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2017年6月17日

乗馬や音楽で慢性期患者のリハビリを工夫してみた


Long-Term Improvements After Multimodal Rehabilitation in Late Phase After Stroke
2017  6月  スウェーデン

慢性期脳卒中患者への多様な刺激をもたらす治療法として、リズム音楽療法と乗馬療法をためしてみたそうな。


発症後10ヶ月-5年の脳卒中患者123人を、リズム音楽療法と乗馬療法、通常リハビリの3グループに分けた。

これら治療を週2回x12週間継続し、回復度の自己評価、バランス、歩行、上肢機能、認知機能を6ヶ月後までフォローしたところ、


次のようになった。
・回復度の自己評価は 乗馬療法>リズム音楽療法>通常リハビリ の順であきらかに高かった。

・この回復効果は乗馬とリズムの両グループで6ヶ月後も持続していた。

・バランス、歩行、握力、認知機能も改善していた。

脳卒中の慢性期であってもリハビリ方法をいろいろと工夫することであらたな回復を実感させることができた、


というおはなし。
図:リズム音楽療法と乗馬セラピーの脳卒中回復効果

感想:

Stroke誌に載って やたらニュースになっていたので関心をもった。

でも乗馬はやり過ぎだと思う。
シングルブラインドだから被験者はだれが乗馬療法に当たったかハズれたかがわかる。

つまり当選者は馬に乗れて大いにご機嫌、落選者(通常リハ)は不機嫌。
こういう結果になるのは実験するまでもないと思うんだ。

[乗馬]の関連記事

2017年5月26日

境界性パーソナリティ障害と脳卒中


Risk of stroke among patients with borderline personality disorder: A nationwide longitudinal study.
2017  5月  台湾

境界性パーソナリティ障害(BPD)は感情や人間関係、自己評価、衝動制御の不安定さが特徴で、常にイライラして突然怒り出したり自傷行為に及んだりする。

BPDは一般人の4%にあるとされ、青年期にはじまり徐々に落ち着く傾向がある。

BPDには肥満や高血圧、糖尿病が多いことかがわかっているので、こんかい脳卒中との関連をしらべてみたそうな。


台湾の国民健康保健データベースから2002-2009のBPD患者5969人および年齢性別の一致する健常者23876人を抽出し脳卒中の発生を2011までフォローしたところ、


次のようになった。

・BPD患者の平均年齢は29歳だった。

・脳卒中発症年齢は 39 vs.46 でBPDグループが若かった。

・うつやPTSDといった精神疾患の影響を考慮しても、BPDがあると脳卒中リスク4.8倍 とくに脳梗塞リスク5.7倍だった。

境界性パーソナリティ障害の患者はその後 脳梗塞になりやすかった、


というおはなし。
図:

感想:

さいきんの発達障害ブームもそうだけど、だれにでも当てはまりそうな性格上の特徴をならべて 難しい名前でむりやり病気にしている感がある。

性格分析なら歴史がながいぶん占星術のほうがよほどあてになる。

ここ→EQUINOXには世話になった。あまりに当たるので この15年間はこわくて利用していない。

2017年5月9日

刺激豊富な環境を人でやってみた


Embedding an enriched environment in an acute stroke unit increases activity in people with stroke: a controlled before-after pilot study.
2017  4月  オーストラリア

脳卒中で入院した患者の40-69%は 日中ほとんどなにもしないで過ごす。

刺激豊富な環境の効果は動物実験でおおく報告されているが人での応用はすくない。これが入院患者の活動全般にどのていど影響するものか 試してみたそうな。


入院してまもない脳卒中患者を通常環境と刺激豊富な環境グループにわけて6ヶ月後の活動状況を比較した。

刺激豊富な環境ではiPadや書籍、ゲーム、音楽に自由にアクセスでき、リハビリや食事をグループ単位で行った。


次のことがわかった。

・なんらかの活動に携わっている時間は 71% vs. 58% で刺激豊富な環境グループが多かった。

・その活動内訳は、身体活動 33% vs. 22%、ソーシャル活動 40% vs. 29%、認知活動 59% vs. 45% で刺激豊富な環境グループがおおかった。

