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2016年6月2日

急性脳梗塞の入院率 最近の傾向 in アメリカ


Trends in Acute Ischemic Stroke Hospitalizations in the United States
2016  5月  アメリカ

アメリカでは急性脳梗塞の入院率が概ね減少傾向にあると言われている。

さらに詳しく 人種、年齢、性別での違いを調べてみたそうな。


アメリカ国勢調査データから 2000-2010、25歳以上の急性脳梗塞の患者記録を抽出して解析したところ、


次のことがわかった。

・この間に全体の入院率は10万人あたり250→204人になり 18.4%減少した。

・65歳以上では入院率は高かったが高齢になるほど減少傾向にあり、64歳未満ではやや増加傾向だった。

・黒人の入院率は高く増加傾向で、ヒスパニックや白人は減少傾向だった。

・女性の入院率は低く 減少傾向にあった。

全体としてアメリカの脳卒中入院率は減少傾向にあり 特に高齢者、女性、ヒスパニック、白人で顕著だった。

図:脳梗塞トレンドと人種

感想:

黒人に親近感わいちゃう。

2016年5月2日

脳卒中の高齢一人暮らしがすぐに死んでしまう理由


Reversal of the Detrimental Effects of Post-Stroke Social Isolation by Pair-Housing is Mediated by Activation of BDNF-MAPK/ERK in Aged Mice.
2016  4月  アメリカ

社会的な孤立は脳卒中死亡率に関連する。

高齢者を想定して、高齢ネズミをつかってこのメカニズムを調べるべく実験してみたそうな。


3週間 2匹ずつペアで飼った高齢ネズミ計140匹を人為的に脳梗塞にして、

*1匹飼いの孤立グループと
*引き続きペアのグループに分けた。

3日後、3週間後の死亡率、神経症状、梗塞の体積およびシナプス可塑性に関する84種の遺伝子を調べたところ、


次のことがわかった。

・3日間死亡率 7.1% vs. 14.2%、 3週間死亡率 19.0% vs. 28.5% でいずれも孤立グループが高かった。

・梗塞の体積は明らかに孤立グループで大きかった。

・感覚運動障害および学習、記憶能力がペアグループで大きく改善した。

・シナプス可塑性に関するいくつかの遺伝子の発現が両グループで異なっていた。

・ペアグループでは脳由来神経栄養因子BDNFが増加しミエリン構成タンパク質を調整していた。

脳卒中のあとの社会的な孤立による死亡率の上昇、神経症状の悪化、梗塞の拡大、特徴的な遺伝子発現、BDNFレベルの低下が確認できた、


というおはなし。

図:BDNF同居

感想:

これ↓思い出した。
一人暮らしの男性脳卒中経験者はなぜ長生きできないのか?

2016年4月25日

孤独感 社会的孤立は脳卒中のもと?


Loneliness and social isolation as risk factors for coronary heart disease and stroke: systematic review and meta-analysis of longitudinal observational studies
2016  4月  イギリス

孤独感や社会的孤立と脳卒中との関連を調べてみたそうな。


脳卒中など心血管疾患と社会との関わりについての過去の論文を厳選、データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・23の論文がみつかり、冠動脈疾患4628件、脳卒中3002件を3-21年間フォローしたデータを得ることができた。

・社会との関係が乏しいと、冠動脈疾患のリスクが29%、脳卒中リスクは32%増加した。

・男女の差はなかった。

社会的関係が希薄だと冠動脈疾患や脳卒中リスクが30%程度増加する、


というおはなし。

図:孤独

感想:

オレは逆だな。仕事辞めて収入途絶えてでもひとりになりたいタイプ。

2016年4月18日

しゃがむ動作 脳卒中患者の想い


Importance of squatting and sitting on the floor: perspectives and priorities of rural Indian patients with stroke.
2016  3月  インド

アジアでは床にしゃがんだり座ったりする動作が多い。

脳卒中患者が日常生活で膝を深く曲げる動作をどの程度重要視しているかを調べてみたそうな。


インド グジャラート州の脳卒中患者123人にアンケート調査したところ、


次のことがわかった。
・68%の脳卒中患者が日常生活で膝を深く曲げる動作が重要であると考えていた。

・重要な順に、トイレ、入浴、食事、祈り、仕事で、これらは男女共通だった。

・特に女性は料理、洗濯、掃除も重要と考えていた。

かなりの割合の脳卒中患者が膝を深く曲げる動作が日常生活に重要であると考えていた。床にしゃがんだり座ったりをできるようにするリハビリが大切だろう、


というおはなし。

図:しゃがみが重要な日常生活動作
感想:

