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2017年12月1日

仕事の運動量と脳卒中リスクについて


Association of Physical Activity With Risk of Major Cardiovascular Diseases in Chinese Men and Women.
2017  11月  中国

身体活動は脳卒中など心血管疾患の予防に重要である。
この数十年間で仕事やライフスタイルの変化から身体活動量は世界的に低下してきている。

身体活動量と心血管疾患の研究のおおくは先進国を対象にしたものなので 中国で大規模に調査してみたそうな。


中国の都市部と農村部の10地域から、平均年齢51、35-79歳で健康な男女487334人を抽出して身体活動量をしらべ7年半フォローしたところ、


次のことがわかった。
・この間に脳梗塞25647件、脳内出血5252件、心血管疾患死亡8437件があった。

・身体活動量の平均は1日たり21.5MET-hで、仕事由来の割合は男性で75% 女性では50%だった。

・トータルの身体活動量がおおいと心血管疾患リスクは最大で33%低下した。

・身体活動量が1日あたり4MET-h(早足の1時間歩行に相当)ふえると心血管疾患リスクは6%低下し、脳梗塞 脳内出血 死亡リスク別にみても5-12%低下した。

・これらの関連の強さは 身体活動が仕事や余暇時間のものであってもおなじだった。

・ただし仕事由来の身体活動量が1日あたり20MET-hを超えると脳内出血にかんしてはその関連が弱くなった。

中国では仕事や余暇の身体活動量がおおいほど脳卒中など心血管疾患のリスクがあきらかに低かった、


というおはなし。
図:身体活動量と脳内出血リスク

感想:

椅子のないオフィスが流行ってるみたいだけど、エアロバイクつきのデスクにして発電と仕事を同時にさせれば脳卒中予防にもいいし一石三鳥。
ランセット誌:通勤や家事は脳卒中予防にならないの?

2017年11月27日

脳卒中リスク要因ランキング


Prevalence of stroke and associated risk factors among middle-aged and older farmers in western China.
2017  11月  中国

中国では経済や社会の急速な発展とライフスタイルの西洋化にともない脳卒中も増え、いまでは年間10万人あたり157人が発症し 160万人が死亡している。

中国での脳卒中リスク要因をしらべてみたそうな。


中国西部の陝西省、四川省の40歳以上の農民20525人に面談して病歴、高血圧、肥満、脳卒中家族歴、を調査したところ、


次のことがわかった。

・中国西部の中高年農民の脳卒中罹患率は10万人あたり1380人だった。

・高血圧や脳卒中の家族歴は男性におおく、

・年齢、性別、高血圧、肥満、脳卒中の家族歴はあきらかに脳卒中のリスク要因であり、

・そのオッズ比は、脳卒中の家族歴7.177、肥満4.389、高血圧3.647の順だった。

中国西部の中高年では脳卒中の家族歴がもっとも強い脳卒中のリスク要因だった、


というおはなし。
図:脳卒中のリスク要因第一位は家族歴

感想:

政治家の世襲もFamily historyといえるな。

2017年11月15日

退院後の栄養不良と予後


Malnutrition Increases the Incidence of Death, Cardiovascular Events, and Infections in Patients with Stroke after Rehabilitation.
2017  11月  日本

脳卒中は死亡率が低下傾向にあるものの 日本では依然として死亡原因の第4位である。

脳卒中の急性期に栄養不良の患者は予後がよくなといわれている。いっぽう栄養不良は急性期よりもリハビリ期におおくなるが、予後への影響はよくわかっていない。

そこで脳卒中患者のリハビリ退院直後の栄養状態と死亡 再発 感染症との関連をしらべてみたそうな。


平均年齢64の高齢脳卒中患者138人についてリハビリ退院直後の栄養状態を "geriatric nutritional risk index"(GNRI)で評価した。

GNRIは体重、身長、血清アルブミン値だけで栄養評価できる指標で 次式で与えられる。
GNRI = [14.89×アルブミン値(g/dL)] + [41.7×(体重/標準BMIに相当する理想体重)]
GNRIが96以下を栄養不良とし、1年間フォローしたところ、


