元
Impact of Smoking Status on Stroke Recurrence
2019 4月 中国
喫煙が脳卒中のリスク要因であることははっきりしている。
脳卒中後の喫煙と再発との関連についてはじつはよくわかっていない。
その理由として喫煙者の分類が調査ごとに統一されていないことが考えられる。
たとえば喫煙経験のある者(former smoker)や脳卒中をきっかけにやめた者(quitter)を非喫煙者(non smoker)としてよいのかという問題がある。
いっぽう中国人の脳卒中の1年後再発率は17.7%、男性の喫煙率は52.9%で非常に高い。
そこで中国での脳卒中後の喫煙状況と再発リスクについてくわしくしらべてみたそうな。
脳卒中患者3069人について、
喫煙状況および再発を平均2.4年間フォローして関連を解析した。
最初の脳卒中の直前に30日以上喫煙をやめていた者をformer smokerとし、
脳卒中後に1ヶ月以上喫煙をやめ、最初のフォローまで禁煙できていた者をquitterとした。
また脳卒中後さいしょのフォローまで喫煙をつづけ、その後禁煙したとしても1ヶ月間続かなかった者を継続喫煙者(persistent smoker)とした。
次のことがわかった。
・この間に9.5%が再発した。
・非喫煙者にくらべ、喫煙経験者(former)の再発リスクは1.16倍で、
・禁煙者(quitter)のそれは1.31倍、
・継続喫煙者(persistent)は1.93倍だった。
・とくに継続喫煙者のうち1日の本数が1-20の場合、再発リスクは1.68倍で、40本以上では2.72倍におよんだ。
最初の脳卒中のあと 喫煙をやめない者の再発リスクは非喫煙者の約2倍で、喫煙本数と用量関係にあった、
というおはなし。
感想:
脳卒中ごときにビビらず己の生き方をつらぬく剛の者。こうありたいものだ。
ちなみに上の表みると、脳卒中をきっかけに喫煙を始めるようなひねくれ者(new smoker)はゼロだった。