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2022年11月23日

脳卒中運動機能リハビリテーション 2004年からの傾向

2022  11月  中国


脳卒中後の運動機能障害は後遺症の50-70%を占める。

運動機能のリハビリテーションは生活の質の向上と機能回復のための重要な手段である。

そこで 2004年から2022年までの運動機能リハビリテーション論文の傾向と新分野をあきらかにするべく書誌解析をこころみたそうな。

2011年1月28日

これからはバイマニュアルトレーニングの時代がくる


Bimanual Training in stroke: How do coupling and symmetry-breaking matter?
2011 1月 フランス


脳卒中後の上肢麻痺の改善に、
Bimanual training両手指協調トレーニング
をどのように応用したらよさそうか、
について語っている。



これまでの上肢リハビリは
健常側の手で麻痺手を補うように訓練する、

もしくは
麻痺手を集中的に訓練する(CI療法)
のいずれかが主であった。



このBimanual trainingは両側上肢療法とも違って、
両手指の動きを協調させるのだけれども
まったく同じ動きをさせるわけではなく
あえて異なる動作を求める。




このような動作トレーニングは脳に複雑な刺激を
与えることになり
可塑性を促すとても有望な考え方なんじゃないだろうか、

という なんか そんな話。



正直よくわからなかったけれども
関連する研究が最近増えている様子。


CI療法の効果がかなり疑わしくなってきた昨今、
このBimanual trainingに期待したくなる空気を感じる。

2019年10月17日

重度上肢麻痺の両手準備運動の効果


Bilateral motor priming for post stroke upper extremity hemiparesis- A randomized pilot study
2019  10月  アメリカ

脳卒中の上肢リハビリにはCI療法があるが ごく軽い麻痺患者にしか適用できない。中-重度麻痺患者への ロボットやミラー、VRなどのリハビリ方法が試みられているがいずれも成果は芳しくない。

両手準備運動(Bilateral motor priming)では麻痺していない手の動きにあわせて麻痺手が左右対称に連動する装置をもちいる。この動きにより左右脳半球の働きがバランスされリハビリがすすむという報告がいくつかある。

そこで、上肢の重度麻痺患者に対し両手準備運動の効果を検証してみたそうな。



脳卒中の発症から6ヶ月以上経つ重度の上肢麻痺の患者16人について上肢の課題訓練(45分間)をおこなった。

課題訓練の直前に、
両手準備運動15分間 または
パソコンゲーム15分間(コントロール)をおこなうグループにわけた。

「両手準備運動」は両手が連動して鏡像運動する装置の上で手首の曲げ伸ばしを1周期1秒のペースでおこなった。

これらを1日2時間 x  週に2-3回ペースで 計15セッション行った。

TMSをつかって半球間抑制の程度も測定した。

上肢機能を、Chedoke Arm and Hand Activity Index9:CAHAI-9 および Fugl Meyer Upper Extremity:FMUE で6週間後までフォローした。



次のようになった。
・CAHAIスコアの改善度にはグループ間であきらかな差はみられなかった。

・FMUEでは両手準備運動グループが有意にすぐれた改善を示し、介入前後で10ポイント向上していた。(コントロールは4.4ポイントの向上)

・半球間抑制の持続性も両手準備運動グループであきらかにおおきかった。

上肢リハビリのまえに15分間の両手準備運動を加えることで重度麻痺患者の運動機能スコアがおおきく向上した、


というおはなし。

図:両手準備運動


感想:

これって 両手のひらをあわせて指を絡めて離れないようにして、健常手でリードしながら両手首を左右にクキクキ動かすのと同じことと考える。特別な装置はいらないとおもうよ。

両手をパタパタ動かしてからリハビリすると左右の脳がシンクロしてどうのこうの…


両手準備運動をすると脳が刺激されて上肢リハビリが加速することが判明!


