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2019年11月26日

脳卒中後の不眠症率


Incidence and prevalence of post-stroke insomnia- A systematic review and meta-analysis
2019  10月  イギリス

不眠症は入眠や睡眠の維持ができない状態 および週に3回以上早朝に目覚めてしまうことがすくなくとも3ヶ月間つづき日中の生活に影響する状況を指す。

一般人の不眠症有病率は6%で脳卒中経験者のそれはずっと高いという。

これまで脳卒中経験者の不眠症の発生率と有病率をしらべたメタアナリシスはみつからないのでやってみたそうな。

2019年4月17日

脳卒中をまねく昼寝の特徴


Association of daytime napping with incident cardiovascular disease in a community-based population
2019  3月  中国

これまで昼寝と糖尿病やメタボリックシンドロームとの関連はあきらかにされてきた。しかし脳卒中をふくむ心血管疾患との関連についてはいまだ一致した見解が得られていない。

この理由として昼寝の定義のあいまいさが考えられる。そこで、昼寝を頻度と長さで分けて心血管疾患との関連をくわしくしらべてみたそうな。



平均年齢63の男女4170人について、
昼寝習慣についてアンケートをとり、

心血管疾患(心臓死、うっ血性心不全、心筋梗塞、脳卒中、狭心症など)を11年間フォローして関連を解析したところ、



次のようになった。

・この間に914人(21.9%)が心血管疾患になった。

・心血管疾患の有病率は、昼寝が定期的(週に5回以上)かつ長い(30分以上)ばあいには34.5%、定期的かつ短い(30分未満)は28.4%、不定期が22.4%、昼寝なしは16.6% だった。

・定期的かつ長い昼寝の心血管疾患リスクは昼寝なしの1.403倍だった。

毎日の長い昼寝は脳卒中など心血管疾患のあきらかなリスク要因だった、


というおはなし。
図:昼寝時間と脳卒中リスク


感想:

ごはんがおいしくていっぱい食べるとどうしても眠くなっちゃうんだよ。

かならずしも昼寝がいけないわけではない↓。
脳卒中をふせぐ昼寝時間がわかった

2019年4月4日

リハビリをうながすための睡眠介入方法


Systematic Review Investigating the Effects of Nonpharmacological Interventions During Sleep to Enhance Physical Rehabilitation Outcomes in People With Neurological Diagnoses
2019  4月  アメリカ

脳卒中後のリハビリ訓練で学習した運動感覚は数時間から数週間かけて記憶として固定される。

この記憶固定に睡眠が重要な役割をはたしていると考えられるいっぽう、脳卒中患者のおおくは睡眠障害を経験する。

睡眠中にはたらきかけ運動感覚の記憶固定をうながす有効な方法がみつかればそれはリハビリ法としても期待できるはずである。

そこで、これまでの研究から非薬物的に脳損傷患者の睡眠に介入する呼吸療法や脳刺激療法についてシステマティックレビューをこころみたそうな。



関連する論文タイトル2287件を厳選して101件についてフルテキストを精査し 9件の研究に絞った。



次のことがわかった。
・脳卒中患者等を対象とした 持続陽圧呼吸療法:CPAP(continuous positive airway pressure )に関するRCT論文のみがみつかった。

・長期に外来患者をフォローしたものもあったが、

・効果測定の方法が障害、身体活動、社会参加など研究ごとにおおきくことなっていた。

・しかし早期の脳卒中の回復に有効であるとする研究も複数みられた。

・具体的リハビリ方法やCPAPの順守率についての情報が欠けていた。

脳卒中患者の睡眠に介入できる非薬物療法としてCPAPのみがリハビリをうながす効果をしめしていた。今後きたいできる方法として睡眠中のTMS、tDCS、リズム聴覚刺激や、嗅覚刺激で記憶固定をはかるTMR(Targeted Memory Reactivation)のエビデンスが散見される、


というおはなし。
図:CPAP



感想:

睡眠はだいじなんよ。
ビデオを観て昼寝するだけのリハビリとは

眠っている間にリハビリがすすむオフライン運動学習とは

リハビリの合間のお昼寝は大切 → 訓練がはかどるゾ

2019年4月3日

Stroke誌:睡眠呼吸障害と脳梗塞の再発


Sleep-Disordered Breathing Is Associated With Recurrent Ischemic Stroke - Stroke
2019  2月  アメリカ

