2017年4月26日

肉や玉子で脳梗塞が起きやすくなる仕組み


Gut Microbe-Generated Trimethylamine N-Oxide From Dietary Choline Is Prothrombotic in Subjects
2017  4月  アメリカ

肉や卵黄に多く含まれるコリンの 腸内細菌代謝産物であるトリメチルアミン-N-オキシド(TMAO)が血小板凝集をうながし脳梗塞の原因になるという報告がある。

これをたしかめるべく人で実験してみたそうな。


健康で完全菜食主義の8人と雑食の10人について、コリンサプリメントを2ヶ月間与えて血中のTMAOレベルと血小板凝集能を調べた。

またコリンサプリメント以前にあらかじめ低用量のアスピリンを1ヶ月間与えたグループも用意してしらべたところ、


次のことがわかった。

・両グループともに血中TMAOレベルが10倍になり、

・血小板凝集反応も強くなった。

・アスピリングループでも同様にTMAOレベルが増加したが、血小板凝集反応はずっと弱かった。

肉などに含まれるコリンを多く摂ることで腸内細菌産物であるTMAOのレベルが増加して血小板凝集が起きやすくなった。アスピリンにはこの効果を弱める働きがあるかも、


というおはなし。
図:コリンサプリメントと血小板凝集反応


感想:

これ真に受けて 肉や玉子を食べないと脳出血まっしぐらなんだよな、、経験的に。

2017年4月25日

脳のここをやられると勃起不全になる


Lesion mapping of stroke-related erectile dysfunction.
2017  4月  ドイツ

急性脳梗塞により男性の性機能に障害(勃起不全)がおきることがある。

勃起不全のおきやすい脳の病変位置をしらべてみたそうな。


平均年齢60、52人の脳梗塞患者についてアンケートから勃起機能スコアをとり、脳の断層画像上の変化との関連を "voxel-based lesion mapping"法で解析したところ、


次のことがわかった。
・61.5%の患者が脳卒中後に勃起不全になった。

・脳卒中前後での勃起低下度は年齢、脳卒中の重症度、梗塞体積によらなかった。

・関連の強い病変位置は、右脳の後頭頭頂と視床、左脳の島皮質および頭頂側頭だった。

脳卒中後の勃起不全は 右脳の後頭頭頂と 視覚と体性感覚を統合する視床、そして左脳の島皮質と 隣接し覚醒状態を司る頭頂側頭部に関連がつよかった、


というおはなし。

図:左脳の島皮質


感想:

ようするにエッチな妄想がはかどらなくなるから... ってことなのかな。

[勃起不全]の関連記事

2017年4月24日

受動喫煙と脳卒中死亡リスク


Passive smoking and stroke in men and women: a national population-based case-control study in China.
2017  3月  中国

受動喫煙と脳卒中との関連についてはよくわかっていない。

そこで 中国人を対象に大規模にしらべてみたそうな。


30歳以上で脳卒中で死亡した16205人と、脳卒中以外で死亡した16205人についてその配偶者の喫煙状況から受動喫煙を推定し、関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・受動喫煙で脳卒中死亡リスクが上昇し、

・とくに脳出血で10%、脳梗塞で12%の脳卒中死亡リスク増となった。

・この関連は性別や本人の喫煙、住む地域によらなかった。

・受動喫煙に曝された期間や1日あたりの本数とともにリスクは高くなった。

受動喫煙は脳卒中での死亡リスクとあきらかに関連していた、



というおはなし。
図:受動喫煙と脳卒中

感想:

中学の担任教師が授業中にタバコ吸いまくってたのを思い出した。

[受動喫煙 OR 間接喫煙]に関する過去記事

2017年4月23日

コレステロールが低い脳内出血患者の予後


Low cholesterol level associated with severity and outcome of spontaneous intracerebral hemorrhage: Results from Taiwan Stroke Registry.
2017  4月  台湾

コレステロールと脳内出血の発生についてはおおくの研究があるが結論はでていない。アジア人での研究も少ない。

そこで コレステロールと脳内出血の重症度、予後についてアジア人でしらべてみたそうな。


台湾の複数の病院での脳内出血患者2444人について、入院時の総コレステロール値および重症度、3ヶ月後の死亡率との関連を解析したところ、


次のようになった。
・患者の34.9%は総コレステロール値が160mg/dl未満だった。

・160mg/dl未満の患者は神経症状が重く、3ヶ月後に要介助の者が多かった。

・160mg/dlより高くてもBMIが22未満の患者の3ヶ月死亡率は高かった。

・脂質降下薬の使用は重症度と予後に関連しなかった。

脳内出血患者には総コレステロール値が160mg/dl未満の者がおおく、彼らは重症で3ヶ月後の回復もよくなかった、


というおはなし。
図:コレステロール値と脳内出血生存率

感想:

じぶんは140なかった。「ごはんたべてなかったんでしょ!」と叱られた思い出。

2017年4月22日

緑茶が脳卒中の記憶障害を防ぐ


Short-term green tea supplementation prevents recognition memory deficits and ameliorates hippocampal oxidative stress induced by different stroke models in rats.
2017  4月  ブラジル

緑茶はおおくの健康効果が報告されており、神経保護作用もあることがわかっている。

そこで、緑茶が脳卒中後の記憶障害の改善に役立つものか実験してみたそうな。


人為的に脳虚血または脳内出血にしたネズミを使った。

脳卒中の10日まえから緑茶を400mg/day(人では400ml相当)を与えた。

脳卒中のあと6日間 さらに緑茶をあたえた。

短長期記憶と海馬での酸化ストレスを調べたところ、


次のようになった。

・脳卒中にしたネズミでいずれも記憶障害がみられたが、

・緑茶を与えたグループでは記憶障害が小さかった。

・脳内出血で海馬に生じた過酸化脂質が緑茶グループでは少なかった。

・脳虚血で低下した海馬の抗酸化力が緑茶グループでは回復していた。

脳卒中になる少しまえから与えた緑茶が 記憶障害から護る効果を示し海馬での酸化ストレスをバランスしているようにみえた、


というおはなし。
図:緑茶の脳卒中の記憶障害 改善効果

感想:

脳卒中への[緑茶]の効果はもっと注目されるべきだね。

2017年4月21日

Stroke誌:ダイエットコーラで脳卒中と認知症が3倍に


Sugar- and Artificially Sweetened Beverages and the Risks of Incident Stroke and Dementia
2017  4月  アメリカ

甘味飲料を多く摂ると脳卒中リスクが高くなることはわかっている。しかし認知症との関連は知られていない。

そこで砂糖または人工甘味料を使った飲料と 脳卒中および認知症との関連をしらべてみたそうな。


45歳以降の2888人について脳卒中の発生を、60歳以降の1484人について認知症を10年間フォローした。

甘味飲料の種類と消費量はアンケートから推定した。

関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・この間に97の脳卒中(82は脳梗塞)と81の認知症(63はアルツハイマー病)が起きた。

・年齢、性別、喫煙、運動量、食事量などの関連要因を考慮してなお、人工甘味飲料をおおく摂っていた者の脳梗塞、認知症リスクは明らかに高く、

・人工甘味飲料をまったく摂らない者に比べそのリスクは、脳卒中 認知症のいずれも およそ3倍だった。

・砂糖を使用した飲料ではこのような関連はまったく見られなかった。

人工甘味料を使用した飲み物を摂り続けると脳卒中や認知症のリスクがあきらかに高かった、


というおはなし。
図:ダイエットソーダと脳卒中、認知症フリーの関係

感想:

この件のニュースビデオ↓。


認知症の関連ははじめて。[ダイエットコーラ]に関する過去記事

2017年4月20日

脳卒中リハビリは害!? 骨折しやすくなることが判明


Post-ischemic stroke rehabilitation is associated with a higher risk of fractures in older women: A population-based cohort study.
2017  4月  台湾

