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2017年2月1日

脳卒中患者がTimed Up and Goをイメージする能力


Evaluating the Effect of Cognitive Dysfunction on Mental Imagery in Patients with Stroke Using Temporal Congruence and the Imagined 'Timed Up and Go' Test (iTUG).
2017  1月  フランス

運動イメージは脳卒中のリハビリに深く関わっていて、その能力は実際の運動に要した時間とイメージの時間とのズレで評価できる(Temporal Congruence:TG)。

歩行動作について運動イメージ能力をしらべてみたそうな。


脳卒中患者20人と健常者20人について、
タイムアップアンドゴーテスト:TUG(椅子から立ち上がってひとまわりしてまた座るまでの時間計測)
の実動作とイメージに要する時間(iTUG)をそれぞれ測定した。

運動イメージは、動作を感覚的にとらえる方法と1人称または3人称視点で視覚的に描く方法のいずれでもよしとした。

TG(%)=(TUG-iTUG)/((TUG+iTUG)/2)x100 と定義した。

認知機能テストもおこない関連を解析したところ、


次のようになった。

・運動イメージ能力のズレの大きさTGは脳卒中患者で45%、健常者で24%だった。

・イメージに要した時間iTUGは注意力を測るBells Test スコアと正の相関があった。

脳卒中リハビリに運動イメージ訓練を応用するばあい、患者の注意障害の可能性を考慮するひつようがあるだろう、


というおはなし。

図: temporal congruence

感想:

この↓はなしに似ているとおもった。
重度感覚麻痺がイメージ能力に及ぼす影響とは

2014年3月25日

動作観察療法と運動イメージ訓練の脳波に与える影響は


Differences in Brain Waves of Normal Persons and Stroke Patients during Action Observation and Motor Imagery.
2014  2月  韓国

動作観察療法や運動イメージ訓練の際の脳波がどんな特徴や違いがあるか調べてみたそうな。


平均年令56の慢性期脳卒中患者12人と平均年令22健常な12人について動作観察時、運動イメージ時の脳波を3分間計測して比較した。

動作観察療法では立ったり座ったり、身体をひねったりといった動作を記録したビデオを観る。

運動イメージ訓練では同様の動作を口頭で指示し、頭のなかに思い描く。


次のようになった。

・脳卒中患者と健常人いずれも動作観察時にアルファ波の強度がおおきく低下した。

・しかし運動イメージ時ではアルファ波強度に大した変化は生じなかった。

・ベータ波の強度は両グループともに同じような分布で増加したが、

・ベータ波は動作観察時のほうが運動イメージ時よりも顕著に強かった。


動作観察と運動イメージは運動学習を促す効果がある。しかし動作観察の方がより強い認知活動をもたらすであろう(α↓β↑)ことから 動作観察療法の方が脳卒中リハビリには向いているのかも知れない、


というおはなし。


写真:脳波


2011年11月30日

イメージトレーニング能力をリハビリする必要性について


Recovery of Motor Imagery Ability in Stroke Patients.
2011  4月  オランダ




イメージトレーニングを脳卒中リハビリに応用する

研究例がしばしば見られる。


そこで脳卒中患者の、運動をイメージする能力

について調べたそうな。



運動イメージ法にはいくつかの種類があって、


たとえば

身体の動きを視覚的にイメージするものや

物体の回転、反転動作をイメージするもの、

指示にしたがって手足の動作を正確に

イメージするものなどがある。



これらのイメージ能力は

脳卒中後いったん衰えることがあるが

リハビリにより比較的早い時期に回復することができる。



これを放って置くと運動イメージ能力も低下

したままになるので、


イメージトレーニング能力それ自体をリハビリする

専用のトレーニングが必要になるであろう、



というおはなし。

2019年10月1日

安静時脳ネットワークにみるイメージ訓練の効果


The reorganization of resting-state brain networks associated with motor imagery training in chronic stroke patients
2019  9月  中国

