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2011年3月5日

ガン抑制遺伝子が がんばりすぎると脳卒中予後が悪くなる

The human Tp53 Arg72Pro polymorphism explains different functional prognosis in stroke. 2011 2月 スペイン
Good gene type for cancer bad for stroke



脳梗塞や脳出血の血腫周辺の組織は血の巡りが 悪くなって壊死しかかっている。

この組織が生き残れる可能性は、 どうやら遺伝子レベルでの違いにも影響されていそうである。


p53という遺伝子は細胞がガン化しそうになると、 その細胞を自殺するように仕向ける働きがあり、 ガン抑制遺伝子として有名である。

このp53遺伝子が脳虚血で死にかけた細胞を 気を利かせて自殺させてしまうのではないかと考えられる。

そしてp53遺伝子のアミノ酸配列が通常のものとほんの少しだけ異なる場合、 脳卒中の予後が大きく変わることがわかってきた。

脳卒中の治療に際し、このDNA配列の僅かな違いを知ることができれば、 将来 より効果的な治療ができるようになるのではないか…

というおはなし。



アポトーシスとp53の働きビデオ

2011年3月4日

脳卒中後のセックスはいつからOK?   とりあえずこのビデオを観てくれ.


How Soon to Have Sex after a Stroke?(リンク切れ)
2011 3月 アメリカ
脳卒中後のパートナーとの性生活をどのように回復するべきかを
心理療法家のラピーニ先生が説明している。




代わりに↓
[セクシュアリティ]の関連記事リンク

2011年3月3日

慢性期脳卒中リハビリはボウエンセラピーにおまかせ


Improved motor function with Bowen therapy for rehabilitation in chronic stroke: a pilot study.
2011 3月 ニュージーランド



Bowen Therapy(ボウエンセラピー、ボーエンテクニック)
は大変効果があるらしいのだけれど、これまでちゃんとした調査結果がない。



慢性期脳卒中患者へのボウエンセラピーの効果について調べてみたそうな。



14人の患者に3ヶ月間、ボウエンセラピーを施した。


その結果、13人について運動機能の著しい改善がみられた。



ボウエンセラピーは慢性期脳卒中患者のリハビリに有効そうである。
さらなる調査研究が期待される、  というおはなし。









ボウエンセラピーを検索してみた。

身体全体をやさしーく指先でマッサージする治療法。

オーストラリアのボウエンさんが創始者。






ボウエンセラピーの風景


あまりに優しいタッチでかえって不安になる。

2011年3月2日

神経筋電気刺激NMESに期待


Electrical stimulation in the treatment of the spastic hemiplegic hand after stroke: a ramdomized study.
2011 2月 スペイン




脳卒中で片麻痺の高齢者への神経筋電気刺激NMES
の効果を調べたそうな。


60歳以上の片麻痺患者20人をNMESあり、なしのグループに
わけてリハビリを8週間にわたり行った。


その結果、NMESを併用したグループでは
手首、指の可動範囲、力の強さが著しく改善した。



どうやらNMESは上肢リハビリに有効かも知れない、

という内容。




NMES(神経筋電気刺激)は

FES(機能的電気刺激)
 や

HANDS療法の総称らしい。



下のビデオの装置もその一種。


このように、やたらと凄い効果を示す映像をよく目にする割には
あまり世間に認知されていない感がある。

2011年3月1日

第三の腕療法で片麻痺リハビリの可能性


Illusion of three hands can help stroke patients recover
2011 2月 スウェーデン



3本目の腕を認識させることに成功したという話。



写真のように被験者の右手脇に本物そっくりの義手を置く。

次に右手と義手を同時にハケで同じようにくすぐる。


third-arm.png



一見どっちの腕が自分のものかわからないため
そのくすぐられた感覚の由来を脳が判断できなくなり

結局、義手と右手の両方が身体の一部であると認識するように
なってしまうことがわかった。



その証拠にナイフで義手を傷つけようとすると
本物の右手を傷つけようとしたときと同様の
ストレスによる発汗現象が観察できた。




将来的に、脳卒中で片麻痺になった患者のリハビリに
活用することができるのではないか…とのこと。









ミラーセラピーと同じ考え方と思う。

きっと効果は一時的  かな。



三本目の足療法には関心がある。

2011年2月28日

嚥下リハビリにバイタルスティムセラピーはいかが


Treatment of post-stroke dysphagia by vitalstim therapy coupled with conventional swallowing training.
2011 2月 中国



脳卒中後の嚥下障害には、

従来の飲み込みリハビリに加えて

vitalstim therapyバイタルスティムセラピー
を組み合わせることでその効果がより大きく
なることがわかった、 という内容。

図:バイタルスティムセラピー

vitalstim therapy
喉に電極を貼って電流刺激を与える治療法。




低周波治療器となにが違うのか…?