脳卒中を経験すると骨折のリスクが2倍になるという。そのおおくはバランス能力の低下が原因の転倒によるもので 大腿骨頸部や脊椎、上腕を骨折する。

これまで脳卒中リハビリと骨折との長期的関連を調査した研究はほとんどないので大規模にしらべてみたそうな。


台湾の国民健康保健データベースから2000-2012の脳梗塞患者8384人の記録を抽出した。

このうち半数は1ヶ月以内に脳卒中リハビリを開始し、残りの半数は1年間リハビリをまったく受けなかったケースを選んだ。

1年間の骨折事例との関連を さらに年齢別、男女別に解析したところ、


次のことがわかった。

・リハビリを受けたグループの骨折率は関連要因を考慮に入れてなお あきらかに高く、年間100人あたり6.2人で、

・リハビリ無しのグループでは4.1人だった。

・特に65歳以上の高齢女性で脳卒中リハビリ後の骨折リスクが1.62倍だった。

脳卒中後のリハビリを受けた高齢女性の骨折リスクはあきらかに高かった、

というおはなし。
図:脳卒中リハビリと骨折しない確率

感想:

身体活動がかっぱつになったぶん転びやすくなるのかも...という能天気な推測が書いてある。

じぶんの経験にてらすとむしろ逆で、たぶんこういう↓こと。


入院したばかりで麻痺がいちばんキツイ時期の高齢者をベッドから引きずり出し、
「あなたはこんなにも歩けなくなったけど、いまから一生懸命にがんばれば元のように歩けるようになりますよ」と言い聞かせる。

幾多の人生の苦難を乗り越え ようやく先の見えてきた女性高齢者に「このひどい状況から再び努力で這い上がれ」と告げることは 彼女を絶望の淵に突き落とし歩行能力への自信を完全に失わせるに十分である。

そして歩行への恐怖のあまり たわいないきっかけで転び骨折するようになる。


ところが現実は、

早期にリハビリを開始しても患者メリットはないし、(←リンク)
努力して訓練を重ねても回復が進むわけでもない、(←リンク)
しかもリハビリしなくても治るひとは勝手に治る、(←リンク)

ことが数々の研究で "明らか" になっている。

だから病院で脳卒中リハビリを "受けない" ことを選択した患者は
ゆったりと入院生活を楽しみ 自らの治癒力で努力なしに回復できるので、
歩行能力への自信を失うこともなく その後の転倒や骨折が少ない。

2017年4月19日

検索ボリュームからみたクモ膜下出血の季節性


Internet search volumes in brain aneurysms and subarachnoid hemorrhage: Is there evidence of seasonality?
2017  4月  カナダ

クモ膜下出血には起きやすい季節がある という報告があるが詳細は確認されていない。

そこでクモ膜下出血と季節の関連をネットの検索ボリューム変化からしらべてみたそうな。


無料のサービス Google Trendsを使用して、「脳動脈瘤」「クモ膜下出血」といったキーワード検索量の変化を2004-2016で調査した。
対象国をアメリア、カナダ、フィンランド、日本にも絞って解析したところ、


次のようになった。
・検索件数ではアメリカがもっともおおかった。

・検索語句では "brain aneurysm" のつぎに "cerebral aneurysm"が多かった。

・どの国でも季節との関連をしめす結果は得られなかった。

クモ膜下出血についてのインターネット検索ボリューム変化からは季節との関連は確認できなかった、


というおはなし。

図:クモ膜下出血のGoogle Trends

感想:

あいかわらず鼻水が止まらないので [花粉症 vs.インフルエンザ]でしらべてみた。
このくらいのビッグキーワードになると季節性とボリューム比がはっきりとわかる。

2017年4月18日

ゴマを食べると血圧が下がるは本当か?


Can sesame consumption improve blood pressure? A systematic review and meta-analysis of controlled trials.
2017  4月  オーストラリア

ゴマにはビタミンEや不飽和脂肪酸が多く含まれ抗酸化作用、抗炎症作用や血圧降下作用が期待される。

ゴマと血圧についてこれまでの研究成果をまとめてみたそうな。


ゴマ摂取と血圧に関係する研究を厳選して データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。
・被験者843人を含む8の臨床研究がみつかった。

・毎日ゴマを摂ると収縮期血圧が7.83mmHg,拡張期血圧は5.83mmHg下がった。

・さらに質の高い4つの研究に絞ったところ、収縮期血圧の明らかな低下作用を確認した。

ゴマを食べると血圧が下がることがわかった、


というおはなし。
図:ゴマの収縮期血圧降下作用

感想:

じゃどのくらい食べればいいのよ?とおもったら、
1日にゴマパウダー60mgからゴマ油35gまで幅があった。
セサミンのおかげで脳の梗塞が小さくなった

2017年4月17日

脳内出血で思わず牧師を呼んでしまうケース


Chaplaincy Visitation and Spiritual Care after Intracerebral Hemorrhage.
2017  4月  アメリカ

重症患者へのスピリチュアルケアの必要性を理解するべく、脳内出血患者が牧師を呼ぶケースでの患者の特徴をしらべてみたそうな。


脳内出血で入院の患者266人の医療記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・患者の32%が牧師の訪問を受けていた。

・そのうち57%は家族の要請によるものだった。

・牧師訪問があったのはカトリック教徒と重症(延命拒否や脳室ドレナージ)の患者に特におおかった。

・カトリックであっても、死亡した患者の28%は牧師訪問をうけていなかった。

脳内出血患者のおよそ3分の1が牧師訪問を受けていた。そのおおくは家族の要請によるものだった。スピリチュアルケアが必要な患者や家族をみきわめる方法が必要だろう、


というおはなし。
図:牧師を呼ぶ脳内出血患者の特徴

感想:

日本だったら坊さんなのか?
アマゾンの[お坊さん便]なら35000円ポッキリ。

2017年4月16日

親と同居するようになった女性の脳出血リスク


Changes in the living arrangement and risk of stroke in Japan; does it matter who lives in the household? Who among the family matters?
2017  4月  日本

離婚や死別、出産、介護といった理由で家族構成に変化が生じたときの脳卒中リスクの研究はほとんどない。

日本人でしらべてみたそうな。


45-74歳の日本人男女77001人について、5年内に世帯構成(配偶者、子供、親)に増減のあったケースを調べ、脳卒中の有無を10年以上フォローしたところ、


次のことがわかった。

・世帯構成に変化がない場合にくらべ、1人増減したときの脳卒中リスクは男性で1.11倍、女性1.15倍になった。

・特に配偶者を失った場合の男性の脳梗塞リスク、女性の脳出血リスクの上昇が顕著だった。

・世帯構成に親が加わった場合の男性の脳卒中リスクに変化はなかったが、女性は1.49倍になった。

・配偶者の喪失と新メンバーの追加が重なった場合、男性のリスク上昇はなくなる一方、女性の脳卒中リスクは1.58倍にさらに上昇した。

配偶者を失った男性の脳梗塞リスクと、あらたに親と同居するようになった女性の脳出血リスクは、世帯構成に変化がない場合にくらべ明らかに高かった、




というおはなし。

図:あらたに親と同居

感想:

男は仕事場に逃げられるってこともあるんだろうけど、脳梗塞と脳出血の違いはなんだろね。
配偶者と離婚や死別のあとになる脳卒中の種類は

2017年4月15日

日本人の肥満とクモ膜下出血


Body Mass Index and Incidence of Subarachnoid Hemorrhage in Japanese Community Residents: The Jichi Medical School Cohort Study.
2017  4月  日本

いっぱんに肥満度BMIが高いと心血管疾患リスクも高いとされているが、アジア人ではBMIが低いとリスクが上がる。

クモ膜下出血とBMIについてはどうか、しらべてみたそうな。


自治医科大学の研究データベースをつかって日本全国から12490人を抽出して10.8年間フォローした結果、


次のようになった。

・55人でクモ膜下出血がおきた。

・標準BMIにくらべBMI30以上の肥満ではクモ膜下出血リスクが5.95倍だった。

・BMIが18.5以下のヤセではリスク2.51倍とでたが有意な差ではなかった。

日本人のばあい、BMIが高いとあきらかにクモ膜下出血になりやすかった。有意なほどではないがBMIが低くてもリスク上昇の傾向があり Jカーブ相関にみえた、


というおはなし。
図:BMIとクモ膜下出血リスク


感想:

てっきり 肥満→糖尿病→予防効果 だとおもったら、この集団には糖尿病がふつうより少ないんだって。
糖尿病がクモ膜下出血の予防になる理由

肥満ではなくヤセが原因!? 日本人の脳梗塞

2017年4月14日

脳卒中やるひとがアルツハイマー病にもなりやすい理由


Association Between Midlife Vascular Risk Factors and Estimated Brain Amyloid Deposition
2017  4月  アメリカ

