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2017年10月1日

くも膜下出血の脳血管れん縮と早期脳損傷とクルクミン


Curcumin mitigates cerebral vasospasm and early brain injury following subarachnoid hemorrhage via inhibiting cerebral inflammation.
2017  9月  中国

脳卒中の5%を占めるくも膜下出血は、そのおおくが脳動脈瘤の破裂によるもので死亡率がとてもたかい。

早期脳損傷(EBI)と血管攣縮が高死亡率のおもな原因と考えられており、酸化ストレスや炎症、細胞死がそのメカニズムに関係している。

いっぽうウコン(ターメリック)に含まれる黄色の成分クルクミンにはおおくの病気で抗炎症 抗酸化作用が確認されており、脳梗塞や脳内出血では神経保護効果がしめされている。

くも膜下出血へのクルクミンの影響をしらべてみたそうな。


視交叉槽に事前採集した血液を注入して人為的にくも膜下出血状態にしたネズミについて、クルクミン(150mg/kg)を注射した。

死亡率や神経症状、血管攣縮、活性酸素反応、炎症性たんぱく質を定量した。


次のようになった。

・クルクミングループで死亡率が低下し 神経症状も緩和され、

・血管攣縮も軽減されていた。

・炎症性サイトカインの過剰発現が抑制され、その転写因子も抑えられていた。

クルクミンには くも膜下出血による脳の炎症を免疫反応の転写因子レベルで抑制することで血管攣縮や早期脳損傷を軽減するはたらきがある


というおはなし。
図:くも膜下出血へのクルクミンの影響

感想:

今夜はカレーライスだ。

[クルクミン]の関連記事

2017年9月11日

くも膜下出血の5年後


Life situation 5 years after subarachnoid haemorrhage.
2017  9月  スウェーデン

くも膜下出血は初月の死亡率が30-60%と高く、2年経っても認知 記憶障害 うつ 不安の問題が残るという。

そこで 5年後の状態についてしらべてみたそうな。


発症から5年経ったくも膜下出血経験者42人にアンケートを送付したところ、


次のことがわかった。

・26人(62%:平均年齢59)から回答を得た。

・全体的に健康関連QoLが低く、不安うつスコアがよくなかった。

・多くが感情、疲労、記憶、実行機能に問題を抱えているいっぽう、身体機能上の問題はほとんどなかった。

・ほぼすべての回答者が社会参加度におおむねまんぞくしていて、64%は日常生活が自立できていた。

くも膜下出血から5年後、彼らは身体機能上の問題よりも 見た目ではわからない障害をかかえていた。しかし社会参加にかんしては不満はないようだった、


というおはなし。
図:くも膜下出血5年後の社会参加

感想:

くも膜下出血って激しい頭痛と高い死亡率のイメージだけで、脳梗塞や脳内出血にありがちな身体障害のはなしをあまりきかない。
生き残ったくも膜下出血はハンパなく回復する

2017年9月6日

禁煙で脳動脈瘤の破裂を防げるのか?


Association of intracranial aneurysm rupture with smoking duration, intensity, and cessation
2017  8月  アメリカ

脳動脈瘤破裂のくも膜下出血は死亡率が45%にものぼる。

脳動脈瘤が破裂するもっともおおきな要因の1つとして喫煙が考えられており、実際 くも膜下出血患者の喫煙率は一般人の2倍以上という報告もある。

そこで脳動脈瘤の破裂と喫煙習慣との関連について大規模にしらべてみたそうな。


1990-2016の脳動脈瘤を計6411個もつ4701人の患者の記録を解析したところ、


次のことがわかった。
・現在喫煙者>喫煙経験者>非喫煙者の順に脳動脈瘤が破裂しやすかった。

・喫煙年数が長く1日の喫煙量がおおいほど破裂しやすかった。

・しかし禁煙期間との関連は確認できなかった。

たばこの喫煙習慣と量、期間が脳動脈瘤の破裂とあきらかに関連していた。しかも禁煙したからといってそのリスクが低下するわけでもなかった、


というおはなし。
図:1日のたばこ量と脳動脈瘤破裂率

感想:

