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2020年1月5日

Stroke誌:喫煙ステータスと脳梗塞からの回復


Smoking Status and Functional Outcomes After Acute Ischemic Stroke
2020  1月  日本

喫煙は脳卒中のリスク要因であり、吸う本数がふえるほど脳卒中になりやすくなる。
さらに禁煙により再発や死亡するリスクを抑えられることもわかっている。

いっぽうニコチンはいくつかの中枢神経系疾患に保護作用を示すと考えられているため脳卒中後の喫煙については賛否がある。

脳卒中後の喫煙状況と回復度の研究はほとんどないので、日本人でくわしくしらべてみたそうな。

2019年11月4日

「喫煙パラドックス」はなかった


"Smoking paradox" is not true in patients with ischemic stroke- a systematic review and meta-analysis
2019  10月  中国

喫煙は脳梗塞のリスク要因であり、喫煙歴だけでもネガティブな影響があるという。

さいきん喫煙者の血栓溶解治療成績が良好であるとする 「喫煙パラドックス」 "smoker's paradox" についての報告が数おおくなされている。
いっぽうそれを否定する研究者もいる。

そこで喫煙が脳梗塞の予後にあたえる影響をしらべるべくメタアナリシスをこころみたそうな。


2019年2月までの関係する研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、



次のことがわかった。

・21の研究がみつかった。

・予後不良になるオッズ比は0.96で、喫煙は脳梗塞予後になんのインパクトもなかった。

・脳梗塞の発症年齢の平均差は-10.05で、喫煙者は非喫煙者よりも10年早く脳梗塞になっていた。

喫煙に脳梗塞の予後を保護する効果はみられなかった。喫煙者が若くして脳梗塞を発症していることが喫煙パラドックスの理由かも、、


というおはなし。

図:喫煙パラドックス


感想:

虚血コンディショニング効果もあるかも。↓
脳梗塞の血管内治療と喫煙パラドックス

タバコのおかげで脳梗塞で死なずに済んだ患者が続出 [喫煙パラドックス]

2019年11月3日

喫煙でくも膜下出血になる理由


Blood cadmium concentration and risk of subarachnoid haemorrhage
2019  10月  スウェーデン

カドミウムは毒性のたかい金属で 穀物や米 たばこから体内に取り込まれる。

カドミウムは体外への排出に数十年を要し 血管壁におおく蓄積する。さらにコラーゲンの形成をさまたげ血管平滑筋細胞を減少させる。

さいきん、未破裂脳動脈瘤がみつかった者の血中カドミウム濃度が高いという報告があった。

そこでくも膜下出血と血中カドミウムとの関連をくわしくしらべてみたそうな。



28449人についてくも膜下出血の発生を10年ほどフォローして、発症時の血液サンプルからのカドミウム濃度をしらべ、関連を解析したところ、



次のようになった。

・93人がくも膜下出血になった。

・血中カドミウム濃度が高かったグループのくも膜下出血リスクはあきらかに高かった。(オッズ比 3.2)

・しかし喫煙歴を考慮にいれるとこの関連は有意なほどではなくなった。

血中カドミウム濃度はくも膜下出血リスクと関連があったが ほとんど喫煙で説明がついた。たばこにふくまれるカドミウムがくも膜下出血の原因物質であるか についてはさらなる研究が必要、


というおはなし。

図:喫煙とカドミウム



感想:

これ↓おもいだした。
無煙タバコと脳卒中

2019年7月31日

タバコが体から抜けるまでの年数


Cigarette Smoking, Smoking Cessation, and Long-Term Risk of 3 Major Atherosclerotic Diseases
2019  7月  アメリカ

喫煙は冠動脈疾患や脳卒中のリスク要因の1つであり報告もおおい。

同様に 末梢動脈疾患(おもに手や足の虚血)リスクでもあるが調査の数はすくない。

これら3つの動脈硬化性疾患(冠動脈疾患、脳卒中、末梢動脈疾患)と喫煙との関連をまとめてしらべてみたそうな。



1987時点で45-64歳で健康な13355人を26年間フォローして病気の発生と喫煙(量、頻度、年数、禁煙歴)との関連を解析したところ、



次のことがわかった。

・この間に末梢動脈疾患492、冠動脈疾患1798、脳卒中1106件がおきた。

・年間喫煙量とこれら3つの疾患には用量関係が確認できた。とくに末梢動脈疾患で関連がつよかった。

・喫煙期間、1日の喫煙量も同様の用量関係がみられた。

・禁煙期間がながいほど3疾患のリスクは低下したが、

・非喫煙者レベルまでリスクが低下するのに要する禁煙期間は、末梢動脈疾患では30年、ついで冠動脈疾患が20年、脳卒中も20年以上を要した。

喫煙の量、期間、頻度すべてが3つの動脈硬化性疾患と用量関係にあり、とくに末梢動脈疾患で関連がつよかった。これらリスクは禁煙したとしても20-30年間は高いままだった、


