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2016年2月28日

Wii vs CI療法 上肢と心肺機能を鍛えられるのはどっち?

元
Cardiovascular fitness is improved post-stroke with upper-limb Wii-based Movement Therapy but not dose-matched constraint therapy.
2016  2月  オーストラリア

脳卒中をやると心肺持久力が健常者の半分になると言われている一方、この問題は見過ごされることが多い。

そこで、上肢リハビリ法の種類によって心臓血管反応が異なるものか調べてみたそうな。


脳卒中患者46人を次のグループに分け、

*Wiiを使った上肢リハビリ
*CI療法

訓練中の心拍数、歩数および 訓練終了後の上肢機能、6分間歩行テストの結果を比較したところ、


次のことがわかった。

・両グループともに上肢機能が改善した。

・最高心拍数はWiiグループで33%増加し、心拍回復速度は40%速くなった。

・CI療法グループでは最高心拍数が高く心拍回復速度も速かったが、向上はなかった。

・訓練中の歩数はWiiテニス時で88%、Wiiボクシング時では21%増加したが、

・CI療法ではほとんど動いていない状態のままだった。

・6分間歩行距離はWiiグループで8%、CI療法グループで4%延びた。

・Wiiを使った上肢リハビリは心肺機能に明らかな改善があった。

・一方 CI療法は心臓血管系に対し強いストレスになっていただけだった。


Wiiリハビリなら上肢と心肺機能を同時に改善することができる、


というおはなし。

写真:Wiiリハビリ

感想:

CI療法は新たな治療法の引き立て役としての不動の地位を確立した感。

これ↓思い出した。
Wiiリハビリの効果をCI療法と比較してみた

2011年1月6日

両側上肢トレーニング vs CI療法 ← 脳機能イメージングで勝負

元

Brain Reorganization after Bilateral Arm Training and Distributed Constraint-induced Therapy in Stroke Patients: A Preliminary Functional Magnetic Resonance Imaging Study.
2010 11月 台湾



両側上肢トレーニングとCI療法は慢性期脳卒中患者の
上肢機能改善に効果的であると言われている。

その効果を脳機能イメージング技術fMRIを使って
確認したそうな。


6人の脳卒中患者について、
両側上肢トレーニング、CI療法に分けて3週間、
それを受けさせる。



各運動療法を受ける前と後とで特定の上肢運動に伴うfMRIを比較観察した。



その結果、

どちらの場合も、
治療後の脳の活動領域は両半球にわたり広く増加していた。


しかし、肘を動かす運動については

両側上肢トレーニングでは小脳に広く活動領域が現れる一方、

CI療法では小脳での働きが激減した。

CI療法のファンクショナルMRI
左:CI療法前、 右:CI療法後


どちらが良い悪いということではなく、

いずれの療法も脳の可塑性を促し かつ、

その療法独自の脳への働きかけが行われていること

を確認することができた世界初の例である、

という話。

2015年9月6日

Wiiリハビリの効果をCI療法と比較してみた

元
The efficacy of Wii-based Movement Therapy for upper limb rehabilitation in the chronic poststroke period: a randomized controlled trial.
2015  9月  オーストラリア

WiiリハビリとCI療法の効果を比較してみたそうな。


発症から2-46ヶ月の脳卒中患者41人を次の2グループに分けた。

*Wiiリハビリ
*CI療法

14日間の治療の効果を比較したところ、


次のことがわかった。

・両グループともにいずれの時点でも有意な差はなく、上肢機能は改善し、その効果は6ヶ月後も持続した。

・Wolf Motor Function Testの課題遂行時間は、Wiiリハで2.1→1.7秒、CI療法で2.6→2.3秒に短縮した。

・上肢使用頻度の動作の質は、Wiiリハで67.7→102.4、CI療法で64.1→93.0に改善した。

・患者の好み、支持、持続性は、CI療法よりもWiiリハビリが高かった。


Wiiを使った上肢リハビリの効果はCI療法に匹敵し、患者の受け入れ度はCI療法よりも高かった、


というおはなし。
図:WiiとCI療法の比較


感想:

コストも考えたらWiiの圧勝だな。

2011年6月8日

CI療法が適している患者は、実は ほとんどいないことが判明

元
Recovery of upper extremity motor function post stroke with regard to eligibility for constraint-induced movement therapy.
2011 6月 ノルウェー

CI療法に適した患者がはたしてどの程度居るのか、
発症時期別に調べたそうな。


発症後1~2週間以内の 脳卒中で上肢麻痺の患者100人について、
4週間後、3ヶ月後までの上肢機能を評価して
CI療法の適否を判定した。

この間、通常のリハビリを受けさせた。

ちなみに、CI療法の適応基準は


・認知機能に問題がない。

・病状が安定している。

・手首と3指が外に10度以上開く。
である。


結果、

・100人のうち54人は主に認知機能の問題のため除外された。

・残りの46人のうち25人は手首、指が開かない、
もしくは既に充分に回復しているため除外された。

・結局、発症後1~2週間の時点でのCI療法適合者は21人であった。

・この人数は回復者の増加により、4週間後には14人に減った。

・3ヶ月後にはCI療法適合者は7人のみであった。

CI療法を用いなくても通常のリハビリでほとんど事足りることがわかった。


特に 発症から4週間以内の回復過程は重要なので、
CI療法のような効果の実証されていないものを受けさせてはいかん!


というおはなし。



感想:

6ヶ月以上のもっと長いスパンでみると、
CI療法の適応になりうる者は おそらく100人中1人を下回るのではないか、と考える。

思っていた通りではあるけれど、
わざわざ それを調べて明らかにすることからして、
この研究は おそらくCI療法に良い見解をもっていない人たちの仕業である、

と考えてしまう…

2014年4月11日

下肢のCI療法を試してみた

元
Modified constraint-induced therapy for the lower extremity in elderly persons with chronic stroke: single-subject experimental design study.
2014  4月  スウェーデン

上肢のCI療法はよく研究されているけれど、下肢のCI療法の研究はほとんどない。

そこで 実験してみたそうな。


高齢の慢性期脳卒中患者3人(男2女1)について、下肢のCI療法を1回2時間x週5日x4週間行いその効果測定を3ヶ月間フォローした。

下肢CI療法は、健側の脚全体を装具で固めて使えないようにし、麻痺脚のみを集中的に訓練した。


次のようになった。

・複数の評価項目の半分以上で著しい改善を示した。

・それらの効果が3ヶ月後も持続していた。


下肢のCI療法はバランス、歩行機能の改善に効果的かも知れない、



というおはなし。

図:下肢のCI療法


感想:

上肢CI療法の優れたところは、明らかに良くなりそうな患者のみを選別し、そうでない患者をぜったいに治療対象としないための基準を明確にした点にあると考える。

下肢の場合はいったいどのような表現で選別しているのか関心を持った。
読むと「補助なしで10メートル以上歩けること」が条件だった。

2015年10月18日

結局、CI療法ってどうなの?

元
Constraint-induced movement therapy for upper extremities in people with stroke.
2015  10月  イタリア

脳卒中後の上肢リハビリとしてのCI療法の効果をこれまでの研究から総括してみたそうな。(コクランレビュー)


関連する過去の研究を厳選して、データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被検者1453人を含む42件の研究が見つかった。

・各研究の被験者数は29人前後と少なく、どれもデータの偏りを除けなかった。

・11の研究では痙縮や疼痛などの障害がやや改善したが従来型リハビリに比べ有意な差ではなかった。

・28の研究でCI療法直後に 上肢の運動機能が有意にやや改善した。

・3つの研究では数カ月後までフォローしていたが、優れた効果はまったく観察されなかった。


CI療法直後に上肢に認められたわずかな運動機能の改善は、患者が実感できるようなものではなかった。長期的な効果を示す情報もほとんどなかった、


というおはなし。


感想:

CI療法は 指の曲げ伸ばしができる麻痺が極めて軽い患者「のみ」を対象にすることで 論文を量産して有名になった。

だから 重い麻痺の手が動くようになるとは まったく期待し難い。

唯一優れているのは、従来型リハビリがいったいなにを指すのか部外者には判りにくいなかで CI療法はその訓練内容が容易にイメージできる点にある。そこで ビデオゲームなど他のリハビリ法との比較対照にCI療法が採用されることがしばしばあり、とても理解がしやすくなる。
Wiiリハビリの効果をCI療法と比較してみた

課題指向型訓練 いくらやっても役には立たない

2011年8月18日

便利なCI療法 : tDCSに組み合わせてみた

元
Neurophysiological and Behavioral Effects of tDCS Combined With Constraint-Induced Movement Therapy in Poststroke Patients.
2011  7月  イタリア


tDCSの効果を検証するためにCI療法を組み合わせてみたそうな。



14人の慢性期脳卒中患者の上肢機能について、

tDCSは頭部の健常側に乾電池のマイナス極を、

病側にプラス極をくっつけた状態で

CI療法を施行した。



その結果、

CI療法単体でも効果はあるけれど、tDCSを組み合わせると

なお良さそうであることがわかった、


というおはなし。




感想:

効果の定かでない新興のリハビリ治療法に

CI療法を組み合わせるという例をよく目にする。



CI療法は、指をある程度開くことのできる

麻痺の非常に軽い患者のみを対象にした上肢トレーニング法である。


その適応審査段階で、改善の見込みが少しでも怪しい患者は

全て切り捨ててしまうため、

必ずトレーニング成果を観測することができるという高い安定性を誇っている。



それ故

rTMSやtDCSのような、研究途上の治療法に対して、

単純にCI療法と組み合わせるだけで

確実に一定の改善成果を得ることができるので、


論文作成のためのデータ収集手段として

CI療法が一時的に採用されることが多い、



と考える。

2026年5月18日

CI療法的な“片手しばり”は本当に有利なのか 両手訓練メタ解析の衝撃

元
2026  5月  台湾


脳卒中後には、手や手指など遠位上肢の麻痺がよくみられる。これは日常生活動作を大きく制限し、機能回復の妨げになる重要な問題である。

上肢リハビリでは、麻痺側の腕や手を集中的に使う片側訓練がよく行われてきた。一方で、左右の腕を同時に使う両側訓練も、脳卒中後の運動回復を促す方法として注目されている。

しかし、両側訓練がとくに手先の回復にどの程度有効なのか、またどのような患者や訓練条件で効果が出やすいのかは十分に整理されていなかった。そこで、脳卒中後の遠位上肢麻痺に対する両側訓練と片側訓練の効果を比較してみたそうな。

2026年4月26日

脳卒中リハビリ神話に一撃:発症早期に3倍訓練しても比例回復則は破れなかった

元
2026  3月  ニュージーランド


脳卒中のあと、麻痺した腕や手は、発症してから早い時期に大きく回復することがある。この回復には、リハビリだけでなく、脳そのものに備わった「自然に回復しようとする力」が大きく関わると考えられている。

しかし、発症早期にリハビリをたくさん行えば、この自然回復をさらに強められるのかは、まだよくわかっていない。そこで、発症2週間以内に、通常より多めで集中的な上肢リハビリを行うことで、腕や手の回復がより良くなるのかをくわしくしらべてみたそうな。

2025年6月3日

CI療法、それって本当に“リハビリ”ですか?