半端な禁煙は効果ないみたいだから、最後まで吸い続けてもらいたい。

[くも膜下出血 喫煙]の関連記事

2017年9月5日

トイレで起きやすい脳卒中の種類と頻度


Clinical characteristics of stroke occurring in the toilet: Are older adults more vulnerable?
2017  8月  日本

排便や排尿は 交感神経と副交感神経の通常とは異なるバランスのうえで行われるため血流動態におおきな変化をもたらし肺塞栓症などの血管イベントのきっかけになると言われている。

いっぽう脳卒中との関連はよくわかっていないのでくわしくしらべてみたそうな。


2011-2015の脳卒中患者1939人ぶんの記録から、発症時にトイレ中だったものを抽出し、入院に至った経緯を調査したところ、


次のことがわかった。
・108人(脳梗塞41、脳内出血37、くも膜下出血30)が脳卒中発症時にトイレ中だった。

・発症時のトイレ中率は、くも膜下出血が14.3%で最も高く、次いで脳内出血が7.3%だった。

・トイレ中脳梗塞は夜間に多かった。

・トイレ中脳梗塞の種類では 心原性タイプがあきらかに多かった。

・発症時、トイレから助けを呼ぶことができたのは40%未満だった。

・高齢者のトイレ中では 脳出血よりも脳梗塞があきらかに多かった。

トイレ中に脳卒中をおこす患者の割合は全体の5.6%で、特にくも膜下出血がおきやすかった。心房細動がある高齢者はトイレ中の心原性脳梗塞にも注意が必要だろう、


というおはなし。
図:トイレ中の脳卒中で助けを呼べた割合

感想:

他人がとなりに立つとおしっこが出なくなる。これも交感神経がどうのこうのなのかな。

2017年8月28日

高齢者のくも膜下出血はどうしたらいいの?


Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage in the Elderly over Age 75: A Systematic Review.
2017  8月  日本

くも膜下出血の発生率は年齢が上がるほど高く、特に女性におおい。しかも高齢のくも膜下出血患者は入院時の症状が重く、予後不良も少なくない。

75歳以上の高齢くも膜下出血患者の予後に影響する要因と治療法について過去の研究をまとめてみたそうな。


関係する論文を厳選して、データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。
・816例を含む12の研究がみつかった。

・患者の83.2%は女性で、33.8%は入院時に重度の症状だった。

・25.5%に血管攣縮がみられ、31.1%に水頭症があった。

・全体の35.0%は回復良好で、治療法別ではクリッピングの45.3%、コイリングの36.3%、保存療法の9.0%で回復良好だった。

・入院時に重症で、高齢、手術なしだと回復不良で死亡率も高かった。

85歳未満で入院時に重症でなければ手術をすすめるべき、


というおはなし。
図:くも膜下出血

感想:

くも膜下出血の再発予防手術の必要性には 個人的にとてもつよい疑いをもっている。

自分にその選択をせまられたら、たぶん断ると思う。

2017年7月30日

くも膜下出血の頭痛は最短何時間で消えるのか?


The initial time-course of headache in patients with spontaneous subarachnoid hemorrhage.
2017  7月  オランダ

激しい頭痛で入院してきた患者にはくも膜下出血の可能性が考えられる。しかしこの頭痛がすぐに消えてしまった場合、くも膜下出血ではなかった、、と言ってよいのだろうか?

くも膜下出血患者の頭痛が最短何時間で消えることがあるのか確かめてみたそうな。


激しい頭痛の発症から48時間以内に入院して、
CTや髄液検査でくも膜下出血とわかった患者のうち、
意識清明で神経症状のない患者106人について
頭痛の強さスケール"Numerical Rating Scale "が0または3を下回るに要した時間を確認したところ、


次のようになった。

・すべての患者に鎮痛剤が与えられていた。

・発症から48時間以内に頭痛スケールがゼロになった患者が9人、3を下回った患者は22人いた。

・頭痛スケールゼロまでの最短時間は10時間で、その患者は発症2時間半で鎮痛剤をとっていた。

鎮痛剤をとったくも膜下出血患者は、48時間以内におよそ10%で頭痛が消えた。すぐに頭痛が消えたからといってくも膜下出血の可能性が消えるわけでもないことがわかった、