というおはなし。

図:禁煙年数と脳卒中リスク



感想:

禁煙関連のさいきんの記事。
禁煙は余命を○年のばし 再発を○○年遅らせる

禁煙効果があらわれるまでの年数

禁煙が脳卒中の再発を予防するはほんとう?

2019年7月11日

「喫煙で脳動脈瘤が破れる」は勘違い


Association of single and multiple aneurysms with tobacco abuse- an @neurIST risk analysis
2019  7月  スイス

未破裂脳動脈瘤は成人の3.2%にあるとされ、画像診断技術の進歩により発見されるケースは増加傾向にある。

これら未破裂脳動脈瘤をすぐに治療するべきか経過観察するべきかはおおくの要因にかかっている。その1つは喫煙と考えられる。

これまでの研究のメタアナリシスでは、喫煙習慣は 改善可能なもっともおおきなくも膜下出血のリスク要因であることを示唆している。

しかし最近では喫煙と脳動脈瘤の破裂との関連を示さない報告がいくつかでてきた。


そこで、スイスの未破裂脳動脈瘤のデータベース @neurIST をもちいて喫煙と脳動脈瘤の形成そして破裂(くも膜下出血) との関連を大規模にしらべてみたそうな。



次のことがわかった。

・未破裂脳動脈瘤の1410人を一般人30万人とくらべたとき、喫煙者率は脳動脈瘤患者で高かった。(56.2% vs. 51.4%)

・喫煙は脳動脈瘤の存在とあきらかに関連し、多発性脳動脈瘤とも関連していた。

・喫煙の期間と多発性脳動脈瘤リスクとに関連がみられた。

・しかしくも膜下出血をおこした(破裂)患者での喫煙者率は未破裂患者のそれと同じだった。

喫煙は脳動脈瘤の形成に関連していた。しかし喫煙で脳動脈瘤の破裂リスクが上がるわけではなかった。喫煙期間が長いと多発性脳動脈瘤になりやすかった


といういおはなし。

図:脳動脈瘤の破裂リスクと喫煙



感想:

MRIが普及して未破裂脳動脈瘤をフォローできるようになったからこその知見だな。

2019年7月10日

たばこの神経保護効果 脳内出血での


Effect of Cigarette Smoking on Functional Outcomes in Patients with Spontaneous Intracerebral Hemorrhage
2019  7月  アメリカ

脳内出血は年間10万人あたり15-25人におき、死亡と長期障害の率が脳卒中のなかでもっとも高い。

脳内出血から1時間以内に脳組織の炎症がみられ数日から数週間つづく。

喫煙が脳卒中のリスク要因の1つであることはあきらかではあるが、たばこに含まれるニコチンの神経保護作用についてはよく知られていない。

自律神経系のニコチン-アセチルコリン受容体 (nAChR)がコリン作動性抗炎症経路(cholinergic anti-inflammatory pathway)を刺激して脳内出血の神経症状が改善されたとする動物実験がいくつかある。

この効果が臨床的に観察できるものか、たしかめてみたそうな。



2009-2017の脳内出血患者545人ぶんの記録について、

発症直前まで(30日以内)喫煙していた、または
喫煙していなかった(非喫煙者、元喫煙者)、に分けて

90日後の回復が「良好」(mRS 0-2)もしくは「非常に良い」(mRS 0-1)になった率を求め、
バーセルインデックスや院内死亡率との関連も解析したところ、



次のことがわかった。
・60人が直前まで喫煙していた。

・喫煙していなかったグループにくらべ直前まで喫煙していたグループの回復良好率は高く 35% versus 23%、非常に良い率は 25% versus 13% だった。

・非喫煙者とくらべても同様の比率だった。

・これらの違いは患者ごとのもとの状態(年齢など)を考慮すると有意差ではなくなった。

・90日後のバーセルインデックス、死亡率もグループ間であきらかな差はなかった。

ニコチンの神経保護効果があるようにみえるが、実際は喫煙の害がうわまわるようだ、


といういおはなし。

図:たばこの喫煙



感想:

喫煙グループは患者年齢が10若い(上図)。回復が良くてとうぜんってことかね。
たばこや酒やってた人の脳内出血予後は

くも膜下出血のあと禁煙するべきでない理由

【ニコチン療法】ニコレットを貼ると半側空間無視が改善することが判明

2019年5月30日

禁煙は余命を○年のばし 再発を○○年遅らせる


Smoking cessation and risk of recurrent cardiovascular events and mortality after a first manifestation of arterial disease
2019  4月  オランダ

脳卒中患者の30-50%は喫煙者で、その中毒性ゆえに脳卒中のあともかれらの1/4-1/3は喫煙をやめることができないという。

そこで禁煙することの効果をあきらかにするべく、動脈イベントのあった患者の喫煙ステータスとその後の再発および死亡との関連をくわしくしらべてみたそうな。



平均年齢61、脳卒中や冠動脈 末梢動脈疾患などを経験して1年以内の患者4673人について喫煙状況をしらべ(Second Manifestations of ARTerial diseas: SMARTスタディ)、
7年前後フォローした。




次のことがわかった。

・心血管イベントのあと1/3の患者が喫煙をやめていた。フォロー期間中に794人が死亡し、692人に主要血管イベントの再発があった。

・喫煙をやめなかった患者とくらべて、禁煙した患者の再発リスクは0.66倍、死亡リスクは0.63倍だった。

・禁煙した患者は平均で5年間ながく生存し、再発が10年間おそくなった。

・特に70歳をこえて心血管イベントがおきて禁煙をはじめた患者は 非喫煙者に匹敵する生存率の改善をしめした。

脳卒中などの血管イベントのあと禁煙を実行した患者は余命が5年伸び、再発を10年遅らせることができた、


というおはなし。

図:禁煙と脳卒中の再発



感想:

たばこをやめると「5年ながいきして再発が10年ずれる」
これはわかりやすい。

2019年4月20日

喫煙やめないひとの再発率


Impact of Smoking Status on Stroke Recurrence
2019  4月  中国

喫煙が脳卒中のリスク要因であることははっきりしている。

脳卒中後の喫煙と再発との関連についてはじつはよくわかっていない。

その理由として喫煙者の分類が調査ごとに統一されていないことが考えられる。

たとえば喫煙経験のある者(former smoker)や脳卒中をきっかけにやめた者(quitter)を非喫煙者(non smoker)としてよいのかという問題がある。

いっぽう中国人の脳卒中の1年後再発率は17.7%、男性の喫煙率は52.9%で非常に高い。

そこで中国での脳卒中後の喫煙状況と再発リスクについてくわしくしらべてみたそうな。



脳卒中患者3069人について、
喫煙状況および再発を平均2.4年間フォローして関連を解析した。

最初の脳卒中の直前に30日以上喫煙をやめていた者をformer smokerとし、

脳卒中後に1ヶ月以上喫煙をやめ、最初のフォローまで禁煙できていた者をquitterとした。

また脳卒中後さいしょのフォローまで喫煙をつづけ、その後禁煙したとしても1ヶ月間続かなかった者を継続喫煙者(persistent smoker)とした。


次のことがわかった。

・この間に9.5%が再発した。

・非喫煙者にくらべ、喫煙経験者(former)の再発リスクは1.16倍で、

・禁煙者(quitter)のそれは1.31倍、

・継続喫煙者(persistent)は1.93倍だった。

・とくに継続喫煙者のうち1日の本数が1-20の場合、再発リスクは1.68倍で、40本以上では2.72倍におよんだ。

最初の脳卒中のあと 喫煙をやめない者の再発リスクは非喫煙者の約2倍で、喫煙本数と用量関係にあった、


というおはなし。
図:喫煙ステータス


感想:

脳卒中ごときにビビらず己の生き方をつらぬく剛の者。こうありたいものだ。

ちなみに上の表みると、脳卒中をきっかけに喫煙を始めるようなひねくれ者(new smoker)はゼロだった。

2019年2月4日

電子タバコの脳卒中リスク


Stroke Risk Higher Among E-Cigarette Users, Study Finds - Shots - Health News - NPR
2019  1月  アメリカ

いっぱんに電子タバコは通常のタバコにくらべて害がとても少ないと考えられている。そのためかアメリカの高校生の間では2011-2015に電子タバコ使用者が900%増加した。