・この状態は6ヶ月後もつづいた。

・また刺激豊富な環境グループには有害事象がすくなかった。

急性期脳卒中患者を刺激豊富な環境に置くと、おおくの側面で活動レベルがあきらかに高くなった、


というおはなし。
図:刺激豊富な環境と脳卒中患者の活動

感想:

患者がうごかないから病院にアトラクションを増やそう、って発想に違和感がある。ゲームであそべるくらい元気ならさっさと退院させればいい。

たとえばむかしの人たちは脳卒中やっても病院にもゆかず、クワを杖に足ひきずりながら畑にでてたにちがいない。それが効果的なリハビリになってたんじゃないかな。

2017年5月6日

低周波電磁界療法で脳卒中リハビリ


Extremely low frequency electromagnetic field (ELF-EMF) reduces oxidative stress and improves functional and psychological status in ischemic stroke patients.
2017  4月  ポーランド

脳虚血がおきると活性酸素の増加と抗酸化酵素活性の低下がおきる。

これまで低周波電磁界が生体の酸化ストレスに影響するという報告はあるが脳卒中患者への応用例はないので、実験してみたそうな。


57人の脳卒中患者を低周波電磁界あり、なしの2グループにわけた。

低周波電磁界グループでは40Hz, 7mT(テスラ)の電磁パルスを発生する直径55cm奥行き27cmのコイルに頭を入れ、
1日15分x週5回x4週間 曝した。

両グループともに通常のリハビリも4週間おこなった。

患者の日常生活動作、認知機能、うつ度 および血中の抗酸化能を測定したところ、


次のことがわかった。

・低周波電磁界グループで抗酸化酵素活性があきらかに高くなり、

・日常生活動作と認知機能スコアの改善も有意にすぐれていた。

低周波電磁界療法により脳卒中患者の回復が促された。抗酸化酵素活性の増加が関係しているのかもしれない、


というおはなし。
図:超低周波数電磁界の脳梗塞治療効果

感想:

これまでネズミ実験のはなしはあったよ↓。
低周波パルス電磁場の脳梗塞治療効果

脳を癒やし可塑性を促すシータ電磁場治療法とは

2017年4月17日

脳内出血で思わず牧師を呼んでしまうケース


Chaplaincy Visitation and Spiritual Care after Intracerebral Hemorrhage.
2017  4月  アメリカ

重症患者へのスピリチュアルケアの必要性を理解するべく、脳内出血患者が牧師を呼ぶケースでの患者の特徴をしらべてみたそうな。


脳内出血で入院の患者266人の医療記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・患者の32%が牧師の訪問を受けていた。

・そのうち57%は家族の要請によるものだった。

・牧師訪問があったのはカトリック教徒と重症(延命拒否や脳室ドレナージ)の患者に特におおかった。

・カトリックであっても、死亡した患者の28%は牧師訪問をうけていなかった。

脳内出血患者のおよそ3分の1が牧師訪問を受けていた。そのおおくは家族の要請によるものだった。スピリチュアルケアが必要な患者や家族をみきわめる方法が必要だろう、


というおはなし。
図:牧師を呼ぶ脳内出血患者の特徴

感想:

日本だったら坊さんなのか?
アマゾンの[お坊さん便]なら35000円ポッキリ。

2017年4月8日

アメとムチは脳卒中リハビリに有効か?