元
2025  5月  中国


脳卒中のあとに手がうまく動かなくなると、日常生活に大きな支障が出てしまう。多くの人がこの後遺症に悩んでいて、リハビリの工夫が求められている。

拘束誘導運動療法(CIMT)は、元気な手をあえて使わせず、麻痺側の手をできるだけ使わせる方法だが、負担が大きく、使える人が限られていた。

そこで、もう少し柔らかくした「改良型CIMT(m-CIMT)」が注目されている。これが本当に効果があるのかを、たくさんの研究をまとめて検証してみたそうな。

2012年12月1日

自宅でCI療法ができるハイテクゲームをオハイオ大学が開発

元
XBOX Kinect Helps with Stroke Rehabilitation
2012  11月  アメリカ


アメリカでは年間70万人の脳卒中患者が生まれ、

その多くがリハビリテーションを必要としている。

しかし、自宅で必要なリハビリができている患者はその3分の1程度にとどまる。



自宅での上肢リハビリを楽しいものにするために

オハイオ大学では5000万円あまりの費用を投入して

マイクロソフトのキネクトセンサーを応用したリハビリゲームを開発した。



このゲームを使うと軽症上肢麻痺患者向けのCI療法を自宅に居ながら実践できる。



病院に通ってリハビリを受ける場合、その時間は非常に限られるため、

麻痺した手は次第に使用されなくなる。


このゲームを使えば、自宅に居ながら

コンピュータが患者の身体の動きを解析し、

適切な運動方法をゲームプレイを通して促してくれるので、


従来の病院で受けるリハビリよりも大きな効果が期待できる。


しかも人件費が節約できるので

患者にとっても 病院経営にとってもハッピーである、



というおはなし。




感想:

考え方が合理的過ぎて身も蓋もないと思う。


わざわざ病院に通うのは、

寂しいから療法士さんにかまってもらいたい、

っていう理由もけっこうあると思う。



それで、

かまってもらったお礼に

しばし回復したかのように振る舞ってあげる。



こういう相互依存の関係があるから

CI療法でも成果がでるし、論文も書ける。



なのに

『CI療法の指導はコンピュータにやらせておけ』

『患者は家でゲームでもやっていろ』

と言うのは 

どこか ちょっと違う と思うんだよね。






補足:CI療法は指をある程度開くことのできる麻痺の非常に軽い患者のみを対象にした上肢トレーニング法である。

1日に数時間、麻痺していない手の動きを制限して2週間生活するだけで麻痺手の使用率を高めることができると信じられている。


2011年11月6日

fMRIとTMSでCI療法の効果を確認してみた

元

Functional MRI and motor behavioral changes obtained with constraint-induced movement therapy in chronic stroke.
2011  10月  オーストラリア




CI療法の効果をファンクショナルMRI(fMRI)で確認してみたそうな。


発症後3年前後の脳卒中患者11人について、

2週間のCI療法を施して、

その前後での感覚運動野の活動領域の大きさ、

脳から指先までの刺激の伝わるスピードを

それぞれfMRI、TMSを使って調べた。




結果は、

CI療法の後

ほとんどの患者で上肢の運動機能が向上した。


また、機能改善の著しい患者ほど感覚運動野の

活動領域が大きくなり(fMRI)、


脳から指先まで刺激の伝わる時間が短くなった(TMS)。



これらの結果は慢性期脳卒中患者の

運動機能回復の仕組みと関連があるに違いない、


というおはなし。






感想:

CI療法のみを行なっている点がすこしズルいと思った。


もし、比較のために通常のリハビリグループを用意したら、

きっと同じ結果が出ると思うんだよね。






※CI療法は、指をある程度開くことのできる麻痺の非常に軽い患者のみを対象にした上肢トレーニング法である。


その適応審査段階で、改善の見込みが少しでも怪しい患者を全て切り捨ててしまうため、ほぼ確実にトレーニング成果を観測することができるという非常に高い安定性を誇っている。



2019年5月27日

【結論】片手訓練と両手訓練

元
Comparison of bilateral and unilateral upper limb training in people with stroke- A systematic review and meta-analysis
2019  5月  中国

