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2018年2月16日

アジア系アメリカ人の脳梗塞が重い理由


Asian-American ethnicity associated with severe stroke, worse outcomes
2018  1月  アメリカ

アジア系アメリカ人が脳卒中になると重症で回復がよくないという。

先月の国際脳卒中学会 in ロスアンゼルスでの報告。


アメリカでの2004-2016の2000以上の病院での脳梗塞患者177万人の記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・全体の3.6%がアジア系アメリカ人だった。

・彼らの機能回復度は白人よりもわるかった。

・tPA治療を受ける頻度も低かった。

・たとえtPA治療を受けられても出血などの重度の合併症がおおかった。

・2004→2016に tPA治療はアジア系アメリカ人にも普及してきてはいるが、重症度が低下傾向にあるのは白人のみだった。

アジア系アメリカ人の脳梗塞患者は白人にくらべ重症で回復もよくなかった。食習慣やライフスタイルなどの文化的違いによるのかも、、


というおはなし。

図:人種差別

感想:

ポリコレ的に言えないのだろうけど、ぜったいに人種差別。15年くらいまえにアメリカいったとき黒人のウェイターにからかわれてトラウマになった思い出。

2018年2月4日

右脳のここをやられると表情を読み取れない


Impaired Recognition of Emotional Faces after Stroke Involving Right Amygdala or Insula.
2018  2月  アメリカ

表情をよみとる能力は社会生活を営む上で重要である。これまでの研究から感情の認識にはおもに右脳がかかわっていると考えられている。

脳機能イメージングをつかった研究もあるが慢性期患者のものがおおい。

そこで急性期の脳卒中患者で 脳の損傷部位と表情識別能力との関連をしらべてみたそうな。


右脳損傷の急性期脳卒中患者30人と健常者30人について、写真から感情(喜び、驚き、怒り、嫌悪、恐れ、悲しみ、無感情)を当てさせる課題をおこなった。MRI上での脳の損傷部位と正答率との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・右脳損傷患者は健常者にくらべポジティブな感情もネガティブな感情も認識する精度があきらかに低かった。

・とくに右脳の扁桃体と島皮質前部に損傷のある患者は怒りと喜びの識別スコアがはっきりと劣っていた。

・右脳の扁桃体と島皮質前部をふくむトータルの損傷体積が個々の感情識別エラー率と関連していた。

右脳の扁桃体や島皮質前部を損傷した脳卒中患者には表情認識をうながす行動療法の類がひつようかも、


というおはなし。
図:顔の感情

感想:

まず結婚相手との関係があぶなくなるんだって。

[右脳 感情]の関連記事

2018年1月31日

脳卒中の過活動膀胱とQoL


Effects of Overactive Bladder Symptoms in Stroke Patients' Health Related Quality of Life and Their Performance Scale.
2017  12月  韓国

過活動膀胱では感染症などの原因がないにもかかわらず尿意切迫感があり頻尿、夜間頻尿、ときに失禁を伴う症状をしめす。

脳卒中は過活動膀胱のリスクの1つとしてしられていて、日本の研究では脳卒中患者500人中28%が過活動膀胱だったとの報告もある。

そこで過活動膀胱が脳卒中リハビリにおよぼす影響をしらべてみたそうな。


リハビリ病院に入院した脳卒中患者30人に尿路症状についてアンケートをとり、過活動膀胱グループをわけた。

彼らの 健康関連QoL、歩行能力、生活自立度、認知機能を3ヶ月後までフォローしたところ、


次のことがわかった。

・過活動膀胱でないグループではすべての評価指標で改善を示した。

・過活動膀胱グループでは生活自立度と認知機能の点で改善が思わしくなく、

・とくに活力とQoLの精神的側面のスコアがあきらかに低かった。

過活動膀胱は脳卒中患者の健康関連QoLをおおきく低下させうる、


というおはなし。
図:頻尿

感想:

脳卒中後しばらくは頻尿でほんと困った。

じぶんの場合は降圧薬が原因だった。そこで3年前に降圧薬を勝手にやめた。以来 頻尿もんだいはない。

[過活動膀胱]の関連記事

2018年1月23日

日本で脳卒中リスクの高い職種と業種


Differences in stroke and ischemic heart disease mortality by occupation and industry among Japanese working-aged men.
2016  12月  日本

職種や業種は脳卒中や虚血性心疾患リスクの1つと考えることができる。厚生労働省の統計では年間の労災認定数は脳卒中がおよそ400件(22%が死亡)、虚血性心疾患が250件(65%が死亡)とある。

そこで脳卒中や虚血性心疾患での死亡リスクの高い職種、業種をしらべてみたそうな。


厚生労働省のデータベースをつかって2010年の25-59歳の男性2300万人について、
販売員(職種)、卸売 小売業(業種) を基準としたときの脳卒中、虚血性心疾患での死亡リスクを解析したところ、


次のことがわかった、
・脳卒中の死亡は2298件、虚血性心疾患での死亡は2767件あった。

・リスクの高い職種は サービスや経営 管理者で、業種では 農業、漁業、建設業、採掘業、電力、ガス、運輸などだった。

サービスや経営 管理に携わる者と 一次二次産業の労働者に脳卒中や虚血性心疾患のリスクが高かった、


というおはなし。
図:脳卒中リスクの高い産業

感想:

なるほどホワイトカラーのサラリーマンがいちばんぬるいってことか。

2018年1月16日

Stroke誌:歯周病のグレードと脳梗塞リスク


Periodontal Disease, Regular Dental Care Use, and Incident Ischemic Stroke
2018  1月  アメリカ

これまで歯周病と脳梗塞リスクとの関連をしめす報告がいくつかなされているが歯周病の定義にあいまいなところがあり因果関係を結論づけるには至っていない。

そこで、歯周病のグレードを細かく分類して脳梗塞との関連を大規模に調査してみたそうな。

歯科患者6736人について歯周病グレード(PPC)を A:健康、B:軽症、C:高度歯肉炎、、→G:重症、の7段階に分類した。

15年間に発生した脳梗塞患者299人との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・歯周病グレードがあがるにつれ脳卒中リスクは増加し、

・脳梗塞発生率は年間1000人あたり、PPC-A:1.29人、PPC-B:2.82人、、、→PPC-G:5.03人となった。

・歯周病は心原性と血栓性の脳梗塞とあきらかな関連をしめした。

・定期的な歯科通院によって脳卒中リスクが0.77倍になった。

歯周病と脳卒中リスクのあきらかな関連を確認できた。特に心原性と血栓性の脳梗塞で顕著だった。定期的な歯科通院が脳卒中予防になるかも、


というおはなし。
図:歯周病グレードと脳梗塞発生率

感想:

軽い歯周病でも脳梗塞発生率が倍以上になるんだな。

2018年1月9日

関節の柔軟性から動脈硬化を知る方法


Association of body flexibility and carotid atherosclerosis in Japanese middle-aged men: a cross-sectional study.
2018  1月  日本

心肺能力や筋力が低いひとは糖尿病や脳卒中になりやすい。同様に関節をフルに動かすことのできる「柔軟性」の高さもこれらの慢性病に影響すると考えられる。

そこで腕と体幹の柔軟性と頸動脈の動脈硬化度(内膜厚とプラーク形成)との関連をしらべてみたそうな。


35-59歳の健康な男性1354人について腕伸展性テストと座位リーチテストをおこなった。

(腕伸展性テストは下の写真を見ればわかる)
図:arm extensibility test


さらに超音波検査で頸動脈の内膜中膜肥厚およびプラーク形成を測定し、関連を解析したところ、


次のようになった。

・腕伸展性テストで腕を伸ばしきれた者は55.0%で、37.8%にプラーク形成が確認できた。

・腕の完全伸展ができた者の内膜厚とプラークはあきらかに小さく、座位リーチ距離は大きかった。

・プラーク形成があった者の完全伸展者割合と座位リーチ距離はあきらかに小さく、内膜厚は有意に大きかった。

腕の伸展性と体幹の柔軟性が動脈硬化と関連していた。さらにこれらの関連は年齢 血圧 血糖 肥満 ライフスタイルに依らなかった、


というおはなし。


感想:

120度くらいが限界で 腕伸ばしきれなかったよ。ショックだ。

2018年1月4日

テロメアは長いほうが脳梗塞になりやすいという結論


Telomere length associated with the risks of high-risk and ischemic stroke in southern Chinese Han population.
2017  12月  中国

テロメアは染色体の末端にあるDNA構造で、染色体同士の融合を防ぎ安定化させる役割をもっている。

テロメアは細胞分裂のたびに短くなり、細胞の老化と細胞死に関連している。このプロセスは慢性的な炎症や活性酸素によって加速され、血管のアテローム性動脈硬化や心血管疾患と関連するとも考えられている。

これまでの研究でテロメア長が短いと冠動脈疾患になりやすいことがわかっている。しかし脳梗塞との関連については結論がでていないので、脳梗塞の高リスク群もふくめきっちりとしらべてみたそうな。


脳梗塞患者400人と高血圧や糖尿病 肥満などの高リスクの409人および健康な399人について白血球のテロメア長を測定し、関連を解析したところ、


次のことがわかった。
・脳梗塞患者のテロメア長は健康な人よりも明らかに長かった。

・テロメア長と脳梗塞リスクの関連はU字カーブを描き、テロメアが長くても短くても脳梗塞リスクが高かった。

・高リスク群についても同様だった。

テロメアが長いと脳梗塞のリスクおよび脳梗塞リスクを持つリスク が高かった、


というおはなし。
図:テロメア長と脳卒中リスク

感想:

これまででてきたテロメア研究のそれとは真逆の結論。
ながければ良いってわけでもないんだね。

[テロメア]の関連記事

2017年12月21日

地球温暖化で激増する脳卒中の種類とは


Long-term projections of temperature-related mortality risks for ischemic stroke, hemorrhagic stroke, and acute ischemic heart disease under changing climate in Beijing, China.
2017  12月  中国

脳梗塞や脳出血 虚血性心疾患のリスクの1つは気温であり 地球温暖化による影響が予想される。

このまま気候変動が続いたとして、2080年までのこれら心血管疾患の死亡率を予想してみたそうな。


IPCC予測の2つのシナリオ RCP8.5(高レベルのCO2排出が続く)とRCP4.5(中レベルCO2で安定する)について、北京での気候モデルを適用して 2020、2050、2080年での脳梗塞、脳出血、虚血性心疾患での死亡率を推定した。


次のようになった。
・RCP8.5に基づくと、2080年には脳梗塞での死亡率は1980年代のおよそ2倍になり、

・脳出血は1980年台とほぼ変わらず、虚血性心疾患は約20%の上昇になった。

・また 2080年代での脳梗塞死亡者のあらたな増加は1年のうち夏に集中していた。

地球温暖化により脳梗塞死亡率に将来 劇的な上昇が予想された。いっぽう脳出血と虚血性心疾患におおきな変化は起きそうになかった


というおはなし。
図:地球温暖化で脳梗塞が激増する

感想:

地球温暖化についてはトランプ大統領の考えを支持する。だからまったく心配していない。

2017年12月11日

ヒ素と脳梗塞


Arsenic Exposure in Relation to Ischemic Stroke: The Reasons for Geographic and Racial Differences in Stroke Study.
2017  12月  アメリカ

ヒ素(無機ヒ素)と血管疾患との関連については 台湾、バングラデシュ、チリ、中国、内モンゴルといった地域の地下水暴露についての研究がおおい。

アメリカの脳卒中ベルトの原因についてもヒ素の関与が疑われている。そこでアメリカのREGARDS研究をつかってこの関連をしらべてみたそうな。


被験者2486人を6.7年間フォローした671件の脳梗塞事例について、尿中のヒ素化合物の濃度との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・総ヒ素および無機ヒ素と脳梗塞との関連は確認できなかったが、

・尿中のヒ素化合物モノメチルアルソン酸を考慮に入れると脳梗塞リスクは2倍になった。

・年齢、人種、性別、地域との関連は確認できなかった。

ヒ素の低中暴露地域でのヒ素代謝化合物と脳梗塞には正の相関があった。ヒ素のメチル化が脳卒中の発生に関係しているのではないか、


というおはなし。


感想:

ヒ素は 食品だとひじきにダントツで多い。ゆで汁を捨てるとよい。
図:ひじきのヒ素を減らす方法農林水産省ページから

2017年11月30日

黒人の障害が重いのはリハビリが少ないから?