次のことがわかった。

・退院直後の平均GNRIは98.8で、

・患者の27%が栄養不良状態にあった。

・1年間の総死亡率は1%、心血管疾患再発率15%、感染症率15%で、

・これらはGNRIが96以下の患者であきらかに高かった。

リハビリ退院したあとであっても 栄養不良は予後がよくない要因だった、


というおはなし。
図:脳卒中患者の栄養不良と再発

感想:

もともとやせ気味なのに退院した直後は3キロちかく体重減っていた。食事はおいしかったけど量がすくなかった。隣のベッドに配膳された天ぷらそばをこっそり食べてしまいたい衝動に耐えるのがキツかった思い出。

いまにして思うと我慢せずに 売店でパンやおにぎりでも買って食べればよかったとおもう。

2017年10月28日

二重課題と前頭前皮質 脳卒中患者のばあい


Prefrontal cortex activation during a dual task in patients with stroke.
2017  10月  日本

身体運動と認知活動を同時におこなう二重課題では いずれかもしくは両方の課題パフォーマンスが低下する。
脳卒中患者ではこれが転倒の原因になりうる。

二重課題には前頭前皮質がつよく関係していることが報告されているので、脳卒中患者について二重課題中の前頭前皮質の活動と各課題パフォーマンスとの関連についてしらべてみたそうな。


脳卒中患者14人と健常者14人について、二重課題時の前頭前皮質の活動をマルチチャンネルの近赤外線センサーを装着しながら測定した。

歩行課題と連続引き算課題を単一もしくは二重で与えたときの 歩行加速度と引き算精度から各パフォーマンス変化を評価した。


次のようになった。

・二重課題時のパフォーマンス低下度はいずれの課題も脳卒中患者であきらかにおおきかった。

・二重課題時の前頭前皮質の活動も脳卒中患者が弱かった。

・右の前頭前皮質の活動が脳卒中患者の身体活動パフォーマンスに関連するいっぽう、

・左の前頭前皮質は健常者の認知機能パフォーマンスに関連していた。

重課題時に前頭前皮質が優先する課題の種類は脳卒中患者と健常者で異なっていた、


というおはなし。
図:近赤外線スペクトロメータ

感想:

運転しながら音楽聴いたり会話する余裕がでてきたよ さいきん。
二重課題で歩行能力アップ

歩きながら考え事すると脳はどうなるの?

2017年10月22日

親が長命だと生活習慣によらず脳卒中にならない?


Effect of Exceptional Parental Longevity and Lifestyle Factors on Prevalence of Cardiovascular Disease in Offspring.
2017  10月  アメリカ

両親が長命だった者が脳卒中や心血管疾患にかかる率はあきらかに低いことがわかっている。

この関係がまったくの遺伝によるものなのか、それともライフスタイルも影響したものなのか はあきらかになっていないのでしらべてみたそうな。


65-94歳のアシュケナージ系ユダヤ人を対象にして、
すくなくとも両親のいずれかが95歳以上生きた395人と、
両親共に94歳以下までだった450人のグループにわけた。

脳卒中など心血管疾患の有無および社会経済的地位、身体活動、食習慣についてのアンケートをおこない関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・肥満、喫煙、飲酒、身体活動、社会階層、食事内容のいずれもグループ間で差はなかった。

・親が長命だったグループでは高血圧が29%、脳卒中が65%、心血管疾患が35%少なかった。

95歳以上まで長生きした者の子どもはライフスタイルや社会階層、栄養状態によらず脳卒中や心血管疾患が少なかった。彼らの長寿遺伝子が病気予防におおきく影響しているのかも、


というおはなし。
図:長寿

感想:

家系に脳卒中おおいから小学生のころから覚悟はしていたよ。

2017年10月20日

3年後の手の回復程度


Patient reported outcomes of hand function three years after stroke.
2017  10月  オランダ

脳卒中を発症するとおよそ80%の患者の手の機能に問題が生じる。そして3ヶ月後 20%の患者は程度の差はあっても手の機能になんらかの問題がのこると考えられている。

手の機能評価には多くの側面からのアプローチが必要になる。
こんかい Michigan Hand Outcomes Questionnaire (MHQ)アンケートをもちいて発症後3年ほどの脳卒中患者の「手の回復度」についてしらべてみたそうな。