運動イメージ訓練(motor imagery training:MIT)は脳卒中患者の上肢リハビリで高い成果をあげている。

その効果は脳皮質上の活動変化として いくつものタスクベースのfMRI研究で確認されている。

いっぽう安静時fMRIをつかった研究はまだ1件しかない。

そこでMITの脳卒中リハビリへの効果が安静時fMRIのネットワーク解析結果にどう反映されるものか、実験してみたそうな。



慢性期の脳卒中で片麻痺の34人を、
通常リハビリ
通常リハビリ+MIT
の2グループにわけた。

MITはリラックスした状態の1人称視点で手の動作を思い描く。これを1日30分間x4週間おこなった。

この前後での安静時fMRIを測定し、上肢の機能回復度(FM-UL)との関連を解析したところ、



次のようになった。
・MITグループでFM-ULスコアがよりおおきく改善した。

・両グループともに半球間結合が高まり、損傷脳半球内での一次運動野(M1)間の結合が低下した。

・しかしMITグループでは、損傷脳半球内のM1と中心前回および中心後回 中部帯状回 縁上回の結合がたかまった。いっぽう通常リハビリグループではこれらの結合は低下していた。

・脳ネットワークのクラスター係数はMITグループでのみあきらかに上昇していて、これはFM-ULスコアと正の相関があった。

運動イメージ訓練は脳内ネットワークの再編をとおして運動機能の回復にむすびついていると考えられる、


というおはなし。

図:MITの上肢機能とクラスタリング係数



感想:

安静時fMRIだから手をうごかせない患者でもMITリハビリの進展をモニターできるな。
運動イメージ中の脳ネットワーク結合を調べた結果、、

2015年10月26日

脳のここをやられていると運動イメージ訓練が効かない


Motor imagery-based skill acquisition disrupted following rTMS of the inferior parietal lobule.
2015  10月  カナダ

運動イメージ訓練 いわゆるメンタルリハーサルは脳卒中リハビリで効果のある治療法の1つである。

これには脳の様々な部位が関わっているが、なかでも視空間プロセスを司る左側の下頭頂小葉に大きく依存していると考えられれている。

そこでこの部位を磁気刺激(TMS)で抑制した場合に 運動イメージ訓練の効果がどうなるか調べてみたそうな。


27人の脳卒中患者について、運動イメージ訓練ベースの潜在系列学習を行わせ、その前後での反応時間を測定した。

患者は2グループに分け、
一方には左側の下頭頂小葉へ抑制効果を持つシータバーストTMSを与え、
もう一方はTMSコイルを外に向けて偽刺激グループとした。


次のことがわかった。

・反応時間の改善度は、偽刺激グループで36.1ms、本刺激グループでは7.7msだった。


左側の下頭頂小葉の働きを抑制したところ、運動イメージ訓練の効果が弱まった。この部位が運動イメージ訓練に重要な役割を担っているであろうことが確認できた、


というおはなし。


写真:下頭頂小葉下頭頂小葉


感想:

下頭頂小葉には角回という脳のひだが含まれていて、そこは 刺激すると体外離脱を体験できることで有名な部位でもある。

刺激されてみたい、、

2012年11月9日

運動イメージトレーニングで歩行が上手になる


Effects of motor imagery training on balance and gait abilities in post-stroke patients: a randomized controlled trial.
2012  11月  韓国



歩行リハビリに運動イメージトレーニングを組み合わせてみたそうな。



28人の慢性期脳卒中患者について、


・15人は運動イメージトレーニング15分間+歩行リハビリ30分間


・13人は歩行リハビリ30分間のみ(比較グループ)


を週に3回のペースで行った。




歩行やバランス能力を4種類のテストで評価した結果、

次のようになった。


・イメトレグループは4つ全てのスコアが大きく改善した。


・比較グループはフーゲル・マイヤー・アセスメント以外は改善した。


・イメトレグループは全てのテストでスコアが比較グループを大きく上回っていた。







脳卒中歩行リハビリに運動イメージトレーニングを組み合わせると

歩行、バランス能力が大きく改善することがわかった



というおはなし。

2018年12月12日

中低所得国で成果をあげている脳卒中リハビリとは


A systematic review of physical rehabilitation interventions for stroke in low and lower-middle income countries
2018  12月  アイルランド

脳卒中による障害や早死による世界全体の人的損失年数の78%は中低所得国で発生しているという。

これらの国々では脳卒中リハビリにあてられるあらゆるリソースが限定的であり高所得国の真似をすることができない。

そこで中低所得国で効果的とされる脳卒中の身体リハビリテーションの種類についてこれまでの成果をまとめてみたそうな。


中低所得国の成人脳卒中患者を対象とした身体リハビリテーションに関係する質の高い研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被験者2115人を含む62の研究がみつかった。大半はインドのものだった。