ランセット誌:ロボット上肢リハビリ まっっったく効果ない

2012年5月13日

重度の麻痺手が動くようになるCHASE療法とは


A pilot study of contralateral homonymous muscle activity simulated electrical stimulation in chronic hemiplegia.
2012  5月  日本



CHASE療法を患者で実験してみたそうな。(by 脳情報研究所


脳卒中慢性期で重度の片麻痺患者3人について

両手首と指を伸ばす訓練を行った。


このとき、健常側の手の筋肉電流を記録して、

同様のパターンの電流刺激を麻痺手に与えた。(CHASE療法)


これを1日30分 x 2週間続けたところ、

・患者3人全てで手首伸ばしが改善した。

・痙縮も改善して、

・2人のフーゲルマイヤー評価スコアも向上した。




CHASE療法は重度片麻痺患者の上肢運動治療に使えるかも知れない、


というおはなし。

CHASE療法


感想:

CHASE療法をいままで知らなかった。

検索すると同じ研究者によるCHASE療法の資料があった。

運動制御の神経科学から機能回復支援へ
-脳卒中重度片麻痺回復への挑戦-
(pdf)


やってることはともかく 重度片麻痺患者を治療しようというはすばらしいと思う。


以下、共感した部分を引用

...CI療法を初め回復効果が実証されている療法の多くは、麻痺が比較的軽い人を対象としており、数多くの重度片麻痺の人には適用できません。
...

非損傷側の脳による機能回復を促進するには、麻痺手と同時に非麻痺手を動かすこと(両手協調運動)に一定の効果がある...

2011年11月12日

rTMSにボツリヌス療法と集中的作業療法を組み合わせてみた


Combined therapeutic application of botulinum toxin type A, low-frequency rTMS, and intensive occupational therapy for post-stroke spastic upper limb hemiparesis.
2011  11月  日本




磁気刺激療法(rTMS)にボツリヌス療法と集中的作業療法を

組み合わせてみたそうな。



慢性期脳卒中患者14人について


・痙縮を起こしている筋肉にボツリヌス毒素Aを注射し、





その4週間後入院させて、

・20分の低頻度rTMS治療と

・120分の集中的作業療法を




15日間にわたり合計22セッション施した。



これら治療の前と直後、退院4週間後の

上肢運動機能をいくつかの方法で評価した。





その結果、

これら治療のあとで上肢運動機能が著しく改善され、

痙縮の程度も小さくなった。

この効果は4週間後でも継続していた。



この組み合わせ治療法は有効かも知れない、


というおはなし。






感想:

磁気刺激治療で有名な病院なのに、

ボツリヌス毒素、集中的作業療法、過去にはCI療法、レボドパ...

組み合わせ過ぎだと思う。



磁気刺激治療一本で勝負できないのかね?

2015年3月2日

Stroke誌:上肢リハビリ 良い方法 & ダメな方法


Cochrane Overview
Interventions for Improving Upper Limb Function After Stroke

2015  3月  イギリス

脳卒中の上肢リハビリ方法各種の実力を調べてみたそうな。


質の高い研究を集めたレビュー論文を 複数の審査者でさらに厳選して、各種上肢リハビリ法の効果を吟味した結果、


次のことがわかった。

・503件の研究、18078人の被験者を含む40本のレビュー論文が見つかった。

・tDCSの日常生活動作への効果はまったくなかった。

・やや効果がありそうなリハビリ法として、運動イメージ訓練、CI療法、ミラーセラピー、ビデオゲームが挙げられる。


多くの論文が存在するものの 信頼できる研究成果はなく、いずれの方法も実用に耐え得る効果があるとは未だ言い切れない、


というおはなし。
上肢リハの実力

感想:

わたしの中ではtDCSとCI療法は完全に同一レベルに位置しているのだが、、

2024年2月11日

驚愕の転換点!「両側上肢トレーニング」が脳卒中患者の回復に革命をもたらす - 新たな希望の光

2024  1月  ベルギー


脳卒中後の上肢(UL)の回復を改善するために、高用量の両側動作(bilateral movements)トレーニングは、有望なリハビリテーション戦略である。

そこで、亜急性期脳卒中における上肢障害と機能的自立に対する両側ULトレーニングと片側ULトレーニングの効果を比較してみたそうな。

2016年12月9日

課題指向型訓練 いくらやっても役には立たない


Does Task-Specific Training Improve Upper Limb Performance in Daily Life Poststroke?
2016  12月  アメリカ

脳卒中患者の上肢機能がリハビリ訓練により 気のせいではなくほんとうに改善するのなら 日常生活にも必ず反映されるはずである。

そこのところをきっちりと実験してみたそうな。


発症後6ヶ月以上経ち中等度の上肢麻痺の脳卒中外来患者78人について、
課題指向型訓練のセッションあたりの反復回数ごとにつぎの4つのグループに分けた。

*個人の最大回数
*100回
*200回
*300回

訓練は1セッション1時間x週4回x8週間 計32時間とした。これは課題指向型訓練の代表例であるCI療法の時間と等しい。

訓練期間中、週に1度 両腕に加速度計を6つ装着し連続26時間の活動記録を取った。

各グループと加速度計の記録との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・加速度計記録の上肢パフォーマンスに 有意な変化はまったく確認できなかった。

・上肢の機能評価ARATスコアの改善は加速度計の記録に反映しなかった。

・もとの上肢能力や訓練量によらずなんの変化もなかった。

8週間の課題指向型訓練では訓練量にかかわらず 日常生活での上肢パフォーマンスはまったく改善しなかった。病院に通い懸命に訓練して「良くなったよ」と言われても、家に帰ると実はなにも変わっていなかった、、、


というおはなし。
図:課題指向型訓練の効果

感想:

エビデンスがそろってきた。これらは↓ぜんぶ今年の報告。
(11月)コクランレビュー:反復課題訓練 エビデンスない

(7月)訓練繰り返すほど良くなると思ってたら そうでもなかった

(2月)JAMA誌:課題指向型訓練 やる意味ない

「特定の課題を集中的に繰り返し訓練することで麻痺は改善する」
この考え方って 裏を返せば

「いつまで経っても良くならないのはあなたの努力不足のせいです」 って言ってるのと同じだよね。
(●`ε´●)

2010年3月16日

驚き!:磁気刺激治療(TMS)の適応基準

下記テレビ放映の影響で、この数日間 脳卒中リハビリのネット検索が活発になっている。
 (間違ってここへ来る人が多い)

「脳機能障害の改善策に革命をもたらしたい」
TBS 【夢の扉~NEXT DOOR~】
にリハビリテーション医学講座 安保雅博教授が出演

・ 放送日時:平成22年3月14日(日) 18:30~

・放送局 : TBS 【夢の扉~NEXT DOOR~】





このなかで紹介された磁気刺激治療法(TMS)の適応基準が慈恵医大のホームページに載っている。


それを読んでかなり驚いた。

以下、その適応基準を引用
(1)認知機能に問題がない(認知症ではない)。
(2)うつ病でない。
(3)透析をしていない。
(4)頭蓋内に金属(クリップなど)が入っていない、心臓ペースメーカーが入っていない。
(5)少なくとも一年間は痙攣の既往がない(脳波検査で異常がない)。
(6)全身状態が良好である(発熱、栄養障害、重度心疾患、体力低下などがない)。
(7)日常生活が自立している(自ら移動できるなど生活上では介助が要らない)。
(8)脳卒中(脳梗塞、脳内出血、クモ膜下出血)を原因として 上肢麻痺もしくは失語症を呈している。
(9)年齢が 16 歳以上である。