2011年2月27日

手首を固定しても なにもイイことないよ


Neurorehabilitation splinting: Theory and principles of clinical use.
2011 1月 オーストラリア




脳卒中後の上肢装具(固定具)使用の現状と
その根拠の妥当性について再検証してみたそうな。



一般に、上肢装具は痙縮を軽減し拘縮を防ぐとされている。


ところが、
過去の研究を再調査すると、


手首の固定位置に関わらず上肢装具を一晩中着けている
ことによる痙縮軽減効果は無く、

そして
当然のことながら運動機能の改善効果もまったく見られないことがわかった。





将来の痙縮拘縮の可能性にビビって腕を固定してしまうのではなく、

筋肉の動きを いま、どう改善するかに注意を向けた方がいいんじゃない?

という内容。


写真:上肢装具
たぶんこういうものを指していると思う

花粉ハジマタ

2011年2月26日

リハビリは動かせばイイってもんじゃぁない. 本人がやる気になるまで待て.


The effects of voluntary, involuntary, and forced exercises on brain-derived neurotrophic factor and motor function recovery: a rat brain ischemia model.
2011 2月 中国



自発的な運動、強制された運動、筋肉への電気刺激、
この3つの どのリハビリ方法がもっとも効果的なのか、
を調べたそうな。


117匹のネズミを次の4グループに分けて
人為的に脳梗塞にした。


1.籠にほったらかし

2.回し車で好きなだけ運動

3.トレッドミルで強制ランニング

4.歩行周期で筋肉を電気刺激


これを各グループで7日間続けた後に
運動機能回復の程度を評価し、

最後に解剖して
ストレスホルモンと
脳に含まれる神経栄養因子BDNF)の量を測定した。



その結果、
回し車で運動していたグループがもっとも運動機能が回復し、
ストレス量を示すホルモンは少なく、

神経の成長を促すとされるBDNFの量も
他のグループと比較して一番多かった。



また、強制ランニングさせられていたグループでは
運動機能の回復程度が低く、
ストレスホルモンの量がハンパなく多かった。
また、BDNFは最低だった。



リハビリの強制はよくない。
本人のやる気がいちばん大切、ってはなし。




bdnf.png
各グループでの海馬のBDNFの量


ちなみに、筋電気刺激がなかなかイイらしい。(図の2番目の棒)

2011年2月25日

上肢装具着用成果の現状 と未来


The effect of upper limb orthotics after stroke: A systematic review.
2011 1月 イギリス


脳卒中後に上肢装具や固定具を着けることの良い点はなにか、
を過去の研究成果から再検証したそうな。


信頼の置ける4つの研究、計126人の被験者のデータを総合すると、


どうやら上肢装具の着用は、手首や指の動作を含めた
上肢機能の向上に なんの効果もないことがわかった、

というはなし。



2011年2月24日

最新 運転適性判定検査、その3つの課題とは


Screening for fitness to drive after stroke: A systematic review and meta-analysis.
2011 2月 ベルギー



脳卒中後の自動車運転適性検査に最適な方法を、
世界中の論文データベースを検索して再調査したそうな。


30件ほどの優良な研究について解析した。



1700人あまりの被験者を評価し、
54%が運転適性ありと認められた。

その評価方法は3つあって、

1.道路標識認識検査(Road Sign Recognition)
roadsign.png


2.車の進行方法を認識する検査(Compass)
compas.png


3.視野探索課題(Trail Making Test B)
tmtb.png

いずれも机とペンがあればできる検査であり、
これらの課題ですべて普通人並のスコアを出すことができれば
運転適性あり、と判断して良い

というはなし。




手足の動き、麻痺の程度などが評価方法に
入っていない点がおもしろい。


本人が自覚しにくい認知機能上の問題点を
あぶりだすことに重点を置いている、と理解した。



ちなみに 3.の視野探索課題のリンクページを試した。

すべての円を 1-A-2-B-3-C-4-D-....
と数字とアルファベットを順に交互に線で結んで行く作業を行い
要した時間を計測する。


(入院中にやらされて、ひどく疲れて熱がでた思い出あり。)



90秒以内が適性範囲なのだそうだが、



今日は93秒かかった。

orz

2011年2月23日

この装具を着ければ軽自動車くらいなら持ち上げられそうな…


New design of dynamic orthoses for neurological conditions.
2011 1月 アメリカ




上肢リハビリの多くは

例えばCI療法に代表されるように

手首や指をある程度伸ばすことができるほどに麻痺が軽症でなければ

トレーニングを受けることさえできない。



そこでSaeboFlex(セイボフラックス)の出番である。



これを用いると、手指が勝手に伸びてくれるので

重い麻痺患者でもリハビリに参加することができる

画期的な上肢装具である。





SaeboFlexを装着しパワーアップした子供

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