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2017年10月19日

脳の白質病変が小さくなる簡単な方法 RICとは


Remote Ischemic Conditioning May Improve Outcomes of Patients With Cerebral Small-Vessel Disease
2017  10月  中国

ラクナ梗塞、微小脳出血や白質病変は脳小血管障害(cSVD)とも言われ、血管性認知症の主な原因でありアルツハイマー病とも関係すると考えられている。

しかしcSVDの有効な治療法はない。

いっぽうで 遠隔虚血コンディショニング(RIC)はターゲットとなる臓器から離れた組織に虚血再灌流を短時間繰り返すことで保護効果が得られるとする現象である。

最近では脳卒中の再発予防や抗炎症 抗血栓効果、さらには白質病変や脳の灌流状態を改善する効果の報告もある。

そこで遠隔虚血コンディショニングの脳小血管障害と軽度認知障害への効果を実験でたしかめてみたそうな。


cSVDで軽度認知障害の患者30人について、RICグループ14人と偽RICグループ16人にわけた。

RICは両腕に巻いた腕帯を200mmHgの圧力で締めつけ、そして開放する。このサイクルを5分間に5回行い、1日2セット、1年間継続した。

偽RICでは締めつけ圧力を50mmHgにして血流が止まらないようにした。


次のようになった。

・1年後、白質病変体積がRICグループではおおきく減少し(9.1→6.5cc)、偽RICでは有意な差は生じなかった。

・ラクナ梗塞の数は両グループで差はなかった。

・視空間認知と実行能力はRICグループで明らかにすぐれていた。

・RICグループでは中性脂肪、総コレステロール、低密度リポ蛋白、ホモシステインがおおきく減少していた。

・中大脳動脈の脈動性にも差が生じていた。

遠隔虚血コンディショニングには脳小血管障害の白質病変を小さくし、認知能力の衰えを遅らせる効果がありそうだ、


というおはなし。

図:遠隔虚血コンディショニング装置

感想:

これは流行る予感。

[遠隔虚血コンディショニング]の関連記事

2017年10月17日

右脳が身体バランスに特化はほんとうか?


Right cerebral hemisphere specialization for quiet and perturbed body balance control: Evidence from unilateral stroke.
2017  10月  ブラジル

左右の脳半球が運動コントロール的にそれぞれ別のはたらきをするという考え方がある。たとえば左脳はおもに筋力を、右脳はバランスをになうという。

特にバランスコントロールについて左右脳のちがいを実験でたしかめてみたそうな。


慢性期脳卒中で中等度片麻痺の 右脳損傷患者9人と左脳損傷患者7人、健常者24人について実験をした。

静かに立っているときと外力を加えたときの体重の圧力中心と身体の揺れ、下肢関節や筋肉の動きを測定した。

視覚によるバランス補正の影響を知るために視野を塞いだ実験もした。

足の感覚機能への影響を調べるべく 硬い床と柔らかい床を用意した。


次のようになった。

・静かに立っているときの圧力中心と身体の前後左右への揺れは右脳損傷患者のみが大きく、

・左脳損傷患者は硬い床のときだけ左右の揺れが健常者よりもおおきかった。

・外力を加えたとき、身体の前後への揺れの大きさ 速度 回復時間 下肢筋肉 関節のうごきは右脳損傷患者がもっともおおきく、

・左脳損傷患者は麻痺脚の筋肉のブレが健常者に劣るのみだった。

左脳損傷にくらべ右脳を損傷した脳卒中患者のバランス能力は劣っていた。この効果は足の感覚情報の違いに依らなかった。右脳はバランスコントロールに特に重要なのであろう、


というおはなし。
図:脳卒中患者のボディバランス

感想:

なるほど、駅の下り階段で おんな子どもや高齢者にまで煽られるのはこういうわけだったのか。

2017年10月4日

ランセット誌:通勤や家事は脳卒中予防にならないの?