・内訳は、上肢関連が26件、下肢22件、その他14件だった。

・研究の質的には、強7件、中16件、弱39件と分類でき、

・全体として身体リハビリテーションにより患者の回復が促された。

・特にエビデンスレベルが高かったものは、CI療法とミラーセラピーによる上肢リハビリおよび、

・運動イメージ訓練による歩行リハビリだった。

・次いで、立ち上がり訓練(sit-to-stand training)でのバランス改善効果だった。

中低所得国の脳卒中リハビリ研究の結果、ミラーや運動イメージによる脳内トレーニングおよび上下肢の繰り返し運動が効果的でかつ低コスト シンプルな方法として評価されていた、


というおはなし。

図:中低所得国の脳卒中リハビリ


感想:

むしろこういう環境でこそ真の実力が試される。

CI療法(=課題指向型訓練)はナンセンスであることが最近あきらかになったので除外するとして、

ミラーセラピーの発案者はインド人だから一番人気は納得。

そして安定のメンタルプラクティス(運動イメージ訓練)か。

2013年5月29日

運動イメージ訓練で脳の働きが変化した


Cortical reorganization after motor imagery training in chronic stroke patients with severe motor impairment: a longitudinal fMRI study.
2013  4月  中国


運動イメージ訓練が脳皮質の働きに及ぼす影響を調べたそうな。


18人の慢性期脳卒中患者について、運動イメージ訓練あり、なしの9人ずつのグループに分けた。

運動イメージ訓練は1回30分間×週5日×4週間行った。両グループには通常のリハビリも施した。

その後上肢機能の評価と、脳機能MRIによる脳皮質の活動状況を調べ関連を解析した。


次のようになった。

・非損傷側の感覚運動野の活動が大きくなった。(イメトレ:6人、なし:5人)

・非損傷側の感覚運動野への依存度が大きくなった。(イメトレ:3人、なし:1人)

・この感覚運動野の拡がりと、上肢機能の回復程度との間に有意な関連が見られた。



運動イメージ訓練や通常のリハビリによって脳皮質の活動に変化が生じた。

患者はこういった変化を意識的にコントロールできるようになるかも知れない


というおはなし。




私の右手指動作時の脳皮質の活動



2012年10月28日

観察したりイメージするだけのニューロリハビリテーションの効果とは


Action Imagery Combined With Action Observation Activates More Corticomotor Regions Than Action Observation Alone.
2012  10月  ドイツ




動作観察や運動イメージが脳卒中リハビリに良いと言われている。

それらの神経メカニズムを調べてみたそうな。



26人の健常人について脳機能MRIを施行した。


・動作観察ビデオのみの場合と

・動作観察+運動イメージを促す手の動きのビデオを見せた。


それぞれ得られた脳活動領域を比較したところ、


次のようになった。


・動作観察だけの場合、両脳半球の頭頂葉、後頭葉を含む対称的な神経活動が増加した。

・動作観察に運動イメージを加えた場合、さらに

両小脳半球と尾状核、運動前野、補足運動野の活動が増加した。






動作観察に運動イメージを加えることで

運動に関連した脳のより広範の領域を

活発にできることがわかった。


これをもとに効果的な脳卒中リハビリができるかも知れない



というおはなし。





脳機能MRIではこんな風に見える。(ビデオ2分間)

右手の指を動かしているときのわたしの脳

左脳運動野と右の小脳が頑張っている様子がわかる。

2012年5月9日

脳卒中リハビリはとりあえず鏡に映せば状況改善することが判明


Facilitation of corticospinal excitability according to motor imagery and mirror therapy in healthy subjects and stroke patients.
2011  12月  韓国