発症から2-5年(平均36ヶ月)の脳卒中患者576人にMHQアンケート用紙を送った。

MHQは手に関する6つのドメイン(機能、日常生活動作、仕事、疼痛、外見、満足度)からなり各100満点で57の質問がある。


次のようになった。

・36%から回答があり、非回答者との年齢(平均63.8)や性別の差はなかった。

・MHQの総合スコアの中央値は79.9、

・各ドメインのスコアは、機能75.0、日常生活動作90.5、仕事85.0、疼痛100(痛みなし)、外見93.8、満足度83.3 だった。

・もともと重症だった者や小脳 脳幹以外の脳卒中、低教育歴の者でMHQスコアが低かった。

発症からおよそ3年後の脳卒中患者についてMHQアンケートで手の回復度を複数の側面から評価できた。手の見た目の「美しさ」や機能上の「満足度」はおもいのほか重要と考えられた、


というおはなし。
図:脳卒中から3年後の手の回復

感想:

低教育歴でスコアが低いのは、関連情報に乏しくて現状を良しとするべきか判断がつかないからなんだろな。

2017年9月22日

活動的だったひとの脳卒中予後は


Pre-stroke physical activity is associated with fewer post-stroke complications, lower mortality, and a better long-term outcome.
2017  9月  台湾

定期的で適度な運動は脳卒中予防になる。しかしそういった運動習慣が脳卒中のあとにおよぼす影響についての研究はすくない。

そこで、4万人ぶんの脳卒中患者データベースをつかって発症前の運動習慣と脳卒中後の合併症、長期的回復度との関連をしらべてみたそうな。


2006-2009の脳卒中患者39835人の記録を解析した。

仕事や家事 通勤をのぞいた余暇時間に、積極的な身体活動を 1回30分間x週3回x6ヶ月以上継続していた者を「活動的」と定義した。


次のことがわかった。

・活動的か否かで年齢や脳卒中の種類にかたよりはなかった。

・活動的だった患者は入院時の神経症状が軽く、

・合併症も少なく院内死亡率も低くかった。ただしICU滞在期間に差はなかった。

・1,3,6ヶ月後の機能的回復度も活動的だった患者があきらかに高かった。

脳卒中前に余暇時間を活動的に過ごしていた患者は性別によらず症状が軽く合併症も少なく、低死亡率で6ヶ月後の回復も良好だった、


というおはなし。
図:余暇時間を活動的にすごす

感想:

どうして労働時間の活動を含めないのかな?
仕事だけでクタクタなのにわざわざ運動しようと考える意識の高さが気持ちわるい。

出勤まえに皇居をジョギングするような人間にだけはなるまいと思っていたら脳が血を吹いてこのありさま。

2017年9月7日

脳卒中後のがんは6ヶ月以内にみつかりすでに手遅れ


ESMO 2017 Press Release: Some Stroke Survivors May Have Underlying Cancer
2017  9月  スペイン

脳卒中患者の検死解剖からがんがみつかることがあり その関連が指摘されている。

そこで 脳卒中とがんの関連をしらべてみたそうな。
今週の欧州臨床腫瘍学会でのプレスリリースから。


脳卒中患者381人についてがんの発生を18ヶ月間フォローしたところ、


次のことがわかった。
・脳卒中患者の7.6%が がんと診断され そのおおくが大腸がん、肺がん、前立腺がんで、一般人のがん発生率4.5%よりも高かった。

・がんが見つかるまでの平均期間は6ヶ月で、がんがみつかったうちの62%の患者は転移もしくは進行した状態だった。

・76歳より高齢、フィブリノゲンが高い、ヘモグロビンが低い、が がんと関連していた。

脳卒中経験者のがん発生率は一般人のおよそ2倍で、6ヶ月以内に進行した状態で発見されることがおおかった。脳卒中がおきた時点で無症候性のがんがすでに存在していたのかも、



というおはなし。
図:がんの告知

感想:

おもに脳梗塞のばあいなんだよね。
がんの宣告を受けると脳梗塞になる

軽い脳梗塞とホッとしていたのも束の間 実はガンでしたと告げられる患者の割合と見分け方

若い脳梗塞患者でガンで亡くなってしまう人の特徴

なぜ脳梗塞患者はガンになりやすいのか

PS

明日(8日)は太陽フレアによる磁気嵐の予定、脳卒中に注意!

