ラベル の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2017年12月11日

ヒ素と脳梗塞


Arsenic Exposure in Relation to Ischemic Stroke: The Reasons for Geographic and Racial Differences in Stroke Study.
2017  12月  アメリカ

ヒ素(無機ヒ素)と血管疾患との関連については 台湾、バングラデシュ、チリ、中国、内モンゴルといった地域の地下水暴露についての研究がおおい。

アメリカの脳卒中ベルトの原因についてもヒ素の関与が疑われている。そこでアメリカのREGARDS研究をつかってこの関連をしらべてみたそうな。


被験者2486人を6.7年間フォローした671件の脳梗塞事例について、尿中のヒ素化合物の濃度との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・総ヒ素および無機ヒ素と脳梗塞との関連は確認できなかったが、

・尿中のヒ素化合物モノメチルアルソン酸を考慮に入れると脳梗塞リスクは2倍になった。

・年齢、人種、性別、地域との関連は確認できなかった。

ヒ素の低中暴露地域でのヒ素代謝化合物と脳梗塞には正の相関があった。ヒ素のメチル化が脳卒中の発生に関係しているのではないか、


というおはなし。


感想:

ヒ素は 食品だとひじきにダントツで多い。ゆで汁を捨てるとよい。
図:ひじきのヒ素を減らす方法農林水産省ページから

2017年11月30日

黒人の障害が重いのはリハビリが少ないから?


No Racial Difference in Rehabilitation Therapy Across All Post-Acute Care Settings in the Year Following a Stroke
2017  10月  アメリカ

アメリカでは黒人の脳卒中発生率は悪化の一途である。しかも黒人脳卒中経験者の日常生活動作上の障害は白人よりも25%以上多いという報告もある。

脳卒中後の障害の重さが人種間で違う原因として リハビリ時間の差が考えられる。これを確かめてみたそうな。


メディケアの記録から黒人および白人の高齢脳卒中患者186168人を抽出して、1年間に受けた理学療法、作業療法、言語聴覚療法の時間(分)とリハビリ強度、施設の種類(院内リハビリ、介護施設 など)を集計した。

そして人種との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・PT,OT,STいずれも黒人のほうが受ける時間が長かった。

・しかし年齢や合併症、重症度、血栓溶解療法などの違いを考慮にいれるとリハビリの量に有意な差はなかった。

・ただし黒人のほうが転院回数はおおかった。

脳卒中後のリハビリ量に黒人と白人とであきらかな差はなかった。黒人の障害がおおきい理由はリハビリ量の違いではないようだ、


というおはなし。
図:黒人と白人 脳卒中リハビリ時間の違い

感想:

「脳卒中からの回復度」が「脳卒中リハビリにかける時間」に比例すると思い込んでいるから はなしがおかしくなる。

[比例回復則]の関連記事

2017年11月10日

視床梗塞で時間感覚が狂った女性


Time perception impairment following thalamic stroke: A case study.
2017  11月  イギリス

脳卒中がきっかけで時間感覚に障害がおきた女性の報告。

JBは50歳の女性で2011年に脳卒中を患った。右の視床の正中線にちかい位置に梗塞ができた。
それ以来、彼女は今が季節的にいつごろで、今日の日付、現在の行動を何時間続けたのかなど わからなくなった。

そこで彼女の主観的時間感覚をしらべてみたそうな。


1) 時間のことなるリハビリセッションを3つ経験させて 経過した時間を当てさせる。(Retrospective timing)

2) ストップウォッチで5-60秒の時間測定を目の前で実演したのち、同じ時間をストップウォッチを見ずに再現させる。(Interval Reproduction)

3) 口頭で指定した秒数の経過を実演なしでいきなりストップウォッチで実行させる。(Interval Production)

実験中はカウント行動ができないよう、物語を音読させた。実行させる秒数、物語の内容は都度変更した。

これらの実験を健常者4人および同様の脳損傷患者4人でおこない、エラーの大きさを比較したところ、


次のようになった。

・彼女JBは 1)の時間推定と 2)の秒数再現のエラーが非常におおきかった。

・しかし 3)のエラーは比較グループと差がなかった。

これらことから彼女の基本的な時間機能は保たれており、前向記憶の障害が時間感覚に問題をもたらしていると考えられた、


というおはなし。

図:視床梗塞の時間感覚

感想:

ふつうはただの認知障害でかたずけるところだけど 「視床」へのダメージが時間問題を引き起こすっていいたいようだ。

2017年11月2日

人間関係とBDNF そして脳卒中


Associations between social relationship measures, serum brain-derived neurotrophic factor, and risk of stroke and dementia.
2017  10月  アメリカ

人との社会的関係は心身の健康と密接な関連がある。

このメカニズムはよくわかっていないが、たとえば神経の維持 成長 分化を促進するタンパク質:脳由来神経栄養因子(BDNF)がこれを仲介するという説がある。
仲間の多い環境にいるとBDNFが増え これに関連して脳卒中や認知症リスクが低下することが動物実験で示されている。

人間ではどうか、フラミンガム心臓研究のデータを使ってしらべてみたそうな。


3294人の記録について人との社会的関係と血清BDNFおよび脳卒中や認知症との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・社会的孤立度が高いほどBDNFは少なかった。

・交友関係がおおいほど脳卒中や認知症リスクは低かった。

・話を聞いてくれる、アドバイスをくれる、愛情をしめしてくれる人以上に、感情的サポートを得られる人との関係を持つ者の脳卒中や認知症リスクが低く 特に喫煙者でこの関連がつよかった。

人から多くのサポートを得られる状況にある者ほどBDNFはおおく、脳卒中や認知症のリスクは低かった、


というおはなし。
図:人間関係と脳卒中 認知症リスク

感想:

こころから親身になって話を聞いてくれる人なんて何人もいないんだよふつう。そこを勘違いするとかえって孤独を感じるんじゃないかな。

2017年10月16日

お医者さんでも脳卒中になるの?


The Risk of Stroke in Physicians: A Population-based Cohort Study in Taiwan.
2017  10月  台湾

人々の健康意識の高まりから医師の労働時間は長くなるいっぽう、訴訟のリスクも増えて常にストレスの高い状態にあると考えられる。

これら過労やストレスは脳卒中の要因でもあることから、はたして医師の脳卒中リスクは一般人にくらべ高いものなのか しらべてみたそうな。


台湾の国民健康保健データベースから28062人の医師と84186人の一般人の記録を抽出して解析したところ、


次のことがわかった。

・医師は高血圧(23.6% vs. 19.1%)、高脂血症(21.4% vs. 12.9%)、冠動脈疾患(6.4% vs. 5.7%)の割合が多かったが、脳卒中は(2.52% vs. 3.60%)医師が少なかった。

・高血圧、糖尿病、高脂血症、冠動脈疾患、現役医師のちがいを考慮にいれても医師の脳卒中リスクは明らかに低かった。

高ストレスで労働時間もながく、高血圧 高脂血症 冠動脈疾患がおおいにもかかわらず 医師の脳卒中リスクは一般人よりも低かった。これは病気への意識と知識の高さゆえのことだろう、


というおはなし。
図:医師 多忙 ストレス

感想:

ようするに高血圧や高脂血症のたぐいは積極的に治療しなくても実はたいした脅威ではないってことだな。

2017年10月11日

サフランの香りの素が脳梗塞に効く理由


Neuroprotective effect of safranal, an active ingredient of Crocus sativus , in a rat model of transient cerebral ischemia.
2017  10月  イラン

サフランの香りの主成分であるサフラナールには抗酸化作用や抗炎症作用、抗けいれん作用があることが知られている。

そこでサフラナールの脳梗塞治療効果を実験してみたそうな。


ネズミの脳を人為的に30分間脳虚血にしたのち再灌流した。異なる量のサフラナールを注射し24時間後の神経症状、梗塞体積、海馬細胞の消失、酸化ストレス等を測定した。


次のようになった。
・虚血再灌流によって神経症状スコアと梗塞体積、海馬細胞の消失、酸化ストレスマーカーがふえた。

・サフラナール注射後 抗酸化力があきらかに増加し、神経症状スコアや梗塞体積、海馬の細胞消失、酸化ストレス度は減少した。

サフラナールには脳の虚血再灌流傷害から神経を保護する効果がある。これは主にフリーラジカルの生成を抑え抗酸化力を高めることによると考えられる、



というおはなし。
図:サフラノールと脳梗塞

感想:

これにラベンダーもあわせたらアロマ療法的によさそうだな。
【アロマテラピー】ラベンダーの香りが脳梗塞にすごく効く

2017年9月28日

nature.com 低周波電磁場で脳卒中治療


An open-label, one-arm, dose-escalation study to evaluate safety and tolerability of extremely low frequency magnetic fields in acute ischemic stroke.
2017  9月  イタリア
おおくの動物実験で 低周波電磁場刺激が虚血状態にある脳神経を保護し 梗塞や炎症 細胞死を抑える効果がしめされている。

脳卒中患者での実験はまだないので安全性確認をかねてやってみたそうな。


発症から48時間以内の脳卒中患者6人の虚血部位へ向けてコイルをあて、1日に1回45分間または120分間の低周波(75Hz)電磁場パルス照射を5日間つづけた。

その強度分布はコイルの形状と線量測定の手法にならって推定した。


次のようになった。

・有害事象はなかった。

・すべての患者で臨床症状が改善した。

・1ヶ月後、45分間刺激の3人のうち1人と120分間刺激の3人すべてで梗塞サイズが小さくなっていた。

・脳内の磁界強度は1mTと推定され、先行する研究から生物学的変化を起こすに足る強さと考えられた。

低周波電磁場療法は安全で実行可能なものだった。ランダム化比較試験が期待される、


というおはなし。
図:低周波電磁場の影響範囲

感想:

こっち↓のほうが一足早かったのかな。
低周波電磁界療法で脳卒中リハビリ

2017年9月21日

足湯の慢性期脳卒中への心理生理学的効果


The effects of aroma massage and foot bath on psychophysiological response in stroke patients.
2017  9月  韓国

脳卒中を経験すると筋肉の麻痺や認知能力の低下から多くのストレスを受け 気分や感情の異常、睡眠の障害などがおきやすくなる。

これらの問題にたいしてマッサージや足湯の効果を検証してみたそうな。


発症から6ヶ月-2年の脳卒中患者14人をつぎの2グループに分けた。

*マッサージ+足湯+理学療法
*理学療法のみ

マッサージはアロマエッセンシャルオイルを使用して背中を揉む。足湯は40℃で足首まで30分間。

1週間後 各種ストレス度と体温や睡眠満足度を比較したところ、


次のようになった。

・身体的、心理的ストレスの度合いはマッサージ+足湯グループで明らかに低く、

・体温や睡眠満足度もはっきりと高かった。

慢性期脳卒中患者へのアロママッサージと足湯セラピーで おおくのストレスが癒され睡眠満足度も改善した、


というおはなし。
図:足湯する脳卒中経験者

感想:

こんな やらなくてもわかる実験をなぜ行ったのか?...考えた。

理学療法の専門誌なので、ストレス測定が主目的とは考えにくい。
じつは歩行機能や他の運動能力も測定したのだが アロママッサージ+足湯グループであまりにも改善度が高すぎた。そのまま発表してしまうと理学療法の立場が危うくなると考えた。そして歩行機能測定は無かったことにしてストレスのはなしだけでまとめた。

そういうことかな。

2017年9月20日

熊本地震のあとの脳梗塞の特徴


Clinical characteristics of patients with ischemic stroke following the 2016 Kumamoto earthquake.
2017  9月  日本