そこで電子タバコの害、とくに脳卒中と心臓発作について大規模にしらべてみたそうな。ホノルルでの国際脳卒中会議2019 カンザス大学の発表。


50州 18歳以上の40万人にアンケートしたところ、


次のことがわかった。

・66795人が少なくとも1回、電子タバコを使用していた。

・非使用者にくらべて彼らの脳卒中リスクは71%、心臓発作リスクは59%高かった。

・電子タバコ使用者は通常のタバコも使用していることがおおいので、電子タバコのみの使用者について解析したところ、

・脳卒中リスクは29%、心臓発作リスクは25%高かった。

・使用頻度についてはデータがなく用量関係は不明。

電子タバコはそれのみの使用であっても脳卒中や心臓発作のリスクがあきらかに高くなった。通常のタバコも併用した場合は、リスクがさらに高くなると考えられた、


というおはなし。

図:電子タバコと脳卒中

感想:

電子タバコ使ってるひとをみたことがない。

2018年12月10日

禁煙効果があらわれるまでの年数


Association of smoking with risk of stroke in middle-aged and older Chinese- Evidence from the China National Stroke Prevention Project
2018  11月  中国

喫煙の健康への影響はよく研究されている。

しかし中高年の東アジア人についての喫煙と脳卒中との関連はほとんどわかっていないので、くわしくしらべてみたそうな。


2013-2015に中国の深セン市で40歳以上の男女12704人についてアンケート調査したところ、


次のことがわかった。

・85.08%は喫煙経験の無い者で、12.10%が現在喫煙者だった。

・524人が脳卒中経験者で、男性の4.06%、女性の2.95%に相当した。

・喫煙者の脳卒中リスクは非喫煙者の1.67-1.93倍で、

・一日の喫煙本数が10本以下→21本以上のとき、リスクは1.48→2.37となった。

・喫煙年数は、20年未満→40年以上のばあい、リスクは0.51→2.01となり、

・禁煙年数との関連は、5年未満→5-19年→20年以上のばあい、リスクは3.47→3.37→0.95となった。

喫煙による脳卒中リスクは本数に従い上昇した。禁煙期間が20年を超えるとそれまでの影響を相殺できた、


というおはなし。

図:喫煙と脳卒中


感想:

中国人はみなタバコ吸いまくってる印象があったけど喫煙率低くておどろいた。

いまや健康リスク承知のうえで吸っているってことだから、すきにさせてあげたらいいとおもう。

2018年11月1日

無煙タバコと脳卒中


Smokeless tobacco use and circulatory disease risk- a systematic review and meta-analysis
2018  10月  アメリカ

無煙タバコには嗅ぎたばこ(煙草葉の粉末を鼻から吸引するスナッフ(snuff)や粉末の小袋を歯茎にはさむスヌース(snus))と 煙草葉を直接口に含む噛みたばこがある。

これらの脳卒中などの循環器系疾患との関連について、最近の研究もふくめてメタアナリシスしたそうな。


関係する論文を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・17の研究がみつかった。

・無煙タバコ使用者は非使用者にくらべ、アメリカ人では心臓病リスクが1.17倍、脳卒中リスクが1.28倍になり、

・スウェーデン人ではこの関連はみられなかった。

アメリカの無煙タバコ使用者には心臓病や脳卒中リスクの上昇がみられた、


というおはなし。

図:禁煙

感想:

スウェーデンの無煙タバコにはヒ素やカドミウム、鉛といった毒性の高い物質の含有量が少ないからではないか、って言ってる。


電子式たばこや加熱式たばこは燃焼式ではないけれど無煙たばこというわけではないようだ。

電子式はベープ蚊取り器とおなじで人工合成された液体医薬品を蒸散させて吸う。加熱式は煙草葉そのものを熱するという違いがある。

2018年5月8日

脳梗塞の血管内治療と喫煙パラドックス


Impact of smoking on stroke outcome after endovascular treatment.
2018  5月  スイス

喫煙習慣はあきらかに脳卒中のリスク要因の1つである。いっぽう喫煙習慣のある脳卒中患者への経静脈血栓溶解療法の効果が非常に高く回復が良いとする「喫煙パラドックス」についての報告も増えている。