上肢麻痺
→手首を曲げないで、指でグーパーができること。少なくとも母指・示指・中指の3指が曲げ
たり伸ばしたりできること

失語症
→発語がスムーズではない、言葉がとっさには出てこず言いたいことが言えない、単語を思
い出せない、単純な内容であれば理解できるが複雑な話は聞いても分からないなどの症状
がある。


もう少し簡単に言うと、その条件とは、

頭がはっきりしていること、病気ではないこと、身体に異常がないこと、自立していること、
指が曲げ伸ばしできるほどの非常に軽い麻痺であること、
ゆっくりであれば言いたいことが言えること、


ということである。



・・・

CI療法よりもはるかに厳しい条件に見える。


かつて上肢麻痺で指が1mmたりとも動かなかった私の経験から言わせてもらうと
この条件は、 
"治す必要のない人にあえて治療を施すための条件" 
と言っているように感じられてならない。


この条件に当てはまるほどに手指が動く人というのは
もはや麻痺で困っている人とは言えまい。

これを麻痺と呼んだら、本当の麻痺患者に申し訳が立たない。


もともと手が動くひとしか治療対象にしないのだから、
ほんの少し訓練するだけで動きが良くなるのは当然である。

しかも入院費用として数十万円も支払うのだから、そのやる気たるやすでに半端ではない。
間違いなく自ら進んで 確実に良い成果を出すであろう。









最も直視しなければならない本当の麻痺患者を "適応基準" というフィルタで巧みに除外し、
安易に得られる成果を誘導して それを革命的なエビデンスと称する。





ちなみに最新の脳卒中治療ガイドライン2009によるとこの磁気刺激治療法は、
未だ治療法としてほとんど評価されていない。
近年、経頭蓋反復磁気刺激(rTMS)による上肢機能の改善27-29)の報告(Ⅰb)や、経頭蓋直流電流刺激による上肢運動機能の改善30)(Ⅱb)が報告されているが、例数は少なく、刺激条件、刺激部位などもまだ確立されていない





脳卒中リハビリの分野が抱える問題の本質が
如何に困難なものであるかを伺い知ることができる好例と思った。




参考:この件↓と同レベルと思う。
脳の可塑性に期待、HANDS療法 衝撃のビデオ

2009年12月24日

脳卒中治療ガイドラインが5年ぶりに改定

こちらから
http://www.pt-ot.net/forum/2009/12/post_11.html


本文はここに
http://www.jsnt.gr.jp/guideline/index.html


エビデンスレベルⅠ~Ⅳ
推奨グレードA~D

こういうものの存在を初めて知った。


ここの記述が面白かった。

■上肢機能障害に対するリハビリ
麻痩が軽度の患者に対しては、適応を選べば、非麻痩側上肢を抑制し、生活の中で麻痘側上肢を強制使用させる治療法が勧められる(グレードB)。(CI療法の概念が追記)

Robotictherapyは、麻痺側の肩と肘を改善させる。Ib-?b また、近年、縦頭蓋反復磁気刺激(rTMS)による上肢機能の改善の報告(Ib)や、経頭蓋直流電流刺激による上肢運動機能の改善(?b)が報告されているが、症例数は少なく、刺激条件、刺激部位などもまだ確立されていない。 追記


2010年8月15日

TMS療法にCI療法を加えてみた


Low-frequency repetitive transcranial magnetic stimulation and intensive occupational therapy for poststroke patients with upper limb hemiparesis: preliminary study of a 15-day protocol.
2010 7月 日本



磁気刺激療法で有名な慈恵医科大学の研究。

脳卒中後慢性期患者15人の上肢リハビリとして、
15日間にわたり磁気刺激療法と集中的な作業療法を
あわせて22回施行したところ、

運動機能と麻痺の改善に大きく貢献した、という内容。








TMS単体でのほんとうの治療効果について知りたい、と思った。

2018年12月12日

中低所得国で成果をあげている脳卒中リハビリとは


A systematic review of physical rehabilitation interventions for stroke in low and lower-middle income countries
2018  12月  アイルランド