2017年8月30日

nature.com:大麻は脳卒中予防になる?


Could cannabis PROTECT you from a stroke? People who smoke marijuana every day have better blood flow and oxygen to the brain, controversial study claims

Residual Effects of THC via Novel Measures of Brain Perfusion and Metabolism in a Large Group of Chronic Cannabis Users
2017  8月  アメリカ

大麻にはTHCという成分により「ハイ」な気分になる向精神薬としての作用がある。

また大麻の使用により脳血流量が増加することが報告されている。そこで常用者についてはどうか、その脳活動をMRIでしらべてみたそうな。


大麻常用者74人と非使用者101人についてMRIを使って脳血流量、脳酸素摂取率と消費量を推定した。

大麻の急性効果を除くために実験の72時間まえから大麻の使用を断たせた。


次のことがわかった。

・大麻常用者の脳酸素摂取率と消費量は非使用者よりも高く、

・脳血流量が右脳の淡蒼球と被殻で多かった。

・脳全体の血流量と右脳の上前頭回の脳血流量が 血中THCレベルと相関していた。

大麻を常用的に摂ることで脳の全体的 局所的血流状態が向上していた、


というおはなし。
図:THCと脳血流

感想:

なぜか右脳の被殻に影響するんだな。まさにそこをやられた者としては興味深い。

[大麻]の関連記事

2017年8月16日

がんの宣告を受けると脳梗塞になる


Risk of Arterial Thromboembolism in Patients With Cancer
2017  8月  アメリカ

アメリカ人の40%はその生涯にがんを経験する。がんになると深部静脈血栓や肺塞栓が起きやすくなることは知られている。

いっぽう心筋梗塞や脳梗塞など 動脈の血栓塞栓症との関連についてはよくわかっていないので調べてみたそうな。


2002-2011のがん患者(乳がん、肺がん、大腸がん、膀胱がん、膵臓がん、胃がん)と がんでない比較グループ患者との279719組の記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・がん診断後6ヶ月間の動脈血栓塞栓症の発生率は4.7%で、がんでない者では2.2%だった。

・とくに 心筋梗塞の発生率はがんだと2.0%、非がんで0.7%、

・脳梗塞発生率は がんで3.0%、非がんで1.6%だった。

・このリスク上昇はがんの種類やステージにも関連し、およそ1年で解消した。

がんと診断された患者はその直後から短期的に心筋梗塞や脳梗塞のリスクが上昇する、


というおはなし。
図:ガン宣告のあとの脳卒中リスク

感想:

ってことは 脳梗塞やったひとには隠れがんの可能性があるのかな。
軽い脳梗塞とホッとしていたのも束の間 実はガンでしたと告げられる患者の割合と見分け方

なぜ脳梗塞患者はガンになりやすいのか

2017年8月15日

脳卒中発生率の男女別の傾向


Sex-specific stroke incidence over time in the Greater Cincinnati/Northern Kentucky Stroke Study.
2017  7月  アメリカ

脳卒中が男性の死亡原因の5位にまで低下したいっぽう、女性では4位にとどまっている。

これは男性の脳卒中発生率の低下が女性よりも速いからかもしれない。

たしかめてみたそうな。


ケンタッキー州の脳卒中患者記録1993-2010から TIAをのぞく20歳以上の事例7710人ぶんを抽出して発生率を男女別に解析したところ、


次のようになった。
・57.2%が女性で、平均年齢も 72.4 vs. 68 で女性が高かった。

・この間に、10万人あたりの脳卒中発生率は男性で 263→192人におおきく減少し、女性では 217→198 と ほとんど変わらなかった。

・脳梗塞に限定しても同様に、男性は 238→165、女性は 193→173 となった。

・脳内出血とくも膜下出血の発生率は男女ともにあきらかな変化はなかった。

この16年間で低下した脳卒中発生率の原因は男性の脳梗塞の減少によるものだった。2010には男女の発生率がほぼ等しくなった。なぜなのかはわからない、



というおはなし。
図:脳卒中発生率の傾向と男女差

感想:

肥満が自己管理能力のないクズとして労働市場で不利な扱いを受けるようになったから まず男性で改善したんじゃないのかな。

2017年7月24日

脳卒中経験者が活動している時間と死亡率


Accelerometer-Determined Physical Activity and All-Cause Mortality in a National Prospective Cohort Study of Adults Post-Acute Stroke.
2017  7月  アメリカ

脳卒中は虚血性心疾患に次ぐ世界第2位の死亡原因である。また 50歳以前に脳卒中になった男女の半数以上がその後8年間に死亡している。

運動不足が脳卒中の主な要因でもあることから、脳卒中経験者の日々の身体を動かしている時間を加速度計で客観的に測定し、死亡率との関連をしらべてみたそうな。


脳卒中経験者184人について加速度計を4日間装着させて1日あたりの身体を動かしている時間(分)を推定した。

そして6年前後フォローしたところ、


次のようになった。

・この間に53人が死亡した。

・身体を動かしている時間が1日あたり60分間増えると総死亡率が28%低下した。

脳卒中経験者は身体を動かしている時間が長いほど死亡する可能性が低下した、



というおはなし。
図:

感想:

「運動不足」ってあまりにもシンプルすぎて見過ごされてしまうけど、じつはいちばんの問題なんだな。

[運動不足]の関連記事

2017年7月9日

退院したばかりの脳卒中患者の過ごし方の内訳


Sleep Duration, Sedentary Behavior, Physical Activity, and Quality of Life after Inpatient Stroke Rehabilitation.
2017  6月  カナダ

脳卒中のあと運動不足が続くと心血管疾患のリスクがあがる。

リハビリから退院した脳卒中患者の1日の身体活動状況をくわしくしらべてみたそうな。


平均年齢64、発症から3.6ヶ月前後の自立歩行のできる脳卒中患者30人について、activPAL3という加速度計を装着させ7日間の活動状況を測定 解析したところ、


次のことがわかった。
・半数の患者が1日9時間を超える睡眠をとっていた。

・目が覚めている時間の74.8%は座っていて、17.9%が立位、7.3%が歩行に費やされていた。

・全歩行時間のうち1.1分間のみが中レベル(100歩/分)以上の歩行ペースだった。

・座っている時間、歩行時間、歩数は麻痺の左右側でおおきく異なり、性別や脳卒中の種類にはよらなかった。

・これらの測定値と発症からの時間には有意な関連はなかった。

脳卒中リハビリから退院したばかりの患者は睡眠時間が長く、起きている時間の4分の3を座って過ごし、歩行時間も極めて短かった、


というおはなし。
図:脳卒中患者の過ごし方チャート

感想:

わけもなく疲れて ものごとへの関心もなくなって うごく気がしないんだよ、、

2017年6月30日

離婚で脳卒中リスクアップ!


Divorce Linked to Increased Stroke Risk
2017  6月  デンマーク

結婚は独身でいるよりも脳卒中リスクをさげると考えられている。

そこで離婚や死別もふくめた結婚状況と脳卒中との関連をしらべてみたそうな。
先月の欧州脳卒中会議での発表。


デンマークの脳卒中患者データベースから58807人ぶんを抽出して、発症1年前の結婚状況との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・52%は結婚していて、9%が独身、13%が離婚、26%が配偶者と死別していた。

・結婚している場合にくらべ、独身、死別での脳卒中リスクにはほとんど差はなく、

・離婚した場合でのみあきらかなリスク上昇があった。

・このとき男性が脳卒中リスク1.23倍、女性は1.11倍だった。

結婚している者にくらべ離婚を経験すると独身や死別よりも脳卒中リスクが とくに男性で高くなった、


というおはなし。
図:妻に離婚された

感想:

離婚に至るまでにドロドロとしたストレスフルな生活が何年間か続いているに違いなく、さらに酒やたばこに逃げ続けてきた結果の脳卒中、ってことのようだ。

2017年6月21日

脳梗塞の有病率 さいきんの傾向


Long-term trends in the prevalence of patients hospitalized with ischemic stroke from 1995 to 2010 in Sweden.
2017  6月  スウェーデン

