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2015年5月19日

脳卒中からの回復は 6ヶ月後ではなく2ヶ月後に決まる


Functional and Motor Outcome 5 Years After Stroke Is Equivalent to Outcome at 2 MonthsFollow-Up of the Collaborative Evaluation of Rehabilitation in Stroke Across Europe
2015  5月  ベルギー

脳卒中患者の運動機能の回復度を長期的に調べてみたそうな。


4施設に入院した238人の脳卒中患者について、入院時、2ヶ月後、6ヶ月後、5年後の運動機能を評価したところ、


次のことがわかった。

・発症時の平均年齢69、84%が脳梗塞、53%は左側麻痺だった。

・6ヶ月 - 5年 の間に、運動機能が複数の指標で明らかに低下していた。

・2ヶ月時点の運動機能と5年後のそれに有意な差はなかった。

・高齢、重症な患者ほど長期的回復度は低かった。


脳卒中患者の5年後の運動機能は、発症から2ヶ月時点のレベルにまで戻っていた。高齢、重症な患者ほどこの傾向が強かった、


というおはなし。
2ヶ月後

感想:

本人と周囲の期待がMaxになるのはちょうど6ヶ月後。気持ちも乗って最高の機能評価を記録する。
ところが実際は 2ヶ月時点を境にプラトーな回復状態が5年以上続いていた、、ってことだと思う。

自分も5年以上経つ。退院したのはちょうど2ヶ月後だった。病院でこれ以上の回復はないと考え退院させてもらった。

以降、生活への適応面で進歩は感じるけど運動機能的には退院時と同レベルと言えなくもない。

2015年5月12日

「患者の上体を起こしておくのは なにか意味あるんですか?」 医師「うーん なんとなく」


Head Position in the Early Phase of Acute Ischemic Stroke: An International Survey of Current Practice.
2015  4月  チリ

入院したての急性期脳梗塞患者のベッドでの頭の位置はどうあるべきか世界中の医師に尋ねてみたそうな。


16カ国298人の医師にeメールのアンケートを送ったところ、


次のようになった。

・42.9%の医師から回答があった。

・結果はほぼ半々で、

・「上体を起こして寝かせる」 が52.8%

・「フラットに寝かせる」 が47.2% だった。

・脳卒中患者の頭の位置についての規定が院内に無いとする医師が 53.9%いた。 

・71%の医師は急性期脳梗塞患者の頭の位置がどうあるべきか確信がなかった。


急性期脳梗塞患者の頭の位置について 多くの国で医師間の考えの一致は見られなかった。合意を得るべく 臨床試験を始めても良いのではないだろうか、


というおはなし。

上体を起こして寝る

感想:

頭の向き変えただけでひどく注意された思い出。いったいあれはなんだったのか、、

2015年5月6日

入院したての脳卒中患者は日中なにしてるの?


Hospital Differences in Motor Activity Early after Stroke. A Comparison of 11 Norwegian Stroke Units.
2015  4月  ノルウェー

脳卒中で入院してすぐの患者の活動状況を調べてみたそうな。


11施設に入院中の 18歳以上、発症14日以内の脳卒中患者393人の日中(am8-pm5)の活動状況を10分刻みで記録し、解析したところ、


次のことがわかった。

・患者は日中の44.1%の時間をベッドで過ごしていた。

・43.2%の時間はベッドの外で座り、

・8.3%の時間は活動的に過ごした。

・理学療法士と過ごす時間が多い場合や食事を共用スペースで摂る場合に身体活動が増えた。

病院ごとの差はあっても 患者は日中の多くの時間をベッドの外で過ごしていた。理学療法士との時間や食事場所の違いが活動時間の差に反映していた、


というおはなし。

日中過ごす場所
トイレ時間(緑)とセラピー時間(黄緑)が同レベルってとこがおもしろい。


感想:

リハビリ病院に移っても結局、動いてる時間ってほとんどない。軽症の脳卒中患者を長く入院させて構いすぎると 心身ともにダメ人間になると思う。

2015年3月14日

なぜ運動不足を放置し続けていたのか?脳卒中になるまで


Patients' knowledge regarding modifiable risk factors of stroke.
2015  1月  ポーランド

脳卒中になるリスク要因のうち運動不足は改善可能である。

脳卒中になったばかりの患者がこれをどの程度認識しているものか調べてみたそうな。


脳卒中で入院9日以内の患者96人に面談して、知っている脳卒中のリスク要因を挙げてもらった結果、


次のことがわかった。

・ほとんどの患者(87人)が答えたリスク要因は高血圧だった。

・運動不足を挙げた患者は7人のみだった。

・平均して女性が挙げたリスク要因はすくなかった。

・年齢と知っているリスク要因の数は関連がなかった。


脳卒中のリスク要因として、高血圧や心房細動はよく知られている一方で、運動不足を認識していた患者がほとんどいなかった、


というおはなし。
運動不足

感想:

耳が痛い。

容易に改善可能であるがゆえに無意識的に知らない振りをしているのではないかな。それ(運動不足)を認めてしまうと、脳卒中になったのは自業自得って言われかねないからね。

2015年3月5日

認知症になりやすい脳卒中の種類がわかった


Stroke Suggests Increased Risk of Dementia.
2015  3月  台湾

脳卒中のあと認知症になってしまう人がどれくらいいるのか調べてみたそうな。


台湾の健康保険データベースから脳卒中患者1万人あまりを抽出し、その後の認知症のなりやすさを脳卒中歴のない人と比較した。

5年の追跡期間の後、


次のようになった。

・脳卒中歴のある14%、脳卒中歴のない3%が認知症になった。

・脳卒中歴があるとその後5年間で認知症になるリスクが6倍になった。

・高齢者でこの傾向が顕著だった。

・特に脳出血のばあい 脳梗塞よりも認知症になりやすかった。


脳卒中を経験すると認知症になるリスクが上がる。特に高齢で脳出血のばあい注意が必要である、


というおはなし。




感想:

血管キレやすいとボケるんだな。コレステロールがっつり摂って血管強くしなきゃ。

2015年2月21日

大麻と脳卒中の関係について


Cannabis and Stroke Systematic Appraisal of Case Reports
 2015  2月  イギリス

大麻と脳卒中の関係を示す症例報告を集めてみたそうな。


・平均年齢32 脳卒中患者64人ぶんの34件の報告が見つかった。

・81%の患者が大麻を吸ったあと24時間以内に脳卒中を発症していた。

・患者の50%は たばこや飲酒といったリスク要因を同時に抱えていた。

・およそ4人に1人(22%)は 大麻を再開したあとに脳卒中を再発していた。


多くの症例が大麻と脳卒中の因果関係を示していた、


というおはなし。


感想:

アメリカにならってそのうち解禁になるだろうから覚えとかないとな。

2015年2月9日

脳卒中患者の正しい寝かせ方 ニュートラルポジションとは


Conventional versus neutral positioning in central neurological disease: a multicenter randomized controlled trial.
2015  1月  ドイツ

脳損傷で歩けない患者に適した寝かせ方を調べてみたそうな。


脳卒中141人を含む計218人の歩行不能患者について、次の2種類の寝かせ方

*従来ポジション
*ニュートラルポジション

に2時間おいた後、

他動的な関節可動域を 股関節および肩関節について調べ比較した。

患者の寝かせ方
a) 従来ポジション、 b) ニュートラルポジション


次のことがわかった。

・ニュートラルポジションの患者の股関節可動域は従来ポジションに比べ有意に広かった。

・肩関節についても同様だった。

・「快適だった」とする患者の割合は、ニュートラルポジションで81%だったのに比べ、従来ポジションでは38%だった。


歩行できない患者をニュートラルポジションに2時間おくことで股関節および肩関節の他動的可動域が改善し、快適さも高かった、


というおはなし。



感想:

ちなみに片麻痺のがわを下にしても上にしても効果はかわらないらしい。

2015年1月22日

一人暮らしの男性脳卒中経験者はなぜ長生きできないのか?


