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2014年8月16日

低頻度rTMSで左脳を刺激したら注意力が改善した


Contralesional rTMS relieves visual extinction in chronic stroke.
2014  8月  イタリア

右頭頂葉を損傷した患者は注意力に障害をきたすことがある。特に左右両側に視覚刺激があった場合、左方への刺激に反応できないことがあり、これを視消衰という。

この原因として脳卒中でダメージを受けていない左脳が過剰に働いてダメージのある右脳の機能を抑制してしまうという考え方がある。

それに則れば、亢進した左脳の働きを低下させると機能が回復するはずである。

確かめてみたそうな。


右脳頭頂葉を損傷し視消衰のある慢性期脳卒中患者6人について、低頻度rTMS(反復経頭蓋磁気刺激)および偽刺激を左脳頭頂葉に行い、直後に注意力テストを行った。


次のようになった。

・低頻度rTMSの直後に左方への注意追跡能力が著しく改善した。

・偽刺激では改善はなかった。

・右方への注意力に変化はなかった。


rTMSが亢進した左脳を抑え、半球をまたいで抑制されていた右脳を解放した。その結果、認知機能に改善が見られたのではないか...


というおはなし。
頭頂葉

感想:

visual extinction(視消衰)と半側空間無視の違いがよくわからなかった。

2014年5月23日

最新の磁気刺激治療はちょっと違う


Therapy Pioneered In Chicago Could Be Breakthrough For Stroke Patients
2014  5月  アメリカ

世界的に有名なシカゴ・リハビリテーション研究所が新しい磁気刺激法を使って成果を挙げたそうな。

・患者の脳のMRI画像上で磁気刺激(TMS)コイルの位置を正確にナビゲートできる新たなシステムを使用した。

・ダリーホルム氏(下記ビデオ参照)は5年前に脳卒中になり、左片麻痺でネクタイや靴ひもを結ぶことができなかった。

・ところが研究所にきてこの脳刺激を1回15分☓週3日☓6週間受けたところ、

・手が動くようになってネクタイ、靴ひももバッチリ、自動車も運転できるようになった。

・この脳刺激はダメージを負っていない方の脳半球の活動を抑え、損傷脳とのバランスを整える働きがある、と考えられている。

・この効果は6ヶ月後も持続していた。

・FDAの認可は未だ。

というおはなし。

磁気刺激ビデオ
 これがそのニュースビデオ(CM15秒のあと 別ウィンドウ)




感想:

この種のナビって、10年以上前からあってぜんぜん珍しくない。

なにかに取り憑かれたように大げさに語る女性医師の表情と、異常に元気な脳卒中経験者の男性に 言葉にし難い気持ちの悪さを強く感じた。

2014年3月19日

下肢治療に使える新しい磁気刺激はどこが違うのか?


Deep repetitive transcranial magnetic stimulation with H-coil on lower limb motor function after stroke: a pilot study.
2014  3月  イタリア

反復経頭蓋磁気刺激治療(rTMS)の下肢への効果を検証してみたそうな。


10人の慢性期脳卒中患者について、3週間11回のrTMS治療を行った。

rTMSは刺激が深部まで届くHコイルを用い、20Hzで刺激した。

4週間の間を空けて偽刺激での実験も行った。


次のようになった。

・rTMS治療により下肢の運動機能が著しく改善した。

・この効果は4週間以上持続した。

・歩行スピードも改善した。


3週間のrTMS治療によって下肢機能が改善しその効果が持続した、


というおはなし。



感想:

Hコイルのwikipediaがあった。

深部刺激とは別の良い点があって、

・ヘルメットの中に偽刺激用のコイルを内蔵できるので

・施術者が治療中にリアル刺激か偽かを知りえなくできる。

・偽刺激でもリアル刺激と同じ音を発生できる。

とのこと。


二重盲検が捗るな…

2014年2月28日

顔面神経磁気パルス刺激で脳梗塞が治る


Effects of Noninvasive Facial Nerve Stimulation in the Dog Middle Cerebral Artery Occlusion Model of Ischemic Stroke.
2014  2月  アメリカ