というおはなし。
図:くも膜下出血の頭痛スケールと発症からの時間

感想:

そして、
頭痛も消えて何の神経症状もない患者に「このままにしておくと再出血で死にますよ」と脅して必要性の明らかでないクリッピング手術を受けさせるところまでがデフォ。

2017年7月26日

くも膜下出血で突然死する人の特徴


Risk Factors of Sudden Death From Subarachnoid Hemorrhage
2017  7月  フィンランド

くも膜下出血患者の4人に1人は入院することなく突然に死亡するといわれている。
ところがくも膜下出血についての研究のおおくは入院患者について行われているため患者選択のかたよりが避けられない。

フィンランドでは突然死にはすべて検死解剖が義務付けられている。そこで くも膜下出血が原因で突然死した者と入院した患者とのリスク要因の違いをしらべてみたそうな。


フィンランド人65521人を20年ほどフォローした研究記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・くも膜下出血で98人が突然死して445人が入院した。

・喫煙量が増えるにしたがい入院よりも突然死するリスクのほうが高くなった。

・同様に収縮期血圧が高くなるほど突然死リスクが上がった。

・一人暮らしは突然死リスクが高く、入院のリスクは上がらなかった。

・50歳未満で標準血圧 非喫煙者のくも膜下出血での突然死例はなかった。

くも膜下出血の突然死リスクは喫煙や高血圧、一人暮らしの者で高かった。50歳未満 標準血圧 非喫煙者での突然死は極めて稀といえる


というおはなし。
図:くも膜下出血で突然死 血圧と喫煙
右:突然死、実線:喫煙、黒:高血圧


感想:

病院へ間に合わなくて死亡するのではなくて、それまで動脈瘤はおろか何の心血管症状もなかった元気なひとがいきなりくも膜下出血で死ぬんだって。

ポックリ逝きたければ ひとり暮らしで高血圧は放置、たばこを吸いながらその時を待て ということ。

2017年6月20日

くも膜下出血→脳死→臓器摘出 の頻度がわかった


Irreversible Total Loss of Brain Function and Organ Donation in Patients with Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage.
2017  6月  ドイツ

臓器移植は待機者が増えるいっぽうで 供給はまったく増えていない。

脳動脈瘤破裂のくも膜下出血患者は死亡率が非常に高いので 救急医療の現場では臓器提供者候補として期待されている。

そこで、どのくらいの患者が脳死になり 臓器提供の同意が得られているものか 実際にしらべてみたそうな。


2011-2016の脳動脈瘤性くも膜下出血患者395人の記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・全体の18.0%が集中治療室で死亡した。

・死亡患者の42.3%には脳内出血、22.5%には動脈瘤の再出血、87.3%には脳室内出血があった。

・死亡患者の50.7%は脳死判定され、32.4%(23人)が臓器提供者になった。

・女性よりも男性のほうが明らかに臓器提供者になりやすかった。

・脳死からの臓器提供は60歳未満の患者でおおかった。

・23人から計85の臓器(腎臓42、肝臓21、膵臓3、心臓11、肺8)が摘出された。

脳動脈瘤破裂のくも膜下出血から脳死 そして臓器提供への流れはまったくめずらしいことではなかった、


というおはなし。
図:くも膜下出血からの臓器提供

感想:

つまり亡くなる3人に1人(全体の6%)が臓器提供していることになる。

一人の重症患者を脳死判定するだけで 複数人の命を救えるのが臓器移植。

提供の意志をチラつかせたら どういう結果になるかは想像に難くない

だから運転免許証の裏には臓器提供拒否に二重丸をつけてある。

2017年5月29日

クリップ治療とコイル治療 日本のばあい


Effect of treatment modality on in-hospital outcome in patients with subarachnoid hemorrhage: a nationwide study in Japan (J-ASPECT Study).
2017  5月  日本

