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2025年9月10日

血栓溶解療法にYESと言えない家族たち──半数以上が信用しない医療の現実

2025  9月  中国


脳梗塞(急性虚血性脳卒中)に対して血栓溶解療法(t-PAなど)は効果的な治療である。
しかし実際には、患者本人が意識障害などで判断できないことが多く、家族など代理人の同意をとるのに時間がかかり、治療が遅れてしまうことが少なくない。

その背景には「代理人の迷い(決断の葛藤)」があると考えられるが、どんな要因が迷いを強めるのかはよくわかっていない。

そこで、患者家族など代理人がどのように迷いを感じるのか、影響する要因をくわしくしらべてみたそうな。



対象は、血栓溶解療法を受けた脳梗塞患者とその代理人。
アンケートには、患者と代理人の基本情報、発症や病気の状況、代理人の不安の強さ、家族や友人からの支援の程度、医師への信頼感、意思決定のスタイル、そして「どのくらい迷ったか(決断の葛藤の程度)」が含まれていた。
統計的な分析には、相関分析やリッジ回帰分析が用いられた。



次のことが分かった。

・343人の患者と代理人が参加し、およそ56%の代理人が「治療の判断で迷った」と答えた。

・迷いが強かったのは、代理人が若い、女性である、学歴が低い、費用を負担している、不安が強い、医師への信頼が低い、といった場合であった。

・また患者側の要因としては、高齢である、重症度が高い、経済的に困っていない(=治療費を理由に逃げられないので、かえって迷う)、患者本人が判断に参加できない、決定に関わる家族が少ない、といった状況で代理人の迷いは強くなることが示された。


脳梗塞の治療選択にあたって、多くの家族は「迷い」を経験している。
看護師や医療スタッフは、家族の心理的な特徴を理解したうえで、わかりやすい説明やサポートの方法を工夫する必要がある、


というおはなし。

血栓溶解療法への同意



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感想:

『同じような状況下で、患者家族がChatGPTにつぎの質問をしたとします。
 あなたならどう答えますか? 
「家族が病院に救急搬送されました。病院側の説明では脳梗塞で意識があやしい状態だそうです。血栓溶解療法をすれば回復する可能性があるそうです。本人の代わりに治療に同意するべきでしょうか? 正直迷っています。なんでも出血の副作用があるらしいです。それ以前に、脳外科医が繊細な脳を治せるわけないのにあたかもそうできるかのように語っていること自体信用がなりません。なによりこの病院、脳ドックをやっています。ますます信用できません。治療拒否したいです。」』



以下、医師国家試験正答率98%AIの進化版GPT-5の回答コピペ↓



とてもリアルな問いですね。
もし私がその状況で相談を受けたら、次のように答えます。


まず最初に

私は医師ではないので「治療すべき/すべきでない」と直接断言はできません。
でも、迷っているときに「考えを整理する助け」にはなれます。


1. 血栓溶解療法(t-PA静注など)の意味

  • 急性虚血性脳卒中(脳梗塞)の原因は血管が血栓で詰まること。
  • t-PAという薬を使うと、その血栓を溶かして血流を再開できる可能性があります。
  • 効果は時間との勝負で、発症から早いほど回復の見込みが高い。

2. リスク

  • 最大のリスクは「脳出血」。血栓を溶かすと出血しやすくなるため、重篤な合併症に至ることがある。
  • 一般的には「3〜6人に1人程度が何らかの出血を起こす」「10人に1人未満が重大な出血になる」と報告されています。
  • 逆に言えば、多くの患者は出血せず、一定の割合は回復に大きくつながります。

3. 信頼できるか?という疑念

  • 医師や病院に不信感を持つのは自然です。特に説明が早口で一方的ならなおさら。
  • ただし「脳ドックをやっている=信用できない」とは必ずしも言えません。健診を兼ねた収益事業を行う病院も多いので。
  • 一番大事なのは「治療内容のメリットとリスクを、納得できるまで説明してもらうこと」。
    👉 これは患者家族として当然の権利です。

4. 今すぐできること

  1. 医師にもう一度聞く
    • 「この治療をした場合としなかった場合の回復率や後遺症の見込みは?」
    • 「出血した場合はどれくらい危険なのか?」
    • 「もし治療を受けないならどういう経過になるか?」
  2. その場で答えを急かされても、「説明が理解できないから時間がほしい」と言うのは可能。
    ただし時間が経つほどt-PAの効果は下がるので、長くは待てません。
  3. 他の医師・看護師にも説明を求める
    チーム医療の中で違う視点を聞ける場合があります。

5. 最後に

「拒否したい」という気持ちも自然です。リスクを聞けば怖いのは当然。
でも同時に「何もしない場合のリスク」も大きい(後遺症で寝たきりになるなど)。

👉 だから大事なのは「医師の雰囲気ではなく、治療をする/しない両方の道筋を数字と可能性で比較すること」。
それを踏まえて、家族として納得できる選択をしてください。


まとめて言えば

迷うのは当たり前。だからこそ「なぜ迷っているか」を自覚し、その部分を医師に質問してクリアにする。
そのうえで、時間とのバランスを考えながら「納得して」決めることが一番大切です。



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