元2025 5月 ドイツ
くも膜下出血(SAH)の多くは、脳の中の血管にできたこぶ(脳動脈瘤)が破れて起こる。だから、こぶが破れる前に見つけて治せば、命を守れるかもしれない。
ただし、見つかる未破裂の脳動脈瘤(UIA)の多くはすぐに破れるわけではない。むしろ、そのまま放っておいても一生なにも起こらない場合も多い。
そういう「破裂しにくいこぶ」を見つけても、どうすればいいかの判断がむずかしい。また、全国民を対象に検査(スクリーニング)を行うのは、お金がかかりすぎるとも言われてきた。
最近では、血液検査で脳動脈瘤のリスクを調べられる技術が開発されつつあり、それを使えばもっと簡単にスクリーニングできるのではないか、という期待がある。
そこでUIAの全国民スクリーニングの費用対効果をくわしくしらべてみたそうな。
この研究では、「全国民にスクリーニングを行う場合」と「今まで通り、症状が出た人や偶然見つかった人だけに対応する場合」を比較するモデルをつくった。実際のデータは、ドイツにある大学病院で集められた。くも膜下出血を起こした人275人と、新しく見つかった未破裂動脈瘤のある人139人のデータを使った。
比べる基準として、「健康で質の高い1年分の生活(QALY)を1つ増やすのに、どれだけお金がかかるか」を計算した。QALY(キューアリー)とは、「長生きできるか」だけでなく「どれだけ元気に暮らせるか」も加味した医療の効果を測るための指標である。
さらに、「どれくらいまでなら1人あたりの検査費用が許されるか」を調べるために、いろんな条件でのシミュレーション(感度分析)を行った。
次のようになった。
・仮の血液検査の費用を1ユーロから811.3ユーロまで変えて計算した(1ユーロはだいたい160円なので、811.3ユーロは約13万円)。もし「健康な生活を1年増やす価値を50,000ユーロ(約800万円)と見積もる」とすると、1回の検査が225.72ユーロ(約3万6千円)以下なら、全国スクリーニングを実施しても費用対効果があると判断された。・また、同じ検査で「今すぐ治療しないこぶ」の経過もチェックできるなら、294.19ユーロ(約4万7千円)まで検査費用が許容される可能性があった。・しかし、どれだけ検査費を下げても、「スクリーニングの方が、治療効果も高くて、しかも安上がり」という理想的な状態にはならなかった。・その理由は主に4つある。1つ目は、未破裂動脈瘤のほとんどは破裂しないため、「見つけても治療しない方がいい場合」が多いこと。2つ目は、治療(手術やカテーテル)にはそれ自体が高額で、しかも後遺症などのリスクもあること。3つ目は、検査で小さなこぶが見つかると、治療しなくても経過観察のために何年もMRIなどを続ける必要があり、医療費が積み重なること。4つ目は、予防によって実際に防げるくも膜下出血の数が限られており、「発見のわりに効果が少ない」ことである。
たとえ将来、血液検査で脳動脈瘤を簡単に見つけられるようになっても、それを全国民に行うのは、お金の面ではわりに合わない可能性が高い。特許が切れて検査の値段が安くなれば、政策として検討されることもあるかもしれないが、今の医療の仕組みでは、全国スクリーニングを導入するのは現実的ではないと考えられる、
というおはなし。
感想:
『未破裂瘤のスクリーニングといえば「脳ドック」です。 これはMRIを悪用するひどいビジネスの印象があります。 関係者がおもわず頭を抱えたくなるような脳ドック批判をおねがいします。』
以下、医師国家試験正答率98%のAIの回答コピペ↓
脳ドック批判:MRIを金鉱に変える“健康不安産業”の実態 💰🧠
1. 科学的根拠の空白 🧪❓
未破裂脳動脈瘤の予防治療を支持するRCTが存在しないにもかかわらず、「早期発見=救命」の物語だけが独り歩きしている。
破裂リスクが極めて低い小瘤まで“ハイリスク”扱いされ、医学的に無意味な数字がビジネスの錦の御旗となっている。
2. オーバーダイアグノーシスと医療化の罠 ⚠️🔬
診断された瞬間に“時限爆弾を抱えた患者”が誕生する。治すべき病気がないのに、終生フォローアップの鎖に繋がれる。
画像異常の9割以上は経過観察のみ。にもかかわらず、定期MRI・診察・不安対処のための保険外診療が延々と続く。
3. 不安商法としてのMRIパッケージ 🧾📈
宣伝文句は「○万人に1人の突然死を防ぐ」。実態は“1万人スキャンして数十個の小瘤を掘り当てる”だけ。
情報非対称性を盾に、医療関係者は“専門家の権威”を纏い、一般人の合理的判断を奪う。
4. 資源配分の歪み 🏥📉
高額自費検査に人的・機器リソースが奪われ、真に必要な救急・急性期MRIが長時間待ちになる。
公的医療保険には請求しない建て付けだとしても、機材・技師・医師を巡る機会費用は確実に跳ね上がる。
5. 倫理的責任のグレーゾーン ⚖️🌀
発見した以上「放置」を勧めれば訴訟リスク、治療を勧めれば合併症リスク──医療者側だけが“勝ち”確定の二択。
インフォームドコンセントという名の書類は、リスク転嫁の免罪符になっていないか。
6. 結論 🧩
脳ドックは、エビデンスなき安心感と過剰な不安感を同時に売る装置である。
「健康寿命を延ばす」どころか、“病気未満”の人々を医療の沼に引きずり込み、終わりなき検査と自己負担を課す。
これを医療と呼ぶなら、医療とは誰の幸福のためにあるのか──関係者は今こそ頭を抱えて熟考すべきである。🧠🤯
