元
Mirror therapy for improving motor function after stroke
2018 7月 ドイツ
脳卒中患者のミラーセラピーは 手足のあいだに立てかけた鏡に映る健常側の動きを正常動作と錯覚させることで脳を刺激して運動や感覚、疼痛、視野の改善を期待するものである。
ミラーセラピーがほんとうに運動や日常生活動作、疼痛、半側空間無視の改善になるものなのかこれまでの研究をまとめてみたそうな。
関連する研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、
次のことがわかった。
・被験者1982人を含む62(うち57はランダム化比較試験)の研究がみつかった。
・ミラーセラピーの施行条件は平均すると1回30分間x週5回x4週間 だった。
・ミラーセラピーでは上下肢の運動機能と日常生活動作が改善し、慢性期でも効果があった。
・疼痛緩和にも効果があったがおもに複合性局所疼痛症候群の場合だった。
・半側空間無視への効果は確認できなかった。
・運動機能への効果は6ヶ月持続するものもあった。
・有害事象の報告はなかった。
脳卒中患者へのミラーセラピーでは運動機能と日常生活動作の改善に中レベルのエビデンスがあった。しかし疼痛や半側空間無視緩和のエビデンスレベルは低かった、
というおはなし。
感想:
ミラーセラピーは問題を直接解決しようとするものではなくて、治ったと勘違いさせることが発想のベースになっている。
例えると「プラシーボ効果」にも似ているんだけど、最初っから偽の訓練であることを公言している点がちがう。
たとえ偽物であっても確信的だと 一周回って「本物」扱いされる良い例なのではないか、、と思うんだ。