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2023年1月22日

ボバースセラピーは麻痺上肢に効果あるの?

2022  12月  オーストラリア


1950年代に開発されたボバースセラピーは長年、脳卒中リハビリテーションの主流であった。

特殊な手技によって自発的な動きが促進されるとし、セラピストによる姿勢と体幹にフォーカスした感覚入力が重視されている。

ボバースセラピーによる麻痺上肢の改善効果は、いくつかのメタアナリシスで評価が低いので、

他のリハビリ法と介入用量(時間)をマッチさせた比較をするべく、あらためてメタアナリシスをこころみたそうな。

2019年7月6日

クロスエデュケーション+ミラーセラピーで背屈筋アップ


Unilateral dorsiflexor strengthening with mirror therapy to improve motor function after stroke- A pilot randomized study
2019  7月  アイルランド

クロスエデュケーションは片側の手脚を鍛えると もう片方の手脚にも筋力増強効果が現れる現象で、脳卒中患者の下肢では30%を超える背屈筋力向上の報告もある。

いっぽうミラーセラピーではミラーニューロンシステムの活性化により両側の一次運動野の働きが強化され、さらに鏡像による感覚フィードバックは脳半球抑制バランスを改善するという。

これまでクロスエデュケーションとミラーセラピーを組み合わせた研究は少ないので、下肢についてその効果をくわしくしらべてみたそうな。



平均年齢62の慢性期の脳卒中経験者35人について、
クロスエデュケーションのみ、と
クロスエデュケーション+ミラーセラピー、の2グループにわけた。

非麻痺足首の背屈筋アイソメトリックトレーニングを週3回x4週間おこなった。

最大随意筋力 MVC、
歩行速度 10-m walk test,
timed up and go (TUG),
Modified Ashworth Scale (MAS),
London Handicap Scale (LHS)
をトレーニング前後で測定したところ、



次のようになった。
・31人が訓練を完遂し、有害事象はなかった。

・クロスエデュケーション+ミラーセラピーグループで、歩行速度のあきらかな向上(0.09m/s)がみられた。

・歩行速度を除いていずれの項目もグループ間での有意な差はなかった。

クロスエデュケーションにミラーセラピーを組み合わせた訓練は、麻痺側の訓練がむつかしい患者の運動機能を改善できるかもしれない


というおはなし。

図:ミラーセラピーとクロスエデュケーション



感想:

効果のほどはそれほどではないにしても、麻痺側をひたすら訓練させるような考え方にくらべたらずっと好感がもてる。
ミラーセラピーは両側性転移を促す

ミラー訓練がクロスエデュケーションを強化する...

上肢ミラーセラピーの効果的なやり方

2019年10月5日

脳卒中を予見できる「握力」の評価方法とは


Effect of relative handgrip strength on cardiovascular disease among Korean adults aged 45 years and older- Results from the Korean Longitudinal Study of Aging (2006-2016)
2019  9月  韓国

高齢になると 筋力が衰える「フレイル」もしくは筋肉量が減少する「サルコペニア」な状態になりやすくなる。

これらの状態は筋力測定に反映されると考えられる。とくに「握力(hand grip strength:HGS)」はシンプルで信頼性の高い計測パラメータである。

いくつかの報告では握力と脳卒中など心血管疾患との関連が指摘されているいっぽう、それを否定する報告もある。

こういった矛盾を解決するために体重を考慮して握力をBMIで割った 「相対握力」の使用が提唱されている。

そこで心血管疾患を予測しうる相対握力のしきい値をもとめるべく大規模調査をおこなってみたそうな。

2012年12月8日

筋トレは脳卒中患者の不安を癒す


The influence of resistance exercise training on the levels of anxiety in ischemic stroke.
2012  11月  



筋力トレーニングが脳卒中患者の不安解消になるか、調べてみたそうな。



50歳前後の脳梗塞患者を次の2グループに分けた。


・週3回×12週間の筋トレグループ 11人、


・なにもしない比較グループ 13人



この前後で不安尺度分析を行い、比較した。




次のようになった。

・筋トレグループの特性不安スコア(43→40)、

 状況不安スコア(47→45)共に減少した。


・比較グループの特性不安スコア、状況不安スコアはほとんど変わらなかった。






筋力トレーニングで脳卒中患者の不安が癒えることがわかった



というおはなし。





感想:

いつの間にか、筋トレが日課になっている。


スクワット、腕立て、腹筋、背筋など。

2022年3月14日

薬を減らしたらご飯食べられるようになった

2022  1月  日本


サルコペニアは筋肉量や筋力が低下した状態をさし、高齢脳卒中患者によくみられる。

ポリファーマシー(多剤併用問題)はサルコペニアとの関連が報告されている。

そこで、ポリファーマシーでサルコペニアの高齢脳卒中患者での減薬と栄養摂取量との関連をくわしくしらべてみたそうな。

2016年9月12日

脳卒中リハビリ用ロボットアームの効果は...?