高血圧や喫煙、糖尿病などの血管危険因子をもっていると のちに認知症になりやすいといわれている。

そこで中年期の血管危険因子とアルツハイマー病との関連はどうなのか、しらべてみたそうな。


45-64歳で 肥満や高血圧、喫煙、糖尿病、コレステロールの検査をした346人をフォローして、20年後にアルツハイマー病に特徴的なアミロイドを定量するPET検査をおこなった。

またアルツハイマー病に関連するAPOE遺伝子型の有無もしらべ関連を解析したところ、


次のようになった。

・中年期に血管危険因子を多くもっているほどアミロイドの蓄積がおおかった。

・血管危険因子がゼロ個の者の30%にあきらかなアミロイド上昇があり、

・血管危険因子が2個以上の者には 60%にアミロイド上昇があった。

・人種との関連はみられなかった。

・晩年の血管危険因子とも関連はなかった。

・APOE遺伝子型との関連も確認できなかった。

中年期に血管危険因子をおおく持っていると、明らかにアミロイドがおおく蓄積していた。この関連は晩年の血管危険因子にはよらなかった。
これが血管疾患患者が認知症になりやすい理由なのかも、



というおはなし。
図:高血圧とアミロイド

感想:

そのうちアルツハイマー病も体験できるのか、、楽しみだ。

2017年4月13日

日本人の脳卒中予防に最適な運動量が判明


Daily Total Physical Activity and Incident Cardiovascular Disease in Japanese Men and Women
2017  4月  日本

アジア人の身体活動量と脳卒中との関連についてはよくわかっていない。

そこで日本人でしらべてみたそうな。


50-79歳の健康な男女74913人の1日あたりの身体活動の内訳(仕事関係、余暇、睡眠)を調査し、トータルの身体活動量MET・時 をもとめた。約9年間脳卒中の発生をフォローして関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・この間に2738件の脳卒中と607件の冠動脈疾患があった。

・1日あたりの身体活動量が 5-10MET・時のときに脳卒中リスクがもっとも小さくなった。

アジア人は1日あたりほどほどの運動量で十分に脳卒中予防になることがわかった、


というおはなし。
図:1日の運動量と脳卒中リスク

感想:

1METは安静時代謝に相当する運動強度で、
5MET・時なら 時速6kmの早足ウォーキング1時間とおなじ。

徒歩通勤のサラリーマンなら余裕だな。

2017年4月12日

人工知能が抗凝固薬を毎日飲むよう勧めたところ、、


Using Artificial Intelligence to Reduce the Risk of Nonadherence in Patients on Anticoagulation Therapy
2017  4月  アメリカ

抗凝固薬治療では定期の服薬がまもられていないと脳卒中や出血のリスクが高くなってしまう。

人工知能AIを搭載したモバイルデバイスを用いて服薬状況の改善をこころみたそうな。


脳梗塞のあと経口抗凝固薬治療をうけることになった患者28人を2グループに分け、

いっぽうのグループには、まいにち服薬をうながし その確認ができるAIアプリをインストールした携帯端末をもたせた。

12週間後、AIアプリの記録と血液サンプルから服薬遵守率を求めたところ、


次のようになった。

・AIアプリの記録による服薬遵守率は90.5%だった。

・血液中の薬の濃度からみた服薬遵守率はAIグループ100%、比較グループ50%だった。

服薬をうながすアプリを入れたスマートフォンを持たせることで、血中濃度レベルで服薬遵守率を50%改善できた、


というおはなし。
図:AIと服薬遵守率

感想:

タイトルに "Artificial Intelligence"って書いてあるんだけど、
これ ただのリマインダーアプリだろ。AIとよぶには無理すぎやしないか?

2017年4月11日

脳卒中患者が医師のアドバイスを無視するとき


How do stroke survivors and their carers use practitioners’ advice on secondary prevention medications? Qualitative study of an online forum
2017  4月  イギリス

降圧薬や脂質低下薬、抗凝固薬は脳卒中の再発予防に有効と考えられているが、患者は時間が経つにつれ薬を飲まなくなってしまう。

そのあたりの背景をさぐるべく、ネット掲示板の書き込みを分析してみたそうな。


脳卒中協会運営のネット掲示板Talkstrokeの2004-2011の書き込み記録から、脳卒中の再発予防薬とかかりつけ医のアドバイスに関連するものを抽出したところ、


次のことがわかった。

・43スレッド、20000以上の投稿から50人の投稿者が浮かび上がった。

・薬の副作用を医師に相談すると、薬を変えるか現行の治療を続けるようアドバイスされる。

・これに対し患者は、1)なっとくして従う か、 2)無視して薬をやめる、3)ネット掲示板で他の患者に相談する などした。

・医師のアドバイスが無視されるケースは、主にスタチンの副作用で 1,2度相談を受けたあとにおおかった。

ネット掲示板を分析したところ、脳卒中の再発予防薬の副作用 とくにスタチンのそれは患者に多大な不安と憤りを与えており、医師にほとんど相談しない場合もすくなくなかった、


というおはなし。
図:スタチンの副作用とアクション


感想:

スタチンってそんなにわりいヤツだったのか、、、知らなかったぞ。
脳卒中の相談にネット掲示板は役にたつか?

2017年4月10日

夢を見て暴れるひとの脳卒中のなりやすさ


Probable REM sleep behavior disorder and risk of stroke
2017  4月  アメリカ

レム睡眠行動異常症(RBD)は睡眠中の夢のなかでの行動がそのまま手足の動きや寝言となってあらわれ、かたわらで寝ている相手を傷つけることさえある。
RBDとパーキンソン病、レビー小体認知症、多系統萎縮症とは関連があるとされている。

そこで 脳卒中との関連についてしらべてみたそうな。


平均年齢54、12000人の健常者にアンケートをとりRBDが疑われる者を割り出し、その後の脳卒中の有無を3年ほどフォローした結果、


次のようになった。

・この間に159件の脳卒中がおきた。

・RBDがあると脳卒中リスクは2.57倍になった。

・種類別では脳梗塞リスクが1.93倍、脳出血リスクでは6.61倍だった。

レム睡眠行動異常症があると脳卒中リスクが高かった、


というおはなし。
図:レム睡眠行動異常症の脳卒中リスク

感想:

夢の内容をよく覚えていることもRBDの特徴だという。

夢日記をつけはじめて3年以上たった。
夜中、夢を見たらすぐに書き記し 翌朝に読み返してその内容を思い出す。

世界がひろがったよ。

2017年4月9日

再就職で上昇する日本人の脳卒中死亡率


Changes in the Employment Status and Risk of Stroke and Stroke Types
2017  4月  日本

失業と脳卒中リスクは関連する。

日本ではいったん失業すると再び希望の職に就くことは難しい。そこで日本人の再就職と脳卒中リスクとの関連をしらべてみたそうな。


健康で40-59歳の日本人男女4万人あまりを90年代からフォローしたところ、


次のことがわかった。

・男女ともに1度でも失業を経験すると、脳梗塞や脳出血のリスクが高かった。

・連続就業者にくらべ 失業経験のある男性の脳卒中リスクは1.58倍、その死亡率は2.22倍、

・女性では順に 1.51倍、2.48倍だった。

・再就職経験のある男性の脳卒中リスクは2.96倍、その死亡率は4.21倍、

・女性では順に 1.30倍、1.28倍だった。

失業経験のある男女および再就職の男性は 脳卒中とその死亡リスクが非常に高かった、


というおはなし。
図:

感想:

脳卒中死亡率4.21倍...わかる気がするよ。
あてもなく仕事辞めたことが何度かあったけど、毎度あたらしい職場環境に適応するのは胃がよじれるようなストレスがある。

2017年4月8日

アメとムチは脳卒中リハビリに有効か?