脳梗塞のあとの顔面神経刺激が脳血管を拡張させ血流を改善すると言われている。

そこで、磁気刺激パルスによる非侵襲的な顔面神経刺激の効果を動物で実験してみたそうな。


人為的に脳梗塞にした犬を用いて、顔面神経の膝神経節を5分間磁気パルス刺激した。

直後の脳血流、ATPの量変化をMRIで観察した。


次のようになった。

・顔面神経磁気パルス刺激によって梗塞を起こした側の脳半球の血流がおおきく改善した。

・偽刺激を与えた犬に比べて梗塞の体積も小さかった。

・偽刺激犬のATP量は顔面神経刺激犬よりもおおきく減少した。


脳梗塞の治療に非侵襲的な顔面神経磁気パルス刺激が有効かも知れない、


というおはなし。

写真:顔面神経磁気パルス刺激
THE GUIDE TO MAGNETIC STIMULATION


感想:

やってることがrTMSよりも直截的で好感が持てる。


2013年11月29日

脳の深部を刺激するHコイルで失語症のrTMSやってみた


Excitatory Deep Transcranial Magnetic Stimulation With H-Coil Over the Right Homologous Broca's Region Improves Naming in Chronic Post-stroke Aphasia.
2013  11月  イタリア

脳卒中失語症患者の右脳の役割をrTMSで調べてみたそうな。


5人の脳卒中失語症患者について、右脳半球のブローカ野を含む下前頭回にrTMSを施した。
刺激は深部へ届くH-coilを用いた。
rTMS周波数は、促進:10Hz, 抑制:1Hz ,偽刺激をそれぞれ時期を分けて行った。


次のようになった。

・10Hz刺激の時のみ命名課題のスコアが著しく向上した。

・1Hz、偽刺激では改善効果はほとんどなかった。


右脳の下前頭回を刺激する深部rTMSの1セッションで脳卒中失語症患者の命名課題スコアが大きく改善した。この結果は 左脳損傷患者にとっての右脳の重要性を示唆している、


というおはなし。




感想:

従来型の8の字コイルが表面から1cm程度しか届かないのに対し、Hコイルでは同じ電力で3cmくらいまでOK。



2013年8月31日

磁気刺激する脳を反対側にしてみた


Inhibitory Theta Burst Stimulation of Affected Hemisphere in Chronic Stroke: a Proof of Principle, Sham-Controlled Study.
2013  8月  イタリア

磁気刺激によるリハビリは両半球の競合モデルに基いて、損傷側に活性化刺激を、健常側に抑制刺激を与えるのが通常である。

そこで、損傷側の脳に抑制刺激を与えてみたらどうなってしまうのか、実験してみたそうな。

12人の慢性期脳卒中患者について、損傷側脳への抑制磁気刺激、または偽刺激のグループに分けて上肢機能の改善程度を比較した。

併せて通常のリハビリも行った。


次のようになった。

・両グループ共に上肢機能が大きく改善し、3ヶ月後も持続した。

・磁気刺激グループでは、上肢課題実行時間の短縮ぶんが倍以上速くなった。


これまで、損傷側の脳には活性化刺激を与えるという考えが当たり前だったが、抑制刺激を与えても改善効果があることがわかった、


というおはなし。



感想:

この種の改善効果が一体なにに由来するのか?を考えなおすきっかけになる研究だと思った。


2013年8月12日

rTMSは片脳刺激だけでは不十分と判明


Efficacy of Coupling Inhibitory and Facilitatory Repetitive Transcranial Magnetic Stimulation to Enhance Motor Recovery in Hemiplegic Stroke Patients.
2013  5月  台湾

反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)の抑制促進効果の最適な組み合わせについて調べてみたそうな。


54人の慢性期片麻痺脳卒中患者について次の4グループに分け、20日間の治療を行った。

A)健常側に抑制1Hz刺激+病側に促進バースト刺激

B) 健常側に偽刺激+病側に促進バースト刺激

C)健常側に抑制1Hz刺激+病側に偽刺激

D)両側に偽刺激

この前後での運動野皮質興奮性変化および上肢運動機能の改善度評価を行った。


次のようになった。

・グループAで、筋力、運動機能、反応速度がもっとも向上した。

・脳健常側での皮質活動の低下が運動機能の向上と関連していた。

・病側脳の皮質活動の増加が反応時間の短縮と関連していた。

・他のグループB,C,Dではこのような関連は見られなかった。


rTMS治療は、左右の脳にそれぞれ同時に抑制刺激、促進刺激を与える方法が最も効果的である、


というおはなし。



感想:

これまでの2倍のハードウェアが要るわけで、皆やりたくてもなかなか手が出なかった実験って感じ。

2013年8月9日

rTMSでほんとうに失語が治るのか確かめてみた


Transcranial magnetic stimulation combined with speech and language training in early aphasia rehabilitation: a randomized double-blind controlled pilot study.
2013  6月  ポーランド

反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)が失語症に効くか実験してみたそうな。


脳梗塞で失語の40人の患者について、3週間の言語リハビリ訓練に加えて、
右脳半球のブローカ野相当の位置への抑制的rTMSを行った。
比較のために偽刺激グループも設けた。

リバビリ前後、15週間後の回復程度を評価、比較した。


次のようになった。

・3週間のリハビリの後、両グループ共に言語機能が改善した。

・回復程度は両グループ間でわずかな差しか見られなかった。

・しかし15週間後、rTMSを受けた複数の重症失語患者で偽刺激グループよりも大きな改善効果が確認できた。


脳卒中失語患者の右脳半球への抑制的rTMSは全ての患者に効くというわけではなかった、


というおはなし。


感想:

前回の話につながるのかな
rTMSで失語症を治す方法が判明


2013年7月13日

rTMSで失語症を治す方法が判明


Effects of Noninvasive Brain Stimulation on Language Networks and Recovery in Early Poststroke Aphasia.
2013  6月  アメリカ

rTMS(経頭蓋反復磁気刺激)の失語症治療効果を検証してみたそうな。


24人の脳卒中患者について、右脳の下前頭回の働きを抑制する1Hzの磁気刺激を 20分間×10日間 施した。
比較のための偽磁気刺激グループもつくった。

両グループには並行して1回45分間の言語療法も施した。

治療前後での脳の言語ネットワークの活動を調べるPET検査も行い、言語能力の改善程度との関連を解析した。


次のようになった。

・rTMSグループの言語命名スコア、理解度スコアの向上が著しかった。

・rTMSグループの左脳の活動領域の拡大が偽刺激グループに比べ著しかった。

・この活動領域が大きくなった人は、言語テストスコアの改善度も高かった。


脳梗塞で失語症患者の右脳の下前頭回を抑制するrTMS治療は、結果的に左脳の言語ネットワークを刺激して、言語療法の効果を強める、


というおはなし。

写真:下前頭回
下前頭回

2013年6月19日

で、結局 rTMSの磁気刺激治療ってどうなのよ


Repetitive transcranial magnetic stimulation for improving function after stroke.
2013  5月  中国

反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)を使って、健常側の脳活動を抑制したり、損傷側の脳を活発にすることで脳卒中リハビリがはかどると言われている。

その効果を検証するべく、世界の医学論文データベースから、信頼の置ける研究を2名の調査員が厳選し、その内容を吟味したそうな。

次のようになった。

・19件の論文が見つかった。これら被験者の総計は588人に及んだ。

・183人が関わった2つの研究ではrTMS治療による自立度の改善は見られなかった。

・73人参加の4つの研究では、運動機能に何の影響もなかった。

・刺激の頻度や発症からの適用時期を変えた研究でも、何の違いも見られなかった。

・有害事象として、ごく稀に軽い一時的な頭痛が見られた。


現在のところ、rTMS治療が脳卒中リハビリに有効であるとする証拠は見つからなかった


というおはなし。

写真:rTMS



感想:

歴史もないし、いまはしょうがないと思う。

にしても最近はrTMSリハビリ関連の論文をすっかり見かけなくなった...気がする。


2012年12月30日

健康なほうの脳を磁気刺激したら、麻痺した手が動き出した


Low frequency repetitive transcranial magnetic stimulation to the non-lesioned hemisphere improves paretic arm reach-to-grasp performance after chronic stroke.
2012  12月  タイ



rTMS(反復経頭蓋磁気刺激)治療の

上肢麻痺改善効果を検証してみたそうな。



発症5年前後で上肢麻痺のある

9人の脳卒中経験者について、

健常側の脳に1ヘルツのrTMSを20分間与えたあとの

手の動き、運動誘発電位等を調べた。

また、比較のための偽刺激の際には、

本刺激と同様の音を発生させるようにした。




次のようになった。


・磁気刺激後、麻痺していない方の指筋肉への運動誘発電位が大きく下がった。

・麻痺手の動作速度、動作範囲が大きくなり、正確さも増した。

・偽刺激ではこのような変化はなかった。

・非麻痺手の運動を抑制することと麻痺手の動作向上との間に相互関連が見られた。





健常側の脳を抑制するrTMSが

麻痺手の運動機能を改善することがわかった



というおはなし。





感想:

最近、rTMS関連の研究を目にする機会が減った気がする。

あらたな進展が無く、途上国にブームが移りつつある感。

2012年7月28日

半側空間無視の治療はTMSのシータバーストで決まり


Theta burst stimulation reduces disability during the activities of daily living in spatial neglect.
2012  7月  イギリス



脳卒中後の半側空間無視は

右脳損傷によって半球間相互抑制のバランスが崩れて、

左側の健常な脳が過活動になるため

視野に偏りができると考えられる。



経頭蓋磁気刺激TMS)は過活動にある

健常側の脳の働きを抑制することができる。


この抑制効果が日常生活動作の改善に

つながるかどうか、調べてみたそうな。






半側空間無視のある脳卒中患者の健常側の頭頂葉に

連続シータバースト刺激を1日8セット×2日間与えた。


偽刺激を与えるグループも用意して同様の治療手順を施した。





その結果、

・日常生活動作の37%に改善が見られた。

・この効果は少なくとも3週間持続した。

・この効果により神経心理学的なテストスコアも向上した。

・偽刺激グループにはこれらの改善効果は見られなかった。







連続シータバースト刺激は半側空間無視患者の

リハビリに非常に有効であることがはっきりした



というおはなし。




感想:

かなり自信があるみたい。


過去の記事を思い出した。


半側空間無視が磁気刺激で治る理由

半側空間無視が磁気刺激で治る



2012年6月23日

磁気刺激治療20年間のまとめ


Effects of Repetitive Transcranial Magnetic Stimulation on Motor Functions in Patients With Stroke: A Meta-Analysis.
2012  6月  台湾




反復経頭蓋磁気刺激rTMS)を使った脳卒中患者の

上肢麻痺治療効果について過去の研究をまとめてみたそうな。



研究データベースから1990-2011の関連する論文を厳選抽出、

解析して、rTMS治療の効果を検証した。





次のことがわかった。

・主に運動機能の改善に効果があった。

・皮質下梗塞のケースで効果があった。

・低頻度rTMSのほうが高頻度rTMSより効果的である。

・副作用はほとんどなかった。

・最近では間欠的シータバースト刺激がより効果的とされている。





磁気刺激治療にはもっともっと研究が必要だ、


というおはなし。

2012年6月6日

新しい磁気刺激治療法 シータバーストとはなんなのか


Intermittent theta burst stimulation over ipsilesional primary motor cortex of subacute ischemic stroke patients: A pilot study.
2012  5月  台湾



脳卒中リハビリに役立つ新しい磁気刺激方法を開発したので早速患者に試してみたそうな。


12人の脳梗塞患者を6人ずつ、

・磁気刺激グループ

の刺激グループ

に分けて10日間治療を行った。

並行して通常のリハビリも行った。


新しい磁気刺激は、

間欠的シータバーストiTBS :intermittent theta burst stimulation)

という方法を採用し、

合計で1200個のパルス刺激をダメージを負った脳の運動野に与えた。(iTBS1200




この効果を、

治療直後と60日後に6つの評価方法と

脳磁図検査で検証した。




その結果、

・この磁気刺激治療は発作や悪影響なしに完了した。

・2つの評価基準で偽刺激グループに比べ改善が確認できた。

・他の4つの評価基準では両グループで違いはなかった。

・脳磁図検査では運動に関連した脳の働きの増加が、治療直後に確認できた。




このあたらしい磁気刺激方法は

脳卒中リハビリにさらなる革命をもたらすかもしれない



というおはなし。





感想:

最近は磁気刺激というとrTMSよりもTBS(シータバースト刺激)のほうがよくでてくる…気がする。


調べてみると、シータバースト刺激(TBS)ってこんな感じで、




この図では、各パルスは細かい4つの子パルスの束からできている。


この一連のパルス(シータバースト)を5Hzで2秒間(=40発)与えて、

20秒ほど間を開けて(間欠)


また繰り返す・・・・・・


と、11分で1200発打ち終える。



TBSがいままでのrTMSと異なる点は、

1パルスを構成する子パルスの数が増えているところにある、と考える。


いっぱいパルスを当てることができるので、

rTMSよりも長い持続効果が期待されている。



一方、パルス数が増えた分、安全性の観点から

磁気強度を大幅に下げることになると思う。


そのため、被験者がその最中に磁気刺激を受けていることが

まったくわからないほどに刺激が弱いかもしれない。




いままでのTMSは電気ショック療法の延長だったけど、

TBSは 少し お上品な刺激法である、


と 勝手に推測してみた。

2012年5月19日

磁気刺激治療は本当に上肢麻痺に効くのか?