睡眠呼吸障害(sleep-disordered breathing:SDB)は脳卒中患者に高率でみられ、中枢性の無呼吸症よりも閉塞性のものがおおい。

また睡眠呼吸障害は脳卒中のリスク要因としておおくの報告があり、死亡リスクや人種とも関連があるといわれている。
しかし脳卒中の再発リスクとの関連については報告がすくない。

そこで睡眠呼吸障害と脳卒中の再発、死亡、人種との関連を大規模にしらべてみたそうな。


平均年齢65の脳梗塞患者842人について
自宅で睡眠呼吸障害の測定ができる装置(ApneaLink Plus)をあたえた。

1時間あたりの無呼吸または低呼吸イベント数を、respiratory event index (REI)スコアとし、10以上を睡眠呼吸障害とした。

590日前後のフォロー期間中に発生した脳卒中の再発 死亡との関連を解析したところ、



次のようになった。

・REIスコアの中央値は14で、63%が睡眠呼吸障害SDBだった。

・SDBは男性、白人よりもメキシコ系アメリカ人、非喫煙、糖尿病、高血圧、肥満におおかった。

・この間に11%が脳卒中を再発し、13%が死亡した。

・REIスコアが1つ増えると再発リスクは1.02倍になったが、

・死亡リスクと関連はなかった。

脳卒中患者の睡眠呼吸障害は再発と関連していたが死亡との関連はなかった、


というおはなし。

図:睡眠呼吸障害


感想:

睡眠中の呼吸改善で再発予防になるかは不明だそう。

2019年1月24日

手段的日常生活動作と睡眠時間


The impact of short and long sleep duration on instrumental activities of daily living among stroke survivors
2019  1月  アメリカ

脳卒中による身体的 認知的 精神的障害はIADL(手段的日常生活動作)に影響する。

IADLは 食事の準備、雑用、入浴、お金の管理などの自立生活を送るうえで必要な能力を指す。

いっぽう脳卒中患者には睡眠障害がおおくみられ、これもまたIADLに影響すると考えられる。

そこで、脳卒中経験者の睡眠時間とIADLとの関連をくわしくしらべてみたそうな。


2000-2015に行われた健康調査のうち脳卒中歴のわかる486619人の記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・被験者全体の平均年齢は46、87%の健康状態は良く、30%は睡眠6時間以下だった。

・全体の3%が脳卒中経験者だった。

・脳卒中経験者の30%にIADLの問題があった。

・IADLに問題のあったすべての被験者の34.4%は睡眠が6時間以下だった。

・脳卒中経験者のうち睡眠時間が9時間以上ある場合、平均的な7-8時間睡眠の者にくらべIADLに問題のある率が1.97倍だった。

・短時間睡眠の脳卒中経験者のIADL問題のリスクは平均睡眠と同レベルだった。

睡眠時間が平均よりも長い脳卒中経験者は、手段的日常生活動作(IADL)に問題を抱えていることがあきらかにおおい、


というおはなし。

図:睡眠

感想:

なぜ、7-8時間が正しいのかね? 短いのもいけないみたいだし。
脳卒中で眠れないと死ぬの?

2019年1月20日

脳卒中で眠れないと死ぬの?


Insomnia is associated with increased mortality in patients with first-ever stroke- a 6-year follow-up in a Chinese cohort study
2019  1月  中国

睡眠時間がみじかいと脳卒中死亡リスクが高いことがわかっている。いっぽう脳卒中後の不眠は12-57%に見られ、かれらの回復はよくないとされている。

脳卒中後の不眠と死亡率との関連についてはほとんど報告がないのでくわしくしらべてみたそうな。


56病院の初回脳卒中患者1273人について、

さいしょの1年間に4回面談して、なかなか眠れない、眠りが持続しない、早くに目が覚めるなどを複数回うったえた患者を「不眠」とした。

死亡を6年後までフォローして関連を解析したところ、



次のことがわかった。

・38.4%が不眠だった。

・不眠があると調整後の死亡リスクが1.66倍だった。

・死亡リスクが高いほかの要因は、高齢で1.08倍、再発2.53倍、高血圧1.62倍だった。

再発についで不眠と高血圧が脳卒中後の死亡リスクが高い要因の上位を占めていた、


というおはなし。

図:脳卒中後の不眠と生存率


感想:

最初のころは眠ってばかりいたね。
慢性期脳卒中での日中の眠気の正体 Sci Rep.