Reward and punishment enhance motor adaptation in stroke.
2017  4月  イギリス

たとえば上肢のリーチング動作のブレが 繰り返すごとに徐々に小さくなってゆく様を「運動適応」という。

賞罰フィードバックを加えたときに脳卒中患者の運動適応がどのように影響されるのか しらべてみたそうな。


慢性期脳卒中患者45人について、麻痺手を使ってスクリーン上のカーソルを任意の位置に移動させる繰り返し課題を行わせ、健常者15人と比較した。

このとき患者をつぎの3グループに分けて賞罰フィードバックを与えた。

*賞金グループ:各動作のエラーが小さいほど賞金が加算される。
*罰金グループ:スタート時の持金から 各エラーにしたがい罰金が引かれる。
*賞罰なしグループ:あらかじめきまったすこしのお金が最終日にもらえる。

実験後、さらに運動適応度をフォローしたところ、


次のようになった。

・賞罰なしよりも 賞罰があるグループで運動適応度が健常者なみにすぐれていた。

・この効果の持続度は賞金グループがダントツに高かった。

賞罰フィードバックが脳卒中患者の運動適応を強化することがわかった。臨床シーンへの応用が期待される、


というおはなし。
図:賞罰つきリーチング動作

感想:

捕まえたポケモンを換金できるようになったら 一生懸命にあるいちゃうんだけどな。

2017年4月7日

早産の女児は脳梗塞、遅れた男児は脳出血の素質あり


Early life characteristics, social mobility during childhood and risk of stroke in later life: findings from a Swedish cohort.
2017  3月  スウェーデン

低体重で生まれた子供は 成人したのちに脳卒中になりやすいとするいくつかの報告がある。
早産や遅れて生まれた場合はどうなのか また 幼小児期の逆境は影響するのか、しらべてみたそうな。


ウプサラ大学病院の1915-1929の出産記録から男女14192人を抽出し、1964以降の脳卒中(脳梗塞、脳出血、その他)の発生を2008までフォローしたところ、


次のことがわかった。

・胎内にいた期間が短い女性は脳梗塞リスクが高かった。

・35週未満の早産児だった女性の脳梗塞リスクは妊娠満期に生まれた女性の1.54倍で、その他の脳卒中リスクも非常に高かった。

・42週以降の過期産児だった男性の脳出血リスクは妊娠満期児の1.45倍だった。

・幼小児期に社会階層に大きな変動(貧乏から金持ち or その逆)のあった女性の脳梗塞リスクは 常に恵まれた環境にあった女性よりも高かった。

胎内にいた期間と幼小児期の社会階層の変動は成人してからの脳卒中リスクに影響した。特に女性で顕著で 脳卒中の種類でまったく異なった、


というおはなし。
図:


感想:

37週から41週が満期なんだね。

2017年4月6日

下肢運動機能の比例回復則からわかること


Proportional Recovery From Lower Limb Motor Impairment After Stroke
2017  3月  ニュージーランド

脳卒中のあと皮質脊髄路にダメージが無い場合、その後のリハビリ訓練量にかかわらず 低下した運動機能の一定の割合≒70%が3ヶ月後には自発的に回復するという経験則があり "Proportional Recovery Rule"(比例回復則)ともいわれている。

比例回復則は上肢機能についてはよく調べられているが下肢の報告は無いのでしらべてみたそうな。


脳卒中患者32人の下肢運動機能を3日後と3ヶ月後に評価した。

皮質脊髄路の健全性はTMSとMRIで評価した。
これらと運動機能の回復度、リハビリ訓練時間との関連を解析したところ、


次のようになった。

・3ヶ月後、低下した下肢運動機能の74%が回復した。

・皮質脊髄路の健全性は下肢回復度の予測の役に立たず、

・しかも回復度はリハビリ訓練時間にもよらず、初期の運動機能低下度のみで決まった。

・上肢の研究では患者の30%は比例回復則にフィットしないはずなのに、今回そういった患者群はなかった。

脳卒中での下肢運動機能の低下は 3ヶ月後にその70%まで回復した。上肢研究でみられた比例回復則に沿わない患者群がいなかったことは 微力ながら別の神経経路(網様体脊髄路)の寄与があったことをうかがわせる。訓練量にもよらなかったことから、比例回復則はもともと備わっている生体プロセスなのであろう、


というおはなし。
図:下肢の比例回復ルール
回復度ΔFMは訓練時間と相関しない。


感想:

比例回復則は2008年から話題になりはじめて、すでに失語や半側空間無視でも同様の効果が確認されている。

ようするに神経インフラさえ残っていれば、リハビリしようがしまいが 落ち込んだ機能スコアぶんの70%は勝手に回復する ってこと。

これ↓に通じるものがあるね。
題指向型訓練 いくらやっても役には立たない

2017年4月5日

運動は脳卒中とがんの予防になるのか


Physical Activity and Lifetime Risk of Cardiovascular Disease and Cancer.
2017  3月  アメリカ

WHO(世界保健機関)のガイドラインでは心血管疾患とがんの予防に中強度以上の運動を勧めている。
身体活動レベルとこれら疾患の生涯リスクとの関連をじっさいにしらべてみたそうな。


45-64歳の男性5807人と女性7252人について、1987-2012にかけてその身体活動レベルと脳卒中など心血管疾患およびがんの発生をフォローした。

身体活動レベルをつぎのように場合分けした。
*運動なし:安静時代謝の3倍強度以上の運動が週に0分、
*推奨運動レベル:安静時代謝の3-6倍強度の運動を週に150分以上または6倍強度より強い運動を75分以上、
とした。


次のようになった。

・この間に4065件の心血管疾患と3509件のがんがみつかった。

・男性の45-85歳までの心血管疾患リスクは、運動なしが52.7%、推奨運動レベルでは45.7%、

・女性の心血管疾患リスクは順に、42.4%、30.5%だった。

・がん全体については男性で 運動なし40.1%、推奨運動レベル42.6%、

・女性では順に31.4%、30.4%だった。
WHOが推奨する運動レベルを守ると 脳卒中など心血管疾患の生涯リスクは男女ともに低かった、しかしがんはそうではなかった、


というおはなし。
図:運動レベルと脳卒中の生涯リスク

感想:

それだからなのか 脳卒中は意志のよわい怠け者がなる病気 のイメージがある。

2017年4月4日

クモ膜下出血に女性のほうが多くなる年齢層


Demographics and Short-Term Outcomes of Spontaneous Subarachnoid Hemorrhage in Young Adults.
2017  3月  台湾

クモ膜下出血は高齢者におおく 早期死亡率は20-40%になる。社会経済的損失がより大きいと考えられる50歳未満の若年患者の割合と特徴についてしらべてみたそうな。


クモ膜下出血患者1689人の医療記録について、
18-49歳(531人)、50歳以上(1158人)にわけて解析したところ、


次のことがわかった。

・患者の性別は、男性:女性=1:1.45 で女性がおおかった。

・若年患者では男性のほうが53.5%でおおかった。

・片麻痺の後遺症は若年患者に多かったが、

・院内死亡率は25.4% vs. 32.4% で若年患者が低かった。

若年のクモ膜下出血患者には男性がおおかった。若年患者に後遺症がおおいのは死亡率が低いからだろう、


というおはなし。
図:クモ膜下出血の年齢別男女比

感想:

うえのグラフみると、男女比が逆転するのは60歳代以降なんだな。
いつからクモ膜下出血に女性が多くなったのか?

2017年4月3日

脳卒中のセックスリハビリに適した教育方法は


Effectiveness of a structured sexual rehabilitation programme following stroke: A randomized controlled trial.
2017  3月  オーストラリア

脳卒中のあとは性欲の減少、女性の膣潤滑 男性の射精能力の低下などが問題になる。しかしこのようなテーマへの医療機関の対応はまれで オーストラリアではその種の情報を受け取った患者は17%にすぎないという報告がある。

そこで脳卒中患者を対象としたセックスリハビリプログラムの効果、伝達手段について実験してみたそうな。


平均年齢63の脳卒中患者68人を、30分間の個別セックスカウンセリングと 文書情報を渡すだけのグループに分けた。

セックスカウンセリングは、経験豊かな医師、療法士らによる たとえば「体位」についてのアドバイスからなる内容とした。

6週間後、6ヶ月後の性機能スコア、うつ不安スコア、機能的自立度 等を評価し比べたところ、


次のことがわかった。

・両グループで結果に差はなかった。

・51%の患者がこの種の情報を欲していた。

・カウンセリングもしくは文書情報のみを好む患者は半々で、

・54%は退院後の情報提供を望んでいた。

脳卒中患者のセックスリハビリについては、文書情報のみでも専門家による30分間のカウンセリングに匹敵する効果が得られる とわかった、


というおはなし。
図:セクシャルリハビリ 患者の好み


感想:

このカウンセリング設定で医師監修のアダルトビデオを作るといい。
AV制作会社に依頼して、イケメン医師版と美人女医版の各1本ずつ。
患者の退院時に「これで勉強してください」とDVDを渡すだけでOK。
LGBTへの対応も必要かもしれんね。