この関連が血栓の機械的除去や動脈内血栓溶解療法(ウロキナーゼ)などの血管内治療についてもみられるものか詳しくしらべてみたそうな。


2003-2015に脳梗塞で血管内治療をうけた935人について調査したところ、


次のことがわかった。

・21.8%の患者に喫煙習慣があった。

・彼らは年齢が若く、男性がおおく、高血圧がすくなかった。

・また 治療から3ヶ月後の回復がきわめて良好(mRS1以下)の割合が 39.1%vs.23.1% で喫煙者におおく、動脈再開通率も高く 死亡率は低かった。

・脳内出血率に喫煙者と非喫煙者でちがいはなかった。

・関連要因を考慮にいれてもなお、喫煙習慣があるだけで3ヶ月後の回復がきわめて良かった。

脳梗塞患者に喫煙習慣があると血管内治療後の回復が非常によかった。だからといって喫煙が健康に良いわけではないので勘違いしないように、


というおはなし。
図:血管内治療の喫煙習慣パラドックス

感想:

どうやら虚血コンディショニング効果ではないか、、って言ってる。

[虚血 コンディショニング]の関連記事

2018年4月21日

若い男性の喫煙本数と脳梗塞の関係


Smoking and Risk of Ischemic Stroke in Young Men
2018  4月  アメリカ

喫煙本数と脳梗塞リスクは、中高年では弱い関連があって 若年成人女性では強い関連があることがわかっている。

若年成人男性についてはわかっていないので、喫煙量と脳梗塞リスクについて詳しくしらべてみたそうな。


2003-2007の15-49歳の男性脳梗塞患者615人と同じ地域に住む同年齢の健常者530人について喫煙調査をおこなった。

生涯喫煙本数が100本未満を「非喫煙者」
生涯100本以上で発症30日以内の非喫煙者を「喫煙経験者」
発症30日以内の喫煙者を「現在喫煙者」とした。


次のようになった。

・非喫煙者に対する現在喫煙者の脳梗塞のオッズ比は1.88、

・本数別では1日11本未満はオッズ比 1.46、

・40本以上だとオッズ比 5.66になった。

若年成人男性の1日の喫煙本数と脳梗塞のなりやすさには強い用量関係が確認できた。だから本数をへらすだけでも脳梗塞リスクを下げられるだろう、


というおはなし。
図:喫煙本数と脳梗塞リスク

感想:

すこしまえのメタアナリシスで、「1本でも吸ったら20本時の半分近い脳卒中リスクあり」って話があったのを思い出した。↓
Low cigarette consumption and risk of coronary heart disease and stroke: meta-analysis of 141 cohort studies in 55 study reports

2018年2月18日

タバコだけで脳梗塞になった患者の特徴


The Clinical Features of Ischemic Stroke Patients for whom Smoking Was Considered the Sole Risk Factor for Ischemic Stroke.
2018  2月  日本

喫煙が心筋梗塞や脳卒中のリスク要因の1つであることはよく知られている。そこで、喫煙だけで脳梗塞になってしまった患者の特徴をしらべてみたそうな。


2005-2016の急性脳梗塞患者1329人の記録を解析した。

喫煙習慣のみで 他のリスク要因(高血圧、糖尿病、高脂血症、心房細動、腎不全、肥満など)を持たないグループを分離して特徴を調べたところ、


次のことがわかった。

・リスク要因が喫煙のみの患者が3.1%(42人)いた。

・彼らの平均年齢は63で他のグループより若く、

・入院時の神経症状の重さNIHSSは2,退院時の生活自立度mRSは1、

・再発した者はいなかった。

喫煙習慣のみで脳梗塞になった患者は軽症で若年者がおおかった。タバコはよくないからやめたほうがいい、


というおはなし。
図:喫煙と脳卒中

感想:

たまたま脳梗塞になった人がたまたまタバコ吸っていただけなんじゃぁないのか?

2017年12月7日

たばこや酒やってた人の脳内出血予後は


Influence of Prior Nicotine and Alcohol Use on Functional Outcome in Patients after Intracerebral Hemorrhage.
2017  11月  ドイツ

ニコチンやアルコールといったいわゆる合法薬物の脳内出血予後への影響は未だよくわかっていない。

これを長期に詳しくしらべてみたそうな。


脳内出血患者554人について、ニコチン、アルコールの各使用経験別にグループわけして5年間フォローしたところ、


次のことがわかった。
・合法薬物経験者は35.6% で、内訳は ニコチンのみ17.0%、アルコールのみ6.0%、両方あり12.6% だった。

・彼らは非経験者より若く (65 vs. 75歳)、女性が少なかった。

・また、心筋梗塞歴と合併症が多かった。

・肺炎リスクが高いことを除くと、ニコチンやアルコール経験者と非経験者の予後にあきらかな差はなかった。

脳内出血以前のニコチンやアルコール経験の有無は、脳内出血後の状態に長期的にも影響しなかった、


というおはなし。
図:酒とタバコ

感想:

でも脳内出血にはなりやすいわけで、、、

脳細胞が死んでしまったあとは たばこ酒歴なんて些細なことなんだろうね。

2017年11月1日

くも膜下出血のあと禁煙するべきでない理由


Cigarette smoking and outcomes after aneurysmal subarachnoid hemorrhage: a nationwide analysis.
2017  10月  アメリカ

喫煙は脳卒中のもっとも大きなリスク要因の1つである。特に脳動脈瘤破裂のくも膜下出血には喫煙の影響がおおきいことがわかっている。

しかし くも膜下出血後の喫煙がその回復におよぼす影響については明らかでない。

くも膜下出血患者にニコチン代替療法を試みた2つの研究では むしろ回復が良くなったことから、くも膜下出血後の喫煙と回復度との関連をくわしくしらべてみたそうな。


国の患者データベースから くも膜下出血で手術を受けた患者5784人の記録を抽出して、喫煙状況別にその後の回復度との関連を解析したところ、


次のことがわかった。
・37.1%が喫煙者だった。

・その内訳は、31.1%が現在喫煙者で、6.0%が喫煙経験者だった。

・喫煙者は非喫煙者にくらべ 若く、他の病気をもっている者がおおかったが、

・死亡率や合併症の数、神経症状に差はなかった。

・非喫煙者にくらべ喫煙者は、気管切開や胃ろう、介護施設への転院、回復不良の割合があきらかに少なかった。

・重症患者に限定してもこれらの関連が確認できた。

くも膜下出血を経験した喫煙者は若く他の病気をもつことがおおかったが、どういうわけか非喫煙者よりも回復が良かった、


というおはなし。
図:

感想:

どうやらニコチンには神経保護作用があるようだ。

くも膜下出血になっちゃったら開き直って喫煙を継続する勇気が必要。
脳卒中経験者は喫煙を控えなくてもいいのか?

2017年10月31日

脳卒中やったのにタバコやめない人


Persistent smoking after a cardiovascular event: A nationwide retrospective study in Korea.
2017  10月  韓国
WHOによると脳卒中など心血管疾患での死亡の10%は喫煙が原因という。さらに心血管疾患後に喫煙を再開 継続することで再発率は1.5-2倍になるという報告もある。

心血管疾患のあとは禁煙がのぞましいにもかかわらず多くの患者が喫煙をやめない。その割合については調査によりまちまちで脳卒中患者のばあい50-80%のひらきがある。

そこで韓国の国民健康保健データベースを使ってひろくしらべてみたそうな。


2003-2012に心血管疾患と診断され その前後に健診を受けていた1700人の記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・心血管疾患発症前の喫煙者割合は28.6%で、

・そのうちの49.4%は発症後も喫煙を続けていた。

・この割合は脳卒中や虚血性心疾患でほぼおなじだった。

・喫煙の量と期間が長かった者ほど発症後も喫煙が続いていた。

脳卒中など心血管疾患経験者のおよそ50%が喫煙を継続していた、


というおはなし。
図:脳卒中後に禁煙しない人の割合

感想:

のこりの50%は禁煙をはじめたわけで、悲観することでもないとおもう。

しかも喫煙が必ずしも悪いとはかぎらないし。

[喫煙パラドックス]の関連記事

2017年9月13日

禁煙が脳卒中の再発を予防するはほんとう?


Smoking cessation and outcome after ischemic stroke or TIA
2017  9月  アメリカ

脳卒中による死亡はアメリカで5番目、世界では2番目におおく その12-37%にたばこの喫煙が関係している。

いちど脳卒中を経験した再発リスクの高い患者は禁煙することが望ましいと考えられており、アメリカ心臓協会のガイドラインでは推奨度トップの「ClassⅠ」に分類されている。

しかしそのエビデンスレベルは「C」であり、じつは明らかな根拠がない。

そこで禁煙による脳卒中の再発予防効果を 多くの被験者で確かめてみたそうな。


脳梗塞やTIAを経験した男女3876人について、喫煙状況、脳卒中や心筋梗塞の再発、死亡を約5年間フォローしたところ、


次のことがわかった。

・発症時、28%が現在喫煙者だった。

・その後 42%が禁煙した。

・禁煙者のうち5年間に再発または死亡したケースは15.7%で、禁煙しなかった場合は22.6%だった。

5年間のランダム化比較試験により脳梗塞やTIAの後の禁煙で 再発リスクがあきらかに下がることがわかった、


というおはなし。
図:禁煙の脳卒中再発予防効果

感想:

喫煙の影響って、脳梗塞とくも膜下出血でちがうのかな。
禁煙で脳動脈瘤の破裂を防げるのか?