くも膜下出血のコイル治療が普及して その有効性をクリップ治療と比較する研究も多くなされてきた。

こんかい日本でのクリップ治療とコイル治療の成果をくらべてみたそうな。


全国の患者データベースから、2012-2013年 393施設のくも膜下出血5214例(クリップ3624、コイル1590)を抽出して解析したところ、


次のことがわかった。

・院内死亡率は12.4% vs.8.7%でコイル治療が高かったが、入院日数は短かった。

・重い障害が残る割合や医療コストについては 明らかな差はなかった。

・病院施設の能力を考慮にいれてもこれらの関連は変わらなかった。

コイル治療が普及したとはいっても いまだクリップ治療が主流である。病院の能力によらずクリップ治療の院内死亡率は低く、重い障害の割合や医療コストに差はなかった、


というおはなし。
図:SAH クリップとコイル 死亡率の違い

感想:

クリップは若くて症状の重くない患者にしかやらないから、そのぶんコイルにむつかしい患者がながれて 死亡率があがる。そういうことじゃないのかな?
コイルとクリップ どっちがいいの?くも膜下出血

2017年5月2日

くも膜下出血の男女のちがい


Gender-related differences in aneurysmal subarachnoid hemorrhage: A hospital based study.
2017  4月  スイス

くも膜下出血は男性にくらべ女性のほうが 1.5倍くらい起きやすいといわれている。これには出産回数やホルモン、喫煙といった要因が考えられる。

くも膜下出血が起きたあとにも男女の違いがあるものか、しらべてみたそうな。


動脈瘤性くも膜下出血の患者120人の入院記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・69%は女性だった。

・男女の平均年齢は 51 vs. 58 で女性が高かった。

・年齢層が上がるほど女性患者が増えた。

・入院時の全体的な病態は女性のほうが重かったが、

・病歴やくも膜下出血自体の重症度は男性と差がなかった。

・6ヶ月後の死亡率は 28% vs.16% で女性が高かったが統計的に有意なほどではなかった。

動脈瘤性くも膜下出血患者は女性がおおかった。特に年齢層が高くなると顕著で 入院時の病態も重かった。他の点ではあきらかな男女の差はなかった、


というおはなし。
図:くも膜下出血と性別 年齢

感想:

女性がおおいってつい最近知ったんだよね。
いつからクモ膜下出血に女性が多くなったのか?

2017年4月15日

日本人の肥満とクモ膜下出血


Body Mass Index and Incidence of Subarachnoid Hemorrhage in Japanese Community Residents: The Jichi Medical School Cohort Study.
2017  4月  日本

いっぱんに肥満度BMIが高いと心血管疾患リスクも高いとされているが、アジア人ではBMIが低いとリスクが上がる。

クモ膜下出血とBMIについてはどうか、しらべてみたそうな。


自治医科大学の研究データベースをつかって日本全国から12490人を抽出して10.8年間フォローした結果、


次のようになった。

・55人でクモ膜下出血がおきた。

・標準BMIにくらべBMI30以上の肥満ではクモ膜下出血リスクが5.95倍だった。

・BMIが18.5以下のヤセではリスク2.51倍とでたが有意な差ではなかった。

日本人のばあい、BMIが高いとあきらかにクモ膜下出血になりやすかった。有意なほどではないがBMIが低くてもリスク上昇の傾向があり Jカーブ相関にみえた、


というおはなし。
図:BMIとクモ膜下出血リスク


感想:

てっきり 肥満→糖尿病→予防効果 だとおもったら、この集団には糖尿病がふつうより少ないんだって。
糖尿病がクモ膜下出血の予防になる理由

肥満ではなくヤセが原因!? 日本人の脳梗塞

2017年4月4日

クモ膜下出血に女性のほうが多くなる年齢層


Demographics and Short-Term Outcomes of Spontaneous Subarachnoid Hemorrhage in Young Adults.
2017  3月  台湾