脳卒中による障害や早死による世界全体の人的損失年数の78%は中低所得国で発生しているという。

これらの国々では脳卒中リハビリにあてられるあらゆるリソースが限定的であり高所得国の真似をすることができない。

そこで中低所得国で効果的とされる脳卒中の身体リハビリテーションの種類についてこれまでの成果をまとめてみたそうな。


中低所得国の成人脳卒中患者を対象とした身体リハビリテーションに関係する質の高い研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被験者2115人を含む62の研究がみつかった。大半はインドのものだった。

・内訳は、上肢関連が26件、下肢22件、その他14件だった。

・研究の質的には、強7件、中16件、弱39件と分類でき、

・全体として身体リハビリテーションにより患者の回復が促された。

・特にエビデンスレベルが高かったものは、CI療法とミラーセラピーによる上肢リハビリおよび、

・運動イメージ訓練による歩行リハビリだった。

・次いで、立ち上がり訓練(sit-to-stand training)でのバランス改善効果だった。

中低所得国の脳卒中リハビリ研究の結果、ミラーや運動イメージによる脳内トレーニングおよび上下肢の繰り返し運動が効果的でかつ低コスト シンプルな方法として評価されていた、


というおはなし。

図:中低所得国の脳卒中リハビリ


感想:

むしろこういう環境でこそ真の実力が試される。

CI療法(=課題指向型訓練)はナンセンスであることが最近あきらかになったので除外するとして、

ミラーセラピーの発案者はインド人だから一番人気は納得。

そして安定のメンタルプラクティス(運動イメージ訓練)か。

2019年4月30日

ボバースコンセプトのリハビリ効果


Effectiveness of the Bobath concept in the treatment of stroke- a systematic review
2019  4月  スペイン

ボバースコンセプトは1940年代に登場し、中枢神経系や感覚運動制御と筋肉構造の3つの可塑的変化をうながす神経発達学的治療法とされている。

ボバースコンセプトは脳卒中リハビリテーションでもっともおおく採用されてきたアプローチのひとつではあるものの、これまでのシステマティックレビューでは目立った成果は確認されていない。

最新のシステマティックレビューは10年前のものなので、こんかいあらためてレビューしてみたそうな。



2018年1月までの関連論文を複数のレビュワーが厳選し、そのエビデンスレベルをPDroスケールで評価したところ、



次のことがわかった。

・15の臨床試験がみつかった。

・ボバースコンセプトは他のアプローチにくらべ、下肢の運動機能、バランス、日常生活動作 の点でなんら優れた点はなかった。

・上肢について CI療法よりはやや効果的だった。

ボバースコンセプトの脳卒中リハビリテーションは下肢で優れた点はなく、上肢でやや効果がある程度だった、


というおはなし。

図:ボバースコンセプト研究


感想:

CI療法はいまやこの状況↓なのでボバースも推して知るべし。
課題指向型訓練 いくらやっても役には立たない

治療法に人のなまえがついたままであることそれ自体が、手法の一般化ができずに限られた信者だけのものになっているあかしと考える。

2010年4月4日

CI療法の不思議

手が動くようになりたい!と切に願ってテレビや雑誌、ネットを注意深く調べていると、


・科学的エビデンスがたくさんあり
・世界的にも普及している
・上肢麻痺の画期的治療法
として "CI療法" が しばしば登場する。


おおっ これだ、探し求めていたものは!

と思ってさらに調べると


"適応基準" という但し書きが出てくる。


そして そこには、

手を動かせる人が対象となります。

と書いてある。



『・・・これは一体全体どういうことなのだろうか? 不思議だぁ  わけがわからない・・・』って頭を抱える。

2010年9月24日

急性期脳卒中患者へのCI療法は?