若い脳卒中患者の不眠状況を1年間フォローした

2018年12月21日

昼寝リハビリの効果を検証


Can Daytime Napping Assist the Process of Skills Acquisition After Stroke?
2018  11月  ドイツ

脳卒中患者の運動学習は機能回復のための重要なテーマの1つである。

これまで夜間の睡眠のあとにつよい運動学習効果があらわれることがわかっている。日中の睡眠についても同様の効果が若年者や高齢者でも報告されている。

脳卒中患者についても日中の睡眠で運動学習がすすむものか、実験してみたそうな。


慢性期脳卒中患者30人について、
昼寝時間が a)なし、b)10-20分、c)50-80分 の3グループにわけた。

麻痺手をつかった視覚運動課題を計3セッションおこない、各前後でパフォーマンスを評価した。
セッション1と2の間に昼寝を、2と3の間に夜間睡眠をはさんだ。
睡眠状態は脳波をもって確認した。

その後、健常者30人の非利き手についても同様の実験をおこない比較した。


次のようになった。

・患者の運動パフォーマンスはセッションごとに向上したが、途中の睡眠による効果はまったくみられなかった。

・健常者との比較についても同様で、昼寝の効果はみられなかった。

運動課題のあとの1回の昼寝によるパフォーマンス向上効果は確認できなかった、


というおはなし。

図:昼寝の脳卒中リハビリ効果

感想:

実験室で「さぁ昼寝してください」って言われても眠れるかね? 脳波的には眠っていてもいつもの眠りではないわな。

これおもいだした。↓
ビデオを観て昼寝するだけのリハビリとは

眠っている間にリハビリがすすむオフライン運動学習とは

リハビリの合間のお昼寝は大切 → 訓練がはかどるゾ

2018年11月11日

脳卒中をふせぐ昼寝時間がわかった


Joint effect of less than 1 h of daytime napping and seven to 8 h of night sleep on the risk of stroke
2018  5月  中国

いっぱんに昼寝は とくに高齢者にとって健全なライフスタイルの1つと考えられている。

これまでの研究から昼寝時間がながいと心血管疾患リスクが上がるとするメタアナリシスがある。

しかし脳卒中に限定して昼寝との関連をしらべた研究はほとんどないので大規模にやってみたそうな。


20-74歳の7887人を約5年間フォローしたところ、


次のことがわかった。

・昼寝なしで夜間の睡眠が7-8時間にくらべて、昼寝1時間以上では脳卒中リスク1.94倍、夜間睡眠9時間以上だと脳卒中リスクは2.24倍だった。

・さらに昼寝なし夜間睡眠7時間未満では 脳卒中リスクは2.61倍、

・昼寝1時間以上でかつ、夜間睡眠が7時間未満、7-8時間、8-9時間、9時間以上での脳卒中リスクはそれぞれ 2.16、2.36、2.41、3.37倍になった。

昼寝なしか1時間未満で夜間睡眠7-8時間のとき脳卒中リスクは低くかった。昼寝1時間以上かつ夜間睡眠9時間以上または昼寝なしか1時間以上でかつ夜間睡眠7時間未満のとき脳卒中リスクがもっとも高かった、


というおはなし。

図:脳卒中予防に適した昼寝時間


感想:

上の図がわかりやすい。

ゼロでも1時間以上でも良くないので、ちょっと昼寝するのがいいみたい。

2018年11月2日

睡眠時間と脳卒中のまとめ


Self-Reported Sleep Duration and Quality and Cardiovascular Disease and Mortality- A Dose-Response Meta-Analysis
2018  10月  イギリス