クモ膜下出血は高齢者におおく 早期死亡率は20-40%になる。社会経済的損失がより大きいと考えられる50歳未満の若年患者の割合と特徴についてしらべてみたそうな。


クモ膜下出血患者1689人の医療記録について、
18-49歳(531人)、50歳以上(1158人)にわけて解析したところ、


次のことがわかった。

・患者の性別は、男性:女性=1:1.45 で女性がおおかった。

・若年患者では男性のほうが53.5%でおおかった。

・片麻痺の後遺症は若年患者に多かったが、

・院内死亡率は25.4% vs. 32.4% で若年患者が低かった。

若年のクモ膜下出血患者には男性がおおかった。若年患者に後遺症がおおいのは死亡率が低いからだろう、


というおはなし。
図:クモ膜下出血の年齢別男女比

感想:

うえのグラフみると、男女比が逆転するのは60歳代以降なんだな。
いつからクモ膜下出血に女性が多くなったのか?

2017年3月31日

糖尿病がクモ膜下出血の予防になる理由


Diabetes mellitus and the risk of aneurysmal subarachnoid haemorrhage: A systematic review and meta-analysis of current evidence.
2016  12月  中国

さいきん糖尿病がクモ膜下出血リスクの低下と関連があるとする報告がいくつかでてきた。

はたしてそうなのか、これまでの研究を再検証してみたそうな。


動脈瘤性クモ膜下出血と糖尿病に関係する研究を厳選して データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。
・18の研究がみつかり、このうち6件は日本のものだった。

・全体的に糖尿病があるとクモ膜下出血リスクが低かった。

・研究の質にはバラつきが小さくなく、

・特にハイクオリティな研究でクモ膜下出血のリスク低下が大きかった。

一部の質の高い研究で 糖尿病が脳動脈瘤の破裂リスクを低下させる可能性が示された。原因をたしかめるべくさらなる研究が期待される、


というおはなし。
図:糖尿病とクモ膜下出血リスク

感想:

動脈瘤に貼り付いたアテロームのおかげで破れにくくなるのではないか、、、って言ってる。

歯に自信のある爺さんが数十年ぶりに歯医者に行き ながねん積もらせた歯石をぜんぶ取ってもらったところ すぐにぜんぶの歯が抜けてしまった、という話を思い出したよ。

2017年3月29日

アスピリンでクモ膜下出血を予防できるはほんとうか


Aspirin and Risk of Subarachnoid Hemorrhage
Systematic Review and Meta-Analysis

2017  3月  オーストラリア

さいきん抗血小板薬のアスピリンがクモ膜下出血を予防するという噂がまことしやかに語られている。ほんとうかどうか、これまでの研究を検証してみたそうな。


動脈瘤性クモ膜下出血とアスピリンに関する研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。
・7つの研究がみつかった。

・全体としてアスピリン使用者と非使用者でのクモ膜下出血リスクに差はなかった。

・ただし3ヶ月未満の使用に限っては、クモ膜下出血リスクが明らかに上昇した。

・3ヶ月以上 さらに3年以上の使用ではリスクの差はなかった。

・週2回以下、週3回以上の頻度別にわけてもリスクの差は確認できなかった。

これまでの研究によると、アスピリンは使い始めの3ヶ月間にクモ膜下出血のリスクが高くなった。長期使用 低用量での予防効果も確認できなかった、

というおはなし。
図:アスピリンとクモ膜下出血


感想:

毒をもって毒を制す?

最初の3ヶ月間アスピリンの攻撃をのりきった患者には、過剰耐性を獲得して血管がやぶれにくくなる者が現れる...ってことか。

2017年3月12日

いつからクモ膜下出血に女性が多くなったのか?