Effects of Robot-Assisted Therapy for the Upper Limb After Stroke: A Systematic Review and Meta-analysis.
2016  9月  オランダ

ロボット技術を応用した脳卒中リハビリが数多く試みられている。そこで、上肢麻痺へのロボット支援リハビリのこれまでの成果をまとめてみたそうな。


関連する過去の研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被験者1362人を含む44の研究がみつかった。

・深刻な有害事象はなかった。

・麻痺手の運動機能と筋力改善に僅かではあるが有意な効果が認められた。

・筋緊張が増える傾向があった。

・上肢の総合能力と日常生活動作上の改善はなかった。

・肩や肘、肘や手首に特化したロボットで僅かな効果が認められた。

ロボット支援により脳卒中で麻痺した上肢の訓練回数を安全に増やすことができる。しかしその効果はわずかで適応関節範囲は限定的だった。実験条件や方法がまちまちであり上肢リハビリ効果を一般化することはできなかった、


というおはなし。

図:ロボット支援上肢リハビリの効果

感想:

ロボット義手の話なら興味あるけど これはまったく別。

腕が傷ついたわけではなく脳に問題が起きたのに、機械で腕を振り回してどうしようというのか、、、

2015年11月20日

バイリンガルは脳卒中でもボケにくいことが判明


Impact of Bilingualism on Cognitive Outcome After Stroke
2015  11月  イギリス

二ヶ国語を話せるバイリンガルは認知能力の衰えがゆっくりであることが知られている。

バイリンガルの脳卒中患者ではどうか、調べてみたそうな。


インド・ハイデラバードの脳梗塞患者608人について調査したところ、


次のことがわかった。

・353人がバイリンガルで、255人がモノリンガルだった。

・認知能力が正常だった者の割合は、40.5% vs. 19.6%でバイリンガルが多かった。

・血管性認知症と認知障害の割合は、77.7% vs. 49.0%でモノリンガルが多かった。

・失語症になる割合に差はなかった。

二ヶ国語を話せると脳卒中になっても認知能力が良好な人が多かった。おそらく認知的予備力が大きいためだろう

というおはなし。

図:二ヶ国語併用


感想:

認知的予備力(cognitive reserve)っていうのは、脳の筋力みたいなもので、器用さや繊細さとか 難しい考えを理解する力なんかとは別物みたいなんだよね。

2019年10月6日

エアロバイク訓練の効果 メタアナリシス


Effects of aerobic exercise using cycle ergometry on balance and functional capacity in post-stroke patients- a systematic review and meta-analysis of randomised clinical trials
2019  10月  ブラジル

脳卒中患者の有酸素運動は心身の機能を維持するうえで効果的と考えられている。

とくに自転車エルゴメータを用いたそれ(エアロバイク)は筋力 体幹コントロール 歩行スピード バランス能力を改善するとされている。

これを確かめるべく、いままでの研究のメタアナリシスをこころみたそうな。

2019年3月20日

慢性期に効く「豆乳リハビリ」とは


Soymilk ingestion immediately after therapeutic exercise enhances rehabilitation outcomes in chronic stroke patients- A randomized controlled trial
2019  3月  台湾

慢性期の脳卒中患者の30-60%はリハビリをいくらがんばっても運動機能がまったく改善しないという。さらに筋肉の萎縮もすすむ。

いっぱんに身体トレーニングとタンパク質の摂取を組み合わせることで筋力と筋肉量を増強できることが知られている。

大豆由来のタンパク質は安価で高品質である。とくに豆乳はアジアでポピュラーでコレステロールフリーしかも種類豊富でコンビニでも手に入る。

そこで理学療法の直後に豆乳を飲むトレーニングセットを8週間続けたときの効果をくわしくしらべてみたそうな。



慢性期の脳卒中で自立歩行のできる外来患者22人を2グループにわけて、
いっぽうには訓練直後に豆乳を他方には水をそれぞれ500mlを2回に分けてあたえた。

理学療法訓練は1回120分x週3回x8週間 継続した。

この前後での筋肉量、身体パフォーマンス(short physical performance battery:SPPB)、歩行速度、筋肉量あたりの歩行パフォーマンス(8-fts walking performance per unit lean mass:WPPULM)、握力、6分間歩行距離
を測定したところ、