和式トイレは健康でもキツイ。
難しい理屈はいいからスクワットをやれ

2016年4月17日

マクロファージが脳卒中の回復に役立っていた


Monocyte-Derived Macrophages Contribute to Spontaneous Long-Term Functional Recovery after Stroke in Mice
2016  4月  スウェーデン
Immune cells help the brain to self-heal after a stroke

脳卒中後の炎症反応についてはこれまで 脳のダメージを大きくする厄介事と考えられてきた。

ところがそうではなさそうなことがわかってきたそうな。


・脳卒中が起きると損傷部位に免疫システムから白血球が集まってくる。

・ネズミの白血球の単球を除いて脳卒中にしたところ、脳のダメージが通常よりもひどかった。

・単球はマクロファージに変化し 死んだ細胞を食べると考えられてきた。

・しかし一部のマクロファージは抗炎症性を示し分泌する物質が脳を修復し機能回復を促していた。

脳卒中のあと単球由来のマクロファージが脳の回復に重要な役割を担っていた、


というおはなし。

図:マクロファージ


感想:

自分で勝手に治す仕組みがちゃんと備わってたんだね。

2016年4月11日

リハビリを促す「刺激豊かな環境」とは


An enriched environmental programme during inpatient neuro-rehabilitation: A randomized controlled trial.
2016  4月  オーストラリア

刺激豊かな環境が神経リハビリテーション病棟に入院している患者にどう影響するものか調べてみたそうな。


神経疾患患者103人(脳卒中53人 他)を

*刺激豊かな環境52人、
*従来型リハビリ環境51人

に分けて、入院時、退院時、3ヶ月後 のウツ、不安、認知、自立度、QoL等について調べ比較した。

刺激豊かな環境として ネットアクセスのできるパソコン、ビデオゲーム、図書、音楽プレーヤ、銀行ATMなどを設置した別室を用意し、通常リハビリに加えて平日は2時間そこで過ごし 多くの活動に参加するよう促した。


次のようになった。

・退院時、刺激豊かな環境グループの患者はウツ、ストレス、認知機能、機能的自立度の改善度が明らかに優れていた。

・これらは3ヶ月後にも維持されていた。

・特に脳卒中患者で 認知機能と活動量の改善が大きかった。

リハビリに刺激の豊かな環境を加えると 神経疾患患者の機能的、認知的能力を大きく改善することができる、


というおはなし。

図:刺激豊かな環境

感想:

こういう考え方って動物の飼育方法からきてるみたい。

患者にタブレット1枚貸し出せばいいんじゃないかな。
自分が入院してたころはスマホもまだ普及してなかった。日々あまりにすることがなくて逃げ出すように退院した思い出。

2016年4月7日

もう助からないと判定される脳卒中患者の割合がわかった


End-of-life decisions in acute stroke patients: an observational cohort study.
2016  4月  ドイツ

脳卒中医療には終末期判断や緩和ケアも含まれる。

それら患者の特徴を調べてみたそうな。


2011-2014に入院した脳卒中患者4425人の医療記録を調査したところ、


次のことがわかった。

・全体の2.71%が脳卒中病棟で終末期判断を受けて死亡した。

・そのうち86.3%は入院してほぼ2日以内に蘇生処置拒否指示が出た。

・多くは平均5.0日後に 延命治療の中止決定がなされた。

・入院から7.0日後、緩和ケアに移ってから2.5日後に亡くなっていた。

・入院時の意識障害、嚥下障害、脳の広範囲な損傷が特徴的だった。

・終末期ケアでは生体モニターや投薬、非経口栄養が中止される一方、静脈内輸液だけはすべての患者で継続された。

脳卒中で入院後、病棟内で死亡した患者の多くは終末期判断を経たケースだった、


というおはなし。

図:緩和ケアメニュー

感想:

ちなみに集中治療室での死亡は0.52%。つまりその5倍が家族の合意の下にゆるやかに亡くなってるってこと。

ちょっと意外だった。なくなる人はもっと勢いよく死んじゃうものと思ってた。

2016年3月31日

健康度の自己評価の低さは来るべき脳卒中の予兆か...