Temporal Trends in Sex Differences With Regard to Stroke Incidence
The Dijon Stroke Registry (1987–2012)

2017  3月  フランス

さいきんの脳卒中発生率の男女別のトレンドをしらべてみたそうな。


フランス ディジョン市の脳卒中患者記録から1987-2012の脳梗塞、脳内出血、クモ膜下出血事例を解析したところ、


次のことがわかった。

・4614人(女性53.1%)の記録があった。

・脳卒中発生率は年間10万人あたり112 vs. 166人で女性が低かった。

・全期間とおして女性のほうが脳卒中発生率は低かった。

・種類別では脳梗塞発生率が男女ともにやや上昇した。

・脳梗塞と脳内出血での発生率の男女差はかわらなかったが、

・クモ膜下出血は女性の発生率が上昇して男女逆転した。

この25年間で脳卒中発生率はクモ膜下出血を除いて女性が低いままだった、


というおはなし。
図:クモ膜下出血発生率のトレンド 男女の違い

感想:

クモ膜下出血で女性が多くなったのはこの20-30年のことなんだな。
喫煙が原因ではないか って書いてあった。
これ↓だね。
くも膜下出血が女性に多い理由は、、「喫煙」か?

2017年3月4日

クモ膜下出血で手術をしなかったときの死亡率


Natural History of Ruptured but Untreated Intracranial Aneurysms
2017  3月  フィンランド
げんざいクモ膜下出血には手術が強く勧められているため、手術をしない保存処置を選んだばあいの1年間死亡率=63%という数値は1960年台の研究結果を用いている。

そこで、さいきん40年間のデータを用いて、クモ膜下出血を手術せず保存処置したばあいの病状経過をしらべてみたそうな。


1968-2007 クモ膜下出血で手術をしなかった患者で、発症時期と入院 死亡までをフォローできた事例510件を解析したところ、


次のことがわかった。

・発症から死亡までの日数の中央値は20日間だった。

・全体的に1年間死亡率は65%だったが、これは入院までの日数でおおきく変化した。

・たとえば、発症から入院に1ヶ月以上間があった患者の1年間死亡率は13%だった。

・重症でなく 発症から1週間以内に入院した患者の1年間死亡率は75%だった。

手術しなかったばあいのクモ膜下出血の死亡率はこれまで考えられていたものよりも悪かった、


というおはなし。
図:クモ膜下出血 入院の遅れと死亡率


感想:

保存処置の対象者は重症、高齢、手術の難しい または手術前に死亡した患者って書いてある。死亡率が高いのはとうぜんだわな。

しかも入院が遅れるほど死亡率が "劇的に低下"する。ダメな人は入院まえに淘汰されている(なぜか死亡)からってことなんだけど、
とても興味深い。


症状があってもなかなか病院に来ないこれらの若い丈夫な人たちにクリッピングできれば治療成績はさらに向上する。

しかもFASTのような脳卒中教育で 急性期死亡率の高いクモ膜下出血患者までもがすばやく入院するようになれば臓器ドナーはまちがいなく増える。
コイルとクリップ どっちがいいの?くも膜下出血

2016年12月30日

クルクミンのクモ膜下出血治療効果について


Curcumin attenuates blood-brain barrier disruption after subarachnoid hemorrhage in mice.
2016  12月  中国

クルクミンはウコン(ターメリック)に含まれる物質で抗炎症作用 抗酸化作用があるとされる。
分子量が小さいため血液脳関門を通過することができ、脳損傷に際し神経保護作用を示すという報告がいくつも存在する。

そこでクモ膜下出血へのクルクミンの効果を確かめてみたそうな。


ネズミを人為的にクモ膜下出血にした15分後にクルクミン溶液を腹腔内注射した。

24時間後の神経症状、脳組織の水分量、血管透過性を測定し クルクミンなしのグループと比較したところ、


次のようになった。

・クルクミングループで明らかに神経症状が改善され、脳組織の水分量も下がった。

・さらに血管透過性とタンパク質分解酵素、ミクログリアが減少していた。

・そして細胞骨格系タンパク質が増加していた。

クモ膜下出血へのクルクミン投与がミクログリアとタンパク質分解酵素の働きを抑制し、脳浮腫と血液脳関門の破綻を抑えていた、


というおはなし。
図:

感想:

カレーライスたべるととても幸せな気持ちになるのはこのあたりに関係しているのかも。

2016年12月26日

生き残ったくも膜下出血はハンパなく回復する


Functional independence: A comparison of the changes during neurorehabilitation between patients with non-traumatic subarachnoid hemorrhage and intracerebral hemorrhage or acute ischemic stroke.
2016  12月  デンマーク