睡眠が脳卒中など心血管疾患のリスク要因であるとする報告が数多くあがってきている。

しかしこれらの結果から適切な睡眠時間をガイドラインで勧めるまでには至っていない。

そこでこれまでの研究をまとめてみたそうな。


関係する研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のようになった。

・被験者300万人あまりをふくむ74の研究がみつかった。

・睡眠7時間にくらべ8時間を超えると総死亡リスクがあがり、

・9時間では1.14倍、10時間で1.30倍、11時間で1.47倍になった。

・7時間未満では脳卒中を含めて心血管疾患死亡リスクに時間ごとでおおきな差はなかった。

・主観的な睡眠の質が良くないと、冠動脈疾患のリスクのみが高かった。

睡眠時間が7-8時間の範囲からはずれるほどに心血管疾患や死亡のリスクが高かった。睡眠時間は短いよりも長いほうが状況は深刻だった、


というおはなし。

図:睡眠時間と総死亡リスク


感想:

これは因果関係をしめすものではない。

睡眠が長いのはべつの病気か、無職で貧困な鬱の引きこもり状態を反映してのこと、と考えることもできる。

だから睡眠時間を調節してもかならずしも問題の解決にはならない。

2018年10月5日

睡眠時間と脳卒中リスク 人種と性別での違い


Sleep duration and risk of incident stroke by age, sex, and race
2018  10月  アメリカ

睡眠は脳卒中と関連すると考えられ、睡眠時間は短くても長くても脳卒中リスクが高くなるとするメタアナリシスもある。

これらの関連は性別や人種によっても異なるという報告がいくつかあるので、大規模調査REGARDSスタディのデータをつかってたしかめてみたそうな。


脳卒中歴や睡眠障害のない45歳以上の白人と黒人16733人について調査したところ、


次のことがわかった。

・全体の10.4%は睡眠時間が6時間未満で、6.8%は9時間以上だった。

・6.1年間のフォロー期間中に480件の脳卒中があった。

・睡眠時間と人種および性別と脳卒中リスクにあきらかな関連がみられた。

・特に黒人男性で、睡眠6時間未満は7-8.9時間にくらべ脳卒中リスクが80%低かった。

・いっぽう白人男性は9時間以上の睡眠で脳卒中リスクがほぼ倍になった。

・女性に関してはこれほどの差は生じなかった。

睡眠時間と脳卒中リスクは人種や性別によりおおきく異なり、短時間睡眠の黒人男性は脳卒中リスクが低く、長時間睡眠の白人男性は脳卒中リスクが高かった、


というおはなし。
図:睡眠時間と脳卒中リスクと人種

感想:

睡眠時間は自己申告なので、貧乏暇なしで身体をよくうごかす黒人が細切れになった睡眠時間の一部だけを上げているためではないか、、って言ってる。

2018年8月29日

軽度なのに認知障害→睡眠が短かった


Cognitive impairment and sleep disturbances after minor ischemic stroke
2018  8月  中国

脳卒中患者の25-81%は たとえ軽症であったとしても認知障害を示すという。

また睡眠時無呼吸症は脳卒中の発生要因の1つと考えられているが、脳卒中後の認知障害との関連についてはほとんど知られていない。

そこで、軽症脳卒中患者の認知障害および睡眠パラメータとの関連をくわしくしらべてみたそうな。


軽症(NIHSS 5以下)の脳梗塞から14日後の患者84人と健常者36人について、

複数の認知機能検査と睡眠ポリグラフ検査を行い関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・脳卒中患者の81.4%に認知障害、74.4%に睡眠時無呼吸症がみられた。

・脳卒中患者はとくに注意力、作業記憶、実行機能が劣っていた。

・睡眠時無呼吸症は 50.0 vs. 80.0% で認知障害のある患者におおかった。

・またトータルの睡眠時間は 435 vs. 347分 で認知障害患者が短かった。

・教育期間、睡眠時間、血中酸素飽和度の最低値 が認知障害のリスク要因だった。
軽症脳卒中患者の認知障害は珍しくなかった。おもに注意力、作業記憶、実行機能が低下した。そのリスク要因として短い睡眠時間と低酸素症の可能性が示された、


というおはなし。
図:軽症脳卒中の認知障害

感想:

今朝「理研が遺伝子操作でレム睡眠のないネズミを作ったら記憶力が悪かった」というニュースがあったので関心をもった。

2018年6月2日

慢性期脳卒中での日中の眠気の正体 Sci Rep.