脳卒中の上肢麻痺のリハビリテーション方法として片手訓練(unilateral upper limb training)と両手訓練(bilateral upper limb training)がある。

片手訓練は麻痺側の手の課題指向型訓練が相当し、それをさらに集中的におこなうCI療法を含む。

いっぽう両手訓練は健常手とのカップリング効果を期待して麻痺手の改善をはかる方法である。

これまで片手訓練と両手訓練の効果をくらべたメタアナリシスがいくつかなされたが そのいずれもが片手訓練にCI療法を含んでいた。

CI療法は訓練量のおおさとスケジュールの緻密さにより患者の68%が訓練を完遂できず、恩恵をうけるのはわずか20-25%のみという。

さらにその適応基準は非常にきびしく、患者は手首を10度以上伸ばせて親指と他の指が開くことを事前要求される。

結果的にCI療法は軽度の麻痺患者のみが対象になってしまうことから、これをメタアナリシスに含むことはまったく適切ではないと考えられる。

そこでCI療法を除いて、片手訓練と両手訓練についてメタアナリシスをやりなおしてみたそうな。



CI療法をふくまない片手訓練および両手訓練のこれまでの研究を厳選し、データを統合 再解析して、

評価基準
Fugl-Meyer Assessment of Upper Extremity (FMA-UE),
Wolf Motor Function Test (WMFT),
Action Research Arm Test (ARAT)
Box and Block Test (BBT)

について効果を比較したところ、



次のようになった。

・被験者842人を含む21のランダム化比較試験がみつかった。

・片手訓練にくらべて両手訓練はFMA-UEスコアがあきらかに優れていた。

・しかしWMFTの完遂率および WMFT,ARAT,BBTの機能パフォーマンスの点では有意な差は確認できなかった。

両手訓練は運動機能FMA-UEの改善にあきらかに優れていた。しかし巧緻性をしめすWMFT,ARAT,BBTの点で片手訓練と有意な差はなかった、



というおはなし。
図:片手訓練と両手訓練のメタアナリシス



感想:

「CI療法は はじめからなかったことにしましょう」←著者が言いたいこと。

2013年5月2日

ボツリヌス療法とCI療法は上肢リハビリにほとんど役立たないことが判明

元
A meta-analysis evaluating the effectiveness of two different upper limb hemiparesis interventions on improving health-related quality of life following stroke.
2013  4月  イギリス

脳卒中患者の上肢麻痺治療法の効果を定量的に評価してみたそうな。


ボツリヌス療法とCI療法について信頼の置ける研究を厳選して、そのデータを統合、再解析した結果、

次のようになった。

・ボツリヌス療法2件の研究データからは健康関連QOLについて意味のある改善結果は得られなかった。

・CI療法4件の研究データからも日常生活、手の機能いずれについても明らかな改善が見られなかった。

・他の側面(可動性、やる気、社会参加など)についても同様に目立った効果はなかった。


ボツリヌス療法やCI療法をいくらやっても生活で実感できるレベルの改善は得られないことがわかった、

というおはなし。





感想:

業界の空気を読めない研究者がときどきこういうことを言い出す。

非常識だ、まったくけしからんと思う。

2012年5月11日

【決着】 CI療法(片手訓練) vs 両手訓練

元
Is modified constraint-induced movement therapy more effective than bimanual training in improving upper arm motor function in the subacute phase post stroke? A randomized controlled trial.
2012  5月  ノルウェー



脳卒中患者へのCI療法と両手を使った訓練との

効果の比較をしてみたそうな。



発症後2-16週間の脳卒中患者30人を

・CI療法(片手訓練)グループ

・両手訓練グループ

に分けた。


療法士による週4時間の訓練を4週間続け、

その後、毎日2-3時間の自己訓練を課した。




CI療法グループでは訓練時間中、健常側の手にミット(デカ手袋)を着け

麻痺手のみを使用するよう強制した。




訓練後の回復程度を複数の評価方法でスコア化して比較した結果、


両グループで回復程度に明らかな違いは見られなかった。


両手訓練はCI療法と同程度に有効であり、

わざわざ手にミットをはめる必要は無いことがわかった、


というおはなし。





感想:

自分の経験上、

麻痺手を動かそうとするときには

必ずしも意識的ではないけれど、

健常な側の手の状態、感覚を常に参照し、

心で見比べながら麻痺側の動きを修正している

という強い確信がある。


こういうときに腕を釣られ、ミットも被せられていると、

これはもう ストレスの原因にしかならないんじゃないか...

と考える。






補足:CI療法は、指をある程度開くことのできる麻痺の非常に軽い患者のみを対象にした上肢トレーニング法である。

その適応審査段階で、改善の見込みが少しでも怪しい患者を全て切り捨ててしまうため、ほぼ確実にトレーニング成果を観測できるという特長もある。


2010年8月14日

CI療法に疲れたので磁気刺激療法を組み合わせてみた

元
Recovery of upper-limb function due to enhanced use-dependent plasticity in chronic stroke patients.
2010 8月 日本(兵庫)


脳卒中後の上肢リハビリへの

・CI療法
・経頭蓋磁気刺激(TMS)療法
・両者の組み合わせ

の効果を調べてみたそうな。




その結果、

CI療法、磁気刺激療法単体では効果は小さかったけれど

CI療法と磁気刺激治療法を組み合わせたところ、

すっごい改善効果が得られましたっ!!!、という内容。



慈恵医科大学のそれと同じで、
TMSとCIのハイブリッド戦略。




でも相変わらず、
被験者として、既に手指をグーパーできるほどに動かすことのできる
やる気まんまんの脳卒中経験者を事前に厳選しているんだろうな…
と思った。







関連記事:

脳卒中ガイドライン2009にみるCI療法

驚き!:磁気刺激治療(TMS)の適応基準

2011年1月14日

【残念】CI療法にはまったく効果の無いことが判明

元

Constraint-induced movement therapy in stroke patients: systematic review and meta-analysis.
2010 12月 イタリア



CI療法はこれまで 脳卒中患者の麻痺した上肢機能を
改善させる効果のある治療法として総括されてきた。


最新の研究成果を加えて 改めて、CI療法の効果について
検証してみたそうな。



信頼の置けそうな研究のみを厳選し、
新たに4つの研究成果を加え合計18件の内容を調べ直した。



その結果、
CI療法は上肢麻痺の改善と運動機能向上の
いずれについても効果がないことがわかった。




ほとんどの研究が規模の小さい偏りのある内容のため、
これまでの評判とは大きく食い違う残念な結果となった。


もっと大規模なちゃんとした研究をしないと
CI療法の信頼は得られないでしょう、

という内容。



あぁ 期待していたのに  ホント残念でならない… (ToT)

2011年2月9日

こんどこそ本当に効果があるかも 失語症向けCI療法

元

Neuroscience insights improve neurorehabilitation of poststroke aphasia.
2011 2月 スペイン



失語症リハビリへの新たなアプローチとして
CI療法が有効である、という内容。



失語症のCI療法とはなんぞや、
と思って検索してみた。


以下、

Constraint-Induced Language Therapy for Aphasia
2010 12月


より



CI療法は通常、上肢機能の改善に用いられ、

a)麻痺手の動作を補償しないように健常側の手を束縛する。

b)麻痺手を強制的に使用させる。

c)たくさん練習させる。

という特徴がある。



失語症対策になるとこれらが、

a)ジェスチャーや絵、文字を描くことを禁止する。

b)話すことによってのみコミュニケーションを取る。

c)1日あたり2-4時間、みっちりと練習させる。

ことを意味するそうな。



上肢向けCI療法は、急性期の患者には害になることが
わかっているので、失語症患者への適用も慎重にね、

ということらしい。


写真:私は失語症

2020年2月21日

「リマインド・トゥ・ムーブ」が上肢の運動野を活性化

元
"Remind-to-Move" Treatment Enhanced Activation of the Primary Motor Cortex in Patients with Stroke
2020  2月  香港