Men who live alone run a greater risk of dying prematurely after stroke
2015  1月  スウェーデン

一人暮らしが脳卒中患者に与える影響を調べてみたそうな。


70歳未満の脳梗塞患者1090人および健康な600人について調査したところ、


次のことがわかった。

・発症後12年以内に亡くなってしまう者の割合は、一人暮らしで 36%、同居人ありで 17%だった。

・これを男性に限定するとこのギャップはさらに広がり、44% vs. 14%になった。

・この要因として 運動不足、飲酒などとの関連が確認できた。

・また、脳卒中経験者の12年内の(再発)脳卒中リスクは健常人に比べると10倍であり、

・記憶、注意力の低下が多くの者に見られた。


脳卒中後 一人暮らしの患者は早死する可能性が高い。生活習慣指導が必要かもしれない


というおはなし。
ひとり

感想:

一人暮らし問題に関する過去記事↓
一人暮らしは脳卒中になりやすく回復しないは本当か?

一人暮らしで脳卒中になるとヤバイの?

高齢になると一人暮らしよりも夫婦世帯のほうが病院に行くのが遅れる

2014年12月27日

ペットが相棒の高齢脳卒中経験者にインタビューした


Living with companion animals after stroke: experiences of older people in community and primary care nursing.
2014  12月  スウェーデン

高齢者はよくペットを飼っていて、特に病気を患っているひとにとってはその存在意義は大きい。

そこで高齢の脳卒中経験者にとってのペットを飼う意味を身体、心理、社会的側面から調べてみたそうな。


62-88歳で発症後2年以上経つ脳卒中経験者17人(女10、男7)について個別に面談調査した結果、


次のことがわかった。

・「ペットによる有意義な人生への貢献」が共通のテーマとして見えてきた。

・これは次の4つの理由に分類できた。
*リハビリのやる気のもと、
*自分を慕ってくれる誰かがいる、
*家族の一員として、
*安心と安全のもと、、。


脳卒中経験者にとってペットは病気からの回復と有意義な人生のために大切な存在である、


というおはなし。


感想:

高齢だと飼い主が先に逝く→保健所で処分ってことになる。

そのうち高性能AI搭載のペッパー君が活躍するようになると思う。20万円だし。

2014年12月21日

一人暮らしは脳卒中になりやすく回復しないは本当か?


Prestroke Living Situation and Depression Contribute to Initial Stroke Severity and Stroke Recovery.
2014  12月  アメリカ

社会的な孤立は脳卒中の発症と予後の悪化に関連があるとされている。

脳卒中センターの医療記録を使ってそこのところを検証してみたそうな。


社会的孤立度の目安として患者を次の4つに分類した。

*配偶者と生活
*家族と生活
*一人暮らし+訪問サービス
*一人暮らし

入院時の重症度とその後の機能回復程度との関連を解析したところ、


次のようになった。
・一人暮らしの患者ほど入院時の神経症状が重くなく、機能回復も良好だった。

・一人暮らし患者は発症前の自立能力が高かった。

・ちなみに発症前のウツは女性に多く、ウツありの患者は予後が悪かった。


社会的孤立度に関する情報の取得はなかなか難しい、、


というおはなし。

一人暮らし

感想:

一人暮らしだからといって社会的に孤立しているわけではないってことなんだろね。

独居老人問題もサバイバル能力を鍛えていると考えれば悪くない話かもしれない。

2014年12月19日

片足立ち20秒未満 →小さな脳梗塞や脳出血の可能性高!