Transcranial Magnetic Stimulation Combined With Physiotherapy in Rehabilitation of Poststroke Hemiparesis: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Study.
2012  5月  ポーランド




磁気刺激(rTMS)の上肢麻痺治療効果について調べてみたそうな。


40人の脳卒中片麻痺患者について

脳の正常側運動野への1Hz rTMS治療を30分間の のち、

45分間の運動訓練のセットを3週間行った。



治療前後と3ヶ月後の運動機能を評価した。



偽の磁気刺激グループも作り比較対照とした。




結果は、

・本刺激と偽刺激グループ間で改善程度にほとんど違いはなかった。

・3ヶ月後も同様だった。





磁気刺激治療による脳卒中上肢麻痺改善効果は

ほとんどないことがわかった




というおはなし。





感想:

正常な脳の働きを抑制してバランスをとるというアイデアのようだけど

こういう↓ビデオを観ると 考え方に無理がある気がしてならない…

運動野への磁気刺激

2012年5月18日

磁気刺激で失語症が改善するんだゾ ☆(ゝω・)v


Theta Burst Stimulation Over the Right Broca's Homologue Induces Improvement of Naming in Aphasic Patients.
2012  5月  スイス



失語症患者への経頭蓋磁気刺激の効果について調べたそうな。


脳卒中で失語症の右利き患者18人について


脳波計測で特定した右脳ブローカ野への

経頭蓋磁気刺激治療(シータバースト)

その前後での画像命名課題など言語機能の評価を比較した。


また、

偽の磁気刺激との比較、

脳卒中後の異なる時期での比較も行った。




結果は、

・偽ではない本当の磁気刺激により命名課題の正確さとスピードが著しく向上した。

・この改善は、脳卒中の亜急性期患者で顕著だった。




この治療法は使えるかも知れない、


というおはなし。





感想:

おもしろそう。


ブローカ野を磁気刺激したときに言葉が出なくなる実験


2012年5月7日

rTMSリハビリで脳の回路が変わる


rTMS with motor training modulates cortico-basal ganglia-thalamocortical circuits in stroke patients.
2012  3月  韓国




反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)の脳卒中リハビリ効果を

脳機能画像検査で確認してみたそうな。



21人の脳卒中片麻痺患者を

・rTMS刺激

・偽のrTMS刺激

の2グループに分けて手の指運動のリハビリを行った。



rTMS刺激は10Hzのパルスを1000発、

ダメージ側脳の運動野に当てた。

これを10日間継続し、

その前後での脳機能MRI検査を行った。



その結果、

・本刺激のグループでは偽刺激グループに比べ

 指を動かす正確さが著しく向上した。


・本刺激グループでは脳の皮質-視床-尾状核に渡る活動領域に変化が生じた。


・本刺激グループの病側脳の活動が増強された。




10日間の高頻度rTMS治療と運動リハビリにより

運動機能の向上のみならず、脳の活動領域も変化することがわかった、


というおはなし。





感想:

1回あたり10ヘルツ1000発なので、

要する時間は100秒→わずか1分半。


こんなに短い時間で

効果がでるのだから

まさに奇跡の治療法。


すぐに担当のリハ医に相談しなくちゃね。



オマケ:わたしの右手の指を動かしている時の脳の活動

2012年3月16日

rTMS磁気刺激治療の効果は... ほんの数%?


Theta Burst Stimulation in the Rehabilitation of the Upper Limb: A Semirandomized, Placebo-Controlled Trial in Chronic Stroke Patients.
2012  3月  イギリス




脳卒中リハビリへの

反復経頭蓋磁気刺激(TBS:シータバースト刺激)治療の

効果とその持続力について調べたそうな。



41人の慢性期脳卒中患者について、

TBS治療+理学療法 のセットを

10日間継続した。


比較のために偽の磁気刺激を用いたグループも作った。




4, 30, 90日後に

手指の器用さや握力等を調べるテストを行い

偽の磁気刺激グループと比較した。



その結果、

両グループで持続的な改善が見られたものの、

その差は10%にも満たなかった。





磁気刺激治療による上肢麻痺改善効果は

期待したほど無い ことがわかった、


というおはなし。




感想:

知ってた。

2012年2月13日

奇跡のrTMS磁気刺激治療法: 凄まじい効果が明らかに!