The effect of physical activity on mortality and cardiovascular disease in 130 000 people from 17 high-income, middle-income, and low-income countries: the PURE study.
2017  9月  カナダ

身体活動量がおおいと脳卒中など心血管疾患が起きにくくなり死亡率も下がるという報告は数多くある。しかしこれら調査の多くは高所得国の余暇時間の使い方にフォーカスしたものがほとんどである。

そこで、十分な余暇時間をとれない中低所得国を調査対象にいれて非余暇時間(仕事や通勤 家事など)での身体活動量と心血管疾患との関連を大規模にしらべてみたそうな。


2003-2010に、カナダ、スウェーデン、アラブ首長国連邦、アルゼンチン、ブラジル、チリ、ポーランド、トルコ、マレーシア、南アフリカ、中国、コロンビア、イラン、バングラディシュ、インド、パキスタン、ジンバブエの健康な国民 計130843人から身体活動量についてのアンケートをとり、

平均6.9年間にわたり死亡率 心血管疾患(脳卒中、心筋梗塞など)の発生をフォローしたところ、


次のことがわかった。
・週当たりの身体活動量が増えるにしたがい死亡率および心血管疾患リスクは低下した。

・この関連は高所得国、中所得国、低所得国に共通で、

・余暇時間、非余暇時間に依らなかった。

余暇時間または非余暇時間にかかわらず、身体活動量がふえると死亡率や脳卒中など心血管疾患のリスクは低下する、


というおはなし。
図:非余暇時間の運動と脳卒中リスク

感想:

都心に職場があると 通勤だけで1日の体力の9割が削がれる。終わりがみえない千日回峰行のようでメンタルがずたずたになる。むかしのはなし

2017年10月2日

重症脳卒中患者の予後精度


Predictive accuracy of physicians' estimates of outcome after severe stroke.
2017  9月  オランダ

脳卒中患者の半数以上が2年内に死亡または重度の障害を抱える。

また 院内で死亡するケースのおおくは医師が延命治療を引き揚げたあとに起きる。それゆえ終末期の判断には患者の正確な回復度の予測が必要となる。

そこで発症後間もない重症脳卒中患者の 医師による予後の精度を検証してみたそうな。


くも膜下出血を除く 脳梗塞または脳内出血の発症4日時点での重症患者(BI<6/20)について、
複数医師による6ヶ月後の死亡、生活自立度、QoLの予測と、
じっさいの6ヶ月後のフォロー結果を比較したところ、


次のようになった。

・平均年齢72、60人(脳梗塞30人)の患者を対象とした。

・6ヶ月時点で30人の患者が死亡した。

・生き残った30人のうち1人は死亡すると予想されていた。

・死亡予測された15人のうち14人はほんとうに死亡した。

・回復不良(mRS>3)と予測された46人のうち4人は回復良好だった。

・QoL低予測の8人中5人およびQoL高予測の18人中14人はそのとおりになった。

重症脳卒中患者の担当医師たちによる6ヶ月後の死亡 回復不良予測は正確ではなかった。QoLにいたってはもっと不正確だった、


というおはなし。
図:重症脳卒中患者の予後予測の精度

感想:

上の図の青棒と赤棒がハズレ。死亡予測ですら半数を外している。

実は回復しそうな患者には悪しめの予測(上図の赤棒)が告げられる。これをセルフハンディキャッピングという。

2017年9月24日

脳卒中後の運動と認知機能


Effects of Physical Activity on Poststroke Cognitive Function.
2017  9月  オーストラリア

脳卒中後の身体活動トレーニングには 認知機能の維持 回復の効果が期待できる。実際 すくなからぬ数の研究がそれをサポートするデータを示している。

これらの研究をまとめて効果的なトレーニングの種類、期間、時期、認知機能的側面についてしらべてみたそうな。


関係するランダム化比較試験を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被験者736人を含む14の研究がみつかった。

・ぜんたいとして身体活動トレーニングは脳卒中患者の認知パフォーマンスに良い影響があった。

・エアロビック(有酸素運動)と筋力負荷トレーニングを組み合わせたときにもっとも認知ゲインが大きく、

・慢性期患者であっても認知パフォーマンスの改善が得られた。

・注意力と処理速度で強くはないが明らかな効果が見られたいっぽう、

・実行機能や作業記憶では有意な効果は確認できなかった。

脳卒中後の身体活動トレーニングで認知パフォーマンスが強化された。この効果は12週間ほどで現れ 複数トレーニングの組み合わせで最大化し、慢性期の患者にも効果的だった、