脳卒中経験者の70%には半身になんらかの麻痺が残る。その結果、たとえば健常なほうの手ばかりを使って麻痺側の手の使用頻度が低下する。これを「学習された不使用」とよぶ。

この対策としてCI療法があるが、CI療法ではすでに手を開いたり閉じたりできるハイパフォーマンスな患者しか対象とならない。さらに1日6時間以上 健常手を束縛する厳しさから完遂できる患者がきわめて限られる。

CI療法の代わりとしての "Remind-to-Move" (リマインド・トゥ・ムーブ:RTM)の報告がいくつかある。RTMでは麻痺手に着けたデバイスが視覚メッセージとバイブレーションで手を使うことを思い起こさせてくれる。

RTMでは健常手を抑制する必要がないもののCI療法と同レベルの効果が得られているという報告もある。

さらに振動刺激が体性感覚野を活性化する効果、運動準備のための注意をうながし背外側前頭前野の活動を高める効果も期待される。

そこで、RTMによる脳皮質の活動を脳卒中患者と健常者で比べてみたそうな。

2017年8月2日

リハビリにクロスエデュケーションを使うべき理由

元
Clinician perspectives on cross-education in stroke rehabilitation.
2017  7月  カナダ

脳卒中患者のおおくが上肢に麻痺をのこして生活の質の低下に悩んでいる。

これにたいして CI療法や電気刺激、メンタルイメージ、バーチャルリアリティー、ミラーセラピー、ロボティクスなどの治療法が提唱されてはいるが、どれも制限がおおく適応になる者はわずかである。

たとえば CI療法では手首が20度 指が10度以上開くことのできる患者以外は相手にされない。

さいきん、片方の手で訓練した成果がもういっぽうの手に移る「クロスエデュケーション」が重度の上肢麻痺患者にも耐えうる治療法として注目されている。いくつかの研究では健常者よりも脳卒中患者でよりおおきなクロスエデュケーション効果を得られることもわかってきた。

そこでクロスエデュケーションをリハビリ現場にもちこむにあたって何が問題になりそうかをセラピストたちに議論させてみたそうな。


救急病院やリハビリ病院から経験年数0-30年の作業療法士23人、理学療法士2人をあつめて、

*従来の上肢麻痺患者のリハビリ訓練法
*クロスエデュケーションの理解
*クロスエデュケーションの可能性と問題点
について議論させ、その内容を定性的に分析した。


次のようになった。

・全体をとおして浮かび上がったテーマは「受け入れがたいけど有望」である。

・これには3つの段階があって、
(1)従来のリハビリは麻痺手を強制使用させる考え方にもとづいている。
(2)麻痺が重度で強制しようのない患者には従来法は無力である。
(3)クロスエデュケーションは従来法に簡単に追加できる。
・健常な手を訓練するクロスエデュケーションについて患者や家族、医療関係者に理解を得るための資料が必要と考えられた。

麻痺手のために健常手を訓練するクロスエデュケーションは重症麻痺の患者に適している。従来法を置き換えるものではなく補助的な治療法である。一見して従来法とは矛盾した考え方がもとになっているため関係者の理解を促す資料が必要だろう、


というおはなし。

図:クロスエデュケーションをリハビリで使うには

感想:

クロスエデュケーション研究には120年の歴史がある。その効果はたぶん本物なんだろう。

ならば、健常な手に袋をかぶせて2週間使えない状態にするCI療法はクロスエデュケーション的には最凶最悪の治療法といえるだろう。共存はむりだな。

[クロスエデュケーション OR 両側性転移]の関連記事

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