Evidence-based therapies for upper extremity dysfunction.
2010 9月 ドイツ



脳卒中後の上肢機能改善法 各種について過去の研究を見直した結果、


どうやら 急性期患者へのCI療法はほとんど効果がないばかりか
がんばるほど害になることがわかった、とのこと。





昨日の記事で)動物実験では急性期の強制使用は有効そうに思えたけれど
人はそう単純ではない、ということと理解。

2022年2月17日

両腕トレーニングの左右脳卒中の違い

2021  1月  パキスタン


脳卒中経験者のおおくは上下肢に知覚運動障害を負う。

もっともおおいのは上肢で、脳卒中の慢性期では40%が障害を経験しているという。

リハビリ戦略の1つとして麻痺手を強制使用するCI療法があるが、安全性への懸念や参加のための前提条件などおおくの制限がある。

いっぽう麻痺手と非麻痺手を同時に使用する「両腕トレーニング(bilateral arm training)」にはそれらの条件はない。

両腕トレーニングの有効性を示すエビデンスは十分にあるが、損傷脳半球の左右による効果の違いはあきらかになっていないのでくわしくしらべてみたそうな。

2015年12月31日

ミラーセラピーは早く始めた方がいいのか?


The effects of very early mirror therapy on functional improvement of the upper extremity in acute stroke patients.
2015  11月  トルコ

脳卒中上肢麻痺へのミラーセラピーの効果を、発症後早い時期に適用した場合で調べてみたそうな。


発症後10日前後の8人の脳卒中患者を2グループに分け、一方にはミラーセラピーを施した。

両グループには通常のリハビリも併行した。

これらを3週間継続したのち 上肢の感覚運動機能を比較したところ、


次のことがわかった。

・一連の治療後、両グループで有意な改善の差はなかった。

・ミラーセラピーグループに有害事象はなかった。

脳卒中発症後 早期の上肢ミラーセラピーに特筆すべき効果は確認できなかった、


というおはなし。

写真:ミラーセラピー


感想:

ふつーに考えたら早い方が効果的。

CI療法もそうなんだけど、早期に適用すると効果がない治療法っていうのはメンタル効果がとても大きいんだと思う。

2018年2月9日

急性期もOK 両手両腕集中訓練法 HABITとは


Short-term Efficacy of Hand-Arm Bimanual Intensive Training on Upper Arm Function in Acute Stroke Patients: A Randomized Controlled Trial.
2018  1月  中国

脳卒中の急性期は上肢機能の改善がいちじるしい時期である。

さいきん片手訓練よりも両手訓練の成果が注目されている。

これまで脳性小児麻痺患者を対象に開発された両手両腕集中訓練法 HABIT(Hand-arm bimanual intensive training)を脳卒中の成人に応用した例はないので実験してみたそうな。


急性期の脳卒中患者128人をHABITと従来リハビリ(課題指向型訓練)グループにわけた。

HABIT では 1)胸帯の強化、2)触覚、3)両腕の協調、4)手の細かい動作、にフォーカスした訓練をおこなった。

2週間の訓練ののち 成果を比較したところ、


次のようになった。

・上肢機能FMAスコアは 52 vs. 44 でHABITグループがあきらかに高く

・ARATスコアも 35 vs. 33 でHABITグループが高く、運動誘発電位も高かった。

HABITでは急性期脳卒中患者の上肢運動機能の改善度が従来リハビリよりもあきらかにすぐれていた、


というおはなし。

図:両手運動 HABIT

感想:

根性論ではなく科学的なリハビリを、、ってことなんだろな。
JAMA誌:課題指向型訓練 やる意味ない

急性期脳卒中患者へのCI療法は?

2010年4月15日

経頭蓋磁気刺激治療(rTMS)とOTで上肢訓練


Six-day course of repetitive transcranial magnetic stimulation plus occupational therapy for post-stroke patients with upper limb hemiparesis: A case series study.