次のようになった。

・8週間のリハビリ訓練で両グループともに機能改善があった。

・とくに豆乳グループでは握力、歩行速度、筋肉量あたりの歩行速度、歩行耐久能 が水グループよりもあきらかにすぐれていた。

・しかし身体パフォーマンスと筋肉量に有意な差はなかった。

リハビリ訓練だけではなく、その直後に豆乳を飲むことで 歩行速度、耐久能、握力、筋肉機能のあきらかな改善が慢性期患者に見られた


というおはなし。

図:豆乳療法と慢性期脳卒中



感想:

うえのグラフみると豆乳パワーすごい。

でも豆乳はそんなに安くないし まめ臭い。湯豆腐ならいける。


メモ:
かきにあたった。つらい。

2015年11月25日

迷走神経リハビリは慢性期の脳梗塞にも効果的だった


Vagus Nerve Stimulation During Rehabilitative Training Improves Forelimb Recovery After Chronic Ischemic Stroke in Rats.
2015  11月  アメリカ

迷走神経を刺激しながらの脳卒中リハビリは効果的 という動物実験成果がある。

発症から時間が経った慢性期でも効くものかどうか試してみたそうな。


人為的に脳梗塞にしたネズミについて 6週間後、次の3グループに分け訓練を行った。

*迷走神経を刺激しながらの上肢訓練
*上肢訓練の2時間後に迷走神経刺激
*上肢訓練のみ


次のようになった。

・迷走神経刺激を併行したグループで上肢機能回復が著しかった。

・その筋力回復度は86%で、迷走神経刺激なしグループでは47%、2時間後グループでは42%だった。

・効果の持続性も刺激併行グループで優れていた。


迷走神経を刺激しながらの訓練は脳梗塞の慢性期であっても 上肢リハビリに非常に効果的かもしれない、


というおはなし。




感想:

過去記事(あたらしい順)↓
迷走神経を刺激したら慢性期で重度麻痺の手が動くようになった

迷走神経刺激は脳内出血リハビリにもイイのか

上肢リハビリに効く迷走神経刺激のタイミングと量について

迷走神経を刺激しながらリハビリするとすっごく回復するらしい

2020年1月22日

【写真】足首テーピングの正しい巻き方


Effects of talus stabilization taping versus ankle kinesio taping in patients with chronic stroke- a randomized controlled trial
2019  12月  韓国

脳卒中の慢性期では麻痺足首の背屈に困難を生じることがありバランスの低下と転倒の原因になる。

キネシオテーピングは、痛みの緩和や筋力強化、関節位置の補正、姿勢矯正、固有感覚や関節可動域の改善に使用されている。

さいきん、距骨安定テーピング(talus stabilization taping)が距骨の後方スライドにより足首を背屈しやすくするという報告があった。

これを脳卒中患者に応用した報告はほとんどないのでキネシオテーピングとくらべてみたそうな。

2015年12月30日

療法士さんは機能的電気刺激(FES)使ってんの?


Physical Therapists' Use of Functional Electrical Stimulation for Clients With Stroke: Frequency, Barriers, and Facilitators.
2015  12月  カナダ

脳卒中患者の上下肢リハビリには機能的電気刺激(FES)が有効とされている。

実際にどのくらいの理学療法士がFESを採用しているものか調べてみたそうな。


298人の理学療法士にFESの利用頻度、知識、利用しない理由をアンケートして解析したところ、


次のことがわかった。

・脳卒中患者へのFESは、歩行改善、上肢機能、筋力強化、感覚刺激、肩関節など あらゆる目的で利用頻度が低かった。

・52.6%の理学療法士はFESの利用を増やしたいと述べていた。

・40%以上はFESの脳卒中リハビリ効果に懐疑的だった。

・時間がない、機材がない、使い方がわからない などがFES利用を妨げる要因だった。

理学療法士はFESを脳卒中リハビリに あまり用いていなかった、


というおはなし。



感想:

自分が療法士だったら やはり採用しない。 

2017年1月15日

脳卒中患者がよだれをこぼす理由


Oral tactile sensitivity and masticatory performance are impaired in stroke patients.
2017  1月  スイス