高齢化で脳卒中患者数の増加が予想される。そこで 脳卒中のおよそ85%を占める脳梗塞の有病率のさいきんの傾向をしらべてみたそうな。


スウェーデンの患者データベースから脳梗塞で入院した事例を抽出して1995-2010の傾向を解析したところ、


次のことがわかった。

・過去15年間の総患者数は1995年時点で129418人で、2010年時点では148778人だった。

・この間に脳梗塞で入院したことのある患者は人口10000人あたり189人の有病率だった。

・有病率は2000年までは増加傾向にあったがそれ以降 ほぼ安定した。

・45歳未満の有病率は増加したが その増加スピードは低下傾向にあった。

・85歳以上では有病率はやや低下傾向にあった。

脳梗塞の有病率は2000年までは増加し、その後緩やかに減少している。しかし若年者脳梗塞の有病率は増加傾向にあった、


というおはなし。
図:

感想:

日本で脳血管疾患で入院か通院中の患者は2014に118万人だから、1.2億人で割ったら10000人あたり約100人ってことになる。
スウェーデンのはんぶん。

総患者数の決め方が調査によってまちまちなんだな。

2017年6月11日

日本の新規脳卒中患者数と種類別発生率


Incidence, Management and Short-Term Outcome of Stroke in a General Population of 1.4 Million Japanese - Shiga Stroke Registry.
2017  6月  日本

50年以上にわたり日本人の脳卒中は死亡率が低下傾向にあるものの、いまだ主要な死亡原因のひとつである。

日本の最新の脳卒中状況をまとめてみたそうな。


滋賀県の脳卒中患者データベースから2011の急性脳卒中患者および死亡事例を抽出して解析したところ、


次のようになった。

・トータル2956件の脳卒中のうち、2176件は初回脳卒中だった。

・10万人あたりの年間発生率は脳梗塞91.3人、脳内出血36.4人、くも膜下出血13.7人だった。

・2011 日本全体では22万人のあらたな脳卒中の発生があったと推定できた。

・2956件の脳卒中事例のうち、ほとんどの患者が画像検査を受け、268人は手術や血管内治療を、2158人はリハビリを、78人は血栓溶解治療を受けた。

・退院時、1846人の患者は死亡または要介護状態で、発症後28日以内に390人が死亡した。

日本の脳卒中の新規患者数と種類別発生率が推定できた。半数以上の患者が死亡か要介護状態にあった、


というおはなし。
図:滋賀県の位置

感想:

いま2017なのに2011の結果もどうかな、、とおもったけど、脳卒中治療ガイドラインも2009以来ネット公開されていないのをおもいだした。
2015の書籍版があるみたいなんだけど、中身はなにも変わっていないってことなんだろうね きっと。

2017年6月10日

脳卒中から2年以上たっても解決されない課題とは


Long-term unmet needs and associated factors in stroke or TIA survivors
2017  5月  オーストラリア

脳卒中を経験すると障害や日々の生活での解決できない課題をかかえることになる。

これら解決されない脳卒中患者のニーズの種類と特徴についてしらべてみたそうな。


脳卒中またはTIAから退院して2年以上経った患者485人をアンケート調査した。

解決されない課題(unmet needs)は、以下の5つに分類した。

*社会参加
*環境
*身体機能
*慢性期のケア
*再発予防


次のことがわかった。

・81%から回答を得た。

・そのうち87%が1つ以上の解決されない課題を抱えており、特に71%が再発予防でなやんでいた。

・これら解決されない課題に絡む要因に 高齢、機能回復度、かかりつけ医の質 との関連度は低く、

・うつや地域サービスとの関連は強かった。

脳卒中やTIA患者は退院後2年以上たっても解決されない課題を少なからず抱えていた。とくに再発予防問題でなやんでいた、


というおはなし。
図:解決されないニーズの関連要因


感想:

再発予防策は 脳梗塞 脳出血いずれも なっとくのいくエビデンスないからなぁ、、そら解決しないわ。

2017年5月28日

インド人 vs. 中国人 脳卒中なりやすさ


Temporal trends in stroke incidence in South Asian, Chinese and white patients: A population based analysis.
2017  5月  カナダ

