒素(OnabotulinumtoxinA、いわゆるボトックス注射)は広く使われているが、効果は一時的で、数か月ごとに何度も打ち続ける必要がある。
短期間の効果や安全性については多くの報告があるが、3年以上にわたって繰り返し注射した場合に、本当に安全なのか、どれくらいの人が治療を続け、どんな理由でやめるのか、といった長期の実態はあまり詳しく調べられてこなかった。

そこで、脳卒中後痙縮に対するOnabotulinumtoxinAの長期使用における安全性と、治療を続ける人・やめる人の経過をくわしくしらべてみたそうな。

2026年1月16日

“もう動かない”とされた手が動き出す ― 重度麻痺の1割に隠れていた真の回復者たち

2026  1月  シンガポール


脳卒中後の上肢麻痺は患者の自立度と介護負担を大きく左右する重要な後遺症である。とくに「どこまで手が回復するのか」「実用的に使える手になる可能性はどの程度か」という予後の見通しは、患者本人だけでなく家族にとっても切実な関心事である。

しかし、重度麻痺例を含めた現実的な回復確率を、入院リハビリ後の機能レベルと日常生活動作(ADL)の両面から定量的に示したデータは多くない。

そこで、入院リハビリを受けた脳卒中患者において、上肢機能の回復度とADLとの関係、関連する臨床因子をくわしくしらべてみたそうな。

2026年1月15日

脳卒中後の“考えながら動く”が記憶と注意を救う ― 4週間で差が出たデュアルタスク訓練の衝撃

2025  12月  中国


脳卒中のあとには約4割の人に認知機能の低下が起こり、リハビリの進みや日常生活の自立を大きく妨げる要因となっている。

これまでの認知訓練や運動療法は効果が限定的で、磁気刺激やVRなどの新しい方法も費用や設備の問題がある。近年、運動しながら同時に考える課題を行う「デュアルタスク訓練」が注目されているが、本当に通常のリハビリや単一課題訓練より認知機能に良いのか、どれくらいの期間続ければ効果が出るのかははっきりしていなかった。

そこで、脳卒中患者におけるデュアルタスク訓練の効果を、多数の臨床試験をまとめて解析してみたそうな。

2026年1月14日

脳卒中は本当に“時間との戦い”なのか? ――医療者の“脳卒中恐怖症”の正体

2026  1月  ナイジェリア


脳卒中は世界的にみて主要な死亡原因・要介護原因であるが、実際の医療現場では「難しそう」「自信がない」「関わるのが怖い」と感じる医療者が少なくない。

このような心理的な壁は、神経内科全般に対する恐怖(neurophobia)と同様に、脳卒中領域に特化したものとして「strokophobia(脳卒中恐怖)」と呼ばれている。

そこで、このstrokophobiaが医学生や研修医だけでなく、看護師、救急隊員、一般臨床医、さらには患者家族や政策立案者にまで広く存在し、その結果として診断や治療が遅れ、予後を悪化させている可能性についてまとめてみたそうな。

2026年1月13日

なぜサラサラ薬2剤併用を続けるのか?脳梗塞の長期予後は“1剤で十分”という現実

2026  1月  サウジアラビア


脳梗塞の再発を防ぐためには、血小板の働きを抑える薬(抗血小板薬)が基本となる。軽い脳梗塞や一過性脳虚血発作(TIA)の急性期では、アスピリンとクロピドグレルの二剤併用療法(DAPT)が、単剤療法(SAPT)より早期の再発を減らすことが知られている。

しかし、その効果は発症後数週間から数か月の短期間に限られる可能性があり、半年や1年といった長期にわたって二剤を続ける意味が本当にあるのかははっきりしていない。

そこで、実際の病院診療データを用いて、脳梗塞後1年間におけるDAPTとSAPTの成績を比べ、再発や出血、死亡に差があるのかをくわしくしらべてみたそうな。

2026年1月12日

抗凝固薬は脳に効かない?低リスク心房細動で期待を裏切られたBRAIN-AF試験

2026  1月  カナダ


心房細動(AF)は脳梗塞の大きな原因であることが知られているが、脳卒中を起こしていなくても、認知機能が低下しやすいことが、これまでの観察研究で報告されてきた。

その理由として、症状の出ない小さな脳塞栓(サイレントな脳梗塞)が、少しずつ脳にダメージを与えているのではないか、という考え方がある。
もしそれが本当なら、抗凝固薬で血栓を防げば、認知機能低下も防げる可能性がある。