Association of Postural Instability With Asymptomatic Cerebrovascular Damage and Cognitive Decline
2014  12月  日本

脳卒中のもとになる無症候性のラクナ梗塞や微小脳出血と高齢者の姿勢安定性との関連を調べてみたそうな。


平均年齢67、健康な1387人について片足立ち可能時間を計測した。同時にMRIも撮影。さらに認知機能の検査を行い関連を解析した。


次のようになった。

・片足立ち時間が短い人ほど、特に20秒未満であるほど、脳微小血管障害箇所が多かった。

・ラクナ梗塞や微小脳出血が2箇所より多くある人の 3人に1人は片足立ち時間20秒未満だった。

・片足立ち時間が短い人には脳微小血管障害箇所の数に関わらず、認知機能の低下も見られた。


姿勢の不安定さは健康な人であっても脳の早期病変との関連があることがわかった、


というおはなし。
図:片足時間と脳卒中

感想:

さっそく親を片足立ちさせてみるわ、、、

2014年11月30日

むずむず脚症候群と脳幹の脳卒中との関連


Brainstem Stroke-Related Restless Legs Syndrome: Frequency and Anatomical Considerations.
2014  11月  フランス

脳幹脳卒中患者に「むずむず脚症候群」がどのくらいいるのか調べてみたそうな。


脳幹脳卒中で入院した30人の患者についてむずむず脚症候群の発生をフォローし、梗塞の位置や症状との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・3人(10%)がむずむず脚症候群だった。

・そのうち2人は以前から症状があり脳卒中をきっかけに症状がより強くなった。

・もう1人は脳卒中であらたにむずむず脚症候群になった。

・感覚症状のある患者はむずむず脚症候群になるリスクが高かった。


脳幹脳卒中で特に感覚症状のある患者はむずむず脚症候群になりやすい、


というおはなし。

むずむず脚症候群

感想:

まえの記事を思い出した。
むずむず脚症候群と脳卒中との関連は…

むずむず脚症候群は脳卒中の予兆かな

2014年11月15日

あるはずのない腕がもう一本現れたとき 実は驚かなかったんだ、、


Stroke with supernumerary phantom limb: case study, review of literature and pathogenesis.
2014  10月  インド

脳卒中患者の余剰幻肢(手足が増える)の仕組みを、ある女性の事例で考えてみたそうな。


・脳内出血で左側麻痺の59歳女性が、7ヶ月間にわたり左肩から複数の腕が生えていると訴えていた。

・神経心理検査の結果、左側空間無視と余剰幻肢の症状が確認され、

・両側前頭葉、頭頂側頭葉、大脳基底核の関係が考えられた。

・MRI上では右被殻の元血腫位置の横に空洞があり、右前頭頂葉の白質に変性が見られた。

余剰幻肢は身体図式の更新失敗が原因かもしれない。

身体図式は感覚的な位置情報を常に調整しているが、脳の運動に関わる部位に障害を受けると身体知覚が影響を受ける。その結果、腕を動かそうとした際にあるべき位置に腕がないことになる。知覚と運動情報に不一致が起き、同期がとれなくなくなるのである。

この不一致を吸収するために身体知覚が変化して余剰幻肢が出現すると考えられる、


というおはなし。


感想:

余剰幻肢を急性期に何度か経験したことがある。スタンド使いになったかと思ったよ。
脳卒中患者がみる幻肢の特徴とは


2014年11月6日

カイロプラクティックに行って脳梗塞で死んでしまった若者にまつわるストーリー


30-year-old dies after visit to the chiropractor
2014  11月  アメリカ

カイロプラクティックに行った直後に死んでしまった若者に関連したニュース。


あらすじ

・ジェレミー君(30歳)はカイロプラクティックに行き具合が悪くなりそのまま亡くなった。

・検死の結果、頚椎操作による脳梗塞が原因とされた。

・医師 曰く『カイロプラクティックは頚椎の動脈を傷つけ死に至らしめる危険性がある上に その治療行為には科学的根拠が何もない』

・一方でカイロプラクティックに50年も通っている熱烈なファンもいる。

・カイロプラクティック協会の会長曰く『カナダの研究ではカイロプラクティックと脳卒中との因果関係は確認されていません。ジェレミー君に"たまたま起きた事故" はほんとうに残念でした。』


