元2025 8月 インドネシア
脳卒中は世界で毎年1,200万件以上が新たに発症し、650万人が亡くなる深刻な病気である。
特に低所得の国では治療や介護の負担が重く、社会全体に大きな影響を与えている。
近年、ビタミンD不足が動脈硬化や血管の機能低下と関係し、脳卒中のリスクを高めることが分かってきた。
また、ビタミンDには神経を守ったり、脳の回復を助けたりする作用がある可能性が報告されている。
そこで、ビタミンDを補給することが脳卒中のリハビリに役立つかどうかを確かめてみたそうな。
2024年に世界中の医学データベースを検索し、脳卒中の患者を対象に「ビタミンDを補給した場合」と「補給しなかった場合」を比較した研究を集めた。
効果を評価する指標として、手足の動きの回復(Brunnstrom Recovery Stage)、神経障害の程度(NIH Stroke Scale)、日常生活の自立度(改訂Rankin Scale)、歩行能力(Functional Ambulation Classification)が用いられた。
最終的に6つの研究(参加者数42〜123人)が解析対象となった。
次のことが分かった。
・ビタミンDを補った患者は、補わなかった患者に比べて回復が良かった。・手足の動きや神経症状、日常生活の自立度では有意な改善が見られた。・一方で、歩行能力に関しては明らかな差が確認されなかった。・つまり、神経や運動機能の回復には効果がある可能性が高いが、歩行のように複雑な機能までは十分な影響が及ばなかった。
ビタミンD補給は脳卒中後のリハビリにおいて神経症状や運動機能の改善を助ける可能性がある。ただし、歩行など複雑な動作の回復には効果が限定的であった。
今後は適切な投与量や期間、他のリハビリ治療との組み合わせについて検討する大規模な研究が必要である、
というおはなし。
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「ビタミンD」
感想:
『日本では病院で処方されるビタミンDサプリメントは問答無用にいわゆる「活性型」で、近所のお店で売ってるサプリメントとは違って扱いにかなり注意が必要と聞きます。
この研究のサプリメントはふつうタイプみたいですけど、そのあたりの使い分けについてわかりやすくアドバイスください。』
以下、医師国家試験正答率98%AIの進化版GPT-5の回答コピペ↓
とても大事なポイントですね。
日本では「病院で処方されるビタミンD」と「市販サプリメントのビタミンD」とでは、種類も強さも使い方もまったく違うのです。
1. 病院で処方される「活性型ビタミンD」
- 成分名:カルシトリオール、エルデカルシトールなど。
- 特徴:体内での変換を待たずに、すぐに強力に働く。
- 用途:腎臓病、骨粗鬆症、副甲状腺の病気など、ビタミンDを自力で活性化できない患者に使われる。
- 注意点:カルシウムを急激に上げやすく、高カルシウム血症や血管・腎臓の石灰化のリスクがあるため、血液検査を繰り返し行いながら医師の管理下でのみ使用可能。
- つまり、素人判断で飲むのは非常に危険な薬に近い存在。
2. 市販されている「普通のビタミンD(コレカルシフェロール)」
- 成分名:ビタミンD3(cholecalciferol)。
- 特徴:サプリや強化食品に使われる一般的なタイプ。体内に入ってから肝臓や腎臓で必要な分だけ活性化される。
- 用途:日光不足や食生活による慢性的な不足を補う目的。
- 注意点:通常のサプリ量(600〜2000 IU/日程度)では安全性が高いが、大量を長期間続けると過剰症のリスクが出てくる。
3. 今回の研究で使われたもの
- 使用されたのはコレカルシフェロール(普通のD3)であり、病院処方の活性型ではない。
- 大量(30万IUを筋注、あるいは週5万IUなど)を短期的に投与する方法で、一般のサプリ量とは桁違い。
- 研究環境では安全性を見ながら実施されたが、日常生活で真似するのは危険。
4. 使い分けのアドバイス
- 活性型ビタミンD:薬。腎臓病や特殊な病態でのみ医師の処方で使用。自己判断で服用してはいけない。
- 普通のビタミンDサプリ:食品扱い。健康維持や不足予防にはこちらで十分。一般人がドラッグストアや通販で購入できるのはこのタイプ。
- 脳卒中リハビリでの研究:普通のビタミンDを「治療的に多めに投与」して効果を検証している。
まとめると:
日本の病院で出るのは「活性型」であり、強力かつリスク管理が必須。
普通のサプリは「前駆体」で、安全性が高く、自己管理でも使いやすい。
今回の研究は「普通のタイプ」を対象にしており、サプリの延長線上で考えられる。