おおきな震災のあとには深部静脈血栓症や肺血栓塞栓症、脳卒中などが増加するという報告がすくなからずある。

2016年4月の熊本地震のあとの脳梗塞患者数と彼らの特徴についてしらべてみたそうな。


震災のあとに済生会熊本病院に入院した脳梗塞患者について、過去の同時期の患者と詳しく比べたところ、


次のことがわかった。

・熊本地震のあと12週間に入院した脳梗塞患者は194人で、過去3年間の同時期の平均は165人だった。

・震災前後で患者の病歴や身体的特徴、血液検査の結果に違いはなかった。

・避難所もしくは自家用車での寝泊まり経験のある患者はそれぞれ 13%と28%だった。

・27%の患者は震災直後の2週間を避難所でくらしていた。

熊本地震のあと脳梗塞患者が増加したが、それ以前の患者と臨床上あきらかな違いはみあたらなかった、


というおはなし。
図:熊本地震前後の脳梗塞件数

感想:

避難所や車中泊が原因って言いたかったみたいなんだけど、患者がすくなすぎてあきらめたようだ。

2017年9月16日

脳卒中のあとのむずむず脚症候群と生活の質


Restless legs syndrome after high-risk TIA and minor stroke: association with reduced quality of life.
2017  9月  カナダ

むずむず脚症候群は西洋人の3.2-11.1%にみられ とくに女性と高齢者におおい。

脳卒中など心血管疾患との関連が数多く報告されており、大脳基底核や脳幹部の梗塞患者におきやすいとされる。

脳卒中後のむずむず脚症候群と生活の質(QoL)との関連についての研究はないので しらべてみたそうな。


軽い脳卒中またはTIAの発症から14日以内の患者94人について、むずむず脚症候群の有無およびQoLを6ヶ月間ほどフォローしたところ、


次のことがわかった。
・23人(24.4%)がむずむず脚症候群(RLS)と診断された。

・11人はあらたにRLSになり、12人は脳卒中まえからRLSだった。

・RLSの脳卒中患者はフォロー期間とおしてQoLが低く、うつ症状もみられた。

・この傾向は機能回復度やうつ症状に依らなかった。

脳卒中後のむずむず脚症候群はめずらしくなく、機能回復度によらず生活の質を低下させた、


というおはなし。
図:脳卒中後のむずむず脚症候群と生活の質

感想:

名前のひびきがおもしろいだけでチヤホヤされている病気だと思う。1日24時間つづく左手足のしびれ感とはきっと比べ物にならないだろう。

[むずむず脚症候群]の関連記事

2017年9月10日

カイロプラティックが原因の頸部動脈解離


Cervical artery dissection related to chiropractic manipulation: One institution's experience.
2017  9月  アメリカ

2012のランダム化比較試験では頸部の痛みにたいするカイロプラティックの効果は理学療法を上回るものではなかった。

さらに 画像診断の進歩により カイロプラティックの頚椎操作と動脈解離の関連がつよく疑われるようになってきた。

カイロプラティックが関係する頸部動脈解離がどのくらいの割合で起きているものかしらべてみたそうな。


聖フランシス医療センターの2008-2012の頸部動脈解離患者141人の記録を見直したところ、


次のことがわかった。

・12人が発症直前にカイロプラティックを受けていた。

・この12人は計16箇所の頸部動脈解離を生じており、全員が急性脳卒中の症状を呈していた。

・このうち9人をフォローしたところ、8人は後遺症があり 1人はこれが原因で死亡していた。

頸部動脈解離の患者141人のうち12人が直前にカイロプラティックを受けていた、


というおはなし。

図:カイロプラティックの頚椎操作で頸部動脈解離

感想:

首の痛みを訴えカイロプラクターを訪ねる

翌日に脳卒中で入院

首の痛みなどというささいな問題から解放される、、

そういうことかな。
カイロプラクティックで脳卒中の件 Twitterでの評判は...