脳卒中になると嚥下障害にならないまでも よだれや味覚低下がある。

そこで脳卒中患者の咀嚼(そしゃく)能力と口の触覚障害との関連をしらべてみたそうな。


脳卒中患者27人と健常者27人についてカラーガム等をつかった咀嚼能力テスト、唇や顎の筋力、触覚しきい値検査を行い比較したところ、


次のことがわかった。

・脳卒中患者は口の渇きやたべものを口からこぼすことが多かった。

・口腔内のあきらかな触覚低下は脳卒中の反対側にみられた。

・脳卒中患者のくちびるは両側ともに触覚がにぶかった。

・咀嚼能力とくちびるのちからは脳卒中患者で低かったが、

・噛む力は健常者と同レベルだった。

・口腔内の触覚と咀嚼能力には関連があった。

脳卒中は反対側の口腔内触覚に影響して、咀嚼能力が低下すると考えられる、


というおはなし。
図:脳卒中の咀嚼筋能力

感想:

顔はんぶん触覚がにぶくガムを噛んでると左の頬も噛んで血が出ることがよくある。そういうことだとおもう。

2012年2月3日

全身振動トレーニングの脳卒中リハビリ効果について


No specific effect of whole-body vibration training in chronic stroke: a double-blind randomized controlled study.
2012  2月  スウェーデン



全身振動トレーニングの脳卒中リハビリ効果

について調べてみたそうな。


31人の慢性期脳卒中患者について、

全身振動トレーニングを週に2回、6週間行った。

1回のセッションとして、

25ヘルツ60秒の振動刺激を12回与えた。


比較グループを設け、振動の幅を10分の1以下にした。


トレーニング後、

膝の筋力、バランス、歩行能力等について評価した。



その結果、

ほとんど振動を与えなかったグループに比べ、

改善程度に差はみられなかった。



全身振動トレーニングは脳卒中リハビリの

役に立ちそうもないことがわかった、


というおはなし。




感想:

昔、こういう装置が非常に流行っていた。

写真:全身振動トレーニング


追記:
粗大ゴミ? 全身振動刺激はリハビリにならないと判明

全身振動トレーニングって結局どうなのよ?

2022年8月17日

脳卒中の履き物を足病医が鑑定

2022  8月  イギリス


脳卒中患者はバランスを崩しやすく転倒しやすいという認識が広まっているにもかかわらず、足病医(podiatrist)による履物の評価についての研究がほとんどないので、くわしくしらべてみたそうな。

2011年3月14日

歩くスピードが遅い人を見たら高血圧症と思え!


High Blood Pressure Accelerates Gait Slowing in Well-Functioning Older Adults over 18-Years of Follow-Up.
2011 3月 アメリカ
高血圧と歩行スピードの低下との関連が
どういった要因に基づくものなのか調べたそうな。

2700人あまりについて18年ほど追跡調査した。


収縮期血圧の高さと歩行スピードの低下には関連があって、

高血圧歴の無い人と比較するとその違いが明らかであった。


また、
高血圧症で降圧薬治療の有無とその歩行スピード低下の割合には
違いがみられなかった。


このような傾向は、他の要因(活動レベル、認知機能、筋力、肥満、骨密度…)
の影響を考慮しても変わらなかった。

結局、どのようなメカニズムでこういった傾向が生まれるのかは不明。


写真:早く歩くこと


妙に納得した。

自分も 自分で心配になるくらいに 歩くスピードが遅い。

後ろの人に蹴られたり、舌打ちされたりするほど遅い。

もちろん片麻痺になる以前のこと。


でも最近はなぜか 速い。

2012年10月20日

歩いている脳卒中患者の前に、でかい石を30個落としてみた


Deficits in Motor Response to Avoid Sudden Obstacles During Gait in Functional Walkers Poststroke.
2012  10月  オランダ




脳卒中経験者の歩行順応能力とそのメカニズムを調べてみたそうな。



退院後の脳卒中経験者25人と健常人25人について、

トレッドミル歩行をしている最中に30個の障害物を前に落とす。


これらを避ける成功率、回避動作の解析、

関連する各筋肉の筋電波形を記録、比較した。




次のようになった。


・脳卒中経験者の障害物の回避率は明らかに低かった。

・その避け方は普通だけれど、

・筋電反応の遅れ、低下が見られ、

・回避動作中の足や関節の動きが小さかった。







軽度の脳卒中であっても、

歩行順応能力は低下し、転倒につながる可能性がある。

その背景には筋肉反応の遅れによる回避行動のミスが考えられる。


この辺りを承知してリハビリに励みましょう



というおはなし。






感想:

これはよく分かる。

瞬間的に足に力が入らないんだ。


筋力は充分に強いんだけど、

なぜか反応が 0.数秒遅れる。


だから急いで階段を登ると

高頻度で左足がつまづく。

2016年3月25日

結局、tDCSって脳卒中にいいの?


