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2018年11月2日

睡眠時間と脳卒中のまとめ


Self-Reported Sleep Duration and Quality and Cardiovascular Disease and Mortality- A Dose-Response Meta-Analysis
2018  10月  イギリス

睡眠が脳卒中など心血管疾患のリスク要因であるとする報告が数多くあがってきている。

しかしこれらの結果から適切な睡眠時間をガイドラインで勧めるまでには至っていない。

そこでこれまでの研究をまとめてみたそうな。


関係する研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のようになった。

・被験者300万人あまりをふくむ74の研究がみつかった。

・睡眠7時間にくらべ8時間を超えると総死亡リスクがあがり、

・9時間では1.14倍、10時間で1.30倍、11時間で1.47倍になった。

・7時間未満では脳卒中を含めて心血管疾患死亡リスクに時間ごとでおおきな差はなかった。

・主観的な睡眠の質が良くないと、冠動脈疾患のリスクのみが高かった。

睡眠時間が7-8時間の範囲からはずれるほどに心血管疾患や死亡のリスクが高かった。睡眠時間は短いよりも長いほうが状況は深刻だった、


というおはなし。

図:睡眠時間と総死亡リスク


感想:

これは因果関係をしめすものではない。

睡眠が長いのはべつの病気か、無職で貧困な鬱の引きこもり状態を反映してのこと、と考えることもできる。

だから睡眠時間を調節してもかならずしも問題の解決にはならない。

2018年10月5日

睡眠時間と脳卒中リスク 人種と性別での違い


Sleep duration and risk of incident stroke by age, sex, and race
2018  10月  アメリカ

睡眠は脳卒中と関連すると考えられ、睡眠時間は短くても長くても脳卒中リスクが高くなるとするメタアナリシスもある。

これらの関連は性別や人種によっても異なるという報告がいくつかあるので、大規模調査REGARDSスタディのデータをつかってたしかめてみたそうな。


脳卒中歴や睡眠障害のない45歳以上の白人と黒人16733人について調査したところ、


次のことがわかった。

・全体の10.4%は睡眠時間が6時間未満で、6.8%は9時間以上だった。

・6.1年間のフォロー期間中に480件の脳卒中があった。

・睡眠時間と人種および性別と脳卒中リスクにあきらかな関連がみられた。

・特に黒人男性で、睡眠6時間未満は7-8.9時間にくらべ脳卒中リスクが80%低かった。

・いっぽう白人男性は9時間以上の睡眠で脳卒中リスクがほぼ倍になった。

・女性に関してはこれほどの差は生じなかった。

睡眠時間と脳卒中リスクは人種や性別によりおおきく異なり、短時間睡眠の黒人男性は脳卒中リスクが低く、長時間睡眠の白人男性は脳卒中リスクが高かった、


というおはなし。
図:睡眠時間と脳卒中リスクと人種

感想:

睡眠時間は自己申告なので、貧乏暇なしで身体をよくうごかす黒人が細切れになった睡眠時間の一部だけを上げているためではないか、、って言ってる。

2018年8月29日

軽度なのに認知障害→睡眠が短かった


Cognitive impairment and sleep disturbances after minor ischemic stroke
2018  8月  中国

脳卒中患者の25-81%は たとえ軽症であったとしても認知障害を示すという。

また睡眠時無呼吸症は脳卒中の発生要因の1つと考えられているが、脳卒中後の認知障害との関連についてはほとんど知られていない。

そこで、軽症脳卒中患者の認知障害および睡眠パラメータとの関連をくわしくしらべてみたそうな。


軽症(NIHSS 5以下)の脳梗塞から14日後の患者84人と健常者36人について、

複数の認知機能検査と睡眠ポリグラフ検査を行い関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・脳卒中患者の81.4%に認知障害、74.4%に睡眠時無呼吸症がみられた。

・脳卒中患者はとくに注意力、作業記憶、実行機能が劣っていた。

・睡眠時無呼吸症は 50.0 vs. 80.0% で認知障害のある患者におおかった。

・またトータルの睡眠時間は 435 vs. 347分 で認知障害患者が短かった。

・教育期間、睡眠時間、血中酸素飽和度の最低値 が認知障害のリスク要因だった。
軽症脳卒中患者の認知障害は珍しくなかった。おもに注意力、作業記憶、実行機能が低下した。そのリスク要因として短い睡眠時間と低酸素症の可能性が示された、


というおはなし。
図:軽症脳卒中の認知障害

感想:

今朝「理研が遺伝子操作でレム睡眠のないネズミを作ったら記憶力が悪かった」というニュースがあったので関心をもった。

2018年6月2日

慢性期脳卒中での日中の眠気の正体 Sci Rep.


