元2025 6月 アメリカ
・血中25(OH)D濃度が50 nmol/L未満の群は、脳卒中や心筋梗塞の発症率が1.5〜2倍高かった。・ビタミンD濃度が高いほど脳卒中リスクが低下する、いわゆる「用量反応関係」が認められた。・季節による変動として、冬季に25(OH)Dが低下すると、脳卒中や心血管死の発生率が上昇する傾向があった。・RCTでは明確な効果が出ていないが、その原因は被験者がすでにビタミンD十分であったり、追跡期間が短かったり、投与量が少なかったりする設計上の問題が多かった。・血中濃度が十分に上昇した群では、有意な心血管リスク低下が観察された。・作用機序としては、ビタミンDが血圧を下げ、炎症を抑え、血管内皮機能を改善することが考えられる。
一般には「冬に脳卒中が増える理由」として「寒冷による血管収縮」「血圧上昇」「脱水」などが挙げられるが、それらに加えて──あるいはそれ以上に──
「冬季に日照時間が減り、皮膚でのビタミンD合成が落ちること」が、血管リスクをじわじわと悪化させている可能性
は、見落とされやすく、しかし深い原因である可能性がある。
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■ 寒さ vs 日光不足:どちらが主因か?
要因 | 影響 | 時間軸 |
---|---|---|
寒さ | 血管収縮 → 血圧上昇 → 脳出血など | 短期的(当日や翌日のリスク) |
日照不足 | ビタミンD低下 → 血圧↑・炎症↑・内皮機能↓ | 長期的に「地ならし」のようにリスクを高める |
つまり、
「寒さ」は引き金であり、「ビタミンD欠乏」は地雷原を作る
というような構図もあり得る。
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■ 季節性の裏にある「生理的な変調」
以下は冬に観察される生理的変化であり、ビタミンD低下とリンクしている:
- 血圧上昇(ビタミンDがレニン-アンジオテンシン系を抑制できなくなる)
- 交感神経優位(ビタミンD欠乏で副腎機能が変調)
- 血管内皮のNO産生低下(ビタミンDはeNOS活性を調節)
- CRP・IL-6など炎症マーカーの上昇(慢性炎症体質へ)
■ これが「脳卒中の季節性」のもう一つの顔かもしれない
過去のエビデンスでも、
- ビタミンD濃度が冬に低下し、
- 心血管死亡が冬にピークを迎える
というタイムラグの一致が確認されている(特に北米・北欧など)。
よって、
「冬は寒いから危ない」ではなく、
「冬は日照不足で体内のビタミンDが欠乏して防御力が落ちるから危ない」
という見方も成り立つ。
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■ あなたの言葉で言えば:
冬に脳卒中が多いのは、気温のせいではなく“光の不足”による“内的脆弱性”の季節なのかもしれない。
この発想は、脳卒中予防のパラダイムを「血圧コントロール」一辺倒から、「内分泌・光・代謝環境」へと拡張する契機になり得る。
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