しかし、脳卒中リスクが低い心房細動患者に抗凝固薬を使った場合、認知機能低下を防げるかどうかは、はっきりしていなかった。
そこで、「本来は抗凝固薬を使わない低リスクAF患者に抗凝固薬を投与したら、認知機能低下や脳卒中を防げるのか」をくわしくしらべてみたそうな。

2026年1月11日

日本人心房細動患者の8割が抗凝固薬使用中―それでも起きた認知機能低下

2025  12月  日本


心房細動は脳梗塞の大きな原因のひとつであり、現在では抗凝固薬によって脳梗塞の発症はかなり防げるようになってきた。

しかし最近、脳梗塞を起こしていない心房細動患者でも、認知機能が低下しやすいことが報告されている。
その理由として、無症候性脳梗塞や微小出血など、MRIで見える脳の傷が関係しているのか、それとも別の仕組みがあるのかははっきりしていない。

そこで、心房細動患者の認知機能低下が、脳MRIで確認できる脳病変と関係しているのかどうかをくわしくしらべてみたそうな。

2026年1月10日

軽症脳梗塞に血栓溶解──テネクテプラーゼ後に致死的脳幹出血が3件発生

2026  1月  中国


脳梗塞の急性期治療では、血栓を溶かす薬が広く使われている。テネクテプラーゼもその一つで、比較的安全と考えられており、症状が軽い脳梗塞にも使われることがある。

しかし、軽症脳梗塞は自然によくなる場合も多く、本当に血栓溶解が必要なのかは意見が分かれている。著者らは、軽症にもかかわらず、テネクテプラーゼ投与直後に命に関わる脳幹出血を起こした症例を経験し、その危険性を共有するために本報告をおこなったそうな。

2026年1月9日

成功したはずの血栓回収が、なぜ回復につながらないのか

2025  12月  中国


脳底動脈閉塞(BAO)は重症になりやすい脳卒中であり、現在は血栓回収を中心とした血管内治療(EVT)が標準となっている。ただし、治療中に血管が細く残ったり、再び詰まりそうになった場合に行われる「救済的血管形成やステント留置(RAS)」が、本当に患者の回復に役立っているのかははっきりしていない。

そこで、EVTを受けたBAO患者において、RASが機能予後や安全性にどのような影響を与えるのか、さらに動脈硬化が原因の場合とそうでない場合で結果が違うのか、バルーン単独とステントを使う方法に差があるのかをくわしくしらべてみたそうな。

2026年1月8日

よくならないと分かっているのに、なぜ血管を開くのか――大梗塞に血管内治療を選ぶ理由

2025  12月  日本


近年の研究により、大きな脳梗塞(大梗塞コア)を伴う急性脳梗塞であっても、血栓回収療法(EVT/MT)が有効な場合があることが示されてきた。しかし実際の医療現場では、血管が再開通しても、日常生活が自立できるまで回復しない患者が少なくない。

このように、治療としては成功しているにもかかわらず、結果として回復につながらない状態は「futile recanalization(無益再開通)」と呼ばれている。

これまでの研究では、大梗塞コアの患者は対象から外されることが多く、このような重症例で無益再開通がどの程度起こり、どのような因子が関係しているのかは十分に分かっていなかった。そこで、大梗塞コア患者における無益再開通の頻度と、その背景因子をくわしくしらべてみたそうな。

2026年1月7日

頸動脈解離は怖すぎる? 再発率7%、再発解離で脳卒中0%という事実

2025  12月  デンマーク


頸動脈解離(cervical artery dissection:CeAD)は、若い世代でも起こる脳梗塞の重要な原因のひとつである。しかし、なぜ起こるのか、また一度起きたあとにどの程度再発するのかについては、はっきり分かっていない部分が多い。

これまで、CeADの再発はまれで、起こるとしても最初の3か月以内がほとんどだと考えられてきた。ただし最近では、症状のない再発が見逃されている可能性が指摘されている。