[動画]カイロプラクティックに行って脳梗塞で死んでしまった若者にまつわるストーリー

カイロや整体院で首をボキボキッってやるやつ あれ脳卒中のもとかもよ

2017年8月29日

運命論的考えをもつ脳卒中患者の障害は


The Impact of Pre-Stroke Depressive Symptoms, Fatalism, and Social Support on Disability after Stroke.
2017  8月  アメリカ

脳卒中の発生や死亡には社会心理的な影響があると考えられているが、障害程度との関連はよくわかっていない。

病気の予後はすでに決まっていて自分の意志ではどうにもできないと考える「運命論」や うつ症状、社会サポートが脳卒中後の障害と どのように関連するものかしらべてみたそうな。


脳梗塞患者364人についてうつ症状、運命論的考えの程度、社会サポートレベルをしらべ、90日後の障害程度との関連を解析したところ、


次のようになった。

・運命論的考えが強いほど機能的、認知的回復が悪かった。

・うつ症状についても同様で、

・社会サポートは高レベルよりも中レベルのときに認知能力の回復がよかった。

運命論的考えやうつ症状が強いと、脳卒中患者の障害も重かった、


というおはなし。
図:運命論者の脳卒中予後

感想:

ようするに運命論者は早々にあきらめてしまってリハビリをがんばらないから って言いたいみたいなんだけど、おなじ運命論者でも「わたしはハッピーになるさだめにある!」と信じている人はどうなのかね?

2017年8月26日

脳卒中とメタアンフェタミンの関係


Stroke and methamphetamine use in young adults: a review.
2018  8月  オーストラリア

若年者の脳卒中が増えている理由のひとつに薬物中毒が考えられる。

メタアンフェタミンと脳卒中との関連を過去の研究からまとめてみたそうな。


関係するこれまでの論文を厳選して内容を分析したところ、


次のことがわかった。
・77の論文がみつかった。

・81の脳出血と17の脳梗塞の事例が含まれていた。

・いずれの脳卒中も男性のほうが2倍おおかった。

・メタアンフェタミンは飲んだり注射で摂ることができ、とくに喫煙摂取と脳梗塞の関連がつよかった。

・脳出血の1/3は高血圧や血管の炎症と関連があった。

・脳出血の1/4は完全回復して1/3は死亡した。

・脳梗塞の1/5は完全回復して1/5は死亡した。

メタアンフェタミンが関係する脳卒中は脳出血がおもで 亡くなる者もおおかった、


というおはなし。
図:メタアンフェタミンと脳卒中

感想:

メタアンフェタミンといったらドラマのブレイキング・バッドとのりピーを思い出す。

合法的に試せるのなら体験してみたい気もあったが 脳出血と聞いてどうでもよくなった。

2017年7月25日

脳卒中で身の回りのことができないと不幸なの?


Activity limitations and subjective well-being after stroke
2017  7月  アメリカ

脳卒中患者の回復度の研究のおおくは機能障害に着目したもので 主観的な幸福にかんするものは少ない。

日常生活動作上の制限と主観的幸福、および影響する要因についてしらべてみたそうな。


65歳以上の脳卒中経験者738人について、

主観的幸福度を 感情(愉快、退屈、元気、心配)と自己実現(人生の目的、自己受容、環境コントロール)の7項目で評価した。

介助の必要な日常生活動作を11項目(食事、入浴、トイレ、着替え、外出、ベッドからの移動、洗濯、買い物、料理、支払い)から選び関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・日常生活動作上の制限や身体能力と主観的幸福度との相関は弱く、関連要因を考慮に入れるともはや有意な相関ではなくなった。

・疼痛、うつ、社会参加に問題があると主観的幸福度が低かった。

日常生活動作上の制限は脳卒中経験者の主観的幸福に影響しなかった、


というおはなし。
図:日常生活動作11項目

感想:

"幸せ" はまったくの個人的体験であって、他人にはうかがい知れないんだな。

全身がうごかなくてもQoLは高いってはなしを思い出した。↓
閉じ込め症候群の患者にあえて生活の質を問うてみた結果、、

2017年7月6日

水素ガス療法の脳梗塞への効果


Hydrogen Gas Inhalation Treatment in Acute Cerebral Infarction: A Randomized Controlled Clinical Study on Safety and Neuroprotection.
2017  6月  日本

水素ガスの吸引による脳梗塞の治療効果は動物実験や臨床実験でいくつも報告されている。

ランダム化比較試験はまだなのでやってみたそうな。


急性脳梗塞患者50人を2グループにわけて一方には水素ガス(3%)の吸引を1回1時間x日に2回x7日間行い比較したところ、


次のようになった。
・酸素飽和度以外の点でバイタルサインに差はなかった。

・神経症状の重症度を示すNIHSSスコアは水素ガスグループであきらかに改善した。

・生活自立度のスコアも水素ガスグループがすぐれていた。

・MRIの相対信号強度にも改善傾向がみられた。

急性脳梗塞患者への水素ガス療法は安全で効果的だった、


というおはなし。
図:脳卒中の水素ガス療法の効果

感想:

水素○○療法をバカにする風潮を感じているのは自分だけだろうか、、?

