元2025 5月 ドイツ
・仮の血液検査の費用を1ユーロから811.3ユーロまで変えて計算した(1ユーロはだいたい160円なので、811.3ユーロは約13万円)。もし「健康な生活を1年増やす価値を50,000ユーロ(約800万円)と見積もる」とすると、1回の検査が225.72ユーロ(約3万6千円)以下なら、全国スクリーニングを実施しても費用対効果があると判断された。・また、同じ検査で「今すぐ治療しないこぶ」の経過もチェックできるなら、294.19ユーロ(約4万7千円)まで検査費用が許容される可能性があった。・しかし、どれだけ検査費を下げても、「スクリーニングの方が、治療効果も高くて、しかも安上がり」という理想的な状態にはならなかった。・その理由は主に4つある。1つ目は、未破裂動脈瘤のほとんどは破裂しないため、「見つけても治療しない方がいい場合」が多いこと。2つ目は、治療(手術やカテーテル)にはそれ自体が高額で、しかも後遺症などのリスクもあること。3つ目は、検査で小さなこぶが見つかると、治療しなくても経過観察のために何年もMRIなどを続ける必要があり、医療費が積み重なること。4つ目は、予防によって実際に防げるくも膜下出血の数が限られており、「発見のわりに効果が少ない」ことである。
脳ドック批判:MRIを金鉱に変える“健康不安産業”の実態 💰🧠
1. 科学的根拠の空白 🧪❓
未破裂脳動脈瘤の予防治療を支持するRCTが存在しないにもかかわらず、「早期発見=救命」の物語だけが独り歩きしている。
破裂リスクが極めて低い小瘤まで“ハイリスク”扱いされ、医学的に無意味な数字がビジネスの錦の御旗となっている。
2. オーバーダイアグノーシスと医療化の罠 ⚠️🔬
診断された瞬間に“時限爆弾を抱えた患者”が誕生する。治すべき病気がないのに、終生フォローアップの鎖に繋がれる。
画像異常の9割以上は経過観察のみ。にもかかわらず、定期MRI・診察・不安対処のための保険外診療が延々と続く。
3. 不安商法としてのMRIパッケージ 🧾📈
宣伝文句は「○万人に1人の突然死を防ぐ」。実態は“1万人スキャンして数十個の小瘤を掘り当てる”だけ。
情報非対称性を盾に、医療関係者は“専門家の権威”を纏い、一般人の合理的判断を奪う。
4. 資源配分の歪み 🏥📉
高額自費検査に人的・機器リソースが奪われ、真に必要な救急・急性期MRIが長時間待ちになる。
公的医療保険には請求しない建て付けだとしても、機材・技師・医師を巡る機会費用は確実に跳ね上がる。
5. 倫理的責任のグレーゾーン ⚖️🌀
発見した以上「放置」を勧めれば訴訟リスク、治療を勧めれば合併症リスク──医療者側だけが“勝ち”確定の二択。
インフォームドコンセントという名の書類は、リスク転嫁の免罪符になっていないか。
6. 結論 🧩
脳ドックは、エビデンスなき安心感と過剰な不安感を同時に売る装置である。
「健康寿命を延ばす」どころか、“病気未満”の人々を医療の沼に引きずり込み、終わりなき検査と自己負担を課す。
これを医療と呼ぶなら、医療とは誰の幸福のためにあるのか──関係者は今こそ頭を抱えて熟考すべきである。🧠🤯