2017年6月14日

脳卒中やったのに喫煙はじめる患者


Long-term trends and predictors of smoking behaviors among men following first-ever ischemic stroke.
2017  6月  中国

喫煙は脳卒中患者にとっては 再発リスクを高める要因のひとつと考えられる。

にもかかわらず喫煙を再開してしまう患者の特徴を長期的にしらべてみたそうな。


2010-2014に 男性脳卒中患者372人を3ヶ月毎にフォローして喫煙状況を確認したところ、


次のことがわかった。

・全体の41.7%が脳卒中をきっかけに喫煙をやめた。

・そのうちの39.3%は57ヶ月以内に喫煙を再開した。

・自宅の外や職場での喫煙環境、独身、病気前のヘビーな喫煙習慣、が喫煙を再開する患者に特徴的だった。

喫煙を再開してしまう脳卒中患者には環境的な理由がつよかった、


というおはなし。

図:脳卒中後の喫煙再開率

感想:

たばこは高次脳機能てきには よさそうに思うのだが、、、

2017年4月24日

受動喫煙と脳卒中死亡リスク


Passive smoking and stroke in men and women: a national population-based case-control study in China.
2017  3月  中国

受動喫煙と脳卒中との関連についてはよくわかっていない。

そこで 中国人を対象に大規模にしらべてみたそうな。


30歳以上で脳卒中で死亡した16205人と、脳卒中以外で死亡した16205人についてその配偶者の喫煙状況から受動喫煙を推定し、関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・受動喫煙で脳卒中死亡リスクが上昇し、

・とくに脳出血で10%、脳梗塞で12%の脳卒中死亡リスク増となった。

・この関連は性別や本人の喫煙、住む地域によらなかった。

・受動喫煙に曝された期間や1日あたりの本数とともにリスクは高くなった。

受動喫煙は脳卒中での死亡リスクとあきらかに関連していた、



というおはなし。
図:受動喫煙と脳卒中

感想:

中学の担任教師が授業中にタバコ吸いまくってたのを思い出した。

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脳卒中を見逃さない BE-FAST とは
玉子のコレステロールで血管詰まる説はなんだったのか?
緑茶を飲めば慢性期でも脳が再生するという根拠について
2度めの脳卒中で可塑性が再び高まる可能性について
高齢の脳卒中患者へのリハビリは無駄なの?
人生に目的を持つ高齢者の脳には梗塞が寄りつかないことが明らかに
目的をイメージしながら動作訓練すると脳がより広く鍛えられることが明らかに
脳卒中予防には歩く時間が大切 距離やスピードじゃなくてジ・カ・ン
日本人が脳卒中で死なないための生活習慣が判明
水をたくさん飲むと脳卒中にならない、はホントだった

口の中が汚いと脳内出血になるという根拠について
脳梗塞と脳出血を同時に防ぐ肥満度BMIがわかった
脳卒中を防ぐミルクとチーズの量が明らかに
片麻痺の立ち上がり訓練 効果的なやり方
脳卒中は脳機能8年間分の老化に相当することが明らかに!
高血圧の脳卒中予防には葉酸サプリメントが効くことが判明
[ ナッツ vs. 豆 ] 脳卒中予防に適しているのはどちら
触覚刺激で脳がすぐに回復し その効果が10年以上続く可能性について
脳が再生する運動強度がわかった
緑茶とコーヒーを飲むと相互作用で脳出血リスクが3割減ることが判明

脳卒中で復職可能な年数がわかった
ランセット誌:塩分減らすとかえって脳卒中になる
オナニーがきっかけで脳出血になる割合
手の痙縮を解く低周波治療器の効果的使用法が判明!
睡眠8時間を超える人は問答無用で脳卒中リスク46%増し
カップラーメンを週2回以上食べる女性が脳卒中になりやすい理由について
怒りと脳卒中との関連が明らかに
難しい理屈はいいからスクワットをやれ
1日に6000歩以上で脳卒中の再発予防になることを日本の研究者が解明
脳出血で損傷した脳が勝手に再生する可能性について

脳卒中患者がネットを使いこなす理由
若年脳卒中患者は脳の老化が10-20年進んでいた
マルチビタミンの脳卒中予防効果は〇〇年後に現れる
最新の音楽療法 バイノウラルビート (Binaural Beat)
脳卒中になりやすい労働時間がわかった ランセット誌
脳卒中が軽症だからって運転させていいの?
健康のために毎日いっしょけんめい運動するとかえって脳卒中になりやすいことが100万人の調査で明らかに
足をクロスしていたら半側空間無視 確定か?
療法士さんよりもビデオゲームの方が優れていると判明!
両手準備運動をすると脳が刺激されて上肢リハビリが加速することが判明!