Relationship of Self-Rated Health to Stroke Incidence and Mortality in Older Individuals with and without a History of Stroke: A Longitudinal Study of the MRC Cognitive Function and Ageing (CFAS) Population.
2016  2月  イギリス

主観的健康度と脳卒中との関連を、脳卒中経験がある人とない人とで比べてみたそうな。


65歳以上の11957人に面談して脳卒中歴の確認および健康状態の自己評価をしてもらった。さらに2年間フォローして脳卒中の有無、死亡率を比較した。


次のことがわかった。

・全体の93.8%には脳卒中歴は無く、6.2%には1回以上の脳卒中経験があった。

・主観的健康度の低い人は 5% vs. 21%で脳卒中経験者に多かった。

・脳卒中経験の無い主観的健康度の低い人は2年後の脳卒中リスクが1.5倍だった。死亡率との関連はなかった。

・脳卒中経験のある人は主観的健康度と2年後の脳卒中の再発および死亡率との関連はなかった。


高齢の非脳卒中経験者で主観的健康度が低い人は 2年以内の脳卒中リスクが高かった、


というおはなし。

写真:主観的健康度

感想:

ネット見てると 脳卒中経験者は日常的に 「つらい、いたい、くるしい、、、」って言ってる。

再発の前兆で苦しい人もいるんだろうけれど 多くがくるしい つらいって言うものだから関連が薄まっちゃうんだろね。

2016年3月14日

tPA治療って脳卒中患者のなん%がやるものなの?


International benchmarking for acute thrombolytic therapy implementation in Australia and Japan.
2016  2月  オーストラリア

虚血性脳卒中への tPA血栓溶解治療の実施状況を日本とオーストラリアで比べてみたそうな。


日本の済生会熊本病院と オーストラリアのジョン・ハンター病院に入院した脳卒中患者についてtPA治療の実施率を調査したところ、


次のことがわかった。

・tPA治療の実施率は 41% vs. 25%でオーストラリアが明らかに高かった。

・両病院ともに軽症や類似症状にはtPA治療を行わなかった。

・特に日本では神経症状の軽い患者は除外する傾向が強かった。

・病院到着から治療までの時間は 63分 vs. 54分でオーストラリアが長く、

・CT撮ってから治療までの時間も 34分 vs. 27分でオーストラリアが長かった。

脳卒中患者へのtPA治療についてオーストラリアと日本の違いを示すことができた、


というおはなし。

図: tPA除外条件除外理由


感想:


少し前までtPAの対象になるのは数%って認識だった。世の中変わってんのね、、

2016年3月2日

健康的ライフスタイルは脳卒中の障害も軽いのか?


Healthy Lifestyle and Functional Outcomes from Stroke in Women.
2016  2月  アメリカ

健康的なライフスタイルは脳梗塞リスクを低下させる。脳卒中後の障害の程度についてはどうか調べてみたそうな。


脳卒中歴のない女性37634人について、喫煙、身体活動量、肥満度、飲酒、食習慣などを調査し、健康的な生活レベルを0-20点で評価した。

その後17年間 脳卒中の有無をフォローし、障害の程度を生活自立度スコアにしたがい軽度、中等度、重度に分類し関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・この間に867件の脳卒中が起きた。

・健康生活スコアが最も低かった(0-4点)グループに比べ最も高かった(17-20点)グループでは、障害の重症度リスクは軽度、中等度、重度いずれも半分だった。

・ほどほどに健康生活(5-8点)のグループであっても障害リスクが明らかに低下していた。

・この関連は脳梗塞に見られ、脳出血には見られなかった。

健康的なライフスタイルは 徹底しなくともほどほどの実践により脳梗塞になった際の障害の程度を明らかに抑えることができる、


というおはなし。

図:健康生活

感想:

でも太ってるほうが回復いいんだよねぇ、、
限界まで太った高齢者は脳卒中からすぐに復活できる

肥満 脳卒中患者のリハビリ効果は 日本人の場合

リハビリにベストな体重とは

2016年2月27日

10年後にも活動的な脳卒中経験者の4つの条件


Long-Term Predictors of Social and Leisure Activity 10 Years after Stroke.
2016  2月  スウェーデン

脳卒中経験者が10年後引きこもりになってしまうか それとも活動的でいられるかを予測する方法を調べてみたそうな。


145人の脳卒中経験者について、発症16ヶ月後に

*身体機能8項目
*社会活動5項目
*環境要因5項目
*個人要因2項目 について調査し、

10年後もフォローして活動状況との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・個人差は非常に大きかったが、