[セックス] 関連の記事。

2017年4月2日

脳卒中経験者の社会ネットワークの変化


A Typology to Explain Changing Social Networks Post Stroke.
2017  3月  イギリス

脳卒中のあと人々は社会との接点をうしないがちになるという。

脳卒中経験者の社会的ネットワークがどのように変化するのかしらべてみたそうな。


シティ・オブ・ロンドンの脳卒中センター2箇所の患者87人について6-15ヶ月ほどフォローしたところ、


次のことがわかった。

・彼らの社会的ネットワークは、多様なつながり、友人ベース、家族ベース、親しい家族のみ、家族なし、のいずれかに分類できた。

・ぜんたいのおよそ3分の1が 多様なネットワークから家族中心のネットワークに移っていた。

・もともと友人関係の強い人や家族のいない人の友人ネットワークは安定していた。

・家族がいない人でさらに社会的に孤立するケースが、脳卒中前の3%から脳卒中後17%に増加していた。

・引きこもりになりがちな要因として 身体障害のみならず地域に根ざしたサポートの不足や精神的なダメージが考えられた。

脳卒中を経験すると社会的ネットワークが変化しがちである。身体的、精神的ダメージにより 家族よりも友人たちとの接点が失われてゆく傾向がある、



というおはなし。
図:

感想:

みな死ぬときはひとりなんだから、その前段階として孤独が深まるのは自然なこと。無理して社会とつながることはないかな。

2017年4月1日

自殺願望をいだく脳卒中経験者の割合と特徴


Rates and correlates of suicidal ideation among stroke survivors: a meta-analysis.
2017  3月  イタリア

自殺者全体に占める脳卒中経験者の割合は3-4% という報告がある。

自殺願望をいだく脳卒中経験者の割合と特徴についてこれまでの研究をまとめてみたそうな。


関係する研究を厳選し データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・15の研究がみつかり、ほとんどは最近6年間のものだった。

・自殺願望をいだいたことのある脳卒中経験者の割合は11.8%だった。

・自殺願望の評価時期など研究によるばらつきはおおきかった。

・うつ、再発、身体障害、認知障害が自殺願望に関連していた。

・既婚、有職、高学歴者の自殺願望はすくなかった。

脳卒中経験者のおよそ8人に1人が自殺願望をもったことがあった、


というおはなし。
図:自殺念慮の脳卒中経験者の割合

感想:

脳卒中の自殺研究はさいきんのことなんだな。

[自殺]の関連記事

2017年3月31日

糖尿病がクモ膜下出血の予防になる理由


Diabetes mellitus and the risk of aneurysmal subarachnoid haemorrhage: A systematic review and meta-analysis of current evidence.
2016  12月  中国

さいきん糖尿病がクモ膜下出血リスクの低下と関連があるとする報告がいくつかでてきた。

はたしてそうなのか、これまでの研究を再検証してみたそうな。


動脈瘤性クモ膜下出血と糖尿病に関係する研究を厳選して データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。
・18の研究がみつかり、このうち6件は日本のものだった。

・全体的に糖尿病があるとクモ膜下出血リスクが低かった。

・研究の質にはバラつきが小さくなく、

・特にハイクオリティな研究でクモ膜下出血のリスク低下が大きかった。

一部の質の高い研究で 糖尿病が脳動脈瘤の破裂リスクを低下させる可能性が示された。原因をたしかめるべくさらなる研究が期待される、


というおはなし。
図:糖尿病とクモ膜下出血リスク

感想:

動脈瘤に貼り付いたアテロームのおかげで破れにくくなるのではないか、、、って言ってる。

歯に自信のある爺さんが数十年ぶりに歯医者に行き ながねん積もらせた歯石をぜんぶ取ってもらったところ すぐにぜんぶの歯が抜けてしまった、という話を思い出したよ。

2017年3月30日

脳卒中を防ぐヨーグルトの量がわかった


Consumption of Yogurt and the Incident Risk of Cardiovascular Disease: A Meta-Analysis of Nine Cohort Studies.
2017  3月  中国

乳製品と脳卒中など心血管疾患との関連についてまとめた研究はあるが、ヨーグルトに特化したものはまだない。

これまでの研究からヨーグルトの摂取量と心血管疾患との関連をしらべてみたそうな。


関係する研究を厳選し データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・全体として、ほとんど摂らないグループに比べもっとも多く摂るグループの心血管疾患リスクには差がなかった。

・しかし摂取量が1日あたり200gを超えるグループに限定すると心血管疾患リスクは明らかに低く、

・より多く摂るほどそのリスクはさらに低くなった。。
ヨーグルトは毎日200g以上摂ると心血管疾患の予防効果が期待できる、


というおはなし。
図:ヨーグルト摂取量と脳卒中リスク

感想:

200グラム、、ありえない量ではないな。

[ヨーグルト]の検索結果。

2017年3月29日

アスピリンでクモ膜下出血を予防できるはほんとうか


Aspirin and Risk of Subarachnoid Hemorrhage
Systematic Review and Meta-Analysis

2017  3月  オーストラリア

さいきん抗血小板薬のアスピリンがクモ膜下出血を予防するという噂がまことしやかに語られている。ほんとうかどうか、これまでの研究を検証してみたそうな。


動脈瘤性クモ膜下出血とアスピリンに関する研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。
・7つの研究がみつかった。

・全体としてアスピリン使用者と非使用者でのクモ膜下出血リスクに差はなかった。

・ただし3ヶ月未満の使用に限っては、クモ膜下出血リスクが明らかに上昇した。

・3ヶ月以上 さらに3年以上の使用ではリスクの差はなかった。

・週2回以下、週3回以上の頻度別にわけてもリスクの差は確認できなかった。

これまでの研究によると、アスピリンは使い始めの3ヶ月間にクモ膜下出血のリスクが高くなった。長期使用 低用量での予防効果も確認できなかった、

というおはなし。
図:アスピリンとクモ膜下出血


感想:

毒をもって毒を制す?

最初の3ヶ月間アスピリンの攻撃をのりきった患者には、過剰耐性を獲得して血管がやぶれにくくなる者が現れる...ってことか。

2017年3月28日

脳卒中で幻覚がおきる患者の割合と特徴


Visual hallucinations in patients with acute stroke: a prospective exploratory study.
2017  3月  スペイン

視覚に関係する脳内の経路は多岐に及んでいることから脳卒中で幻覚が生じる可能性は低くない。しかし脳卒中患者の幻覚についての報告はこれまであまりないので、くわしくしらべてみたそうな。


発症から24時間以内の急性期脳卒中(脳梗塞、脳出血)患者77人について調査したところ、


次のことがわかった。

・13人 16.7%で幻覚がおき、10人は3日以内に経験していた。

・幻覚は1日以上続かず、すべて自然に治まっていた。

・幻覚内容のおおくは複雑で白黒の映像だった。

・幻覚の有無は年齢、性別、重症度によらなかった。

・脳の病変が後頭部にある場合や入院前に睡眠障害があるケースで幻覚がおおかった。

急性期脳卒中の幻覚はめずらしくなく自然に治っていた。後頭葉の損傷や睡眠障害で幻覚がおきやすかった、


というおはなし。
図:幻覚をみた脳卒中患者

感想:

数日後、ベッドのテーブルからたくさんの小さな虫が湧き出てくる幻覚をみたよ。あと幻肢も。

2017年3月27日

再発予防にワルファリンをすすめられた日本人の末路


Clinical Features and Prognosis in Patients with Atrial Fibrillation and Prior Stroke: Comparing the Fushimi and Darlington AF Registries.
2017  3月  日本

心房細動患者の脳卒中の特徴は民族によって異なるという。

脳卒中経験のある心房細動患者を日本人とイギリス人でくらべてみたそうな。


京都 伏見の患者688人とイギリス ダーリントンの患者428人の医療記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・日本人患者の年齢はとても若く、女性がすくなかった。

・心原性脳塞栓症の可能性を示すCHA2DS2-VAScスコアは日本人が低かったが、

・抗凝固薬を処方された患者は日本人のほうがはるかに多かった。

・日本人の再発率は明らかに低かったが 総死亡率は著しく高かった。

脳卒中歴のある心房細動患者の再発率はイギリス人のほうが高かったが、抗凝固薬を使っている患者は少なかった。日本人は再発率は低かったが 総死亡率は高かった、


というおはなし。
図:心房細動 死亡率 日本

感想:

まとめると、

再発予測スコアが低くても積極的にワルファリンを与えられる。

若いのによくわからない原因で突然死する患者が続出。

しかし再発率は抑えることができたのでビジネスとしては成功。

身を挺して集団に貢献する日本民族固有の医療観ということかな。

2017年3月26日

タバコと脳卒中後のせん妄


Cigarette smoking is an independent risk factor for post-stroke delirium.
2017  3月  韓国

軽い意識障害を伴い錯覚や幻覚を訴えるいわゆる "せん妄"は脳卒中のあとにおきやすい。せん妄があると入院が長引き死亡率も高いと考えられている。

脳卒中患者の10-30%がせん妄を起こすが そのリスク要因はよくわかっていないのでしらべてみたそうな。


脳梗塞患者576人について調べたところ、


次のことがわかった。

・6.7%で脳梗塞急性期にせん妄が起きた。

・せん妄の患者は明らかに高齢で かつ喫煙頻度がひじょうに高かった。

・また、せん妄の患者は脳半球が広く損傷し 退院時と3ヶ月後の機能回復の不良率がとても高かった。

・せん妄の独立リスク要因は、高齢、喫煙、脳半球の広い損傷だった。

脳梗塞患者のせん妄は 入院して喫煙を急に止めたことがきっかけになっているかもしれない、


というおはなし。
図:脳卒中後のせん妄患者の機能回復度

感想:

ニコ中にとってタバコはくすりだからな、、

2017年3月25日

チョコレートと日本人の脳卒中


Chocolate consumption and risk of stroke among men and women: A large population-based, prospective cohort study.
2017  3月  日本

これまでチョコレートが脳卒中予防になるという西洋人を対象にした報告がいくつかある。

日本人で大規模にしらべてみたそうな。


44-76歳で健康な 男性38182人と女性46415人について、1995-1998年に食事調査を行いチョコレート摂取量を推定した。
13年間ほどフォローしたところ、


次のことがわかった。
・この間に3558人が脳卒中になった。

・年齢、体重、身長などを考慮してなお チョコレートを多く摂る女性の脳卒中リスクは明らかに低かった。

・男性については統計学的有意な影響は見られなかった。

・この関連は脳卒中の種類(脳梗塞、脳出血)によらなかった。

日本人について大規模に調査した結果、チョコレートを多く摂る女性の脳卒中リスクは明らかに低かった、


というおはなし。
図:チョコレートと脳卒中

感想:

こどもの頃とちがって もはやチョコレートにはスペシャル感のかけらもない。
体温で溶けてベトベトになるやっかいな食べ物のイメージ。

[チョコレート] の検索結果。

2017年3月24日

クモ膜下出血がおこる気象条件


Oceanic Meteorological Conditions Influence Incidence of Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage.
2017  3月  フランス

脳卒中の5%を占めるクモ膜下出血は、85%が脳動脈瘤の破裂による。クモ膜下出血と気象条件との関連についての研究は数多くあるが結論はでていない。

今回、酸素分圧も考慮してその関連をしらべてみたそうな。


大西洋岸から45kmの海洋性気候都市のクモ膜下出血患者71人について
発症前72時間から発症後24時間までの気象条件を確認した。酸素分圧も推定して関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・クモ膜下出血リスクは春と秋に高かった。

・大気圧が1010hPaより高く酸素分圧が高いときに最もリスクが高く、

・大気圧が990hPaより低く 酸素分圧も低いときに最もリスクが低かった。

・発症の前には大気圧の明らかな低下と 酸素分圧の低い状態が続いた。

クモ膜下出血は低気圧のときにはおきにくく、高気圧が48時間以上続くとおきやすかった。酸化ストレスが動脈瘤の破裂に関係しているのかもしれない、


というおはなし。

図:気圧とクモ膜下出血


感想:

台風一過の数日後があぶないのか?

2017年3月23日

リコピンの脳卒中予防効果は本当か


Lycopene and risk of cardiovascular diseases: A meta-analysis of observational studies.
2017  3月  中国

リコピンはトマトなどの野菜 果物に含まれるカロチンの一種で抗酸化作用を持つ。リコピンが脳卒中など心血管疾患を防ぐという報告がいくつかある。

そこでこれまでの研究をまとめてみたそうな。


過去の関連する研究を厳選し データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・14の研究がみつかった。

・リコピンが多いと心血管疾患が明らかに減少した。

・食事からのリコピン摂取量と血中濃度のいずれについても同様の関連があった。

・食事からのリコピン摂取量がおおいと冠動脈疾患と脳卒中が明らかに減少した。

・リコピンの血中濃度については脳卒中とのみ関連が確認できた。

リコピンには脳卒中など心血管疾患を予防する効果があった。そのメカニズムについてのさらなる研究が期待される、


というおはなし。
図:リコペンの脳卒中予防メカニズム

感想:

リコペンなのかリコピンなのか悩んだ。発音が "ライカピーン"と知ってますます悩んだ。

[トマト]の検索結果。

2017年3月22日

脳損傷の音楽療法のいま


Music interventions for acquired brain injury.
2017  1月  アメリカ

事故や病気で脳に損傷を負った患者へのリハビリ手段の1つとして音楽療法がある。
たとえばリズムに合わせて歩行動作を円滑にする、歌いながら発話 発声を促す、リスニングで疼痛や気分を癒やす、といったものがある。

これまでの研究成果をまとめてみたそうな。


関連する研究を厳選し データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被験者775人を含む29の研究がみつかった。

・音楽リズムが歩行とQoLの改善に役立った。

・音楽療法は腕の反復動作スピードやコミュニケーション能力の改善にも効果があった。

・単に拍子をとるよりも音楽と拍子を組み合わせることでより効果がでた。

・音楽療法の専門家が行うほうが効果的かも。

・有害事象を報告する研究はなかった。

・データの多くは偏りが強く エビデンスの質は概ね低かった。

音楽療法は歩行や上肢機能、コミュニケーション能力、QoLの改善に役立つかもしれない。よりハイレベルな研究が期待される、


というおはなし。
図:音楽療法

感想:

有害事象がない、ってことだけで価値があるよ。

2017年3月21日

脳卒中の知識 ヘルスキャンペーンの成果


Public health campaigns and their effect on stroke knowledge in a high-risk urban population: A five-year study.
2017  1月  カナダ

脳卒中のリスク要因や症状にかんする人々の知識は 病気の理解と脳卒中の際の行動に大きく影響する。

いままで これらの知識を啓発するキャンペーンが数多く行われてきた。

都市部の住民について脳卒中の知識レベルのさいきんの変化を調べてみたそうな。


2010と2015に トロント大学病院の循環器科を訪れた患者や付き添い人にアンケートを配った。

脳卒中のリスク要因と初期症状を答えてもらったところ、


次のようになった。

・2010に198人、2015に791人から回答を得た。

・リスク要因としてもっとも多かった回答は 2010が喫煙(58%)、2015は高血圧(49%)だった。

・症状では、2010が言葉のもつれ(57%)、2015は手足のしびれ(67%)がもっともおおかった。

・ほとんどの人がリスク要因と症状について1つ以上答えることができ、

・完全正答者の割合も 77%、76%でほぼおなじだった。

・主な情報源はテレビで 61%、68%だった。

高リスクな人たちへのアンケートでは、脳卒中に関する知識はすでに高いレベルにあり この5年間でほとんど変化がなかった、


というおはなし。
図:脳卒中に出会ったときのアクション今昔

感想:

それ系の診療科を訪れるくらいだから意識高いのはとうぜんだわな。

2017年3月20日

脳卒中の肥満パラドックスってホント?