No Racial Difference in Rehabilitation Therapy Across All Post-Acute Care Settings in the Year Following a Stroke
2017  10月  アメリカ

アメリカでは黒人の脳卒中発生率は悪化の一途である。しかも黒人脳卒中経験者の日常生活動作上の障害は白人よりも25%以上多いという報告もある。

脳卒中後の障害の重さが人種間で違う原因として リハビリ時間の差が考えられる。これを確かめてみたそうな。


メディケアの記録から黒人および白人の高齢脳卒中患者186168人を抽出して、1年間に受けた理学療法、作業療法、言語聴覚療法の時間(分)とリハビリ強度、施設の種類(院内リハビリ、介護施設 など)を集計した。

そして人種との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・PT,OT,STいずれも黒人のほうが受ける時間が長かった。

・しかし年齢や合併症、重症度、血栓溶解療法などの違いを考慮にいれるとリハビリの量に有意な差はなかった。

・ただし黒人のほうが転院回数はおおかった。

脳卒中後のリハビリ量に黒人と白人とであきらかな差はなかった。黒人の障害がおおきい理由はリハビリ量の違いではないようだ、


というおはなし。
図:黒人と白人 脳卒中リハビリ時間の違い

感想:

「脳卒中からの回復度」が「脳卒中リハビリにかける時間」に比例すると思い込んでいるから はなしがおかしくなる。

2017年11月10日

視床梗塞で時間感覚が狂った女性


Time perception impairment following thalamic stroke: A case study.
2017  11月  イギリス

脳卒中がきっかけで時間感覚に障害がおきた女性の報告。

JBは50歳の女性で2011年に脳卒中を患った。右の視床の正中線にちかい位置に梗塞ができた。
それ以来、彼女は今が季節的にいつごろで、今日の日付、現在の行動を何時間続けたのかなど わからなくなった。

そこで彼女の主観的時間感覚をしらべてみたそうな。


1) 時間のことなるリハビリセッションを3つ経験させて 経過した時間を当てさせる。(Retrospective timing)

2) ストップウォッチで5-60秒の時間測定を目の前で実演したのち、同じ時間をストップウォッチを見ずに再現させる。(Interval Reproduction)

3) 口頭で指定した秒数の経過を実演なしでいきなりストップウォッチで実行させる。(Interval Production)

実験中はカウント行動ができないよう、物語を音読させた。実行させる秒数、物語の内容は都度変更した。

これらの実験を健常者4人および同様の脳損傷患者4人でおこない、エラーの大きさを比較したところ、


次のようになった。

・彼女JBは 1)の時間推定と 2)の秒数再現のエラーが非常におおきかった。

・しかし 3)のエラーは比較グループと差がなかった。

これらことから彼女の基本的な時間機能は保たれており、前向記憶の障害が時間感覚に問題をもたらしていると考えられた、


というおはなし。

図:視床梗塞の時間感覚

感想:

ふつうはただの認知障害でかたずけるところだけど 「視床」へのダメージが時間問題を引き起こすっていいたいようだ。

2017年11月2日

人間関係とBDNF そして脳卒中


Associations between social relationship measures, serum brain-derived neurotrophic factor, and risk of stroke and dementia.
2017  10月  アメリカ

人との社会的関係は心身の健康と密接な関連がある。

このメカニズムはよくわかっていないが、たとえば神経の維持 成長 分化を促進するタンパク質:脳由来神経栄養因子(BDNF)がこれを仲介するという説がある。
仲間の多い環境にいるとBDNFが増え これに関連して脳卒中や認知症リスクが低下することが動物実験で示されている。