Post-stroke insomnia in community-dwelling patients with chronic motor stroke: Physiological evidence and implications for stroke care
2018  5月  ドイツ

脳卒中患者の睡眠呼吸障害についての報告はおおい。しかし慢性期の脳卒中経験者について1日をとおした睡眠の質を測定した研究はとてもすくない。

そこで夜間の睡眠ポリグラフィー検査と日中の眠気をしらべる睡眠潜時反復検査(Multiple Sleep Latency Test)でくわしくしらべてみたそうな。


発症から1年以上経つ脳卒中経験者22人と年齢性別などが一致する一般の22人について調査したところ、


次のことがわかった。

・脳卒中経験者は夜 眠りにつくまでの時間が長く、ベッドの中で眠っている時間の比率(睡眠効率)も低かった。

・日中は脳卒中経験者のほうが覚醒効率は高く、夜間の睡眠不足を取り戻そうとする傾向はみられなかったが、

・代わりに日中の注意力スコアがあきらかに低かった。

慢性期の脳卒中経験者は睡眠効率がひくく不眠傾向がみられた。日中の覚醒効率は高いいっぽう注意力は低かった、


というおはなし。
図:脳卒中患者の日中の覚醒効率

感想:

日中ウトウトとしているのではなく、ボーッとしているってこと。

2018年5月23日

脳内出血の睡眠呼吸障害


Intracerebral hemorrhage and sleep-disordered breathing
2018  5月  アメリカ

脳卒中のあと 睡眠中に高頻度に低呼吸や無呼吸になる「睡眠呼吸障害」はめずらしくない。しかし脳内出血と睡眠呼吸障害との関連についての質の高い研究はほとんどないのでしらべてみたそうな。


平均年齢68、脳内出血のメキシコ系アメリカ人と白人の患者298人について、
発症後の呼吸イベント指数測定と、
発症前についての睡眠アンケートから

睡眠呼吸障害の有病率を推定したところ、


次のようになった。

・脳内出血から11日前後での睡眠呼吸障害は46.8%にみられた。この率は人種で差はなかった。

・脳内出血まえは36.6%が睡眠呼吸障害の高リスク群と考えられた。この率も人種で差はなかった。

脳内出血のあとおよそ半数の患者で睡眠呼吸障害が確認できた。また脳内出血まえは3分1が睡眠呼吸障害の高リスク群と推定された、


というおはなし。
図:脳内出血と睡眠呼吸障害

感想:

いびき録音アプリがあと10年早く普及していたら、ことの重大さに気づけていたかもしれない。

[睡眠 呼吸]の関連記事

2018年4月16日

周期性四肢運動は脳卒中患者におおいのか?


Periodic limb movements during sleep in stroke/TIA: Prevalence, course, and cardiovascular burden.
2018  4月  スイス

睡眠中に手や脚が何秒かおきにビクビクとうごく周期性四肢運動(PLMS)は、健康な成人でも28%が1時間に15回以上うごくという。

これまでPLMSが脳卒中患者でおおいという報告があるので、確かめるべく詳しくしらべてみたそうな。


脳梗塞またはTIAの患者の急性期と3ヶ月後に睡眠ポリグラフ検査および24時間の血圧モニターをおこない、PLMSの有無との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・255人の患者にたいし 急性期に169人分、3ヶ月後に191人分のポリグラフ検査を行い、162人の健常者と比較した。