Obesity paradox in stroke - Myth or reality? A systematic review.
2017  3月  スイス

肥満は脳卒中のリスク要因の1つではあるが 予後に与える影響についてはよくわかっていない。いっぽうで肥満の脳卒中患者は予後が良いとする報告が少なくない(肥満パラドックス)。

そこでこれまでの研究をまとめて肥満と脳卒中予後との関連をしらべてみたそうな。


関係する過去の研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。
・被験者299750人を含む25の研究がみつかった。

・死亡率に関する12の研究のうち10で ボディマス指数BMIが高い脳卒中患者は明らかに死亡率が低かった。

・死亡以外の予後(機能回復や再発)に関する9の研究のうち7で過体重の脳卒中患者は回復が良かった。

・血栓溶解治療を受けた患者についての6つの研究では相反する結果がでた。

・多くの研究で肥満の定義やBMIの測定精度、データの偏りに問題があった。

ほとんどの研究で脳卒中患者の "肥満"は生存に有利だった。しかし研究手法に問題も見られた。血栓溶解治療の患者については肥満パラドックスは確認できなかった、


というおはなし。
図:

感想:

肥満の定義として BMIではなく脂肪の割合やウエスト・ヒップ長比をつかうと結果がぜんぜんちがうだろうって書いてあった。

境界域限定のはなしで、痩せているよりはマシですよってことなんだと思う。

2017年3月19日

脳卒中やった女性の性機能をしらべてみた


The evaluation of sexual function in women with stroke.
2017  3月  トルコ

脳卒中を経験した女性にとっても性行為は避けてはとおれない。にもかかわらず性機能障害については話題にされることがすくない。

そこで女性脳卒中経験者の性機能について身体 心理的変化とその関連要因についてしらべてみたそうな。


発症から4年前後で 既婚の女性脳卒中経験者51人について
要介助度、重症度、うつスコア、性機能スコアをしらべ、
同性同年齢の健常者61人と比べたところ、


次のようになった。

・性機能スコア(性的興奮、性欲、膣潤滑、性的満足、オルガスム、性的疼痛)は全体的に 健常者にくらべ低かった。

・うつスコアは高く、脳卒中グループの60.8% 健常者グループの9.8%がうつだった。

・うつスコアが高いと性機能スコアが明らかに低かった。

・要介助度、重症度、年齢、結婚期間、子供の数がおおいと性機能スコアは低かった。

・側頭葉損傷とその左右の違いは性機能スコアと関連しなかった。

・性機能スコアと教育歴に正の相関があった。

女性脳卒中経験者の性機能障害はめずらしくなく、重症度や要介助度、うつレベルに影響をうけた、


というおはなし。

図:脳卒中患者の性機能スコア

感想:

Arousal,Desire,Lubrication,Satisfaction,Orgasm,Pain の意味がわかったよ。

2017年3月18日

メタボリックシンドロームと脳卒中


Metabolic syndrome and stroke: A meta-analysis of prospective cohort studies.
2017  3月  中国

肥満、高血圧、高血糖、脂質代謝異常が複数かさなった状態をメタボリックシンドロームとよび、健康上のリスクと考えられている。
しかしメタボリックシンドロームと脳卒中との関連については まだ結論がでていない。

そこで過去の研究をまとめてみたそうな。


これまでの関連する研究を厳選し データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被験者116496人を含む16の研究がみつかった。

・メタボリックシンドロームがあると脳卒中リスクは明らかに高かった。

・この影響は男性で1.47倍、女性で1.83倍だった。

・また、脳出血よりも脳梗塞でリスクが高くなった。

どうやらメタボリックシンドロームは脳卒中のリスク要因で、とくに女性と脳梗塞でその影響はおおきい、


というおはなし。
図:

感想:

あれほど脅しといてこんなもんなのか。メタボ無能すぎやしないか?

2017年3月17日

Stroke誌:脳卒中後の認知障害に効くツボがわかった


Acupuncture Attenuated Vascular Dementia–Induced Hippocampal Long-Term Potentiation Impairments via Activation of D1/D5 Receptors
2017  3月  中国

鍼刺激が血管性認知症を改善するとの報告がいくつかある。
そこで海馬でのシナプス可塑性のキーになるドーパミンの関与についてしらべてみたそうな。


頸動脈を縛って血管性認知障害にしたネズミについて、3日後から鍼刺激を1日1回x2週間けいぞくした。

水迷路テスト、電気生理検査、脳組織を調べたところ、


次のことがわかった。

・鍼刺激によって認知障害がおおきく改善された。

・とくに、ツボ 足三里(ST36)と百会(GV29)の組み合わせがもっとも効果的だった。

・認知障害によるシナプス増強現象の低下が鍼刺激で抑えられた。

・鍼刺激により海馬のドーパミンが増えた。

・海馬のドーパミン受容体の減少が鍼刺激により増加に転じた。

・これら鍼刺激の効果がドーパミン受容体の拮抗薬により消失した。

鍼刺激による認知機能と海馬のシナプス可塑性の改善効果にはドーパミン受容体の活性化が かかわっていた、


というおはなし。
図:鍼の認知障害治療効果水迷路テストの軌跡

感想:

中国伝統医学系のはなしは偏りが強くてアレなんだけど、Stroke誌ってことで関心をもった。

2017年3月16日

ところで、、再発予防のための薬って効果あるの?


Impact of Secondary Prevention on Mortality after a First Ischemic Stroke in Puerto Rico.
2017  3月  アメリカ

脳卒中の死亡率は初回よりも再発時で高く、とくに脳梗塞は はじめの6ヶ月間がもっとも再発しやすい。
ガイドラインで定められた再発予防のための投薬治療が実際はどんな状況なのか アメリカの自治区でもあるプエルトリコでしらべてみたそうな。


平均年齢70、脳梗塞患者3965人の医療記録を解析したところ、


次のことがわかった。
・アメリカ脳卒中協会のガイドラインに沿う投薬治療を受けた患者は全体の1%にすぎなかった。

・たとえば再発予防投薬を受けない患者は、高血圧の75%、高脂血症の56%、心房細動の67%だった。なんの投薬もうけない患者も20%いた。

・平均生存期間は、投薬治療をうけた患者が450日で 投薬なし患者は266日だった。しかし統計学的有意な差ではなかった。

・生存曲線を描いたところ、最初の200日間は両グループとも差はなく、それ以降になると再発予防薬をもらった患者がやや長生きしているようにみえた。

脳梗塞後、じゅうぶんな再発予防治療を受けている患者は少なかった。統計学的に有意なほどではないけれど再発予防治療には死亡率をさげる効果があるような気がする、、、


というおはなし。
図:脳梗塞 再発予防投薬効果

感想:

退院時に処方されるくすりのほとんどには明白な延命効果はなく、気をつけてみればなんとなくそうかな、、、という程度である
ってことなんだね。

2017年3月15日

麻痺がおよんでいないはずの手の機能と左右脳との関係


Assessment of the Ipsilesional Hand Function in Stroke Survivors: The Effect of Lesion Side.
2017  3月  ブラジル

脳卒中のあと麻痺していないはずの手の運動感覚が低下しているという報告がある。

そこで 脳卒中での損傷脳半球の左右と、同側の手の筋力 器用さについてしらべてみたそうな。


慢性期脳卒中で右脳損傷経験者12人、左脳損傷経験者12人、同性同年齢の健常者12人について、損傷脳と同側の手の筋力 器用さを4種類の指標で評価した。
健常者は両手を評価した。


次のことがわかった。

・握力とつまむちからはすべてのグループでおなじだった。

・器用さを評価する2つのテストで脳損傷の影響が確認できた。

・とくに9ホールペグテストでは左脳損傷のほうが右脳損傷よりも良いスコアだった。

脳損傷経験者は同側の手の筋力は維持していた。しかし手や指の器用さには影響を受けていて、とくに右脳損傷で影響がおおきかった、


というおはなし。
図:脳卒中 同側の手の機能

感想:

自分のばあい右手が動きにくいという実感はないな。

これ↓おもいだした。
麻痺してない上肢はほんとうに麻痺していないのか?

たとえば左手が麻痺した場合、右手は健常だと言えるのかい?