人間ではどうか、フラミンガム心臓研究のデータを使ってしらべてみたそうな。


3294人の記録について人との社会的関係と血清BDNFおよび脳卒中や認知症との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・社会的孤立度が高いほどBDNFは少なかった。

・交友関係がおおいほど脳卒中や認知症リスクは低かった。

・話を聞いてくれる、アドバイスをくれる、愛情をしめしてくれる人以上に、感情的サポートを得られる人との関係を持つ者の脳卒中や認知症リスクが低く 特に喫煙者でこの関連がつよかった。

人から多くのサポートを得られる状況にある者ほどBDNFはおおく、脳卒中や認知症のリスクは低かった、


というおはなし。
図:人間関係と脳卒中 認知症リスク

感想:

こころから親身になって話を聞いてくれる人なんて何人もいないんだよふつう。そこを勘違いするとかえって孤独を感じるんじゃないかな。

2017年10月16日

お医者さんでも脳卒中になるの?


The Risk of Stroke in Physicians: A Population-based Cohort Study in Taiwan.
2017  10月  台湾

人々の健康意識の高まりから医師の労働時間は長くなるいっぽう、訴訟のリスクも増えて常にストレスの高い状態にあると考えられる。

これら過労やストレスは脳卒中の要因でもあることから、はたして医師の脳卒中リスクは一般人にくらべ高いものなのか しらべてみたそうな。


台湾の国民健康保健データベースから28062人の医師と84186人の一般人の記録を抽出して解析したところ、


次のことがわかった。

・医師は高血圧(23.6% vs. 19.1%)、高脂血症(21.4% vs. 12.9%)、冠動脈疾患(6.4% vs. 5.7%)の割合が多かったが、脳卒中は(2.52% vs. 3.60%)医師が少なかった。

・高血圧、糖尿病、高脂血症、冠動脈疾患、現役医師のちがいを考慮にいれても医師の脳卒中リスクは明らかに低かった。

高ストレスで労働時間もながく、高血圧 高脂血症 冠動脈疾患がおおいにもかかわらず 医師の脳卒中リスクは一般人よりも低かった。これは病気への意識と知識の高さゆえのことだろう、


というおはなし。
図:医師 多忙 ストレス

感想:

ようするに高血圧や高脂血症のたぐいは積極的に治療しなくても実はたいした脅威ではないってことだな。

2017年10月11日

サフランの香りの素が脳梗塞に効く理由


Neuroprotective effect of safranal, an active ingredient of Crocus sativus , in a rat model of transient cerebral ischemia.
2017  10月  イラン

サフランの香りの主成分であるサフラナールには抗酸化作用や抗炎症作用、抗けいれん作用があることが知られている。

そこでサフラナールの脳梗塞治療効果を実験してみたそうな。


ネズミの脳を人為的に30分間脳虚血にしたのち再灌流した。異なる量のサフラナールを注射し24時間後の神経症状、梗塞体積、海馬細胞の消失、酸化ストレス等を測定した。


次のようになった。
・虚血再灌流によって神経症状スコアと梗塞体積、海馬細胞の消失、酸化ストレスマーカーがふえた。

・サフラナール注射後 抗酸化力があきらかに増加し、神経症状スコアや梗塞体積、海馬の細胞消失、酸化ストレス度は減少した。

サフラナールには脳の虚血再灌流傷害から神経を保護する効果がある。これは主にフリーラジカルの生成を抑え抗酸化力を高めることによると考えられる、



というおはなし。
図:サフラノールと脳梗塞

感想:

これにラベンダーもあわせたらアロマ療法的によさそうだな。
【アロマテラピー】ラベンダーの香りが脳梗塞にすごく効く

2017年9月28日

nature.com 低周波電磁場で脳卒中治療


An open-label, one-arm, dose-escalation study to evaluate safety and tolerability of extremely low frequency magnetic fields in acute ischemic stroke.
2017  9月  イタリア
おおくの動物実験で 低周波電磁場刺激が虚血状態にある脳神経を保護し 梗塞や炎症 細胞死を抑える効果がしめされている。