・脳梗塞患者のPLMSの1時間あたりの回数は健常者とほとんどおなじだった。

・脳梗塞患者のPLMS指数は急性期と慢性期で変わらなかった。

・PLMSの関連要因は年齢、BMI、高血圧歴だった。

・PLMSの有無で血圧変動と脳血管損傷の程度に差はなかった。

周期性四肢運動の頻度は脳卒中患者と一般人で差がなかった。しかし高血圧との関連はつよく、降圧薬治療をうけていた患者に周期性四肢運動がおおい傾向がみられた、


というおはなし。
図:周期性四肢運動と降圧薬

感想:

ビクビクうごいても病気の症状ってわけじゃぁ ないんだな。

[周期性四肢運動 OR むずむず脚症候群]の関連記事

2017年6月15日

睡眠が8時間を超えると脳卒中経験者の生活動作が、、


Longer Sleep Linked to Poorer Daily Function After Stroke
2017  6月  アメリカ  

手段的日常生活動作能力(IADL)は、たとえば買い物や料理、お金の管理といった活動に要する能力を指し 認知機能的側面がつよい。

脳卒中経験者の睡眠時間とIADLとの関連をしらべてみたそうな。

先週の米国睡眠学会での発表。


平均年齢46の健診記録110万人ぶんの記録をつかって解析したところ、


次のことがわかった。

・脳卒中経験あり と申告した者の30%はIADLに問題を抱えていた。

・IADLに問題ありと答えた者の34%は睡眠時間が6時間以下だった。

・脳卒中経験者のうち 睡眠時間が8時間よりも長い者はIADLに問題を抱える率が1.97倍だった。

・脳卒中経験がない者でも睡眠時間が長いとIADLに問題をもつ傾向があった。

・どういうメカニズムかは不明。

脳卒中経験があって睡眠時間が長い者は手段的日常生活動作能力に問題がある可能性が高い、


というおはなし。
図:睡眠時間

感想:

好きなだけ眠らせてくれよ。
睡眠が6時間を切ると脳卒中経験者は死ぬ:米国睡眠学会

2017年6月7日

睡眠が6時間を切ると脳卒中経験者は死ぬ:米国睡眠学会


Short Sleep Linked to Death in Patients With Heart Disease, Stroke
2017  6月  アメリカ

睡眠時無呼吸症でなくても脳卒中など心血管疾患を経験した患者は不眠をうったえることがすくなくない。

睡眠時間調査は自己申告が多いが、こんかいポリグラフを使って客観的に睡眠時間を測定して脳卒中経験と死亡率との関連を調べてみたそうな。

今週の米国睡眠学会での発表。


1741人の男女を研究室によんで睡眠時間を測定した。

彼らの脳卒中経験の有無もしらべおよそ16年間の死亡率との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

脳卒中経験があるばあい 睡眠時間が6時間を下回ると死亡リスクは2.4倍だった、


というおはなし。

図:短時間睡眠と脳血管障害リスク


感想:

そういえば数日前、「睡眠不足が続くとミクログリアが脳を食い始める」って記事が話題になってたは。

2017年4月10日

夢を見て暴れるひとの脳卒中のなりやすさ


Probable REM sleep behavior disorder and risk of stroke
2017  4月  アメリカ

レム睡眠行動異常症(RBD)は睡眠中の夢のなかでの行動がそのまま手足の動きや寝言となってあらわれ、かたわらで寝ている相手を傷つけることさえある。
RBDとパーキンソン病、レビー小体認知症、多系統萎縮症とは関連があるとされている。

そこで 脳卒中との関連についてしらべてみたそうな。


平均年齢54、12000人の健常者にアンケートをとりRBDが疑われる者を割り出し、その後の脳卒中の有無を3年ほどフォローした結果、


次のようになった。

・この間に159件の脳卒中がおきた。

・RBDがあると脳卒中リスクは2.57倍になった。

・種類別では脳梗塞リスクが1.93倍、脳出血リスクでは6.61倍だった。

レム睡眠行動異常症があると脳卒中リスクが高かった、


というおはなし。
図:レム睡眠行動異常症の脳卒中リスク

感想:

夢の内容をよく覚えていることもRBDの特徴だという。

夢日記をつけはじめて3年以上たった。
夜中、夢を見たらすぐに書き記し 翌朝に読み返してその内容を思い出す。

世界がひろがったよ。

2017年3月8日

眠っている間にリハビリがすすむオフライン運動学習とは


Executive Function Is Associated With Off-Line Motor Learning in People With Chronic Stroke.
2017  3月  アメリカ

