2019年10月8日

高齢者の脳動脈瘤治療が必要でない理由


Asymptomatic intracranial aneurysms in the elderly- long-term clinical and radiological follow up of 193 consecutive patients
2019  9月  オーストラリア

平均寿命と画像診断技術の向上により高齢者に未破裂脳動脈瘤がみつかることがおおくなった。

しかし高齢者は余命が短く手術の合併症を負いやすいことから未破裂脳動脈瘤を治療するメリットが小さいとも考えられる。

高齢の未破裂脳動脈瘤を治療するべきか否かについてはいまだ諸説あるので、実際に長期フォローをして破裂傾向をたしかめてみたそうな。



2011-2019に65歳以上の未破裂脳動脈瘤患者260人のうち、破裂リスクが低い or 手術困難部位 or 手術に耐えられそうにない or 患者の希望、により保存措置になった193人について、
瘤の成長、くも膜下出血の発生、クリップやコイル手術の実行の有無
を 5年前後フォローしたところ、



次のようになった。
・4.2%の患者に瘤サイズの成長がみられた。

・最初のサイズの中央値は3.5mmで、7mmを超える患者も19.2%いた。

・成長率は年間0.2mmだった。

・フォロー期間中、90.7%は生存していて、6.2%はまったく関係のない理由で亡くなっていた。

・くも膜下出血になった者はおらず手術になった者もいなかった。

・ブレブ(瘤の上の小さいコブ)有り や多発性脳動脈瘤のばあいに瘤の成長がみられた。

高齢者の未破裂脳動脈瘤のうち3/4に相当する保存措置の患者については厳密にフォローする必要はないと考えられた。ブレブや複数動脈瘤があるばあいには注意が必要かも、



というおはなし。

図:未破裂脳動脈瘤の成長因子


感想:

つまり未破裂脳動脈瘤のほとんどは無害ってこと。

「破裂したら死亡率40%だー!」と煽るひともいるけど、じつはくも膜下出血は言われているよりも10倍以上頻繁におきている↓。
Incidence and prognosis of subarachnoid hemorrhage in a Japanese rural community
おおくは軽症で「頭痛だけ」のため みな病院に行かずがまんで乗り切っている。超重症な患者のみが病院へ担ぎ込まれるので死亡率が高く見える。なんら特別な病気ではない↓。
Stroke誌:クモ膜下出血で手術をしなかったときの死亡率

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