[水素]の関連記事

2017年6月17日

乗馬や音楽で慢性期患者のリハビリを工夫してみた


Long-Term Improvements After Multimodal Rehabilitation in Late Phase After Stroke
2017  6月  スウェーデン

慢性期脳卒中患者への多様な刺激をもたらす治療法として、リズム音楽療法と乗馬療法をためしてみたそうな。


発症後10ヶ月-5年の脳卒中患者123人を、リズム音楽療法と乗馬療法、通常リハビリの3グループに分けた。

これら治療を週2回x12週間継続し、回復度の自己評価、バランス、歩行、上肢機能、認知機能を6ヶ月後までフォローしたところ、


次のようになった。
・回復度の自己評価は 乗馬療法>リズム音楽療法>通常リハビリ の順であきらかに高かった。

・この回復効果は乗馬とリズムの両グループで6ヶ月後も持続していた。

・バランス、歩行、握力、認知機能も改善していた。

脳卒中の慢性期であってもリハビリ方法をいろいろと工夫することであらたな回復を実感させることができた、


というおはなし。
図:リズム音楽療法と乗馬セラピーの脳卒中回復効果

感想:

Stroke誌に載って やたらニュースになっていたので関心をもった。

でも乗馬はやり過ぎだと思う。
シングルブラインドだから被験者はだれが乗馬療法に当たったかハズれたかがわかる。

つまり当選者は馬に乗れて上機嫌、落選者(通常リハ)は不機嫌。
こういう結果になるのは実験するまでもないと思うんだ。

[乗馬]の関連記事

2017年5月26日

境界性パーソナリティ障害と脳卒中


Risk of stroke among patients with borderline personality disorder: A nationwide longitudinal study.
2017  5月  台湾

境界性パーソナリティ障害(BPD)は感情や人間関係、自己評価、衝動制御の不安定さが特徴で、常にイライラして突然怒り出したり自傷行為に及んだりする。

BPDは一般人の4%にあるとされ、青年期にはじまり徐々に落ち着く傾向がある。

BPDには肥満や高血圧、糖尿病が多いことかがわかっているので、こんかい脳卒中との関連をしらべてみたそうな。


台湾の国民健康保健データベースから2002-2009のBPD患者5969人および年齢性別の一致する健常者23876人を抽出し脳卒中の発生を2011までフォローしたところ、


次のようになった。

・BPD患者の平均年齢は29歳だった。

・脳卒中発症年齢は 39 vs.46 でBPDグループが若かった。

・うつやPTSDといった精神疾患の影響を考慮しても、BPDがあると脳卒中リスク4.8倍 とくに脳梗塞リスク5.7倍だった。

境界性パーソナリティ障害の患者はその後 脳梗塞になりやすかった、


というおはなし。
図:

感想:

さいきんの発達障害ブームもそうだけど、だれにでも当てはまりそうな性格上の特徴をならべて 難しい名前でむりやり病気にしている感がある。

性格分析なら歴史がながいぶん占星術のほうがよほどあてになる。

ここ→EQUINOXには世話になった。あまりに当たるので この15年間はこわくて利用していない。

2017年5月9日

刺激豊富な環境を人でやってみた


Embedding an enriched environment in an acute stroke unit increases activity in people with stroke: a controlled before-after pilot study.
2017  4月  オーストラリア