そこで、実際の患者集団を用いて、初回の頸動脈解離のあとにどのくらい再発が起こるのか、またそれがいつ・どのように起こるのかをくわしくしらべてみたそうな。

2026年1月6日

脳卒中経験者に朗報―認知症を防ぐ「運動」と「睡眠時間」の関係が見えてきた

2025  12月  中国


脳卒中を経験した高齢者では、その後に認知症を発症したり、寿命が短くなったりするリスクが高いことが知られている。

運動習慣や睡眠が、一般の高齢者では認知症や死亡の予防に関係することは報告されてきたが、脳卒中を経験した高齢者に限ったデータは多くない。

とくに、運動と睡眠を「別々」ではなく「組み合わせて」評価した研究はほとんどなく、運動が寿命を延ばす仕組みの中で、認知症がどの程度関係しているのかも十分に分かっていなかった。

そこで、中国の大規模調査データを用い、高齢の脳卒中経験者において、運動や日常活動、睡眠が認知症と死亡にどう関係するのかをくわしくしらべてみたそうな。

2026年1月5日

血圧は正常なのに脳卒中?──“平均血圧92”の日本人に静かな危険

2025  11月  日本


高血圧は、脳卒中や心筋梗塞などの心血管疾患を引き起こす大きな原因である。これまで血圧の評価では、主に収縮期血圧(いわゆる「上の血圧」)と拡張期血圧(「下の血圧」)が重視されてきた。

しかし血圧は、一瞬の高さだけでなく、血管にどれくらいの圧がかかり続けているかという視点も重要である。平均血圧(MAP)は、心拍1回を通じた平均的な血圧を示す指標であり、血管や臓器にかかる持続的な負担を反映すると考えられている。

ただし、MAP・収縮期血圧・拡張期血圧・脈圧のうち、どれが将来の脳卒中や心血管イベントを最もよく予測できるのかについて、日本人を対象にした長期データは多くなかった。そこで、日本人一般集団において、これらの血圧指標と将来の脳卒中・心血管イベントとの関係をくわしくしらべてみたそうな。

2026年1月4日

そのDAPT、本当に効いている? 軽症脳梗塞で見えた「42時間限界説」

2026  1月  韓国


軽症の脳梗塞や高リスクの一過性脳虚血発作(TIA)では、発症後24時間以内にデュアル抗血小板療法(DAPT)を始めることが勧められている。

しかし実際の診療では、すぐに病院を受診できないケースも少なくない。その場合、24時間を過ぎてからDAPTを始めても本当に効果があるのかは、はっきりしていなかった。

そこで、発症から治療開始までの時間によって、DAPTの効果がどのように変わるのかをくわしくしらべてみたそうな。

2026年1月3日

脳卒中医療は本当に進歩したのか?――30年のエビデンスを総点検

2025  12月  中国


ここ30年ほどの脳卒中医療がどのように発展してきたのかを振り返り、これから何を目指すのかを整理する目的で書かれた総説である。

血栓を溶かす治療、血栓を取り除く治療、再発を防ぐ薬、血圧やコレステロールの管理など、現在「標準治療」とされている方法が、どのような研究の積み重ねで確立されてきたのかをまとめている。

また、すでに効果が確認された点だけでなく、まだ答えが出ていない問題や、今後研究すべきテーマの整理もこころみたそうな。

2026年1月2日

ありふれた首マッサージが脳卒中に変わる瞬間──若年女性の椎骨動脈解離

2025  12月  中国


若い人の脳卒中は、高血圧や動脈硬化といった「いかにも」な原因が見つからないことが多い。その中で、首の血管が裂ける「椎骨動脈解離」は見逃されやすい重要な原因である。

首の痛みやめまいなど、よくある症状から始まるため、ただの体調不良として扱われてしまうことも少なくない。

こんかい、日常的な首のマッサージがきっかけとなった脳卒中の症例があったそうな。

2026年1月1日

くも膜下出血“12時間以内が良い”って本当? 早期治療神話を疑う

2025  11月  中国


破裂した脳動脈瘤によるくも膜下出血は、命に関わる重い脳卒中であり、助かっても後遺症が残りやすい病気である。治療としては、動脈瘤をクリップで止めたり、コイルで詰めたりする方法が一般的である。

しかし、「発症してからどれくらい早く治療すべきか」については、実ははっきりした答えがない。アメリカでは24時間以内、ヨーロッパでは72時間以内とされており、基準が統一されていない。

そこで、治療までの時間をより細かく分け、とくに「12時間以内の治療」が本当に意味を持つのかをくわしくしらべてみたそうな。

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