くも膜下出血は若年で健康な人におおく、6ヶ月間の死亡率は30-50%におよぶ。

くも膜下出血患者のリハビリ回復度を脳内出血または脳梗塞の患者とくらべてみたそうな。


リハビリ入院したくも膜下出血212人と脳内出血/脳梗塞448人について90日後の機能的自立度(FIM)を比較したところ、


次のことがわかった。
・くも膜下出血のFIMは、入院時 25 vs. 79 と低く、退院時も 98 vs. 110 で低かった。

・しかしFIMの変化分は 27 vs. 17 でくも膜下出血がおおきかった。

・くも膜下出血患者の機能回復ぶんはFIMの18の評価項目のうち6項目(食事、着替え、入浴、階段、理解、表出)であきらかにすぐれていた。

くも膜下出血は 退院時のFIMが脳内出血や脳梗塞よりも低かったが、リハビリ入院前後の回復度は明らかにおおきかった。くも膜下出血は入院時に重症でも やがて自立生活できるほどに回復する可能性がある、


というおはなし。
図:くも膜下出血の回復度 脳内出血と脳梗塞の比較

感想:

知るかぎり たしかにくも膜下出血にげんきなひとがおおい。麻痺もないし、、

2016年11月30日

コイルとクリップ どっちがいいの?くも膜下出血


Coiling is not superior to clipping in patients with high-grade aneurysmal subarachnoid hemorrhage: a systematic review and meta-analysis.
2016  11月  中国

脳動脈瘤破裂のくも膜下出血でクリッピングに代わりコイル塞栓術がひろく行われるようになったがその有効性はいまいち明らかでない。

これまでの研究を特に重症患者について見直してみたそうな。


過去の関連する研究を厳選しデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・3つのランダム化比較試験と16の観察研究がみつかった。

・回復良好率にクリップとコイルで差はなかった。

・コイル塞栓術の死亡率はクリッピングよりも明らかに高かった。

・コイル塞栓術のほうが再出血率や脳梗塞、血管攣縮、水頭症などの合併症リスクが低いというわけではなかった。

重症くも膜下出血患者へのコイル塞栓術はクリッピングよりすぐれているわけではなく、むしろ死亡率が高かった、


というおはなし。
図:コイル vs クリッピング

感想:

幼いわが子のために健康でいなくては、、と考えた母親が脳ドックを受診した。そして未破裂動脈瘤がみつかった。安全だからと勧められコイル塞栓術をうけたところそのまま帰らぬ人となった。


くも膜下出血で手術しないとどのくらいヤバイのかな とおもってしらべると、、

唯一みつかったのがこれ↓
図:くも膜下出血でクリップしない死亡率
( 1994年 10.1161/01.STR.25.7.1342 )

病状が深刻でない勝手に治りそうな若い患者を積極的にえらんで手柄にしているようにもみえる。

破裂脳動脈瘤の再出血予防治療は本当に必要なのか? ?

2016年10月26日

くも膜下出血 20年間 発症率と致命率の推移


Stable incidence but declining case-fatality rates of subarachnoid hemorrhage in a population
2016  10月  アメリカ

近年のくも膜下出血の診断 治療技術の進歩は著しい。

くも膜下出血の発症と予後の傾向を調べてみたそうな。


1988-2010のアメリカでの非外傷性くも膜下出血の発症率、致命率を調べたところ、


次のことがわかった。

・この間のくも膜下出血発症率は10万人あたり年間8.8→9.2→10.0→9.0→7.7人と推移しほぼ一定だった。

・5日間致命率は32%→18%、30日間は46%→25%、90日間は49%→29%へ減少した。

・明らかな脳動脈瘤破裂事例に限定してもこの傾向は見られたが 有意なほどではなかった。

くも膜下出血の発症率は過去20年間でほとんど変わっていなかったが、医療技術の進歩により5日間、 30日間、 90日間致命率は明らかに低下した、


というおはなし。

図:くも膜下出血の5日間の致死率推移

感想:

20年前って昨日のことのようだけど 酷かったんだなぁ、、、

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