脳卒中患者での実験はまだないので安全性確認をかねてやってみたそうな。


発症から48時間以内の脳卒中患者6人の虚血部位へ向けてコイルをあて、1日に1回45分間または120分間の低周波(75Hz)電磁場パルス照射を5日間つづけた。

その強度分布はコイルの形状と線量測定の手法にならって推定した。


次のようになった。

・有害事象はなかった。

・すべての患者で臨床症状が改善した。

・1ヶ月後、45分間刺激の3人のうち1人と120分間刺激の3人すべてで梗塞サイズが小さくなっていた。

・脳内の磁界強度は1mTと推定され、先行する研究から生物学的変化を起こすに足る強さと考えられた。

低周波電磁場療法は安全で実行可能なものだった。ランダム化比較試験が期待される、


というおはなし。
図:低周波電磁場の影響範囲

感想:

こっち↓のほうが一足早かったのかな。
低周波電磁界療法で脳卒中リハビリ

2017年9月21日

足湯の慢性期脳卒中への心理生理学的効果


The effects of aroma massage and foot bath on psychophysiological response in stroke patients.
2017  9月  韓国

脳卒中を経験すると筋肉の麻痺や認知能力の低下から多くのストレスを受け 気分や感情の異常、睡眠の障害などがおきやすくなる。

これらの問題にたいしてマッサージや足湯の効果を検証してみたそうな。


発症から6ヶ月-2年の脳卒中患者14人をつぎの2グループに分けた。

*マッサージ+足湯+理学療法
*理学療法のみ

マッサージはアロマエッセンシャルオイルを使用して背中を揉む。足湯は40℃で足首まで30分間。

1週間後 各種ストレス度と体温や睡眠満足度を比較したところ、


次のようになった。

・身体的、心理的ストレスの度合いはマッサージ+足湯グループで明らかに低く、

・体温や睡眠満足度もはっきりと高かった。

慢性期脳卒中患者へのアロママッサージと足湯セラピーで おおくのストレスが癒され睡眠満足度も改善した、


というおはなし。
図:足湯する脳卒中経験者

感想:

こんな やらなくてもわかる実験をなぜ行ったのか?...考えた。

理学療法の専門誌なので、ストレス測定が主目的とは考えにくい。
じつは歩行機能や他の運動能力も測定したのだが アロママッサージ+足湯グループであまりにも改善度が高すぎた。そのまま発表してしまうと理学療法の立場が危うくなると考えた。そして歩行機能測定は無かったことにしてストレスのはなしだけでまとめた。

そういうことかな。

2017年9月20日

熊本地震のあとの脳梗塞の特徴


Clinical characteristics of patients with ischemic stroke following the 2016 Kumamoto earthquake.
2017  9月  日本

おおきな震災のあとには深部静脈血栓症や肺血栓塞栓症、脳卒中などが増加するという報告がすくなからずある。

2016年4月の熊本地震のあとの脳梗塞患者数と彼らの特徴についてしらべてみたそうな。


震災のあとに済生会熊本病院に入院した脳梗塞患者について、過去の同時期の患者と詳しく比べたところ、


次のことがわかった。

・熊本地震のあと12週間に入院した脳梗塞患者は194人で、過去3年間の同時期の平均は165人だった。

・震災前後で患者の病歴や身体的特徴、血液検査の結果に違いはなかった。

・避難所もしくは自家用車での寝泊まり経験のある患者はそれぞれ 13%と28%だった。

・27%の患者は震災直後の2週間を避難所でくらしていた。

熊本地震のあと脳梗塞患者が増加したが、それ以前の患者と臨床上あきらかな違いはみあたらなかった、


というおはなし。
図:熊本地震前後の脳梗塞件数

感想:

避難所や車中泊が原因って言いたかったみたいなんだけど、患者がすくなすぎてあきらめたようだ。

2017年9月16日

脳卒中のあとのむずむず脚症候群と生活の質


Restless legs syndrome after high-risk TIA and minor stroke: association with reduced quality of life.
2017  9月  カナダ