イメージトレーニング、ミラーセラピーなどの際の

脳の命令の伝わりやすさについて比べてみたそうな。



脳卒中患者と健常人それぞれ30人ずつについて

つぎの各状況(A-G)で、

健常手の動きを観察し、麻痺手の動きをイメージして

病側脳から麻痺手へ脊髄路を伝わる

運動誘発電位の大きさ、遅延時間を

磁気刺激装置(TMS)を用いて測定した。



写真:ミラーとMEP

A)リラックス状態

B)運動イメージのみ

C)他人の手の動きを直接見て麻痺手の運動をイメージする

D)自分の手の動きを直接見て麻痺手の運動をイメージをする

E)他人の手の動きを鏡に映して同じ動きをイメージする

F)自分の手の動きを鏡に映して同じ対称な動きをイメージする

G)自分の手の動きを鏡に映して同じ非対称な動きをイメージする





結果は、

他人の手または自分の手の動きを鏡に映してみたとき

鏡に映さない場合に比べ、運動誘発電位が強くなり、遅延時間も少なくなった。




麻痺手側に置いた鏡に映った像を見て、

映った健常手と同じ動きをイメージすると

ダメージを負った側の脳からの信号が伝わりやすくなる
ことがわかった、



というおはなし。





感想:

これ、

ミラーニューロン、ミラーセラピー、イメージトレーニング

のちゃんぽんになってて、

いまいち  わけがわからない。


とにかく "ミラー" をつけりゃイイ って風潮を感じる。



こんな記事を思い出した。
 ↓
ミラーセラピーが脳に働きかける説は 文字通り "幻" かも

2014年10月18日

メンタルプラクティスでリハビリがはかどり脳の働きも変わった


Changes in brain activation in stroke patients after mental practice and physical exercise: a functional MRI study.
2014  8月  中国

メンタルプラクティスが運動機能の改善に伴う脳の活動にどう関連するものなのか調べてみたそうな。


左脳損傷の脳卒中患者15人の上肢機能について、通常の理学療法を行い、そのうち10人には運動イメージ訓練を伴うメンタルプラクティスを追加した。

4週間の訓練の後、脳の活動域をfMRIで確認し、上肢の機能回復程度との関連を解析した。


次のことがわかった。

・メンタルプラクティスのグループでは上肢の機能回復程度が著しく高かった。

・fMRIでは左脳感覚野の活動が増強され、右脳運動野の活動強度が弱くなった。

・そして 麻痺した右手の運動イメージ中の右小脳の活動が強くなった。

・これら脳皮質上の変化は上肢機能の回復度と関連があった。


上肢機能の回復につながったメンタルプラクティスのあとに大脳皮質および小脳機能の再編が起きたに違いない、


というおはなし。
MP+PPとFMA
MPありだと成績がこんなに伸びる


感想:

この結果と似ている。
目的をイメージしながら動作訓練すると脳がより広く鍛えられることが明らかに

この機会に用語をまとめてみた。

運動イメージ(motor imagery)は外部からの運動動作上の細かい指示に従うことを指し、視覚的シミュレーションは伴わない。
メンタルプラクティスは運動全体の様子を目的意識を持って主に一人称視点で視覚的に思い描くこと。
・これに加えて、五感や感情までも含めたリアルな体験を頭のなかで行うのがイメージトレーニング

こんなふうに理解している。

2020年9月28日

運動イメージと動作観察のアンブレラレビュー

2020  9月  スペイン


脳卒中患者への運動イメージ訓練(motor imagery)と動作観察療法(action observation)のエビデンスレベルと機能改善効果について評価するべく、

腕の機能性、日常生活動作、歩行移動性の3つについてメタアナリシスのメタアナリシス(アンブレラレビュー)をこころみたそうな。

2014年9月6日

目的をイメージしながら動作訓練すると脳がより広く鍛えられることが明らかに


Motor imagery during movement activates the brain more than movement alone after stroke: A pilot study.
2014  9月  アメリカ

実際の動作に運動イメージを組み合わせたときの脳の働きを調べてみたそうな。


58歳前後で右片麻痺の慢性期脳卒中患者7人について、脳機能MRI検査を行った。

検査時に、

*右手を内側、外側にひねる動作を行う。 
*上記動作中にノブを回してドアを開閉するシーンをできるだけリアルに頭に思い描く。

の2種類の条件下で各々測定し、結果を比較した。


次のことがわかった。

・ひねり動作のみ場合、左脳の感覚運動野と右の小脳に活動が見られた。

・運動イメージを加えた場合、左の下頭頂小葉と右の背外側前頭前野の強い活動がプラスされた。


訓練動作に具体的な目的のイメージを加えることで、脳卒中患者の運動ネットワークのより広い範囲にアクセスできるのかも知れない、


というおはなし。
運動イメージ fMRI


感想:

目的意識のない漫然とした動作の繰り返しだけでは リハビリとして不十分なんじゃない?
ってことと理解。

2012年7月11日

イメージトレーニングで片麻痺の 立つ、握る 動作が速度アップ↑


Motor imagery practice for improving sit to stand and reaching to grasp in individuals with poststroke hemiparesis.
2012  7月  イスラエル




運動イメージトレーニングが脳卒中リハビリに与える影響

について調べてみたそうな。




13人の慢性期脳卒中片麻痺患者について、


2グループに分けて、それぞれ


・座位から立位への動作

・手を伸ばして物をつかむ動作


イメージトレーニングを15分間、週に3回×4週間行った。



そののち、

グループ間でトレーニング内容を入れ替えて 再度、4週間イメトレした。




これらイメージトレーニング前後での各動作に要する時間、速度 等を計測した。





結果は、

運動イメージトレーニングにより、


・起立動作にかかる時間が著しく短縮した。

・両足間の体重分布には変化がなかった。

・到達把持の平均、最大速度が大きく向上した。






慢性期脳卒中患者の運動イメージトレーニングは

実際の動作に良い影響を与えることがわかった



というおはなし。

2023年4月7日

積極的上肢リハビリの有効性と訓練量

2023  4月  ベルギー


脳卒中患者の3分の1は入院時に重度の上肢障害を負う。

そのうち20%が上肢機能の改善を経験し、完全回復するのは5%のみである。

そこで、急性期、亜急性期に重度上肢障害の機能改善を目的に実施された積極的なリハビリテーションの効果についてシステマチックレビューをこころみたそうな。

2023年3月22日

動作観察と運動イメージの組合せは

2023  3月  イギリス


脳卒中のリハビリテーションにおいて、身体的な運動がむつかしいばあいには動作観察療法(AO)や運動イメージ療法(MI)が用いられる。

それぞれを独立して行うよりも、組み合わせることで相乗効果が得られるとする報告があるので、上肢リハビリのカップスタッキング課題についてその効果を検証してみたそうな。

2013年2月20日

近赤外線ニューロフィードバック装置で重症片麻痺患者の指が動いた


Near-infrared Spectroscopy-mediated Neurofeedback Enhances Efficacy of Motor Imagery-based Training in Poststroke Victims: A Pilot Study.
Brain Feedback Helps Move Hands After Stroke
2013  2月  日本



近赤外線をつかったニューロフィードバック装置が

実際に脳卒中患者のリハビリに役だつのか調べてみたそうな。

(この記事の続き: 脳卒中リハビリの最先端イメージトレーニング装置を日本で開発


20人の脳卒中片麻痺患者に

この装置を使った運動イメージトレーニングを週3回のペースで2週間施した。


近赤外線センサーで検出した運動野のヘモグロビン由来の信号をフィードバックするリアルグループと、

デタラメな信号をフィードバックする偽グループとに分けて実験した。


その後の上肢機能を評価した。



次のようになった。

・フィードバック信号の平均は偽グループ1.8、リアルグループ2.6だった。

・平均の皮質信号強度にグループ間で違いはなかった。

・リアルグループで手指の機能スコアが59.7→68.6と大きく改善した。

・重症の麻痺患者でも同様の改善が見られた。

・運動前野の活動がかなり活発になった。

・これらの改善は偽フィードバックグループでは見られなかった。





近赤外線ニューロフィードバック装置を使うと

運動イメージ訓練がはかどり、

脳卒中で重症片麻痺患者のリハビリにも役立ちそうなことがわかった



というおはなし。



感想:

重症麻痺患者にも効果があるってところに注目したい。

2012年3月11日

脳卒中リハビリの最先端イメージトレーニング装置を日本で開発


Neurofeedback using real-time near-infrared spectroscopy enhances motor imagery related cortical activation.
2012  3月  日本



脳卒中リハビリへのイメージトレーニングの応用は、

大変効果がある とする研究がある一方で、

その再現方法が難しくあまり普及していない。




脳の活動をリアルタイムに測定してフィードバックできる仕組みを作り、

イメージトレーニングリハビリに応用できる可能性

について検証したそうな。




脳表面を流れる血液の酸化の程度を多数の

近赤外線センサーで観測する装置を使って、


実験1)