リハビリ訓練と訓練の合間に技能学習が進むことを "オフライン運動学習"といい、とくに睡眠でそのプロセスが促されることがわかっている。

どんな人でこの効果がでやすいのか実験してみたそうな。


慢性期脳卒中患者17人と健常者9人について、連続追跡課題を与え ポリグラフを着けてひと晩眠ったあとに再びその課題を行いオフライン運動学習効果を測定した。

さらに遂行機能を測る複数のテストをおこなった。


次のようになった。

・脳卒中グループで 遂行機能テスト(Trail-Making Test)スコアとオフライン運動学習効果との明らかな正の相関が見られた。

・健常者にはこの関連は見られなかった。

・注意力(attention)と状況変化への柔軟さ(set-shifting)についてのTrail-Making Testの結果をみるとオフライン運動学習効果が予測できた。

慢性期の脳卒中で遂行機能がすぐれている患者ほど オフライン運動学習の高い効果が期待できた、


というおはなし。

図:オフライン運動学習と遂行機能

感想:

眠っている間にリハビリがはかどる。なんて素敵なはなしだろうか。

5年前のこれ↓のつづきだね。
リハビリの合間のお昼寝は大切 → 訓練がはかどるゾ

2017年2月9日

若い脳卒中患者の不眠状況を1年間フォローした


The Course and Impact of Poststroke Insomnia in Stroke Survivors Aged 18 to 65 Years: Results from the Psychosocial Outcomes In StrokE (POISE) Study.
2017  2月  オーストラリア

脳卒中のあとの不眠症は患者の12-37%に起き、うつや自殺 復職に影響すると考えられている。

不眠症が時間的にどう推移するかの研究はおおくない。そこで労働年齢に限定してしらべてみたそうな。


65歳未満の脳卒中患者441人について、発症後28日、6ヶ月、12ヶ月の不眠、うつ、不安、復職状況を調査したところ、


次のようになった。

・いずれの時点でも不眠症は30-37%の患者に見られ、女性におおかった。

・16%は1年をとおして慢性的な不眠症だった。

・このグループはうつ、不安、なんらかの障害や復職できない者がおおかった。

若年脳卒中患者の慢性的な不眠は 1年後の障害 復職状況に影響した。不眠対策が機能回復の助けになるかもしれない、


というおはなし。

図:不眠症と復職 脳卒中のあと

感想:

睡眠だけは困ったことがないので不眠には共感ができない。

2016年12月11日

起床時脳卒中と日中の過度な眠気は関係あるのか


Wake-up stroke: Clinical characteristics, sedentary lifestyle, and daytime sleepiness.
2016  10月  ブラジル

睡眠からさめたときに異常に気づく脳卒中(起床時脳卒中)では その発症時刻を正確に知ることができないため血栓溶解治療の適応にならない。

睡眠障害が脳卒中リスク要因であることから、日中の過度な眠気と起床時脳卒中との関連を調べてみたそうな。


32-80歳の脳梗塞患者70人について調査したところ、


次のことがわかった。

・24.3%が起床時脳卒中だった。

・起床時脳卒中には糖尿病、座りっぱなしの生活習慣の患者が多かった。

・日中の過度な眠気は全体の20%にみられた。

・起床時脳卒中グループとそうでないグループとで脳卒中の重症度や日中の過度な眠気に差はなかった。

・日中の過度な眠気の患者には若年者と座りっぱなしの生活習慣の患者が多かった。

起床時脳卒中は脳卒中患者の25%にみられた。起床時脳卒中には糖尿病、座りっぱなしの生活習慣の患者がおおかった。日中の過度な眠気と起床時脳卒中は関係なさそうだった、


というおはなし。
図:起床時脳卒中患者の特徴

感想:

かるい糖質制限をはじめて約1年 日中の眠気が劇的に減ったのでこれに関心をもった。

2016年6月7日

シフト勤務の男性は脳卒中やると死ぬ


Sex Differences in the Impact of Shift Work Schedules on Pathological Outcomes in an Animal Model of Ischemic Stroke.
2016  6月  アメリカ