というおはなし。



感想:

この記事思い出した。
カイロや整体院で首をボキボキッってやるやつ あれ脳卒中のもとかもよ

2014年10月28日

朝起きて気がつく脳卒中と いつ起きたのかわからない脳卒中がある


Differences in wake-up and unknown onset stroke examined in a stroke registry.
2014  10月  イギリス

脳卒中は発症時刻別につぎの3種類に分けられる。

WUS:睡眠中に発症して起床時に気がつく
AOS:活動中に発症する
UOS:いつ発症したのか不明

これらの患者の特徴について調べてみたそうな。


1999-2011の脳卒中患者3890人の医療データを調べたところ、


次のことがわかった。

・21%がWUS、65%がAOS、14%がUOSだった。

・UOS(発症時刻不明)患者は著しく高齢で、女性または一人暮らしが多かった。

・この12年間にUOSの比率が10→16%に増加した。

・UOSは重症患者が多かった。

・WUSはAOSに比べ脳内出血は少なくラクナ脳卒中は多かった。

・UOSは左脳損傷が多く、ラクナ脳卒中は少なかった。

・WUSに快復した患者は少なかった。

・UOSの院内死亡率はとても高く、機能回復度は低かった。


WUSは脳内出血が少なかったが、重症度や回復度でAOSと大きな差はなかった。UOSは増加傾向にあり重症患者が多く予後も悪かった、


というおはなし。



感想:

UOSには孤独死一歩手前の老人 または緩やかに発症して自覚がないだけのケースの2通りがあるはずだけど前者が多いのかな。

思い返すと自分の場合、早朝から調子がおかしかった 。でも明らかに症状を認識したのは午後になってから。こういう場合どこに分類されるのだろう。

2014年10月2日

男性ホルモンが多いと脳卒中になりにくいのか


In older men, higher plasma testosterone or dihydrotestosterone are independent predictors for reduced incidence of stroke but not myocardial infarction.
2014  9月  オーストラリア

高齢男性には男性ホルモンであるテストステロンが少ない。

そこで、テストステロンとその代謝物質であるジヒドロテストステロンおよびエストラジオールの血中レベルが、脳卒中などの心血管疾患にどう影響するか調べてみたそうな。


70-89歳の男性3690人について、血液サンプルを採取した。

その後7年ほど追跡し、脳卒中や心筋梗塞の発症を調べ関連を解析した。


次のことがわかった。

・この間に300人が脳卒中に、344人が心筋梗塞になった。

・テストステロンおよびジヒドロテストステロン、エストラジオールと心筋梗塞は関連がなかった。

・テストステロン、ジヒドロテストステロンが多いと脳卒中の発生が少なかった。

・エストラジオールは脳卒中と関連がなかった。


男性ホルモンであるテストステロンやジヒドロテストステロンが多いと脳卒中になりにくい、


というおはなし。

テストステロン


感想:

じぶんテストステロン少ないと思う。ヒゲもまゆげも薄いし筋肉もつかない、、

ちなみにテストステロン多いと脳卒中からの回復も良いらしい。
Effects of Testosterone Levels on Functional Recovery with Rehabilitation in Stroke Patients.

2014年9月20日

利き手が麻痺になるとやっぱりQOLも低いの?


Effect of dominant hand paralysis on quality of life in patients with subacute stroke.
2014  8月  韓国

利き手が麻痺になった脳卒中患者の生活の質QOLを調べてみたそうな。


亜急性期の脳卒中片麻痺患者を次の2グループに分けた。

*利き手麻痺
*非利き手麻痺

両グループに健康関連QOLアンケートおよび自立度、ウツ度の調査を行い比較した。


次のようになった。

・両グループ間で健康関連QOLに有意な差は見られなかった。

・同様に自立度、ウツ度もあまり差はなかった。


亜急性期に利き手が麻痺している脳卒中患者は、非利き手が麻痺の患者に比べてQOLにさほど違いはなかった、

というおはなし。

利き手と非利き手

感想:

なるほど利き手でないとダメなシーンって 箸、包丁、尻拭き...あまり思いつかない。

2014年9月17日

脳卒中のあとの座りがちな行動はいつまで続くのか


Sedentary behaviour in the first year after stroke: a longitudinal cohort study with objective measures.
2014  9月  イギリス

脳卒中を経験するとどのくらい運動しなくなるものなのか1年間調べてみたそうな。


平均年齢72の急性期脳卒中患者96人を1年間追跡調査した結果、


次のことがわかった。

・脳卒中経験者は(まったく運動をせずに横になるか)座りがちな行動を取りがちだった。

・1日24時間のうち81%が座りがちな行動だった。

・身体機能にかかわらず、座りがちな行動パターンは脳卒中のあと1年間 変わらなかった。


脳卒中経験者は座りがちな行動パターンを示し、少なくとも1年間はそのままだった。このあたりを改善することがリハビリにつながるのではないか、


というおはなし。



感想:

脳卒中になる前の方が座っている時間が長かったかもしれない。

2014年8月24日

一人暮らしで脳卒中になるとヤバイの?


Impact of Living Alone on the Care and Outcomes of Patients With Acute Stroke.
2014  8月  アメリカ

一人暮らしをしていると脳卒中になった時に対応の遅れが生じやすいのではないか、、、

そこのところを調べてみたそうな。


2003-2008に自宅で生活していて脳卒中になった1万人あまりについて調査したところ、


次のことがわかった。

・22.8%が一人暮らしをしていた。

一人暮らし vs 同居人あり の順で各項目を比較すると、

・平均年齢  74.6 vs 71.5

・女性の割合  61.5% vs 41.4%

・未亡人の割合  53.7% vs 12.3%

・独身の割合  21.5% vs 3.8%

・2.5時間内に病院に着いた  28.3% vs 40.0%

・血栓溶解治療を受けた  8.0% vs 14.0%

・退院後自宅に  46.0% vs 54.7%

・一人暮らしと死亡率、再入院率の関連はなかった。


一人暮らしをしていた患者は、病院に遅れ、血栓溶解治療が受けられず、退院しても自宅に戻らない者がおおかった


というおはなし。

一人暮らし

感想:

死亡、再入院の差がないのだから病院に早く着く必要もない。

だれもいないのだから自宅に戻らないのもなっとく。

一人暮らしでぜんぜん問題なし。

[一人暮らし]の関連記事

2014年8月10日

Stroke誌:カイロや整体院で首をボキボキッってやるやつ あれ脳卒中のもとかもよ


Cervical Arterial Dissections and Association With Cervical Manipulative Therapy
2014  8月  アメリカ

アメリカ心臓協会が、「カイロプラクティックや整体師による頚椎操作が脳卒中のきっかけになるかも知れない」 と言い出したそうな。


その指針によると、

・首を急に曲げたり回したりする操作が頸動脈解離を起こす可能性がある。

・もともと頚動脈解離気味の人は首に痛みを感じるためカイロプラクターを訪れる可能性が高く、なおさら危険である。

・詳しい研究の数は少なく、頚椎操作と脳卒中との因果関係は実はよくわかっていない。

・治療に携わる者は、こういった可能性を患者に事前に伝えるべきだろう、


というおはなし。

図:カイロプラティックの頚椎操作で脳卒中


これ(ボキボキッ)



感想:

柔道で首絞められて気を失うことは何度もあったけど、上のビデオみたいに相手に完全に身を委ねた状態でひねられるのは恐ろしくて絶対にやられたくない。
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磁気嵐が脳卒中を引き起こす と判明!
リハビリは動かせばイイってもんじゃぁない. 本人がやる気になるまで待て.
『足首を鍛えたいのに麻痺して動かないの』→『もう一方の足を鍛えなさい』