むずむず脚症候群は西洋人の3.2-11.1%にみられ とくに女性と高齢者におおい。

脳卒中など心血管疾患との関連が数多く報告されており、大脳基底核や脳幹部の梗塞患者におきやすいとされる。

脳卒中後のむずむず脚症候群と生活の質(QoL)との関連についての研究はないので しらべてみたそうな。


軽い脳卒中またはTIAの発症から14日以内の患者94人について、むずむず脚症候群の有無およびQoLを6ヶ月間ほどフォローしたところ、


次のことがわかった。
・23人(24.4%)がむずむず脚症候群(RLS)と診断された。

・11人はあらたにRLSになり、12人は脳卒中まえからRLSだった。

・RLSの脳卒中患者はフォロー期間とおしてQoLが低く、うつ症状もみられた。

・この傾向は機能回復度やうつ症状に依らなかった。

脳卒中後のむずむず脚症候群はめずらしくなく、機能回復度によらず生活の質を低下させた、


というおはなし。
図:脳卒中後のむずむず脚症候群と生活の質

感想:

名前のひびきがおもしろいだけでチヤホヤされている病気だと思う。1日24時間つづく左手足のしびれ感とはきっと比べ物にならないだろう。

[むずむず脚症候群]の関連記事

2017年9月10日

カイロプラティックが原因の頸部動脈解離


Cervical artery dissection related to chiropractic manipulation: One institution's experience.
2017  9月  アメリカ

2012のランダム化比較試験では頸部の痛みにたいするカイロプラティックの効果は理学療法を上回るものではなかった。

さらに 画像診断の進歩により カイロプラティックの頚椎操作と動脈解離の関連がつよく疑われるようになってきた。

カイロプラティックが関係する頸部動脈解離がどのくらいの割合で起きているものかしらべてみたそうな。


聖フランシス医療センターの2008-2012の頸部動脈解離患者141人の記録を見直したところ、


次のことがわかった。

・12人が発症直前にカイロプラティックを受けていた。

・この12人は計16箇所の頸部動脈解離を生じており、全員が急性脳卒中の症状を呈していた。

・このうち9人をフォローしたところ、8人は後遺症があり 1人はこれが原因で死亡していた。

頸部動脈解離の患者141人のうち12人が直前にカイロプラティックを受けていた、


というおはなし。

図:カイロプラティックの頚椎操作で頸部動脈解離

感想:

首の痛みを訴えカイロプラクターを訪ねる

翌日に脳卒中で入院

首の痛みなどというささいな問題から解放される、、

そういうことかな。
カイロプラクティックで脳卒中の件 Twitterでの評判は...

[動画]カイロプラクティックに行って脳梗塞で死んでしまった若者にまつわるストーリー

カイロや整体院で首をボキボキッってやるやつ あれ脳卒中のもとかもよ

2017年8月29日

運命論的考えをもつ脳卒中患者の障害は


The Impact of Pre-Stroke Depressive Symptoms, Fatalism, and Social Support on Disability after Stroke.
2017  8月  アメリカ

脳卒中の発生や死亡には社会心理的な影響があると考えられているが、障害程度との関連はよくわかっていない。

病気の予後はすでに決まっていて自分の意志ではどうにもできないと考える「運命論」や うつ症状、社会サポートが脳卒中後の障害と どのように関連するものかしらべてみたそうな。


脳梗塞患者364人についてうつ症状、運命論的考えの程度、社会サポートレベルをしらべ、90日後の障害程度との関連を解析したところ、


次のようになった。

・運命論的考えが強いほど機能的、認知的回復が悪かった。

・うつ症状についても同様で、

・社会サポートは高レベルよりも中レベルのときに認知能力の回復がよかった。

運命論的考えやうつ症状が強いと、脳卒中患者の障害も重かった、


というおはなし。
図:運命論者の脳卒中予後

感想:

ようするに運命論者は早々にあきらめてしまってリハビリをがんばらないから って言いたいみたいなんだけど、おなじ運命論者でも「わたしはハッピーになるさだめにある!」と信じている人はどうなのかね?

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