シフト勤務や時差ボケなど概日リズムが乱された状態が続いた時に脳卒中への反応がどう変わるのか、男女によっても異なるのか 実験してみたそうな。


オスとメスのネズミを明暗リズムが正確に12時間ずつ切り替わる環境に2週間置き、次の2グループに分けた。

*5日ごとに12時間「明」状態が先へズレるシフトグループ
*明暗リズム12時間ずつの一定グループ

これを7週間続けた後、人為的に脳梗塞を起こし 影響を比較した。


次のことがわかった。

・膣スメア検査では、メスの発情サイクルがシフトグループで消失し常時発情状態にあった。

・同様にシフトグループでは、メスのエストラジオールレベルが明らかに上昇していた。

・シフトグループのオスは非常に死亡率が高かった。

・シフトグループの生き残ったメスも梗塞が拡大し感覚運動機能に障害を持った。

シフト勤務を想定した概日リズムの乱れは脳卒中予後の性別の違いを際立たせ、特にオスの生存率が低かった。メスは女性ホルモンの神経保護作用が働くと考えられた、


というおはなし。

図:シフトワークと死亡率男女差

感想:

10年以上前、昼間の活動とは別に深夜のコンビニで8時間x週3x4年ほど働いてた。よく脳卒中起こさなかったなぁ、、と今更ながらに思う。

2016年3月27日

脳卒中患者の睡眠の質について


Polysomnographic Characteristics of Sleep in Stroke: A Systematic Review and Meta-Analysis.
2016  3月  ドイツ

脳卒中患者の睡眠研究は 呼吸障害についてのものが多い。ほかの要素についてはどうなのか調べてみたそうな。


関連するこれまでの研究を厳選し データを統合再解析したところ、


次のことがわかった。

・9件の研究が該当した。

・健常者に比べ脳卒中患者では睡眠効率が低く、 75% vs 84%

・総睡眠時間も短かった。 309.4 vs 340.3 min

・就寝中の覚醒時間が長かった。 97.2 vs 53.8 min

・睡眠ステージ1の時間は長く 13% vs 10%、ステージ2は短かった。36% vs 45%

・REM睡眠時間に差はなかった。

・研究はいずれも発症後早期のもので、慢性期の研究はなかった。

脳卒中患者の睡眠の質はさまざまな点で良くなかった。今後、発症から長く時間の経った患者についても調べる必要があるだろう、


というおはなし。
図:睡眠ポリグラフ
感想:

枕元に紙とペンを置いて 夢日記をつけるようになって1年以上経つ。実生活の役には立たないけど おもしろくてやめられない。

2016年3月12日

長時間睡眠は脳内出血のもと?


Prolonged sleep increases the risk of intracerebral haemorrhage: a nationwide case-control study.
2016  3月  韓国

睡眠時間と脳内出血リスクとの関連を調べてみたそうな。


国内33ヶ所の病院の脳内出血患者490人と 同性同年齢の980人について調査したところ、


次のことがわかった。

・8時間以上睡眠をとる者の割合は 30.4% vs. 22.6%で脳内出血グループに多かった。

・睡眠時間が長いほど脳内出血リスクは高くなり、

・7時間睡眠に比べると 8時間では1.57倍、9時間以上では5倍になった。

睡眠時間が長くなるほど脳内出血リスクが高くなった、


というおはなし。

図:長時間睡眠

感想:

どうやら7時間でも長すぎる↓↓みたいなんだよね、、
脳出血で死なないための睡眠時間が判明!