Post-stroke insomnia in community-dwelling patients with chronic motor stroke: Physiological evidence and implications for stroke care
2018  5月  ドイツ

脳卒中患者の睡眠呼吸障害についての報告はおおい。しかし慢性期の脳卒中経験者について1日をとおした睡眠の質を測定した研究はとてもすくない。

そこで夜間の睡眠ポリグラフィー検査と日中の眠気をしらべる睡眠潜時反復検査(Multiple Sleep Latency Test)でくわしくしらべてみたそうな。


発症から1年以上経つ脳卒中経験者22人と年齢性別などが一致する一般の22人について調査したところ、


次のことがわかった。

・脳卒中経験者は夜 眠りにつくまでの時間が長く、ベッドの中で眠っている時間の比率(睡眠効率)も低かった。

・日中は脳卒中経験者のほうが覚醒効率は高く、夜間の睡眠不足を取り戻そうとする傾向はみられなかったが、

・代わりに日中の注意力スコアがあきらかに低かった。

慢性期の脳卒中経験者は睡眠効率がひくく不眠傾向がみられた。日中の覚醒効率は高いいっぽう注意力は低かった、


というおはなし。
図:脳卒中患者の日中の覚醒効率

感想:

日中ウトウトとしているのではなく、ボーッとしているってこと。

2018年5月23日

脳内出血の睡眠呼吸障害


Intracerebral hemorrhage and sleep-disordered breathing
2018  5月  アメリカ

脳卒中のあと 睡眠中に高頻度に低呼吸や無呼吸になる「睡眠呼吸障害」はめずらしくない。しかし脳内出血と睡眠呼吸障害との関連についての質の高い研究はほとんどないのでしらべてみたそうな。


平均年齢68、脳内出血のメキシコ系アメリカ人と白人の患者298人について、
発症後の呼吸イベント指数測定と、
発症前についての睡眠アンケートから

睡眠呼吸障害の有病率を推定したところ、


次のようになった。

・脳内出血から11日前後での睡眠呼吸障害は46.8%にみられた。この率は人種で差はなかった。

・脳内出血まえは36.6%が睡眠呼吸障害の高リスク群と考えられた。この率も人種で差はなかった。

脳内出血のあとおよそ半数の患者で睡眠呼吸障害が確認できた。また脳内出血まえは3分1が睡眠呼吸障害の高リスク群と推定された、


というおはなし。
図:脳内出血と睡眠呼吸障害

感想:

いびき録音アプリがあと10年早く普及していたら、ことの重大さに気づけていたかもしれない。

[睡眠 呼吸]の関連記事

2018年4月16日

周期性四肢運動は脳卒中患者におおいのか?


Periodic limb movements during sleep in stroke/TIA: Prevalence, course, and cardiovascular burden.
2018  4月  スイス

睡眠中に手や脚が何秒かおきにビクビクとうごく周期性四肢運動(PLMS)は、健康な成人でも28%が1時間に15回以上うごくという。

これまでPLMSが脳卒中患者でおおいという報告があるので、確かめるべく詳しくしらべてみたそうな。


脳梗塞またはTIAの患者の急性期と3ヶ月後に睡眠ポリグラフ検査および24時間の血圧モニターをおこない、PLMSの有無との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・255人の患者にたいし 急性期に169人分、3ヶ月後に191人分のポリグラフ検査を行い、162人の健常者と比較した。

・脳梗塞患者のPLMSの1時間あたりの回数は健常者とほとんどおなじだった。

・脳梗塞患者のPLMS指数は急性期と慢性期で変わらなかった。

・PLMSの関連要因は年齢、BMI、高血圧歴だった。

・PLMSの有無で血圧変動と脳血管損傷の程度に差はなかった。

周期性四肢運動の頻度は脳卒中患者と一般人で差がなかった。しかし高血圧との関連はつよく、降圧薬治療をうけていた患者に周期性四肢運動がおおい傾向がみられた、


というおはなし。
図:周期性四肢運動と降圧薬

感想:

ビクビクうごいても病気の症状ってわけじゃぁ ないんだな。

[周期性四肢運動 OR むずむず脚症候群]の関連記事

2017年6月15日

睡眠が8時間を超えると脳卒中経験者の生活動作が、、


Longer Sleep Linked to Poorer Daily Function After Stroke
2017  6月  アメリカ  

手段的日常生活動作能力(IADL)は、たとえば買い物や料理、お金の管理といった活動に要する能力を指し 認知機能的側面がつよい。

脳卒中経験者の睡眠時間とIADLとの関連をしらべてみたそうな。

先週の米国睡眠学会での発表。


平均年齢46の健診記録110万人ぶんの記録をつかって解析したところ、


次のことがわかった。

・脳卒中経験あり と申告した者の30%はIADLに問題を抱えていた。

・IADLに問題ありと答えた者の34%は睡眠時間が6時間以下だった。

・脳卒中経験者のうち 睡眠時間が8時間よりも長い者はIADLに問題を抱える率が1.97倍だった。

・脳卒中経験がない者でも睡眠時間が長いとIADLに問題をもつ傾向があった。

・どういうメカニズムかは不明。

脳卒中経験があって睡眠時間が長い者は手段的日常生活動作能力に問題がある可能性が高い、


というおはなし。
図:睡眠時間

感想:

好きなだけ眠らせてくれよ。
睡眠が6時間を切ると脳卒中経験者は死ぬ:米国睡眠学会

2017年6月7日

睡眠が6時間を切ると脳卒中経験者は死ぬ:米国睡眠学会


Short Sleep Linked to Death in Patients With Heart Disease, Stroke
2017  6月  アメリカ

睡眠時無呼吸症でなくても脳卒中など心血管疾患を経験した患者は不眠をうったえることがすくなくない。

睡眠時間調査は自己申告が多いが、こんかいポリグラフを使って客観的に睡眠時間を測定して脳卒中経験と死亡率との関連を調べてみたそうな。

今週の米国睡眠学会での発表。


1741人の男女を研究室によんで睡眠時間を測定した。

彼らの脳卒中経験の有無もしらべおよそ16年間の死亡率との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

脳卒中経験があるばあい 睡眠時間が6時間を下回ると死亡リスクは2.4倍だった、


というおはなし。

図:短時間睡眠と脳血管障害リスク


感想:

そういえば数日前、「睡眠不足が続くとミクログリアが脳を食い始める」って記事が話題になってたは。

2017年4月10日

夢を見て暴れるひとの脳卒中のなりやすさ


Probable REM sleep behavior disorder and risk of stroke
2017  4月  アメリカ

レム睡眠行動異常症(RBD)は睡眠中の夢のなかでの行動がそのまま手足の動きや寝言となってあらわれ、かたわらで寝ている相手を傷つけることさえある。
RBDとパーキンソン病、レビー小体認知症、多系統萎縮症とは関連があるとされている。

そこで 脳卒中との関連についてしらべてみたそうな。


平均年齢54、12000人の健常者にアンケートをとりRBDが疑われる者を割り出し、その後の脳卒中の有無を3年ほどフォローした結果、


次のようになった。

・この間に159件の脳卒中がおきた。

・RBDがあると脳卒中リスクは2.57倍になった。

・種類別では脳梗塞リスクが1.93倍、脳出血リスクでは6.61倍だった。

レム睡眠行動異常症があると脳卒中リスクが高かった、


というおはなし。
図:レム睡眠行動異常症の脳卒中リスク

感想:

夢の内容をよく覚えていることもRBDの特徴だという。

夢日記をつけはじめて3年以上たった。
夜中、夢を見たらすぐに書き記し 翌朝に読み返してその内容を思い出す。

世界がひろがったよ。

2017年3月8日

眠っている間にリハビリがすすむオフライン運動学習とは


Executive Function Is Associated With Off-Line Motor Learning in People With Chronic Stroke.
2017  3月  アメリカ

リハビリ訓練と訓練の合間に技能学習が進むことを "オフライン運動学習"といい、とくに睡眠でそのプロセスが促されることがわかっている。

どんな人でこの効果がでやすいのか実験してみたそうな。


慢性期脳卒中患者17人と健常者9人について、連続追跡課題を与え ポリグラフを着けてひと晩眠ったあとに再びその課題を行いオフライン運動学習効果を測定した。

さらに遂行機能を測る複数のテストをおこなった。


次のようになった。

・脳卒中グループで 遂行機能テスト(Trail-Making Test)スコアとオフライン運動学習効果との明らかな正の相関が見られた。

・健常者にはこの関連は見られなかった。

・注意力(attention)と状況変化への柔軟さ(set-shifting)についてのTrail-Making Testの結果をみるとオフライン運動学習効果が予測できた。