麻痺治療の革命的方法としてテレビ放映された
慈恵医大の最新研究成果。


5人の脳卒中患者について
磁気刺激治療法(rTMS)+OTトレーニングを6日間実施したところ、
どうやら危険はなさそうで かつ
効果もありそうなことがわかった、 という かなり謙虚な内容。
("革命的"、"世界初" とかは言っていない模様)


ただ、
・患者数がたったの5人であること、
・もともと手がうごく患者しか治療対象としていないこと
・同時に作業療法(CI療法)も施していること

から、本当に磁気刺激で改善が得られたのかは
この文中からはわからなかった。

2015年1月16日

カルフォルニア大学が開発した最新の上肢リハビリ法とは


Musical glove helps stroke patients
2015  1月   アメリカ

脳卒中で麻痺した手の動きを改善する FDAも認めた新装置「ミュージックグローブ」を使ってみた事例ビデオ。


見れない場合はこちらから

あらすじ
・元タイピストで脳卒中経験者のジャネットさんは何年もリハビリを受けてきたけど手の動きは一向に良くならなかった。

・カルフォルニア大学でミュージックグローブのテストをしていると聞き、実験に参加した。

・音楽に合わせ指でつまむ動作を毎日繰り返した。

・2週間後、ジャネットさんは再びタイピングができるようになった。

・そればかりか ドアを開けたり、コップを洗ったり、食器を使ったりできるまでになった。


このミュージックグローブ療法は、従来型のリハビリに比べ運動機能の改善が20-30%優れていることがわかった、


というおはなし。



感想:

指を曲げ伸ばしできる時点で非常に軽度の麻痺であることは明らか。

しかし同様な軽度麻痺患者のみを対象とするCI療法に比べると、はるかにわかりやすくて、たのしくて、健常手にミットをはめる必要もないし、なにより1人でできる点で圧倒していると思う。
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血圧が高いひとは、他人の気持ちがわからない

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カニ歩きと後ろ歩き 片麻痺リハビリに効果的なのは、、
鍼治療の「得気」は小脳のはたらきだった
脳梗塞実績No.1漢方薬 → ほようかんごとう
閉じ込め症候群の患者にあえて生活の質を問うてみた結果、、
砂糖の代わりに甘味料を使うと脳梗塞がさらにひどくなることが判明
ダメージを負った脳組織が勝手に再生する仕組みが明らかに
指ストレッチはいいらしいから さっそくこのビデオで実践することにした
【肥満パラドックス】脳梗塞で長生きするBMIが判明
リハビリの合間のお昼寝は大切 → 訓練がはかどるゾ

刺激豊富な環境で脳梗塞が治る理由
猫を飼う女性は脳卒中で死なないことが判明!
美容院で脳卒中になる女性が続出!
「ストレスが原因」と語る脳卒中患者ほど実はなにもわかっていない
傷ついた脳に効くBDNFが増えるサプリメントが明らかに
運転リハビリに良さそうなおすすめドライブゲーム
【アロマテラピー】ラベンダーの香りが脳梗塞にすごく効く
脳卒中後の疲労感は 只の疲労とはわけが違う
脳卒中がきっかけでホモになることがあるらしい
ダイエットコーラを毎日飲むと脳卒中になることが判明

高コレステロールに朗報 葉酸サプリの脳卒中予防効果
BDNFが7年かけて脳を修復してくれるという根拠について
朝ごはんを食べない日本人は脳内出血になることが判明!
脳卒中予防に最適なビタミンBサプリメントの組み合わせがわかった!
脳卒中経験者の血圧を十分に下げたら死亡者が続出した
痙縮が治る ただの風呂と温泉を比較した
歩きスマホが脳卒中患者のリハビリに適しているという根拠について
磁気嵐が脳卒中を引き起こす と判明!
リハビリは動かせばイイってもんじゃぁない. 本人がやる気になるまで待て.
『足首を鍛えたいのに麻痺して動かないの』→『もう一方の足を鍛えなさい』