2016年1月17日

夜中目が覚めてしまう高齢者を解剖して脳を調べてみた


Sleep Fragmentation, Cerebral Arteriolosclerosis, and Brain Infarct Pathology in Community-Dwelling Older People
2016  1月  アメリカ

睡眠障害と脳卒中は関連があると言われている。そこで睡眠の断片化率と血管の損傷程度を人体解剖で調べてみたそうな。


生前に少なくとも1週間以上の睡眠モニター検査を行った平均年齢90の315人について 死後解剖を行い、脳組織内の動脈硬化や梗塞数を評価し関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・被検者の61%は中等度の血管ダメージを受けていて、29%は脳卒中を経験していた。

・睡眠の断片化が著しい人は細動脈硬化のリスクが27%高く、

・皮質下の梗塞数も多かった。

睡眠中しばしば目が覚める高齢者は細動脈硬化や皮質下の梗塞になりやすかった、


というおはなし。


感想:

90歳にもなると目が覚めない可能性もあるんだから 睡眠断片化がいったいどれほどの問題なのかと思う。

2015年11月21日

上肢リハビリを促す睡眠の条件が明らかに


Sleep Parameters, Functional Status, and Time Post-Stroke are Associated with Offline Motor Skill Learning in People with Chronic Stroke.
2015  10月  アメリカ

睡眠により運動学習が強化される(offline motor learning)という報告が増えている。

脳卒中経験者についてくわしく調べてみたそうな。


発症後6ヶ月以上経った慢性期脳卒中経験者20人と健常者10人について、夜間の睡眠前後での上肢の運動学習効果を測定した。

3日間研究所に泊まり 最初の2日間は準備にあて、3日目にジョイスティックを使った探索課題訓練を行い その後就寝し、翌朝に学習効果をテストした。

睡眠ポリグラフ検査との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・睡眠後の課題エラーの大きさが脳卒中経験者で明らかに減少していた。健常者では変化がなかった。

・睡眠効率が良く、ノンレム睡眠ステージ3の時間が短く、レム睡眠時間が長いほど運動学習効果が高かった。


脳卒中経験者の運動学習効果を促す睡眠条件をいくつか明らかにすることができた、


というおはなし。

図:offline learningの効果


感想:

慢性期患者でも効果ありってとこがおもしろい。

そういえばリハビリ入院してたころ、ある日テーブルに散らしたおはじきがひとつも拾えなかったのに 一晩寝たら翌日には難なくできるようになってたことがあったなぁ。

2015年11月4日

脳出血で死なないための睡眠時間が判明!


Sleep Duration and the Risk of Mortality From Stroke in Japan: The Takayama Cohort Study.
2015  10月  日本

睡眠時間と脳梗塞 脳出血との関連を日本人で調べてみたそうな。


1992年時点で35歳以上の男性12875人 女性15021人を2008年までフォローして、睡眠時間と脳卒中死亡率との関連を調査 解析したところ、


次のことがわかった。

・この間に611件の脳卒中(脳梗塞354、脳出血217、原因不明40)があった。

・7時間睡眠に比べ9時間以上では脳梗塞死亡リスクが50%以上アップした。

・一方、6時間未満では脳出血死亡リスクが36%低下した。

・このリスク低下は男性で顕著(69%減)だった。


長時間の睡眠では脳梗塞死亡リスクが上昇した。短時間睡眠は男性の脳出血死亡リスクを下げるのかもしれない、


というおはなし。

写真:睡眠時間

感想:

長時間睡眠が良くなさそうな話は何度もあったけど、短時間睡眠の脳出血への効果は初耳。

これまで以上に早起きしようと思う。

2015年10月25日

視床梗塞で明晰夢を見るようになった若者たち


Lucid dreams, an atypical sleep disturbance in anterior and mediodorsal thalamic strokes.
2015  10月  フランス

視床の脳卒中では 認知 情動 行動上の障害が多く報告されている。一方、睡眠障害の報告はあまりない。

睡眠障害に関係したユニークな事例があったそうな。


・視床の梗塞で入院した2名の若者がいた。

・彼らには 失語、物忘れ、注意力や実行力の低下と共に、

・明晰夢(夢を見ていることを自覚しながら見る夢)の報告もあり、

・その内容は破滅的で争いに関するものだった。


視床脳卒中で明晰夢の報告はほとんどない。今回の事例は 脳卒中と睡眠-覚醒障害の関連をうかがわせる、


というおはなし。

写真:明晰夢

感想:

明晰夢にはとても関心がある けど最近見ないな、、

ついでにこんな話↓を思い出してちょっとワクワクした。

・ペンローズの量子脳理論によると 意識は脳のある構造の量子プロセスから発生する。
・UMMOの人たちは 「その構造」が視床にあることを突き止めた。

2015年10月3日

「日中の過度な眠気」脳卒中患者の場合


Causes of Excessive Daytime Sleepiness in Patients with Acute Stroke-A Polysomnographic Study.
2015  9月  スロバキア

一般に、日中の過度な眠気は睡眠呼吸障害に原因があると言われている。

日中の過度な眠気を示す脳卒中患者についてその原因を調べてみたそうな。


102人の急性期脳卒中患者について、入院から4日以内に終夜睡眠ポリグラフィ検査を行い睡眠呼吸障害を調べた。

日中の眠気の程度も調べ関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・日中の過度な眠気は患者の21人(20.6%)に見られた。

・それら患者21人の多くに睡眠時の無呼吸があり、非レム睡眠時の呼吸障害指数も高く、レム睡眠時間が有意に短かった。

・レム睡眠時間の長さは日中の過度な眠気と明らかな関連があった。


日中の過度な眠気を訴える脳卒中患者の多くは睡眠呼吸障害だった。これを積極的に治療するとして どういう効果があるのかはよくわからない、


というおはなし。

図:レム睡眠

感想:

日中の過度な眠気は脳卒中になるはるか以前から悩まされてきた。夢を憶えていないほど疲れきって眠る状態が呼吸障害を呼ぶのかな?
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納豆を食べると脳卒中で死なない 2万9千人調査
NEJM誌:幹細胞ツアーに参加したら癌ができた
脳梗塞から脳出血へ コレステロールとの関連が明らかに
脳出血で死なないための睡眠時間が判明!
音楽サポート療法の「音楽」はほんとうに必要なのか?
患者に毎日好きな音楽を聴かせたところ、脳に構造改革が起きた模様
感情失禁になる患者の割合について
脳の可塑性のおかげで2年経っても運動機能が回復することが判明
【悲報】脳卒中後、杖を使い続けると麻痺していない手まで動かなくなる
血圧が高いひとは、他人の気持ちがわからない

生活習慣を改めれば脳卒中の再発は防げるの?
カニ歩きと後ろ歩き 片麻痺リハビリに効果的なのは、、
鍼治療の「得気」は小脳のはたらきだった
脳梗塞実績No.1漢方薬 → ほようかんごとう
閉じ込め症候群の患者にあえて生活の質を問うてみた結果、、
砂糖の代わりに甘味料を使うと脳梗塞がさらにひどくなることが判明
ダメージを負った脳組織が勝手に再生する仕組みが明らかに
指ストレッチはいいらしいから さっそくこのビデオで実践することにした
【肥満パラドックス】脳梗塞で長生きするBMIが判明
リハビリの合間のお昼寝は大切 → 訓練がはかどるゾ

刺激豊富な環境で脳梗塞が治る理由
猫を飼う女性は脳卒中で死なないことが判明!
美容院で脳卒中になる女性が続出!
「ストレスが原因」と語る脳卒中患者ほど実はなにもわかっていない
傷ついた脳に効くBDNFが増えるサプリメントが明らかに
運転リハビリに良さそうなおすすめドライブゲーム
【アロマテラピー】ラベンダーの香りが脳梗塞にすごく効く
脳卒中後の疲労感は 只の疲労とはわけが違う
脳卒中がきっかけでホモになることがあるらしい
ダイエットコーラを毎日飲むと脳卒中になることが判明

高コレステロールに朗報 葉酸サプリの脳卒中予防効果
BDNFが7年かけて脳を修復してくれるという根拠について
朝ごはんを食べない日本人は脳内出血になることが判明!
脳卒中予防に最適なビタミンBサプリメントの組み合わせがわかった!
脳卒中経験者の血圧を十分に下げたら死亡者が続出した
痙縮が治る ただの風呂と温泉を比較した
歩きスマホが脳卒中患者のリハビリに適しているという根拠について
磁気嵐が脳卒中を引き起こす と判明!
リハビリは動かせばイイってもんじゃぁない. 本人がやる気になるまで待て.
『足首を鍛えたいのに麻痺して動かないの』→『もう一方の足を鍛えなさい』