Transcranial direct current stimulation (tDCS) for improving activities of daily living, and physical and cognitive functioning, in people after stroke.
2016  3月  ドイツ

脳卒中患者へのtDCS(経頭蓋直流電気刺激)は 脳に働きかけリハビリに効果的で安全な方法である、という報告は少なくない。

ほんとうのところはどうなのか これまでの研究をきっちりと調べてみたそうな。コクランレビュー。


tDCSの日常生活動作への効果に関連する過去の研究成果を分類し データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被検者748人を含む32の研究がみつかった。

・日常生活動作の評価として 396人を含む9の研究、269人を含む6の研究があったが標準化平均差SMDはそれぞれ0.24, 0.31だった。

・上肢機能の評価として 431人を含む12の研究、187人を含む4の研究があったが、いずれも効果を示す証拠は無かった。

・筋力評価に関するものは 313人を含む10の研究、156人を含む3の研究があったが、いずれも効果を示す証拠は無かった。

・26%の研究で 被検者の脱落、有害事象、死亡が報告されていた。

脳卒中患者へのtDCSが日常生活動作を改善する効果については極めて低レベルのエビデンスしかなく 特に上肢機能に関する効果はまったく確認できなかった、


というおはなし。

図:tDCS 経頭蓋直流電気刺激

感想:

頭に乾電池の電極を貼り付けるだけで障害が治ってしまうほど単純であって欲しくない 人間の身体は。

2017年12月16日

腕をぐるぐるさせると歩行が改善するしくみ


Rhythmic arm cycling training improves walking and neurophysiological integrity in chronic stroke-the arms can give legs a helping hand in rehabilitation.
2017  12月  カナダ

人の脊髄には四足歩行時のなごりから手足を周期的に連動させる仕組み "Central Pattern Generator" (CPG) がある。

そこで脳卒中患者の腕を周期的に運動させることでCPGネットワークを活性化させ歩行能力を改善できるものか実験してみたそうな。


慢性期脳卒中患者19人について、ハンドエルゴメータで上肢回転運動を1秒1回転ペースで30分間おこなった。

これを週3回x5週間おこない、前後での歩行 バランス能力を比較した。

また各筋力、橈骨神経の皮膚反射や両ヒラメ筋のストレッチ反射もしらべた。


次のようになった。

・麻痺脚の足底筋、背屈筋の活動が強化され、

・ヒラメ筋ストレッチ反射の増強から四肢間カップリングの増強が考えられた。

・歩行、バランス能力も改善を示した。

アームサイクリングによってCPGネットワークに変化が起き、四肢間の結合が強まり歩行能力の改善につながったと考えられる、


というおはなし。

図:アームサイクリングセラピー

感想:

だから歩行には腕の振りが重要で、たとえばトレッドミル訓練で体重支持機能がない装置だと 両腕は手すりを掴んでいることになり、腕振りができず訓練効果があがらないんだって。

2013年12月31日

ロボットを使って両腕運動させたらすごくよかった


Robotic unilateral and bilateral upper-limb movement training for stroke survivors afflicted by chronic hemiparesis.
2013  6月  アメリカ

脳卒中後の上肢リハビリに効果的な運動の仕方を調べてみたそうな。


外骨格ロボット(EXO-UL7)を用いて、

*両腕を左右鏡対象に運動させるグループ
*片腕のみを運動させるグループ

および
*通常のリハビリグループ

に分けて、改善程度を13の異なる計測指標で評価、比較した。


次のようになった。

・全てのグループで概ね改善した。

・特に両腕運動グループと通常リハビリグループで肩の可動域と筋力が大いに改善した。

・一方、片腕運動グループはこのような改善は見られなかった。


通常の上肢リハビリに両腕運動を組み合わせたらスゴイかも...


というおはなし。


これがEXO-UL7
写真:外骨格ロボット
こんなに物々しい装置が必要なのだろうか?

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