Reward and punishment enhance motor adaptation in stroke.
2017  4月  イギリス

たとえば上肢のリーチング動作のブレが 繰り返すごとに徐々に小さくなってゆく様を「運動適応」という。

賞罰フィードバックを加えたときに脳卒中患者の運動適応がどのように影響されるのか しらべてみたそうな。


慢性期脳卒中患者45人について、麻痺手を使ってスクリーン上のカーソルを任意の位置に移動させる繰り返し課題を行わせ、健常者15人と比較した。

このとき患者をつぎの3グループに分けて賞罰フィードバックを与えた。

*賞金グループ:各動作のエラーが小さいほど賞金が加算される。
*罰金グループ:スタート時の持金から 各エラーにしたがい罰金が引かれる。
*賞罰なしグループ:あらかじめきまったすこしのお金が最終日にもらえる。

実験後、さらに運動適応度をフォローしたところ、


次のようになった。

・賞罰なしよりも 賞罰があるグループで運動適応度が健常者なみにすぐれていた。

・この効果の持続度は賞金グループがダントツに高かった。

賞罰フィードバックが脳卒中患者の運動適応を強化することがわかった。臨床シーンへの応用が期待される、


というおはなし。
図:賞罰つきリーチング動作

感想:

捕まえたポケモンを換金できるようになったら 一生懸命にあるいちゃうんだけどな。

2017年4月5日

運動は脳卒中とがんの予防になるのか


Physical Activity and Lifetime Risk of Cardiovascular Disease and Cancer.
2017  3月  アメリカ

WHO(世界保健機関)のガイドラインでは心血管疾患とがんの予防に中強度以上の運動を勧めている。
身体活動レベルとこれら疾患の生涯リスクとの関連をじっさいにしらべてみたそうな。


45-64歳の男性5807人と女性7252人について、1987-2012にかけてその身体活動レベルと脳卒中など心血管疾患およびがんの発生をフォローした。

身体活動レベルをつぎのように場合分けした。
*運動なし:安静時代謝の3倍強度以上の運動が週に0分、
*推奨運動レベル:安静時代謝の3-6倍強度の運動を週に150分以上または6倍強度より強い運動を75分以上、
とした。


次のようになった。

・この間に4065件の心血管疾患と3509件のがんがみつかった。

・男性の45-85歳までの心血管疾患リスクは、運動なしが52.7%、推奨運動レベルでは45.7%、

・女性の心血管疾患リスクは順に、42.4%、30.5%だった。

・がん全体については男性で 運動なし40.1%、推奨運動レベル42.6%、

・女性では順に31.4%、30.4%だった。
WHOが推奨する運動レベルを守ると 脳卒中など心血管疾患の生涯リスクは男女ともに低かった、しかしがんはそうではなかった、


というおはなし。
図:運動レベルと脳卒中の生涯リスク

感想:

それだからなのか 脳卒中は意志のよわい怠け者がなる病気 のイメージがある。

2017年2月21日

花粉症と脳卒中との関連があきらかに


The association between hay fever and stroke in a cohort of middle aged and elderly adults.
2008  5月  アメリカ

喘息が脳卒中と関連するという報告はあるが、花粉症と脳卒中との関連はよくわかっていない。
しらべてみたそうな。


平均年齢62.4、9272人の花粉症歴を聞き取り、脳卒中の有無を4.4年間フォローしたところ、


次のようになった。

・この間に125人が脳卒中になった。

・花粉症のある者は全体の10.4%で、彼らのうち2.2%が脳卒中になった。

・花粉症のない者で脳卒中になったのは1.25%だった。

・年齢、性別、人種、喫煙、肥満度、糖尿、高血圧、飲酒、高脂血症を考慮に入れても花粉症があると脳卒中のなりやすさが1.87倍だった。

・炎症関連物質の影響や 鼻詰まりによる閉塞性睡眠時無呼吸症が脳卒中の原因と考えられる。

花粉症は脳卒中のリスク要因だった


というおはなし。

図:花粉症と脳卒中


感想:

ことしは花粉が多いのか いきなり鼻水がとまらない。くやしいのでさかのぼって検索したらこの報告(2008)だけがヒットした。

2017年2月19日

脳卒中患者と介護人の生活の質


Roles of Changing Physical Function and Caregiver Burden on Quality of Life in Stroke: A Longitudinal Dyadic Analysis.
2017  2月  イタリア
脳卒中患者とその介護人の生活の質QoLと 関連要因をしらべてみたそうな。


