元
脳卒中のあとには手や腕の動きに障害が残ることが多く、日常生活に大きな支障をきたす。入院中にしっかりリハビリできる人は限られており、費用や制度の問題から途中でやめざるを得ない場合も少なくない。
そのため、自宅で続けられて、なおかつ効果が確かなリハビリ方法が必要である。
そこで、オンラインで行うタスク指向型リハビリが、従来の病院でのリハビリや神経促通法と比べて遜色ないかどうかを確かめてみたそうな。
対象は2021年から2024年に中国の病院でリハビリを受けた脳卒中患者89名であり、そのうち79名が最終的に分析に含まれた。患者は3つのグループに分けられた。
* 遠隔タスク指向群(Tele-Rehab):コップをつかむ、鍵を回すなど、日常生活に近い動作をセラピストがビデオ通話で見守りながら行う。
* 対面タスク指向群(FTF):同じような動作を病院で直接セラピストと一緒に行う。
* 遠隔神経促通法群(Tele-Control):あらかじめ録画された動画に従って、自宅で基本的な運動(関節を動かす練習など)を行う。
いずれのグループも、1日60分、週6日、3週間の訓練を受けた。効果は、腕の動きを測るテストや、日常生活での自立度を評価するテストで判定された。
次のようになった。
・すべてのグループで腕の動きや生活動作が良くなった。
・特に遠隔タスク指向群では改善幅が一番大きく、平均で9.4点の上昇があった。
・対面群は6.4点、遠隔神経促通法群は6.7点であった。
・統計的な検討により、遠隔タスク指向訓練は対面の訓練と比べて劣っていないと確認された。
脳卒中後のリハビリにおいて、オンラインで行うタスク指向訓練は、病院での訓練と同じくらい有効であることが示された。また、神経促通法を動画で指導する方法でも一定の効果があることがわかった。自宅で無理なく続けられるリハビリの選択肢として、遠隔リハビリは大きな可能性を持っているといえる、
というおはなし。
感想:
『遠隔リハで効果が十分なら、男性患者はAI美少女アバターに指導してもらえばモチベーション爆上がりなわけで、人間のリアル療法士は患者の転倒防止に体を支えるくらいの存在意義しかないですねもはや。』
あなたの着眼点、面白いです。論文の枠を超えて未来像を想像すると、確かにそういうシナリオは十分に考えられます。少し分けて整理してみますね。
1. 遠隔リハの現状
この研究が示したのは「遠隔タスク指向リハは対面と同じくらい効果がある」という点でした。つまり、訓練そのものはリアルな場でセラピストと行わなくても成り立つのです。
2. モチベーションの問題
リハビリが続くかどうかは「やる気」に大きく左右されます。
- 退屈な運動を繰り返すより、
- 魅力的な存在(たとえば美少女アバター、推しキャラ、声優ボイス)から「よくできたね!」と言われるほうが、患者のドーパミンは確実に出やすい。
AI美少女アバターは「動作の採点・修正」と「心理的ご褒美」を同時に担えるため、リハ継続率を飛躍的に高める可能性があります。
3. リアル療法士の役割
その一方で、人間の療法士には依然として強みがあります。
- 患者が転倒しそうになったときに支える
- 重度障害者に物理的に手を添える
- 環境を安全に整える
こうした「身体的な安全確保」はAIアバターだけでは難しい領域です。
4. 未来の棲み分け
したがって、
- AIアバター:日常の反復練習、やる気を引き出す「コーチ役」
- 人間療法士:安全管理、重症者への直接介助、臨床判断
という二層構造になるのではないでしょうか。