というおはなし。
図:脳卒中後の身体活動トレーニングの認知パフォーマンス効果

感想:

慢性期でもOKってところがやる気にさせる。

2017年9月4日

アスピリンの重大出血リスクはワルファリンと同じ


Bleeding risk of antiplatelet drugs compared with oral anticoagulants in older patients with atrial fibrillation: a systematic review and meta-analysis.
2017  7月  フランス

一般に抗血小板薬の出血リスクは抗凝固薬よりも低いと考えられている。

そのため心房細動の高齢者や抗凝固薬の禁忌になる患者への代替薬として抗血小板薬が長期に使用されることがよくある。

ところが命にかかわるような重大出血事象の頻度は抗血小板薬と抗凝固薬とで同じであるとする報告がいくつか現れてきている。

そこで、これまでの研究をまとめて65歳以上の高齢者についてこのあたりを確かめてみたそうな。


関係する過去の研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・ランダム化比較試験7件を含む11の研究が見つかった。

・アスピリンやクロピドグレルの重大出血のリスクはワルファリンのそれと明らかな差がなかった、

・ただし頭蓋内出血の頻度は低かった。

・総死亡率も差がなかった。

アスピリンやクロピドグレルを飲んでいる高齢者の 命にかかわるような重大出血のリスクはワルファリンと同程度だった、


というおはなし。
図:アスピリン、クロピドグレル vs ワルファリン

感想:

なるほど↓、、
アスピリンを長く使うとワルファリンよりも出血する

抗血小板薬を複数使っていると脳内出血で死ぬ

2017年9月1日

アスピリンを長く使うとワルファリンよりも出血する


Long-term aspirin does not lower risk of stroke and increases bleeding risk in low risk atrial fibrillation ablation patients.
2017  8月  アメリカ

心房細動があると脳梗塞をおこしやすくなる。

カテーテルアブレーションで心房細動治療をすると脳梗塞を起こすリスクが大いにさがるため、血栓予防のためのワルファリンをやめて代わりにアスピリンを長期にわたり使用する習慣がある。
しかしこれにはあまり根拠がない。

そこでカテーテルアブレーションで心房細動を治療した患者へのアスピリン長期使用の影響をしらべてみたそうな。


心房細動でカテーテルアブレーション治療を行った患者4124人の記録から、
1年後、3年後の脳卒中、腸管出血、泌尿器出血とアスピリンやワルファリン使用との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・3年後、全体の5.9%はワルファリンを、18.6%がアスピリンを使用し、75.5%はどの薬も使用していなかった。

・脳卒中発生率は、ワルファリン 1.4%、アスピリン 3.0%、薬なし3.9%だった。

・腸管出血発生率は順に、0.8%、1.9%、1.1% だった。

・泌尿器出血は順に、1.7%、2.8%、2.1% だった。

・アスピリン使用グループではワルファリンや薬なしグループにくらべ明らかに脳卒中リスクが高かった。

カテーテルアブレーションで心房細動を治療した患者の長期アスピリン使用は、脳卒中予防になんの役にも立たないばかりかワルファリンよりも出血のリスクが高かった、


というおはなし。
図:AF治療患者へのアスピリンと腸管出血

感想:

ワルファリンは殺鼠剤にも使われるから出血力はアスピリンの比ではないとおもっていた。でも 何年も使うとアスピリンのほうが効いてくるんだな、、

2017年7月22日

コクランレビュー:作業療法のエビデンス信用できない


Occupational therapy for adults with problems in activities of daily living after stroke.
2017  7月  イギリス

脳卒中患者への作業療法のおもな目的は、日常生活動作(食事、移動、手洗い、着替えなど)の改善にある。

作業療法がほんとうに生活に役立つものかどうか、これまでの研究をまとめてみたそうな。


関連する信頼性の高い研究を厳選して、データを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・被験者994人をふくむ9の研究がみつかった。