慢性期の脳卒中で遂行機能がすぐれている患者ほど オフライン運動学習の高い効果が期待できた、


というおはなし。

図:オフライン運動学習と遂行機能

感想:

眠っている間にリハビリがはかどる。なんて素敵なはなしだろうか。

5年前のこれ↓のつづきだね。
リハビリの合間のお昼寝は大切 → 訓練がはかどるゾ

2017年2月9日

若い脳卒中患者の不眠状況を1年間フォローした


The Course and Impact of Poststroke Insomnia in Stroke Survivors Aged 18 to 65 Years: Results from the Psychosocial Outcomes In StrokE (POISE) Study.
2017  2月  オーストラリア

脳卒中のあとの不眠症は患者の12-37%に起き、うつや自殺 復職に影響すると考えられている。

不眠症が時間的にどう推移するかの研究はおおくない。そこで労働年齢に限定してしらべてみたそうな。


65歳未満の脳卒中患者441人について、発症後28日、6ヶ月、12ヶ月の不眠、うつ、不安、復職状況を調査したところ、


次のようになった。

・いずれの時点でも不眠症は30-37%の患者に見られ、女性におおかった。

・16%は1年をとおして慢性的な不眠症だった。

・このグループはうつ、不安、なんらかの障害や復職できない者がおおかった。

若年脳卒中患者の慢性的な不眠は 1年後の障害 復職状況に影響した。不眠対策が機能回復の助けになるかもしれない、


というおはなし。

図:不眠症と復職 脳卒中のあと

感想:

睡眠だけは困ったことがないので不眠には共感ができない。

2016年12月11日

起床時脳卒中と日中の過度な眠気は関係あるのか


Wake-up stroke: Clinical characteristics, sedentary lifestyle, and daytime sleepiness.
2016  10月  ブラジル

睡眠からさめたときに異常に気づく脳卒中(起床時脳卒中)では その発症時刻を正確に知ることができないため血栓溶解治療の適応にならない。

睡眠障害が脳卒中リスク要因であることから、日中の過度な眠気と起床時脳卒中との関連を調べてみたそうな。


32-80歳の脳梗塞患者70人について調査したところ、


次のことがわかった。

・24.3%が起床時脳卒中だった。

・起床時脳卒中には糖尿病、座りっぱなしの生活習慣の患者が多かった。

・日中の過度な眠気は全体の20%にみられた。

・起床時脳卒中グループとそうでないグループとで脳卒中の重症度や日中の過度な眠気に差はなかった。

・日中の過度な眠気の患者には若年者と座りっぱなしの生活習慣の患者が多かった。

起床時脳卒中は脳卒中患者の25%にみられた。起床時脳卒中には糖尿病、座りっぱなしの生活習慣の患者がおおかった。日中の過度な眠気と起床時脳卒中は関係なさそうだった、


というおはなし。
図:起床時脳卒中患者の特徴

感想:

かるい糖質制限をはじめて約1年 日中の眠気が劇的に減ったのでこれに関心をもった。
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ランセット誌:塩分減らすとかえって脳卒中になる
オナニーがきっかけで脳出血になる割合
手の痙縮を解く低周波治療器の効果的使用法が判明!
睡眠8時間を超える人は問答無用で脳卒中リスク46%増し
カップラーメンを週2回以上食べる女性が脳卒中になりやすい理由について
怒りと脳卒中との関連が明らかに
難しい理屈はいいからスクワットをやれ
1日に6000歩以上で脳卒中の再発予防になることを日本の研究者が解明
脳出血で損傷した脳が勝手に再生する可能性について

脳卒中患者がネットを使いこなす理由
若年脳卒中患者は脳の老化が10-20年進んでいた
マルチビタミンの脳卒中予防効果は〇〇年後に現れる
最新の音楽療法 バイノウラルビート (Binaural Beat)
脳卒中になりやすい労働時間がわかった ランセット誌
脳卒中が軽症だからって運転させていいの?
健康のために毎日いっしょけんめい運動するとかえって脳卒中になりやすいことが100万人の調査で明らかに
足をクロスしていたら半側空間無視 確定か?
療法士さんよりもビデオゲームの方が優れていると判明!
両手準備運動をすると脳が刺激されて上肢リハビリが加速することが判明!