A multi-center study on low-frequency rTMS combined with intensive occupational therapy for upper limb hemiparesis in post-strokepatients.
2012  1月  日本



脳卒中後の上肢麻痺の治療を 磁気刺激をもちいて、

複数の施設で実施したそうな。



慈恵医科大学病院ほか計5つの施設で

204人の慢性期脳卒中患者について、


・15日間の入院中に、

・1回20分間の低頻度経頭蓋反復磁気刺激(rTMS)を計22回、

・1日4時間の作業療法トレーニングを毎日、


行った。



その結果、

脱落者も無く治療を完了することができ、

著しい改善効果も確認することができた、


というおはなし。





感想:

この研究は、被験者数は多いけれど、

磁気刺激なしの比較対照グループを設けていない。


だから、改善効果が

1日4時間もの作業療法によってもたらされたのか、

20分間の磁気刺激によるものなのか わからない。



また、改善の程度は下図(論文から引用)のとおりで、
写真:rTMSの効果

左右どちらが治療前、治療後なのか

一瞬判断に迷うほどの劇的な差がある。





論文にあった無精髭の男性の写真。
写真:rTMSと無精髭

自分の入院経験から、脳卒中患者は人一倍身だしなみに気を配るので、

これは たぶん お医者さまの自演 と推測する。

2012年1月20日

PTまえのrTMSで訓練がはかどる


Low-frequency rTMS promotes use-dependent motor plasticity in chronicstroke: A randomized trial.
2012  1月  イタリア



反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)が理学療法(PT)に

与える影響を調べてみたそうな。



30人の慢性期脳卒中患者について、

脳の健常側への低頻度rTMSを10日間施行した。


また、rTMSは

・本物の刺激グループと

・偽の刺激グループに分けて


さらに、

・PTの前に刺激、または

・PTのあとに刺激、

のグループに分けた。


3ヶ月後までの上肢機能の回復具合と

脳神経の興奮程度を評価、比較した。



その結果、

・いずれのグループの上肢機能が改善した。


・偽刺激グループの効果は小さく一時的だった。


・特に、理学療法の前に磁気刺激を受けたグループで

 著しく訓練効果があがった。




理学療法訓練の直前にrTMSをすることで

リハビリがはかどることがわかった、


というおはなし。

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鍼治療の「得気」は小脳のはたらきだった
脳梗塞実績No.1漢方薬 → ほようかんごとう
閉じ込め症候群の患者にあえて生活の質を問うてみた結果、、
砂糖の代わりに甘味料を使うと脳梗塞がさらにひどくなることが判明
ダメージを負った脳組織が勝手に再生する仕組みが明らかに
指ストレッチはいいらしいから さっそくこのビデオで実践することにした
【肥満パラドックス】脳梗塞で長生きするBMIが判明
リハビリの合間のお昼寝は大切 → 訓練がはかどるゾ

刺激豊富な環境で脳梗塞が治る理由
猫を飼う女性は脳卒中で死なないことが判明!
美容院で脳卒中になる女性が続出!
「ストレスが原因」と語る脳卒中患者ほど実はなにもわかっていない
傷ついた脳に効くBDNFが増えるサプリメントが明らかに
運転リハビリに良さそうなおすすめドライブゲーム
【アロマテラピー】ラベンダーの香りが脳梗塞にすごく効く
脳卒中後の疲労感は 只の疲労とはわけが違う
脳卒中がきっかけでホモになることがあるらしい
ダイエットコーラを毎日飲むと脳卒中になることが判明

高コレステロールに朗報 葉酸サプリの脳卒中予防効果
BDNFが7年かけて脳を修復してくれるという根拠について
朝ごはんを食べない日本人は脳内出血になることが判明!
脳卒中予防に最適なビタミンBサプリメントの組み合わせがわかった!
脳卒中経験者の血圧を十分に下げたら死亡者が続出した
痙縮が治る ただの風呂と温泉を比較した
歩きスマホが脳卒中患者のリハビリに適しているという根拠について
磁気嵐が脳卒中を引き起こす と判明!
リハビリは動かせばイイってもんじゃぁない. 本人がやる気になるまで待て.
『足首を鍛えたいのに麻痺して動かないの』→『もう一方の足を鍛えなさい』