2017年3月14日

周産期脳梗塞のこどもの注意欠陥 多動性障害


Clinical Predictors of Attention and Executive Functioning Outcomes in Children After Perinatal Arterial Ischemic Stroke.
2017  1月  アメリカ

周産期(妊娠28週から出産後7日まで)に脳梗塞になったこどもはのちに認知 行動面で障害を抱えるリスクが高い。どういった要因が影響しているのかしらべてみたそうな。


生後28日未満の新生児期脳梗塞28人と、周産期脳梗塞12人について3-16歳までフォローして神経心理テストをおこない両親の報告も分析したところ、


次のことがわかった。
・周産期脳梗塞、おおきな梗塞、てんかんがあると注意力、遂行機能が低かった。

・これら要因があるケースでは 両親が注意欠陥・多動性障害(ADHD)として気づいていることが多かった。

・梗塞の位置や右脳左脳の違いは結果に影響しなかった。

周産期脳梗塞で特に梗塞がおおきく てんかんをけいけんした子供はのちに注意力 遂行機能の障害をもつリスクがたかかった。就学年齢に達するまえに神経心理評価をおこない適切な治療をおこなう必要があるだろう、


というおはなし。

図:周産期脳梗塞の注意力

感想:

ADHDの原因は さかのぼるとその時期になにかあったのかもしれんね、、

2017年3月13日

肥満ではなくヤセが原因!? 日本人の脳梗塞


Body mass index and stroke incidence in Japanese community residents: The Jichi Medical School (JMS) Cohort Study.
2017  3月  日本

これまでの西洋人の研究では肥満度BMIが高いと脳卒中リスクも高いとされてきた。日本人での研究は少ないのでしらべてみたそうな。


自治医科大学の研究データベースをつかって日本全国から12490人を抽出して10.8年間フォローした結果、


次のことがわかった。

・この間に395人が脳卒中になった。

・BMI18.5以下(ヤセ)の男性および30.0以上(肥満)の女性ですべての脳卒中リスクが明らかに高かった。

・とくにBMI18.5以下の男性の脳梗塞リスクは標準体重者の2倍以上だった。

日本人のBMIと脳卒中発生率との関連はこれまで考えられてきたものと異なっていた。男性の低BMIと女性の高BMIは脳卒中リスクが高く、特に男性の低BMIでは脳梗塞リスクまでが高かった、


というおはなし。
図:BMIと脳卒中リスク 日本人

感想:

脳梗塞はふとっちょ、脳出血はヤセの専売特許とおもってた。

ところが 男はヤセが脳梗塞、女はふとっちょが脳出血。どうしてこうなった?

2017年3月12日

いつからクモ膜下出血に女性が多くなったのか?


Temporal Trends in Sex Differences With Regard to Stroke Incidence
The Dijon Stroke Registry (1987–2012)

2017  3月  フランス

さいきんの脳卒中発生率の男女別のトレンドをしらべてみたそうな。


フランス ディジョン市の脳卒中患者記録から1987-2012の脳梗塞、脳内出血、クモ膜下出血事例を解析したところ、


次のことがわかった。

・4614人(女性53.1%)の記録があった。

・脳卒中発生率は年間10万人あたり112 vs. 166人で女性が低かった。

・全期間とおして女性のほうが脳卒中発生率は低かった。

・種類別では脳梗塞発生率が男女ともにやや上昇した。

・脳梗塞と脳内出血での発生率の男女差はかわらなかったが、

・クモ膜下出血は女性の発生率が上昇して男女逆転した。

この25年間で脳卒中発生率はクモ膜下出血を除いて女性が低いままだった、


というおはなし。
図:クモ膜下出血発生率のトレンド 男女の違い

感想:

クモ膜下出血で女性が多くなったのはこの20-30年のことなんだな。
喫煙が原因ではないか って書いてあった。
これ↓だね。
くも膜下出血が女性に多い理由は、、「喫煙」か?

2017年3月11日

遠隔虚血コンディショニングの脳卒中治療効果


RECAST (Remote Ischemic Conditioning After Stroke Trial)
A Pilot Randomized Placebo Controlled Phase II Trial in Acute Ischemic Stroke
2017  3月  イギリス

脳から離れた位置を繰り返し虚血状態にすると(遠隔虚血コンディショニング) 神経保護効果がえられるとする報告がある。しかしそのメカニズムはわかっていない。

そこで実際の脳卒中患者で実験してみたそうな。


発症後24時間以内の脳卒中患者26人を遠隔虚血コンディショニングと比較グループに分けた。

遠隔虚血コンディショニングは、入院後すぐに腕に血圧測定用の腕帯を巻き、締め付け5分間+開放5分間を計4サイクルおこなった。

この直前 直後、4日後の血液サンプルを採取した。
また、90日後の神経症状、生活自立度を比較した。


次のようになった。

・遠隔虚血グループに有害事象はなかった。

・90日後の神経症状NIHSSスコアは 1 vs. 3 で遠隔虚血グループが明らかに低かった。

・生活自立度に有意な差はなかった。

・遠隔虚血グループで熱ショックタンパク質HSP27の増加が確認できた。

急性期脳卒中への遠隔虚血コンディショニングは安全で、神経症状を改善した。神経保護メカニズムにはHSP27が関わっているかも、


というおはなし。
図:遠隔虚血コンディショニングとHSP27

感想:

これら↓も同じ背景だろうね。
ハンドグリップで脳梗塞が治るというエビデンス

脳梗塞が簡単に治る 下肢遠隔虚血コンディショニングとは

TIAは幸運の兆し、脳梗塞が軽い

TIAが脳を護る. はたして病気と呼べるのだろうか…
あと[喫煙パラドック]もなかまかな、、

2017年3月10日

出血と反対側の脳が縮む ディアシーシスとは


Contralateral Hemispheric Brain Atrophy After Primary Intracerebral Hemorrhage.
2017  3月  韓国

脳内出血のあと血腫と同側の脳半球が萎縮するという報告はよくある。

そこで反対側の脳半球についてはどうか 体積を測定してみたそうな。


脳内出血で手術対応になった患者44人について、
入院時と3ヶ月後のCT画像から血腫と反対側の脳半球体積を測定し減少率を求め、
他の特徴との関連を解析したところ、


次のことがわかった。
・3ヶ月間で反対側脳半球の体積が統計学的有意に減少していた。

・もっともおおきな関連要因は脳室内出血だった。

・次いで、入院時の意識障害、喫煙が関連していた。

脳内出血と反対側の脳半球体積が3ヶ月後 あきらかに減少していた。出血部位からの遠隔領域での損傷影響 いわゆるディアシーシス(diaschisis)が原因かも、


というおはなし。
図:原発性脳内出血 対側脳半球の体積減少

感想:

出血のひどい患者限定なんだろうな。

2017年3月9日

脳卒中後の肩の痛みと機能的自立度


Upper limb function and functional independence in patients with shoulder pain after stroke.
2017  2月  ブラジル

肩の痛みは片麻痺患者によく起きる。脳卒中後の肩の痛みが患者の機能的自立度にあたえる影響をしらべてみたそうな。


平均年齢49、発症後3ヶ月半の脳卒中患者58人を調査したところ、


次のことがわかった。

・肩の痛みのある者は27.6%いた。

・機能的自立度FIMスコアは肩の痛みがあると91、痛みがないと114で明らかに低かった。

・上肢機能の別の指標SULFSでも 2 vs. 5で肩の痛みグループのスコアがはっきりと低かった。

脳卒中後に肩の痛みのある患者は珍しくなく、上肢機能と機能的自立度におおきく影響していた、



というおはなし。
図:脳卒中 肩の痛みとFIM


感想:

で、腕を吊ったりするとよけいにわるくなっちゃうんだよね。
片麻痺のアームスリングは"害" 使わないほうがいい

2017年3月8日

眠っている間にリハビリがすすむオフライン運動学習とは


Executive Function Is Associated With Off-Line Motor Learning in People With Chronic Stroke.
2017  3月  アメリカ

リハビリ訓練と訓練の合間に技能学習が進むことを "オフライン運動学習"といい、とくに睡眠でそのプロセスが促されることがわかっている。

どんな人でこの効果がでやすいのか実験してみたそうな。


慢性期脳卒中患者17人と健常者9人について、連続追跡課題を与え ポリグラフを着けてひと晩眠ったあとに再びその課題を行いオフライン運動学習効果を測定した。

さらに遂行機能を測る複数のテストをおこなった。


次のようになった。

・脳卒中グループで 遂行機能テスト(Trail-Making Test)スコアとオフライン運動学習効果との明らかな正の相関が見られた。

・健常者にはこの関連は見られなかった。

・注意力(attention)と状況変化への柔軟さ(set-shifting)についてのTrail-Making Testの結果をみるとオフライン運動学習効果が予測できた。

慢性期の脳卒中で遂行機能がすぐれている患者ほど オフライン運動学習の高い効果が期待できた、


というおはなし。

図:オフライン運動学習と遂行機能

感想:

眠っている間にリハビリがはかどる。なんて素敵なはなしだろうか。

5年前のこれ↓のつづきだね。
リハビリの合間のお昼寝は大切 → 訓練がはかどるゾ

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