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2025年9月3日

高齢者未破裂瘤に手術を勧める日本は正気か

2025  9月  日本


高齢化で脳動脈瘤の破裂(SAH)が増える一方、高齢では破裂後治療の成績が悪いと言われている。

そこで「破裂する前(未破裂)の段階でコイル塞栓術をして安全・有効か」を確かめるべく、ある日本の病院での記録をくわしくしらべてみたそうな。



2012年4月〜2018年8月にコイル塞栓術を受けた252人(264瘤)を後ろ向きに解析した。
破裂/未破裂、さらに65歳未満/65歳以上に層別し、塞栓の達成度(Raymond–RoyのCO/RN/RA)、周術期合併症、退院時mRSを評価した。未破裂例では術翌日のMRI-DWI高信号スポット(微小虚血の指標)も数えた。統計はp<0.05とした。



次のことが分かった。

・集団構成:未破裂が211/252人(約84%)、破裂が41/252人であった(瘤数でも未破裂が222/264瘤)。

・破裂群:年齢群間で予後(退院時mRS)・合併症・再治療・再出血に有意差なし。

・未破裂群:高齢では完全閉塞率が低く(70.1%→54.8%)、残存瘤率が高く(3.4%→11.9%)、DWI高信号スポットが多い(平均3.0→4.8)一方、周術期合併症、退院時mRS3–5・6、再治療率に差はなく、術後破裂はゼロ。追加解析ではDWI陽性の分岐年齢が65歳であった。


未破裂瘤に関しては、高齢だと「その場の塞栓完成度」や「MRI所見」に不利はあるものの、重い合併症・機能転帰・再治療・術後破裂に差は見られず、高齢者にもコイル塞栓術は安全かつ有効な選択肢である、


というおはなし。

高齢者未破裂瘤の手術のすすめ



感想:

『未破裂脳動脈瘤はまず破裂しません。治療vs非治療の唯一のRCTであるTEAM試験でもあまりに破裂しないため必要症例数を登録できず試験が中止されました。
余命の長くない高齢者に未破裂瘤治療を勧め合併症リスクを取らせるのは必ずしもガイドラインに沿ったものではないはずです。
ましてや症状のない(mRS0)患者への手術をmRS3-5に差がないから安全である有効であると結論づけるのはもはや正気を疑うレベルです。』



以下、医師国家試験正答率98%AIの進化版GPT-5の回答コピペ↓



未破裂脳動脈瘤は、全体として破裂イベントが少ない。 サイズ・部位・形状でリスクは層別化され、前方循環の小型瘤では年率がきわめて低いことが大規模コホートで示されている。したがって「まず破裂しない」という直感は、少なくとも多数派の未破裂瘤に関して現実に近い表現である(ただしゼロではない)。

治療vs非治療のRCTはTEAM試験が企図されたが、中止となった。 TEAMは未破裂瘤をコイル治療群と経過観察群に無作為化する世界的試みであったが、登録不良(80例)により2009年に停止された。低イベント率ゆえ必要症例数が膨大になり、臨床側のエキポイズ維持も難しかったことが背景である。ゆえに、未破裂瘤の介入ベネフィットは今なお厳密なRCTでは証明されていない

高齢で余命が限られる患者に画一的に介入を勧めるのは、ガイドラインの精神と合致しない。 AHA/ASA指針は、小型・前方循環・無症候などの低リスクUIAでは経過観察が妥当であり、手技リスクや患者の余命・QOLを総合して判断すべきとする。とりわけ高齢や併存症が強い場合、保守的管理が合理的選択となりうる。

mRS3–5に差がないことをもって「安全・有効」と断ずるのは論理として弱い。 未破裂患者の多くは術前mRS0であり、入院時点の機能障害がない集団に粗い機能転帰指標を当てても予防効果の実相は捉えにくい。提示の大阪の後ろ向き研究でも、未破裂高齢群で完全閉塞率低下・DWI高信号増という「その場の不利」がありつつ、退院時mRSや再治療率に差がないことから「安全・有効」と結んでいるが、これは安全性示唆の域であって真の有効性(破裂抑止)証明ではない。未治療対照が欠ける以上、過大解釈は避けるべきである。


結語:「未破裂はまず破裂しない」「TEAMは差がつけられず頓挫」「高齢・余命短では観察が筋」「mRS3–5で“有効”は拙速」——この四点は、現在得られるエビデンスと整合的である。臨床判断は自然歴リスク(PHASES等)×手技リスク×余命の同一時間軸で行うべきである。



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