5人の健常人で利き手の指を順に動かす運動をして

その脳活動を検出する条件を整えた。


実験2)

24人の健常人について、利き手の指を動かそうとする

イメージを頭の中に描いてもらい


その際の脳活動を画面上のカラーバーの長さに反映して、

それを見た被験者が脳活動を増強できるかどうか 

を偽のフィードバックも用いて比較した。




その結果、

・脳の特定箇所の酸化ヘモグロビンを観察

することで手指運動に関連する脳活動状況をモニターできることがわかった。



・被験者への脳活動のリアルタイムフィードバックにより

関連する脳部位の活動をより増強できることがわかった。







脳卒中リハビリのイメージトレーニング専用の

リアルタイムニューロフィードバック装置を作れそうな気がしてきた、



というおはなし。




写真:脳卒中リハビリのイメージトレーニング装置


これは面白そう。

2018年12月11日

メンタルプラクティスの上肢リハビリ効果


Mental practice for upper limb motor restoration after stroke- an updated meta-analysis of randomized controlled trials
2018  12月  中国

脳卒中上肢麻痺のリハビリにはいくつもの方法がある。
しかしこれまでもっとも頼りにされてきた特定動作の繰り返し(課題指向型訓練)には効果がないことが最近わかってきた。

メンタルプラクティスは実際の動作を行う必要がないことから重症患者にも適用でき、安全かつ簡単で退院後も続けることのできるリハビリ方法として期待されている。

過去のメタアナリシスでは評価方法のばらつきがおおきくその効果をあきらかにできていなかった。

そこで最新の研究をふくめてメンタルプラクティスのメタアナリシスを再度こころみたそうな。


メンタルプラクティスによる脳卒中上肢リハビリの論文を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被験者268人を含む12の研究がみつかった。

・Egger's testでは出版バイアスは見られなかった。

・メンタルプラクティスにより上肢運動機能FMAスコアがあきらかに向上していた。

・同様に上肢機能ARATスコアもおおきな改善をしめした。

・これらの関連は任意の研究データを除外しても影響を受けず保たれていた。

メンタルプラクティスは脳卒中上肢麻痺のリハビリに有効である。ぜひ推奨したい、


というおはなし。

図:

感想:

メンタルプラクティスと運動イメージ訓練(motor imagery)は同じ。これに場の雰囲気やじぶんの気持ちを加えた脳内リハーサルを総称して「イメージトレーニング」とよぶ。


これまでも上肢リハビリがいろいろあるなかで唯一まともそうなのがメンタルプラクティスだった。↓
Stroke誌:上肢リハビリ 良い方法 & ダメな方法

2020年12月5日

最重症の上肢麻痺に効くメンタルプラクティスとは

2020  10月  イギリス


脳卒中後の上肢麻痺患者へのメンタルプラクティスの有効性と、いつどのように実施するべきかを明らかにすることを目的にシステマティックレビューとメタアナリシスをこころみたそうな。
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傷ついた脳に効くBDNFが増えるサプリメントが明らかに
運転リハビリに良さそうなおすすめドライブゲーム
【アロマテラピー】ラベンダーの香りが脳梗塞にすごく効く
脳卒中後の疲労感は 只の疲労とはわけが違う
脳卒中がきっかけでホモになることがあるらしい
ダイエットコーラを毎日飲むと脳卒中になることが判明

高コレステロールに朗報 葉酸サプリの脳卒中予防効果
BDNFが7年かけて脳を修復してくれるという根拠について
朝ごはんを食べない日本人は脳内出血になることが判明!
脳卒中予防に最適なビタミンBサプリメントの組み合わせがわかった!
脳卒中経験者の血圧を十分に下げたら死亡者が続出した
痙縮が治る ただの風呂と温泉を比較した
歩きスマホが脳卒中患者のリハビリに適しているという根拠について
磁気嵐が脳卒中を引き起こす と判明!
リハビリは動かせばイイってもんじゃぁない. 本人がやる気になるまで待て.
『足首を鍛えたいのに麻痺して動かないの』→『もう一方の足を鍛えなさい』