リハビリ病院を退院した脳卒中患者とその介護人の226組を12ヶ月間フォローしたところ、


次のことがわかった。

・脳卒中患者の平均年齢は70.8、介護人は52.4だった。

・この間に脳卒中患者の身体的 心理的QoLはあきらかに改善した。ただし社会的QoLに変化はなかった。

・介護人のQoLは 平均すると変化がなかった。

・脳卒中患者の身体機能の改善は 患者本人と介護人のQoLの向上に関連があった。

・介護人の負担が軽減すると 介護者本人のQoLがあきらかに向上した。ただし患者のQoLには影響しなかった。

脳卒中患者と介護人のQoLは 脳卒中患者の身体機能の変化におおきく影響を受けた、

というおはなし。

図:脳卒中患者と介護者

感想:

容易に予想できる結果だ。患者はじぶんのことでアタマいっぱい。介護人にまで気が回らない。

2017年1月21日

80歳以上の脳卒中を防ぐ方法がわかった


Physical inactivity is a strong risk factor for stroke in the oldest old: Findings from a multi-ethnic population (the Northern Manhattan Study).
2017  1月  アメリカ

80歳以上の人口割合が急増している。かれらへの脳卒中予防のための積極介入は多剤併用をまねきやすい。

しかし運動ならその心配はない。そこで高齢者の身体活動と脳卒中リスクとの関連をしらべてみたそうな。


平均年齢69の3298人に余暇の身体活動習慣をアンケートし、脳卒中の有無を14年間フォローしたところ、


次のようになった。

・80歳以上が17%を占め、40.8%は余暇の時間に身体活動がまったくなかった(仕事や歩行時間を含まない) 。

・14年間に391人が脳卒中になった。80歳以上と余暇の不活動があきらかに関連していた。

・80歳以上では、余暇活動がまったくないばあい脳卒中リスクは1.60倍だった。

・いっぽう糖尿病や高血圧、心不全は80歳以上にとっては脳卒中リスクではなかった。

80歳以上の高齢者にとって運動不足は脳卒中の強いリスク要因だった。運動をうながすことで容易に改善できるかもしれない、


というおはなし。
図:余暇時間に運動しないと脳卒中80歳以上

感想:

年金はあてになりそうもないので生涯 労働はつづく。要介護になって社会の負担にならぬよう、つかの間の余暇タイムにも運動が奨励される素敵なみらい。

2016年12月22日

高齢脳卒中経験者の骨密度 男女のちがい


Sex differences in the association between stroke and bone mineral density in elderly Koreans: The Korean National Health and Nutrition Examination Survey, 2008-2010.
2016  12月  韓国

高齢の脳卒中患者に骨粗鬆症がどのくらいいて、男女で差があるものかどうか調べてみたそうな。


韓国の健康栄養調査から男女3806人を抽出し脳卒中経験の有無を調べた。

また 3箇所の骨密度(腰椎、股関節、大腿骨頸部)を測定し
正常、骨質減少、骨粗鬆症のいずれかに分類した。


次のことがわかった。

・男性脳卒中経験者の骨密度グループは 正常<骨質減少<骨粗鬆症の順で多かったが、

・女性脳卒中経験者には骨密度グループに偏りはなかった。

・脳卒中経験のある男性は非経験者に比べ活発な運動が少なかった。

・脳卒中経験男性は 3箇所の骨密度がいずれも低かった。

・女性では脳卒中経験の有無で骨密度に差はなかった。

脳卒中を経験した男性には骨質減少または骨粗鬆症が多く、脳卒中非経験者よりも腰椎 股関節 大腿骨のすべてで骨密度が低かった、


というおはなし。
図:脳卒中男女の骨密度の違い

感想:

この台湾の研究↓と はなしが合わないんだよね。
脳卒中のあとに股関節骨折になる患者の割合

2016年12月13日

洗髪で脳卒中!? 美容室を訴えて1300万円ゲットした男


Can a hair salon sink wash be a stroke risk?