心を改め運動を始めるだけで脳の可塑性は復活する
知らない音楽を聴くと脳が広く活動して新しい回路が、
なんとか復職しても仕事は続けられるのだろうか?
NEJM誌:脳卒中で死なない血圧は120未満だからね
脳卒中の言語障害はウェルニッケやブローカのせいではなかった!
手の指を繰り返し動かしてあげても脳への影響はゼロ
片足立ち20秒未満 →小さな脳梗塞や脳出血の可能性高!
[住みやすい国] 日本の脳卒中と自殺との関連について
再発予防のために血圧を120以下にすると長生きできない
【いますぐ実践】片鼻呼吸法で失語症が改善することが明らかに

悪玉善玉比L/Hが低いと脳内出血で死ぬことが明らかに
鼻炎のメリット→脳梗塞予防効果
脳卒中 幹細胞治療のダークサイドについて
ランセット誌:握力よわくなったら脳卒中が近いと知りなさい
だいたい5年後に脳卒中経験者が悩んでいること
ハゲを治そうとして脳卒中になってしまった日本人2例
退院したての元患者が感じていること
麻痺側の触覚を刺激し続けると梗塞を最小限にできる可能性について
脳卒中経験者は自動車運転をナメきっていることが判明
減塩に真面目な人ほど脳卒中で死亡するという事実

納豆を食べると脳卒中で死なない 2万9千人調査
NEJM誌:幹細胞ツアーに参加したら癌ができた
脳梗塞から脳出血へ コレステロールとの関連が明らかに
脳出血で死なないための睡眠時間が判明!
音楽サポート療法の「音楽」はほんとうに必要なのか?
患者に毎日好きな音楽を聴かせたところ、脳に構造改革が起きた模様
感情失禁になる患者の割合について
脳の可塑性のおかげで2年経っても運動機能が回復することが判明
【悲報】脳卒中後、杖を使い続けると麻痺していない手まで動かなくなる
血圧が高いひとは、他人の気持ちがわからない

生活習慣を改めれば脳卒中の再発は防げるの?
カニ歩きと後ろ歩き 片麻痺リハビリに効果的なのは、、
鍼治療の「得気」は小脳のはたらきだった
脳梗塞実績No.1漢方薬 → ほようかんごとう
閉じ込め症候群の患者にあえて生活の質を問うてみた結果、、
砂糖の代わりに甘味料を使うと脳梗塞がさらにひどくなることが判明
ダメージを負った脳組織が勝手に再生する仕組みが明らかに
指ストレッチはいいらしいから さっそくこのビデオで実践することにした
【肥満パラドックス】脳梗塞で長生きするBMIが判明
リハビリの合間のお昼寝は大切 → 訓練がはかどるゾ

刺激豊富な環境で脳梗塞が治る理由
猫を飼う女性は脳卒中で死なないことが判明!
美容院で脳卒中になる女性が続出!
「ストレスが原因」と語る脳卒中患者ほど実はなにもわかっていない
傷ついた脳に効くBDNFが増えるサプリメントが明らかに
運転リハビリに良さそうなおすすめドライブゲーム
【アロマテラピー】ラベンダーの香りが脳梗塞にすごく効く
脳卒中後の疲労感は 只の疲労とはわけが違う
脳卒中がきっかけでホモになることがあるらしい
ダイエットコーラを毎日飲むと脳卒中になることが判明

高コレステロールに朗報 葉酸サプリの脳卒中予防効果
BDNFが7年かけて脳を修復してくれるという根拠について
朝ごはんを食べない日本人は脳内出血になることが判明!
脳卒中予防に最適なビタミンBサプリメントの組み合わせがわかった!
脳卒中経験者の血圧を十分に下げたら死亡者が続出した
痙縮が治る ただの風呂と温泉を比較した
歩きスマホが脳卒中患者のリハビリに適しているという根拠について
磁気嵐が脳卒中を引き起こす と判明!
リハビリは動かせばイイってもんじゃぁない. 本人がやる気になるまで待て.
『足首を鍛えたいのに麻痺して動かないの』→『もう一方の足を鍛えなさい』