脳卒中で入院した患者の40-69%は 日中ほとんどなにもしないで過ごす。

刺激豊富な環境の効果は動物実験でおおく報告されているが人での応用はすくない。これが入院患者の活動全般にどのていど影響するものか 試してみたそうな。


入院してまもない脳卒中患者を通常環境と刺激豊富な環境グループにわけて6ヶ月後の活動状況を比較した。

刺激豊富な環境ではiPadや書籍、ゲーム、音楽に自由にアクセスでき、リハビリや食事をグループ単位で行った。


次のことがわかった。

・なんらかの活動に携わっている時間は 71% vs. 58% で刺激豊富な環境グループが多かった。

・その活動内訳は、身体活動 33% vs. 22%、ソーシャル活動 40% vs. 29%、認知活動 59% vs. 45% で刺激豊富な環境グループがおおかった。

・この状態は6ヶ月後もつづいた。

・また刺激豊富な環境グループには有害事象がすくなかった。

急性期脳卒中患者を刺激豊富な環境に置くと、おおくの側面で活動レベルがあきらかに高くなった、


というおはなし。
図:刺激豊富な環境と脳卒中患者の活動

感想:

患者がうごかないから病院にアトラクションを増やそう、って発想に違和感がある。ゲームであそべるくらい元気ならさっさと退院させればいい。

たとえばむかしの人たちは脳卒中やっても病院にもゆかず、クワを杖に足ひきずりながら畑にでてたにちがいない。それが効果的なリハビリになってたんじゃないかな。

2017年5月6日

低周波電磁界療法で脳卒中リハビリ


Extremely low frequency electromagnetic field (ELF-EMF) reduces oxidative stress and improves functional and psychological status in ischemic stroke patients.
2017  4月  ポーランド

脳虚血がおきると活性酸素の増加と抗酸化酵素活性の低下がおきる。

これまで低周波電磁界が生体の酸化ストレスに影響するという報告はあるが脳卒中患者への応用例はないので、実験してみたそうな。


57人の脳卒中患者を低周波電磁界あり、なしの2グループにわけた。

低周波電磁界グループでは40Hz, 7mT(テスラ)の電磁パルスを発生する直径55cm奥行き27cmのコイルに頭を入れ、
1日15分x週5回x4週間 曝した。

両グループともに通常のリハビリも4週間おこなった。

患者の日常生活動作、認知機能、うつ度 および血中の抗酸化能を測定したところ、


次のことがわかった。

・低周波電磁界グループで抗酸化酵素活性があきらかに高くなり、

・日常生活動作と認知機能スコアの改善も有意にすぐれていた。

低周波電磁界療法により脳卒中患者の回復が促された。抗酸化酵素活性の増加が関係しているのかもしれない、


というおはなし。
図:超低周波数電磁界の脳梗塞治療効果

感想:

これまでネズミ実験のはなしはあったよ↓。
低周波パルス電磁場の脳梗塞治療効果

脳を癒やし可塑性を促すシータ電磁場治療法とは

2017年4月17日

脳内出血で思わず牧師を呼んでしまうケース


Chaplaincy Visitation and Spiritual Care after Intracerebral Hemorrhage.
2017  4月  アメリカ

重症患者へのスピリチュアルケアの必要性を理解するべく、脳内出血患者が牧師を呼ぶケースでの患者の特徴をしらべてみたそうな。


脳内出血で入院の患者266人の医療記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・患者の32%が牧師の訪問を受けていた。

・そのうち57%は家族の要請によるものだった。

・牧師訪問があったのはカトリック教徒と重症(延命拒否や脳室ドレナージ)の患者に特におおかった。

・カトリックであっても、死亡した患者の28%は牧師訪問をうけていなかった。

脳内出血患者のおよそ3分の1が牧師訪問を受けていた。そのおおくは家族の要請によるものだった。スピリチュアルケアが必要な患者や家族をみきわめる方法が必要だろう、


というおはなし。
図:牧師を呼ぶ脳内出血患者の特徴

感想:

日本だったら坊さんなのか?
アマゾンの[お坊さん便]なら35000円ポッキリ。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇■

 無料メールマガジン:脳卒中をやったなら
 おぼえておきたい回復のヒント100
メールアドレス  例:stroke@example.co.jp


過去7日間で人気の記事ベスト10