Dad-of-two nearly killed by haircut warns of 'beauty salon stroke syndrome' from deadly shampoo and rinse after £90k payout
2016  12月  イギリス

美容室で洗髪後 脳卒中になった男性が訴訟を起こしたそうな。


・タイラー氏45歳は美容室を訪れた3日後 頭痛と右側の手足の麻痺で崩れ落ちた。

・3ヶ月間入院して歩けるようにはなったが 痛みが残り自動車運転もまだできない。

・医師によるとこれは「美容室脳卒中症候群」(beauty parlour syndrome)で、洗髪中に頭を後ろに傾ける動作により首の動脈の内側が傷つき血栓が生じたという。

・同様のことが自動車事故やバンジージャンプでの鞭打ち症によっても生じると考えられている。

・もともと頸部に痛みやめまいのある人は美容室での洗髪には特に注意をするべきである。

・タイラー氏は美容室に対し洗髪時に流し台の縁にクッションを置くなどの注意を怠ったとして訴訟を起こした。そして1300万円で示談が成立した。

・タイラー氏曰く「訴訟を起こしたのは金のためではない、美容室脳卒中症候群の恐ろしさを世に知らしめるためである」、


というおはなし。
図:頸動脈と美容院脳卒中症候群


感想:

洗髪から3日後とか因果関係ガバガバなのに行きつけの店を訴える白人とその理屈をサポートする医師、 なんかおかしくないか?

これ↓思い出した。
美容院で脳卒中になる女性が続出!

2016年12月2日

2日間の断食が脳梗塞を癒やすという根拠について


Prolonged Fasting Improves Endothelial Progenitor Cell-Mediated Ischemic Angiogenesis in Mice.
2016  11月  中国

食事制限がおおくの慢性病に良い効果をもたらすとする考え方がある。

特に 単なるカロリー制限ではなく2日~5日間の長期断食が有効であるとする報告もある。

これを 脳卒中の動物で実験してみたそうな。


人為的に脳虚血にしたネズミを48時間の長期断食させた。

もしくは この断食を週1回ペースで4週間繰り返して脳組織、血管内皮前駆細胞を観察したところ、


次のことがわかった。

・長期断食グループでは食べ放題グループよりも血管新生が明らかに増加し、虚血のダメージも小さかった。

・繰り返し長期断食は脳萎縮を抑え長期に神経症状を改善しているようにみえた。

・断食ネズミと食べ放題ネズミから抽出した内皮前駆細胞を それぞれ別の虚血ネズミに移植したところ、断食ネズミのそれは虚血脳に定着し血管新生を促して脳のダメージも小さかった。

長期断食が血管内皮前駆細胞を通じて虚血脳に血管新生をうながし長期の改善をもたらした、


というおはなし。
図:長期断食の脳梗塞治療効果

感想:

2日間の断食はつらすぎて自分ひとりではできない。

断食道場もうかるだろな、、食事ださなくていいんだから。

2016年11月27日

帯状疱疹の位置とタイミング脳卒中の種類が判明


Risk of Stroke after Herpes Zoster - Evidence from a German Self-Controlled Case-Series Study.
2016  11月  ドイツ

帯状疱疹は幼少時に感染した水ぼうそうウィルスの再活性化によって生じ、脳梗塞や脳出血につながる血管障害の原因となることがある。

帯状疱疹の位置とおきやすい脳卒中の種類や時期を調べてみたそうな。


ドイツ2000万人を対象とした薬剤疫学研究データベースを使って調査したところ、


次のことがわかった。

・124462人の脳卒中患者のうち5%が帯状疱疹の診断を受けたことがあった。

・帯状疱疹後3ヶ月間の脳卒中リスクは通常の1.3倍 脳梗塞リスクも同じくらいで、

・脳出血リスクは1.5倍だった。

・特に眼部帯状疱疹で脳卒中リスクが高かった。

・脳卒中リスクは帯状疱疹発症後3-4週間でピークになり そのご減少した。

脳卒中リスクの上昇は帯状疱疹後3-4週間がもっとも高かった。とくに眼部帯状疱疹でリスクが高く脳梗塞よりも脳出血が多かった、


というおはなし。

図:帯状疱疹と脳卒中

感想:

帯状疱疹ネタいくつかあったけど やっと詳しいものがでたって感じ。

2016年11月5日

水素水が脳卒中に効くはほんとうか?