・特に次の4つの項目が10年後に関連していた。
1.自動車の運転ができること
2.数100メートル歩けること
3.社会的ネットワークがあること
4.年齢が75未満であること

発症後16ヶ月時点で車の運転ができて数100メートル歩けて社会的つながりを持っている患者は10年後も社会的、余暇的にも活発だった。だから外出する能力や社会的な拠り所を作ることがリハビリには必要だろう、


というおはなし。

写真:社会ネットワーク


感想:

あと10年もすると自動運転でどこへでも行けて、AIが良き心の友になってくれる。なんの心配も要らない。

2016年2月20日

空の旅で起きる脳卒中の頻度と原因について


Stroke in Commercial Flights
2016  2月  スペイン

商用機内での脳卒中事例について詳しく調べてみたそうな。


2008-2014に年間旅客数4000万人規模の国際空港から運ばれてきた脳卒中患者について調査したところ、


次のことがわかった。

・この間に脳梗塞32人、一過性脳虚血発作12人の脳卒中患者が発生した。

・脳卒中の推定発生率は35000便に1件だった。

・原因は アテローム血栓症36%、エコノミークラス症候群18%、心塞栓性16%、動脈解離9%、ラクナ梗塞9%、不明12% だった。

・27%の患者が頸動脈狭窄率70%以上だった。

・予後は良く、44%が血栓溶解治療を受けた。

・治療のために目的地外着陸を行った事例は1件だけだった。

航空旅行中の脳卒中の発生率は低かった。この調査ではエコノミークラス症候群や動脈解離も目立っていたが、頸動脈狭窄患者のアテローム血栓症が主な病因と考えられた、


というおはなし。

写真:フライト

感想:

これ↓思い出した。
CA『お客様の中にお医者さまはいらっしゃいませんか!』『リハ医だけどOK?』

2016年2月18日

不安障害と脳卒中との関連


Anxiety and the Risk of Stroke
The Rotterdam Study
2016  2月  オランダ

不安が脳卒中のリスクになりうるのか、調べてみたそうな。


1期1993-1995に2625人、2期2002-2004に8662人 の不安度を測定し、2012までフォローして脳卒中の有無との関連を解析したところ、


次のようになった。

・1期グループでは332人が脳卒中になったが、不安症状の数との関連はなかった。

・ただし解析期間を3年間に限定すると2.7倍脳卒中リスクが増加していた。

・2期グループでは340人が脳卒中になったが、不安障害の種類(パニック障害、社交不安障害、強迫性障害など)との関連は見られなかった。


不安障害の種類と脳卒中の関連は確認できなかった。ただし短期的には不安症状の数と関連していた、


というおはなし。

写真:不安

感想:

不安障害とはなんぞや? と思いwikipediaを見ると、とにかくカフェインをやめるよう書いてある。

はじめて知った。

2016年2月12日

軽症脳卒中 超早期の社会サポートの影響


Very early social support following mild stroke is associated with emotional and behavioral outcomes three months later.
2016  2月  フランス

軽症脳卒中で入院直後の社会的サポートと 3ヶ月後の状態との関連を調べてみたそうな。


34人の軽症脳梗塞患者について、入院から24時間以内に受けた社会的サポートの内容と回数をすべて記録し、3ヶ月後のうつや日常生活動作との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・社会的サポートの「回数」と3ヶ月後の状態に関連はなかった。

・しかし 脳卒中直後の友人や家族による精神的サポートは うつを減らし日常生活動作を向上させた。

・友人や家族からの物質的なサポートも日常生活動作の改善につながった。

・医療スタッフから受けたサポートの効果は確認できなかった。

軽症脳卒中の直後に受けたサポートの 量ではなく質が、3ヶ月後の感情面、行動面の改善につながっていた、


というおはなし。

写真:サポート

感想:

これはよくわかるわ、、、よくわかる。

2016年2月5日

抗血栓薬をやめなければならない理由と頻度


Withdrawal of Antithrombotic Agents and the Risk of Stroke.
2016  1月  アメリカ

抗血栓薬は脳梗塞の予防に有効である。抗血栓薬を中止しなければならない状況がどの程度あるものか 調べてみたそうな。


脳卒中経験者2036人に電話をして、医師からの抗血栓薬の使用や中止指示の有無を確認したところ、


次のことがわかった。

・回答者の62%に抗血栓薬使用の経験があった。

・そのうち10%は、最近60日以内に1度 医師から薬を止められていた。

・止められる薬の種類は抗血小板薬よりも抗凝固薬の方が多かった。

・抗血小板薬を止める理由の主なものは大腸内視鏡検査や整形外科手術であり、

・抗凝固薬を止める理由では 整形や血管の手術が多かった。

脳卒中経験者に対して手術や検査目的で抗血栓薬を中止することは珍しくなかった。中止による血栓塞栓症リスクの評価が必要だろう、


というおはなし。

図:抗血小板薬


感想:

自分は脳内出血だったからこの種の薬は飲んでないけど、血が止まりにくくなる薬っていうのは降圧薬よりも桁違いに恐いイメージがある。

2016年1月23日

1年後、回復に不満を感じている脳卒中患者の特徴


Perceived Unmet Rehabilitation Needs 1 Year After Stroke
An Observational Study From the Swedish Stroke Register
2016  1月  スウェーデン

脳卒中発症から1年後、回復に不満を抱いている患者の特徴を調べてみたそうな。


スウェーデンの脳卒中データベースから発症12ヶ月後の患者を抽出しアンケートを送ったところ、


次のことがわかった。

・37383人の脳卒中患者のうち、発症から12ヶ月後に 21.5%が回復に不満を感じていた。

・回復に満足している者に比べ不満を感じている者は、より高齢で( 75.4 versus 72.4 )

・日常生活動作が要介助状態にある者が多く(59% versus 31.9%)

・介護施設にいる者も多く(24.3% versus 11.5%)

・うつ状態の者も多く(32.3% versus 24.9%)

・疼痛治療が十分でない者もおおかった(54.5% versus 32.3%)

・彼らの元の特徴として、重症、脳卒中歴、女性、糖尿病、脳出血、心房細動が挙げられた。

発症から1年後 回復程度に不満を感じている脳卒中患者は少なくなく、高齢、依存、疼痛、うつが関連していた。患者を多方面からフォローできるシステムが必要だろう、


というおはなし。

図:不満

感想:

ぎゃくに見ると 80%近くは概ね満足してるってことで、高すぎないか???って思った。
けど脳卒中患者のほとんどは軽症だから妥当な数字かな、、、

概ね満足であって、完全回復というわけではないんだよな。

2016年1月15日

脳卒中が起きやすい部位を439人ぶん重ねてみた


Topography of acute stroke in a sample of 439 right brain damaged patients.
2015  11月  ドイツ

脳卒中の起きやすい場所を探るべく できるだけ多くの患者の画像を重ねてみたそうな。


脳卒中で右脳を損傷した患者439人(脳梗塞367、脳出血72)のCTおよびMRI画像を使って病変の位置を標準脳にマッピングしていったところ、


次のようになった。

・脳梗塞では島皮質、被殻、弁蓋部、上側頭回などでの梗塞頻度が高かった。

・脳出血の場合はそれよりさらに後方、中央寄りに発生していた。

・病変サイズは後方よりも前方で大きかった。

↓上段:脳梗塞、下段:脳出血
図:脳卒中マッピング

というおはなし。



感想:

わかっちゃいるようなんだけど、なるほどねって感じ。

当時のじぶんの脳のばあい↓↓↓(ビデオ)

2015年12月19日

6年後に完全回復できた患者は何%?


Participation in Complex and Social Everyday Activities Six Years after Stroke: Predictors for Return to Pre-Stroke Level.
2015  12月  スウェーデン

どれくらいの脳卒中患者が6年後、発症前のレベルに戻れるものなのか、調べてみたそうな。


脳卒中患者349人を6年間フォローして、応用的日常生活動作(Frenchay Activities Index:FAI)を屋内、屋外活動、職場 について評価したところ、


次のことがわかった。

・121人の調査を完遂できた。

・79.3%は軽症患者だった。

・6年後、84%の患者がFAI≥15の活動的なレベルであると評価された。

・発症以前のレベルよりも回復した患者は35%で、65%はそれより低かった。

・補助なしでの歩行、若いこと、3ヶ月時点での回復が良かったこと、が良好な回復と関連していた。

6年後 35%の脳卒中経験者は発症まえ以上に回復していた。歩行能力の改善と社会参加を促すことが長期的な回復につながるだろう、


というおはなし。

図:社会参加

感想:

軽症患者でも半数以上は6年後も悩んでるってことなんだよな。

2015年12月12日

迷走神経リハビリの人体実験開始


Safety, Feasibility, and Efficacy of Vagus Nerve Stimulation Paired With Upper-Limb Rehabilitation After Ischemic Stroke
2015  12月  アメリカ

迷走神経の電気刺激はてんかん治療に用いられている。いっぽう動物実験では 脳卒中後の迷走神経刺激により 脳の可塑性が促されることがわかってきた。

これを人間で試してみたそうな。


脳梗塞後6ヶ月以内の患者21人について、

*迷走神経刺激+上肢リハビリ  9人
*上肢リハビリのみ  11人

の2グループに分け、1回2時間x週3回x6週間の治療を行った。

迷走神経は首に埋め込んだ装置を無線制御で リハビリ訓練に併行して電気刺激した。


次のことがわかった。

・深刻な有害事象は起きなかった。

・迷走神経刺激グループで上肢機能スコアが大きく改善した。

リハビリ訓練しながらの迷走神経刺激は可能で、安全そうだった。慢性期脳卒中患者にも試したい、


というおはなし。

図:迷走神経刺激で脳卒中リハビリ



感想:

装置埋め込みの恐怖と痛みに見合う成果が得られるかどうか、、

2015年11月8日

103歳の脳卒中女性に血管内治療を施した結果、、


Successful endovascular stroke therapy in a 103-year-old woman.
2015  11月  アメリカ

世界では80歳を超える高齢者が急速に増加している。

血管内治療の効果は年齢に関係なく得られるとする研究がいくつかある。実際、アメリカ脳卒中協会のガイドラインではその適用に年齢の上限を設けてはいない。


103歳の女性が左内頚動脈の閉塞による脳卒中で入院してきたそうな。


・発症から2時間経っていた。

・重症度は高く、NIHSSスコアは38だった。

・断層画像上では梗塞に至った組織はまだなかった。

・発症前の生活自立度は高く、ほとんど介護なしで暮らしていた。

・血栓溶解療法ののち機械的血栓除去を行ったところ、

・劇的に回復し、48時間後にはNIHSSスコアは1にまで戻った。

・発症から再開通までは3時間40分だった。


血管内治療の条件に合う患者であれば、年齢が非常に高くても効果があるものなのだなぁ、、、


というおはなし。

写真:103歳

感想:

この婆さんがすごいんだと思う。平均寿命をはるかに超えてる時点で「生きることの達人」なわけで DNAレベルでも病気に強いはず。

こういう特殊な人で治療が成功しても自慢にならないんじゃないのかな、、
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閉じ込め症候群の患者にあえて生活の質を問うてみた結果、、
砂糖の代わりに甘味料を使うと脳梗塞がさらにひどくなることが判明
ダメージを負った脳組織が勝手に再生する仕組みが明らかに
指ストレッチはいいらしいから さっそくこのビデオで実践することにした
【肥満パラドックス】脳梗塞で長生きするBMIが判明
リハビリの合間のお昼寝は大切 → 訓練がはかどるゾ

刺激豊富な環境で脳梗塞が治る理由
猫を飼う女性は脳卒中で死なないことが判明!
美容院で脳卒中になる女性が続出!
「ストレスが原因」と語る脳卒中患者ほど実はなにもわかっていない
傷ついた脳に効くBDNFが増えるサプリメントが明らかに
運転リハビリに良さそうなおすすめドライブゲーム
【アロマテラピー】ラベンダーの香りが脳梗塞にすごく効く
脳卒中後の疲労感は 只の疲労とはわけが違う
脳卒中がきっかけでホモになることがあるらしい
ダイエットコーラを毎日飲むと脳卒中になることが判明

高コレステロールに朗報 葉酸サプリの脳卒中予防効果
BDNFが7年かけて脳を修復してくれるという根拠について
朝ごはんを食べない日本人は脳内出血になることが判明!
脳卒中予防に最適なビタミンBサプリメントの組み合わせがわかった!
脳卒中経験者の血圧を十分に下げたら死亡者が続出した
痙縮が治る ただの風呂と温泉を比較した
歩きスマホが脳卒中患者のリハビリに適しているという根拠について
磁気嵐が脳卒中を引き起こす と判明!
リハビリは動かせばイイってもんじゃぁない. 本人がやる気になるまで待て.
『足首を鍛えたいのに麻痺して動かないの』→『もう一方の足を鍛えなさい』