先進国の脳卒中発生率は低下傾向にあるものの途上国ではいまだ上昇傾向にある。インドや中国からの西欧諸国への移民も多くのリスク要因を抱えていると考えられる。

カナダ住民について民族ごとの脳卒中のなりやすさを比べてみたそうな。


1997-2010の脳卒中(脳梗塞、脳内出血)患者の記録を、南アジア人(インド、パキスタン、バングラデシュ)、中国人(中国、台湾、香港)、白人に分けて解析したところ、


次のことがわかった。

・南アジア人の発症年齢は、脳梗塞と脳内出血いずれも白人より若かった。

・脳梗塞発生率は白人にくらべて南アジア人で43%低く、中国人で63%低かった。

・脳内出血発生率は白人にくらべて中国人で18%高く、南アジア人で66%低かった。

・この間、脳梗塞と脳内出血の発生率はすべての民族で減少傾向にあった。

脳卒中の発生率はすべての民族で減少傾向にあった。白人に脳梗塞がおおいことと 中国人に脳内出血がおおい理由はこんごの研究に期待する、


というおはなし。
図:民族と脳卒中

感想:

なにげにインド人がいちばん優秀だな、、

2017年4月28日

ほんとうに "回復良好" な脳卒中患者とは


“Good Outcome” Isn’t Good Enough
Cognitive Impairment, Depressive Symptoms, and Social Restrictions in Physically Recovered Stroke Patients
2017  4月  カナダ

脳卒中からの回復はおもに日常生活動作についてのみ評価される。
しかし脳卒中患者は身体機能が回復したのちも社会参加や精神機能、孤独感、生活の質に困難をおぼえることが考えられる。

そういった問題がどのくらいの割合で起きているのかしらべてみたそうな。


発症から2-3年経つ脳卒中患者142人について複数の指標で回復程度を評価したところ、


次のことがわかった。
・全体の68%の患者は日常生活動作にあきらかな障害がないレベル(modified Rankin Scale<2)の回復を遂げていた。

・彼らのうち54%は "Montreal Cognitive Assessment" で認知障害が認められ、

・52%には "Reintegration to normal living index" で社会復帰に制約があった。

・また32%は " Patient Health Questionnaire-2" でうつ症状が認められた。

・mRS上での活動制限の有無は他の指標のスコアにほとんど反映されなかった。


日常生活動作の点で回復良好な脳卒中患者であっても 半数以上が認知障害や社会参加、3分の1がうつになやんでいた。なにをもって回復良好とするか考え直したほうがいいのではないか、


というおはなし。
図:脳卒中患者のmRSと他の指標


感想:

せっかく手足がうごくようになっていい気でいるのに『君には認知障害、社会不適合、うつの兆候がある』なんてわざわざ言って欲しくないわな。

2017年4月2日

脳卒中経験者の社会ネットワークの変化


A Typology to Explain Changing Social Networks Post Stroke.
2017  3月  イギリス

脳卒中のあと人々は社会との接点をうしないがちになるという。

脳卒中経験者の社会的ネットワークがどのように変化するのかしらべてみたそうな。


シティ・オブ・ロンドンの脳卒中センター2箇所の患者87人について6-15ヶ月ほどフォローしたところ、


次のことがわかった。

・彼らの社会的ネットワークは、多様なつながり、友人ベース、家族ベース、親しい家族のみ、家族なし、のいずれかに分類できた。

・ぜんたいのおよそ3分の1が 多様なネットワークから家族中心のネットワークに移っていた。

・もともと友人関係の強い人や家族のいない人の友人ネットワークは安定していた。

・家族がいない人でさらに社会的に孤立するケースが、脳卒中前の3%から脳卒中後17%に増加していた。

・引きこもりになりがちな要因として 身体障害のみならず地域に根ざしたサポートの不足や精神的なダメージが考えられた。

脳卒中を経験すると社会的ネットワークが変化しがちである。身体的、精神的ダメージにより 家族よりも友人たちとの接点が失われてゆく傾向がある、



というおはなし。
図:

感想:

みな死ぬときはひとりなんだから、その前段階として孤独が深まるのは自然なこと。無理して社会とつながることはないかな。

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