Hydrogen does not Exert Neuroprotective Effects or Improve Functional Outcomes in Rats After Intracerebral Hemorrhage.
2016  11月  日本

脳卒中が原因の活性酸素は脳血液関門を傷つけ ついにはDNAを破壊する。通常、活性酸素除去にはエダラボンを用いるが その効果は今ひとつである。

近年 水素ガスや水素水による細胞保護効果が多くの疾患で報告されている。そこで 脳内出血での水素治療を実験してみたそうな。


63匹のネズミの脳尾状核に血液を注入して脳内出血状態にし 4グループに分けた。

・手術のみ
・脳内出血のみ
・脳内出血+水素ガス
・脳内出血+水素水(静脈注射)

水素治療を3日間継続し、運動機能、脳組織の水分含有量、酸化ストレスを比較したところ、


次のことがわかった。

・水素治療グループで酸化ストレスマーカーである8-OHsGが減少した。

・しかし脳組織の水分含有量は減少せず

・運動機能の改善もみられなかった。


脳内出血ネズミへの水素治療には神経保護効果が認められなかった、


というおはなし。
図:水素の脳卒中治療効果

感想:

参考文献リストみると日本人めっちゃおおい。水素好きは国民性なのか?

2016年10月28日

低周波パルス電磁場の脳梗塞治療効果


Neuroprotective Effect of Low Frequency-Pulsed Electromagnetic Fields in Ischemic Stroke.
2016  10月  韓国

低周波パルス電磁場(LF-PEMF)は細胞レベルでの生体作用が報告され、骨折や創傷の治療に応用されている。

脳卒中での神経保護効果を動物実験で確かめてみたそうな。


人為的に脳虚血にしたネズミをLF-PEMFの有無で2グループに分けた。

LF-PEMFは虚血30分後に開始し、1日6時間x14日間継続した。

その後、ロータロッドテストや神経栄養関連 細胞死関連タンパク質の発現を調べたところ、


次のことがわかった。

・LF-PEMFによりシナプス可塑性を促すシグナル経路が活性化され、

・生存促進タンパク質はあきらかに増加し、細胞死促進タンパク質は減少した。

・炎症仲介物質も減少した。

・ロータロッド上にいられる時間も延びた。

低周波パルス電磁場には虚血脳の神経保護効果があるのかもしれない、


というおはなし。
図:低周波パルス電磁場の脳梗塞治療効果

感想:

はやく人で実験してもらいたい。

これ↓思い出した。
脳を癒やし可塑性を促すシータ電磁場治療法とは

2016年10月25日

tPA治療受けられるのにスルーされる患者の特徴


Why are acute ischemic stroke patients not receiving IV tPA? Results from a national registry.
2016  10月  アメリカ

急性脳梗塞ですぐに病院に到着できて特に禁忌事項にふれていなくても血栓溶解治療を受け損なっている患者が一定数いる。

その割合の推移と患者の特徴について調べてみたそうな。


2003-2011 の全米脳卒中患者登録システムから、急性脳梗塞の発症から2-3時間内に病院に到着できてtPA治療に適した条件の患者記録を抽出して解析したところ、


次のことがわかった。

・平均年齢73、6万人あまりの適応患者のうち25%が禁忌でもないのにtPA治療を受け損なった。

・この割合は2003-2011に55%→18%に推移した。

・これら患者の特徴として、高齢、女性、非白人、糖尿病、脳卒中歴、心房細動、人工弁、軽症、営業時間外、年始、田舎 などがあった。

急性脳梗塞ですぐに病院に到着できて血栓溶解治療に適した患者のうち25%がtPA治療を受け損ねていた。この治療は非常に効果があるにもかかわらず 高齢、軽症、女性、非白人への適用が見過ごされがちである、


というおはなし。
図:tPA治療を受けない脳卒中患者推移

感想:

重症度の判定には裁量の幅がけっこうあるはず。じつは軽症の患者をたくさんtPA治療できれば病院の実績は簡単にあがる。

見過ごされる率25%は良心のあるお医者さんが滅びていない証拠かもね。

2016年10月16日

スリングエクササイズの脳卒中リハビリ効果が明らかに


Effect of Sling Exercise Training on Balance in Patients with Stroke: A Meta-Analysis.
2016  10月  中国

スリングエクササイズトレーニング(Sling Exercise Training:SET)では天井からのロープに身体の一部をぶら下げることで バランス感覚をやしない体幹を鍛える効果が期待されている。

脳卒中患者での効果についてこれまでの研究をまとめてみたそうな。


関係する過去の研究のうちランダム化比較試験のみを選びデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被験者460人を含む9件の研究が見つかった。

・通常のリハビリにSETを組み合わせたものは、従来型リハビリのみよりもバランス能力、日常生活自立度、片麻痺の回復度 いずれも改善していた。

通常のリハビリにスリングエクササイズを組み合わせると 脳卒中患者への訓練効果がバランス機能の点で明らかに向上した。より確かなものとするために さらに規模のおおきな研究が必要だろう、


というおはなし。
図:スリングエクササイズ

感想:

患者をひとりにしては危険だ。ロープを首にかける誘惑に抗えなくなる。

2016年10月15日

交通騒音で頸動脈壁が厚くなるは本当か


Associations of night-time road traffic noise with carotid intima-media thickness and blood pressure: The Whitehall II and SABRE study cohorts.
2016  10月  イギリス

交通騒音と脳卒中は関連があるといわれている。そこで、脳卒中のリスク要因でもある頸動脈壁の厚さと交通騒音との関連を調べてみたそうな。


ロンドンの住人を調査した先行する2つの研究から 頸動脈内膜中膜厚と血圧のわかる2592人のデータを抽出した。
交通騒音データは住民の郵便番号レベルで取得し関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・夜間の平均交通騒音は52dBAだった。

・大気汚染レベルや地域の貧困度などを考慮にいれても、夜間交通騒音が10dBA高くなるごとに頸動脈内膜中膜が9.1μm厚くなった。

・夜間交通騒音55bBA未満の住人に比べ55-60dBAでは16.2μm厚く、60dBAより高いと21.2μm厚かった。

・これらの関連は抗高血圧薬を使っていない者でのみ見られた。

・血圧との関連は確認できなかった。

大気汚染等を考慮に入れても 夜間交通騒音と頸動脈内膜中膜厚との関連が抗高血圧薬の非使用者で確認できた、


というおはなし。
図:頸動脈内膜中膜厚と夜間交通騒音

感想:

これ↓思い出した。
道路交通騒音と大気汚染 脳卒中的にどっちが深刻なのか

空港の近所に住んでいると脳卒中になりやすい

2016年9月24日

50万人調査でわかった 子沢山は脳卒中のもと


Parenthood and the risk of cardiovascular diseases among 0.5 million men and women: findings from the China Kadoorie Biobank.
2016  9月  イギリス

女性は妊娠 出産での生理学的変化から心血管疾患へのなりやすさが高くなるとする報告がある。

子供の数と心血管疾患との関連を男性も含めて大規模に調べてみたそうな。


中国の都市部、農村部各5地域から 30-79歳の男女50万人について子供の数を聞き取り、心血管疾患(冠動脈疾患、脳卒中)の発生を7年間フォローしたところ、


次のことがわかった。

・一人っ子政策により家族に占める子供の数が高齢世代の4人から 若年世代の1~2人に急速に減少していた。

・子供の数が1人増えるにしたがって女性の心血管疾患リスクが2-3%上昇した。

・この関連は男性についても同様だった。

子供の数と冠動脈疾患 脳卒中リスクの関連が男女で似ていた。この関連は生物学的な違いに由来するというよりはライフスタイルや経済状況に依るのかもしれない、


というおはなし。
図:子供の数と脳卒中リスク

感想:

脳卒中予防的には一人っ子政策は正しかったんだな。

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