心を改め運動を始めるだけで脳の可塑性は復活する
知らない音楽を聴くと脳が広く活動して新しい回路が、
なんとか復職しても仕事は続けられるのだろうか?
NEJM誌:脳卒中で死なない血圧は120未満だからね
脳卒中の言語障害はウェルニッケやブローカのせいではなかった!
手の指を繰り返し動かしてあげても脳への影響はゼロ
片足立ち20秒未満 →小さな脳梗塞や脳出血の可能性高!
[住みやすい国] 日本の脳卒中と自殺との関連について
再発予防のために血圧を120以下にすると長生きできない
【いますぐ実践】片鼻呼吸法で失語症が改善することが明らかに

悪玉善玉比L/Hが低いと脳内出血で死ぬことが明らかに
鼻炎のメリット→脳梗塞予防効果
脳卒中 幹細胞治療のダークサイドについて
ランセット誌:握力よわくなったら脳卒中が近いと知りなさい
だいたい5年後に脳卒中経験者が悩んでいること
ハゲを治そうとして脳卒中になってしまった日本人2例
退院したての元患者が感じていること
麻痺側の触覚を刺激し続けると梗塞を最小限にできる可能性について
脳卒中経験者は自動車運転をナメきっていることが判明
減塩に真面目な人ほど脳卒中で死亡するという事実

納豆を食べると脳卒中で死なない 2万9千人調査
NEJM誌:幹細胞ツアーに参加したら癌ができた
脳梗塞から脳出血へ コレステロールとの関連が明らかに
脳出血で死なないための睡眠時間が判明!
音楽サポート療法の「音楽」はほんとうに必要なのか?
患者に毎日好きな音楽を聴かせたところ、脳に構造改革が起きた模様
感情失禁になる患者の割合について
脳の可塑性のおかげで2年経っても運動機能が回復することが判明
【悲報】脳卒中後、杖を使い続けると麻痺していない手まで動かなくなる
血圧が高いひとは、他人の気持ちがわからない

生活習慣を改めれば脳卒中の再発は防げるの?
カニ歩きと後ろ歩き 片麻痺リハビリに効果的なのは、、
鍼治療の「得気」は小脳のはたらきだった
脳梗塞実績No.1漢方薬 → ほようかんごとう
閉じ込め症候群の患者にあえて生活の質を問うてみた結果、、
砂糖の代わりに甘味料を使うと脳梗塞がさらにひどくなることが判明
ダメージを負った脳組織が勝手に再生する仕組みが明らかに
指ストレッチはいいらしいから さっそくこのビデオで実践することにした
【肥満パラドックス】脳梗塞で長生きするBMIが判明
リハビリの合間のお昼寝は大切 → 訓練がはかどるゾ

刺激豊富な環境で脳梗塞が治る理由
猫を飼う女性は脳卒中で死なないことが判明!
美容院で脳卒中になる女性が続出!
「ストレスが原因」と語る脳卒中患者ほど実はなにもわかっていない
傷ついた脳に効くBDNFが増えるサプリメントが明らかに
運転リハビリに良さそうなおすすめドライブゲーム
【アロマテラピー】ラベンダーの香りが脳梗塞にすごく効く
脳卒中後の疲労感は 只の疲労とはわけが違う
脳卒中がきっかけでホモになることがあるらしい
ダイエットコーラを毎日飲むと脳卒中になることが判明

高コレステロールに朗報 葉酸サプリの脳卒中予防効果
BDNFが7年かけて脳を修復してくれるという根拠について
朝ごはんを食べない日本人は脳内出血になることが判明!
脳卒中予防に最適なビタミンBサプリメントの組み合わせがわかった!
脳卒中経験者の血圧を十分に下げたら死亡者が続出した
痙縮が治る ただの風呂と温泉を比較した
歩きスマホが脳卒中患者のリハビリに適しているという根拠について
磁気嵐が脳卒中を引き起こす と判明!
リハビリは動かせばイイってもんじゃぁない. 本人がやる気になるまで待て.
『足首を鍛えたいのに麻痺して動かないの』→『もう一方の足を鍛えなさい』