・作業療法は日常生活動作を改善し能力の低下を防いだ。

・作業療法が死亡率や要介護率を下げ 精神的苦悩を改善するという成果はなかった。

・しかし被験者の選び方や実験方法、測定手法にかたよりが強く、

・作業療法士と被験者いずれにも介入意図が隠せていない低質なエビデンスばかりだった。

作業療法が脳卒中患者の日常生活動作を改善できるとする主張には低レベルのエビデンスしかみつからなかった。これでは自信をもって患者に勧められない


というおはなし。
図:作業療法

感想:

患者はそれほどバカではないので療法士さんが意図し期待するところはバレバレである。

他にたよれる人もいないので療法士さんの気持ちをそんたく(忖度)して良くなった振りをする。

低質なエビデンスが量産される。

そういうことだとおもう。

2017年7月11日

脳内出血患者が3ヶ月以降も延々と回復し続けるしくみ


Functional Improvement Among Intracerebral Hemorrhage (ICH) Survivors up to 12 Months Post-injury.
2017  7月  アメリカ

脳卒中患者の生活自立度を評価する基準にはおもに、
"modified Rankin Scale"(mRS: 0[健常]-6[死亡]の7段階のみ) と
"Barthel Index"(BI: 10項目について0-100点)がある。

通常は mRSが用いられることがおおい。いっぽう
脳内出血患者の37.7%は100日時点で機能的に自立(BI≧95)するという報告もある。

脳内出血患者を長期にフォローするときにどちらの基準がより評価に適しているものかしらべてみたそうな。


脳内出血患者173人について退院時、3、6、12ヶ月後の生活自立度をmRSとBIで評価 比較したところ、


次のようになった。

・mRSは退院して間もない時期には大きく変化したが、3ヶ月を過ぎると変化がほとんどなくなった。

・BIは退院時から12ヶ月後までにわたり常にその変化がおおきく反映されていた。

3ヶ月以降のわずかな改善度の変化は BIのほうがmRSよりも感度良く捉えていて、12ヶ月後まで改善が続いているように見えた、


というおはなし。
図:脳内出血 mRS vs BI

感想:

ちいさな研究だと採点者は何度も同じ患者と顔を合わせる。

やがて『この患者さんはいつもがんばってるな、、ちょっと盛っとくか』という気持ちになる。
どっちが盛りやすいか といったら mRSよりも断然BI。

なぜなら1点あたりの重みが小さいほうが加点に際して気が楽だから。
そしてこの繰り返しでスコアは伸び続ける。

よく『○○療法は機能的には改善するが日常生活動作には反映しない、、』というのも おなじ背景だとおもう。↓↓↓
課題指向型訓練 いくらやっても役には立たない

2017年7月4日

ランセット誌:脳卒中リハビリは家族にまかせて問題ない


Family-led rehabilitation after stroke in India (ATTEND): a randomised controlled trial.
2017  6月  インド

インドではリハビリを専門とする施設が非常にすくないためほとんどの脳卒中患者は利用する機会がない。

専門性の高いリハビリ資格をもったスタッフから患者家族にその職能権限を移譲する「タスクシフティング(Task Shifting)」には関心が寄せられているがその安全性は定かでない。

そこで大規模に実験してみたそうな。


14の病院に入院した脳卒中患者1250人を2グループに分け、いっぽうのグループの家族にリハビリトレーナーとしての訓練をほどこし 早期に退院させて自宅で患者のリハビリを行わせた。

患者家族への訓練は病院にて1日1時間x3日間で 障害の評価、目標の建て方、トレーニング方法、励まし方などを学ばせた。

6ヶ月後の患者状況を病院での通常リハビリグループと比較したところ、


次のようになった。

・1日あたりのリハビリの時間、総リハビリ時間は両グループでほぼおなじに設定できた。

・6ヶ月後、死亡または要介護状態にある患者の割合は両グループともに47%だった。

・死亡者や再入院の率もグループ間でほとんど差がなかった。

・非致死性のイベント率もほとんど差がなかった。

脳卒中患者へのリハビリ業務を患者家族に移譲(タスクシフティング)したところ、通常のリハビリにくらべ有害な点はまったくなかった


というおはなし。
図:家族まかせの脳卒中リハビリの6ヶ月後のmRS

感想:

脳卒中リハビリの成果は訓練の量や質によらないことがわかってるから、有害でないならタスクシフティングしない理由がないね。
JAMA誌:課題指向型訓練 やる意味ない

下肢運動機能の比例回復則からわかること

2017年6月8日

日本人の脳卒中予防に適した運動量が明らかに


Daily Total Physical Activity and Incident Stroke
2017  6月  日本

身体活動量がふえると高血圧や肥満、糖尿病などが改善され脳卒中の予防効果がきたいできる。

東アジア人は西洋人にくらべ脳出血がおおいことなどから、こんかい日本人を対象に日々の運動量と脳卒中リスクとの関係をしらべ直してみたそうな。


50-79歳で健康な日本人男女74913人を2000-2012にフォローしたところ、


次のことがわかった。
・この間に 747の脳内出血、260のくも膜下出血、1206の非塞栓性脳梗塞、515の塞栓性脳梗塞があった。

・脳卒中全体、脳内出血、くも膜下出血、非塞栓性脳梗塞には日々の運動は中強度量のとき脳卒中リスクがもっとも低かった。

・塞栓性脳梗塞では運動量が多いほどリスクは低下した。

・脳出血のリスクは運動が強くなるほど高くなった。

日本人のばあい 強い運動が脳出血リスクを高めることから、ウォーキングなどの ほどほどな強度の運動が脳卒中の予防に適していると考えられた、


というおはなし。
図:運動強度と脳出血リスク

感想:

塞栓性の脳梗塞予防にはキツイ運動量がいいんだね。
図:塞栓性脳梗塞と運動量
スポーツやってた脳卒中患者は再発しないのか?

2017年5月30日

緩和優先医療になる脳卒中患者


Early transition to comfort measures only in acute stroke patients
2017  5月  アメリカ

脳梗塞の30日死亡率はおよそ10% 脳出血は30%であり、終末期としての緩和医療は重要な選択肢の1つである。

入院してすぐに(積極的治療を行わない)緩和優先医療に切り替えられてしまう患者がどのくらいいるものか、しらべてみたそうな。


脳卒中患者データベースの2009と2013の記録から、入院翌日までに緩和優先医療(Comfort Measures Only)に切り替えた事例を抽出して解析したところ、


次のことがわかった。
・1675病院の脳卒中患者963525人のうち、5.6%に緩和優先医療の指示が出された。

・脳卒中の種類別では 脳梗塞3.0%、脳内出血19.4%、くも膜下出血13.1%だった。

・緩和優先医療の指示頻度は病院ごとに幅があって 0.6-37.6% だった。

・この頻度は2009→2013に減少傾向にあった。

・高齢、女性、白人、保険未加入、救急車使用、営業時間外だと緩和優先医療になりやすかった。

緩和優先医療は脳卒中患者の5%に適用されていた。とくに脳出血でおおく、その頻度は病院ごとにおおきくことなっていた、


というおはなし。
図:

感想:

やる気のないお医者さんにあたったおかげで 命拾いする患者も少なくないと思うんだ。

2017年5月5日

刺激豊富な環境が脳細胞のアポトーシスを防ぐ


Treatment with Enriched Environment Reduces Neuronal Apoptosis in the Periinfarct Cortex after Cerebral Ischemia/Reperfusion Injury.
2017  3月  中国

刺激豊富な環境の神経保護効果については おおくの研究があるがそのメカニズムはよくわかっていない。

そこで神経細胞死(アポトーシス)に注目してしらべてみたそうな。


人為的に脳虚血にしたネズミをつかって通常環境と刺激豊富な環境グループにわけて神経症状や梗塞体積、アポトーシス関連たんぱく質を測定した。

刺激豊富な環境グループでは通常より広いカゴに6-8匹のネズミをいれ、多くの遊具を設置して それらの位置を毎日変えた。


次のようになった。

・刺激豊富な環境グループでは神経症状が回復し 梗塞体積も小さかった。

・また 梗塞周辺組織で アポトーシスを抑えるBcl-2タンパク質が増加し、

・アポトーシスを促すBax, cytochrome c, caspase-9 といったタンパク質が減少した。

刺激豊富な環境で梗塞周辺の神経細胞のアポトーシスが抑制された。これが神経保護メカニズムの1つかも、、


というおはなし。

図:刺激豊富な環境と脳梗塞ボリューム

感想:

脳卒中患者は個室にいれちゃいかんってことだな。

[刺激豊富な環境]の関連記事

2017年4月13日

日本人の脳卒中予防に最適な運動量が判明


Daily Total Physical Activity and Incident Cardiovascular Disease in Japanese Men and Women
2017  4月  日本

アジア人の身体活動量と脳卒中との関連についてはよくわかっていない。

そこで日本人でしらべてみたそうな。


50-79歳の健康な男女74913人の1日あたりの身体活動の内訳(仕事関係、余暇、睡眠)を調査し、トータルの身体活動量MET・時 をもとめた。約9年間脳卒中の発生をフォローして関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・この間に2738件の脳卒中と607件の冠動脈疾患があった。

・1日あたりの身体活動量が 5-10MET・時のときに脳卒中リスクがもっとも小さくなった。

アジア人は1日あたりほどほどの運動量で十分に脳卒中予防になることがわかった、


というおはなし。
図:1日の運動量と脳卒中リスク

感想:

1METは安静時代謝に相当する運動強度で、
5MET・時なら 時速6kmの早足ウォーキング1時間とおなじ。

徒歩通勤のサラリーマンなら余裕だな。

2017年3月28日

脳卒中で幻覚がおきる患者の割合と特徴


Visual hallucinations in patients with acute stroke: a prospective exploratory study.
2017  3月  スペイン

視覚に関係する脳内の経路は多岐に及んでいることから脳卒中で幻覚が生じる可能性は低くない。しかし脳卒中患者の幻覚についての報告はこれまであまりないので、くわしくしらべてみたそうな。


発症から24時間以内の急性期脳卒中(脳梗塞、脳出血)患者77人について調査したところ、


次のことがわかった。

・13人 16.7%で幻覚がおき、10人は3日以内に経験していた。

・幻覚は1日以上続かず、すべて自然に治まっていた。

・幻覚内容のおおくは複雑で白黒の映像だった。

・幻覚の有無は年齢、性別、重症度によらなかった。

・脳の病変が後頭部にある場合や入院前に睡眠障害があるケースで幻覚がおおかった。

急性期脳卒中の幻覚はめずらしくなく自然に治っていた。後頭葉の損傷や睡眠障害で幻覚がおきやすかった、


というおはなし。
図:幻覚をみた脳卒中患者

感想:

数日後、ベッドのテーブルからたくさんの小さな虫が湧き出てくる幻覚をみたよ。あと幻肢も。

2017年3月11日

遠隔虚血コンディショニングの脳卒中治療効果


RECAST (Remote Ischemic Conditioning After Stroke Trial)
A Pilot Randomized Placebo Controlled Phase II Trial in Acute Ischemic Stroke
2017  3月  イギリス

脳から離れた位置を繰り返し虚血状態にすると(遠隔虚血コンディショニング) 神経保護効果がえられるとする報告がある。しかしそのメカニズムはわかっていない。

そこで実際の脳卒中患者で実験してみたそうな。


発症後24時間以内の脳卒中患者26人を遠隔虚血コンディショニングと比較グループに分けた。

遠隔虚血コンディショニングは、入院後すぐに腕に血圧測定用の腕帯を巻き、締め付け5分間+開放5分間を計4サイクルおこなった。

この直前 直後、4日後の血液サンプルを採取した。
また、90日後の神経症状、生活自立度を比較した。


次のようになった。

・遠隔虚血グループに有害事象はなかった。

・90日後の神経症状NIHSSスコアは 1 vs. 3 で遠隔虚血グループが明らかに低かった。

・生活自立度に有意な差はなかった。

・遠隔虚血グループで熱ショックタンパク質HSP27の増加が確認できた。

急性期脳卒中への遠隔虚血コンディショニングは安全で、神経症状を改善した。神経保護メカニズムにはHSP27が関わっているかも、


というおはなし。
図:遠隔虚血コンディショニングとHSP27

感想:

これら↓も同じ背景だろうね。
ハンドグリップで脳梗塞が治るというエビデンス

脳梗塞が簡単に治る 下肢遠隔虚血コンディショニングとは

TIAは幸運の兆し、脳梗塞が軽い

TIAが脳を護る. はたして病気と呼べるのだろうか…
あと[喫煙パラドック]もなかまかな、、

2017年1月29日

脳梗塞に効くコレステロール比 TC/HDLとは


The total cholesterol to high-density lipoprotein cholesterol as a predictor of poor outcomes in a Chinese population with acute ischaemic stroke.
2017  1月  中国

これまで 血中コレステロール値と脳梗塞の予後の関連については研究により相反する結果が得られている。

そこを確かめるべく多くの患者で調べてみたそうな。


2013-2015の急性脳梗塞患者871人の3ヶ月後の生存率、回復度を調査し入院時のコレステロールレベルとの関連を解析したところ、


次のことがわかった。
・3ヶ月後10.8%が死亡した。

・入院時の総コレステロールTC および HDLコレステロールとの比 TC/HDL が予後につよく関連していた。

・特に TC/HDL が高いと死亡リスクがとても低く、

・回復良好(mRS=0-2)の可能性も高かった。

・TC/HDL が4.09以上だとあきらかに予後が良かった。

TC/HDL が高いと急性脳梗塞患者の3ヶ月後の生存率、回復良好の可能性が高かった、


というおはなし。
図:回復良好な脳梗塞患者のコレステロール

感想:

TC=LDL+HDL+TG/5 だから LDLコレステロールはたっぷりあったほうがいいってことなんだよな。

これ↓
悪玉善玉比L/Hが低いと脳内出血で死ぬことが明らかに

2017年1月18日

ハンドグリップで脳梗塞が治るというエビデンス


Physiological Ischemic Training Promotes Brain Collateral Formation and Improves Functions in Patients with Acute Cerebral Infarction.
2016  12月  中国

生理学的虚血トレーニング(Physiological Ischemic Training)という考え方があって、たとえば手脚への虚血刺激で 離れた位置にある心臓の血管新生が促され血のめぐりがよくなるという。

ハンドグリップを用いたアイソメトリック運動での心臓の報告があることから、脳についても同様の効果を確かめてみたそうな。


脳梗塞患者10人と健常者10人について、虚血トレーニングと通常リハビリにグループ分けした。

虚血トレーニングでは、
[ハンドグリップを全力で1分握って1分休み]を10セット x 4回/日 x 5回/週 x 4週間とした。

この前後での脳の還流状態をMRIで測定し、運動機能や血液中の血管増殖因子なども調べたところ、


次のことがわかった。

・トレーニング後、いずれのグループも運動機能、ADL、QoLがおおきく改善した。

・通常リハにくらべ虚血トレーニングでは運動機能とQoLスコアがあきらかに高かった。

・さらに虚血トレーニングでは局所脳血流が通常リハよりも有意に高く、

・同様に血中のVEGF(血管内皮細胞増殖因子 )、EPCs(内皮前駆細胞)も多かった。

・運動機能と局所脳血流レベル、VEGFレベル、EPCs数に正の相関があった。

生理学的虚血トレーニングは血管新生をうながし脳の血の巡りをよくする。その結果、脳卒中患者の運動機能や日常生活動作、生活の質の改善につながるのだろう、


というおはなし。
図:脳血流と生理学的虚血トレーニング

感想:

ようするに健側だけでもいいから筋トレやれってことじゃないかな。

これ↓思い出した。
脳梗塞が簡単に治る 下肢遠隔虚血コンディショニングとは

2017年1月17日

刺激豊富な環境っていうけど、どの刺激がいいの?


Effect of Physical and Social Components of Enriched Environment on Astrocytes Proliferation in Rats After Cerebral Ischemia/Reperfusion Injury.
2017  1月  中国

グリア細胞の1つであるアストロサイトはさいきんまで脳の回復の妨げになると考えられてきたが、実はとても重要であることがわかってきた。

いっぽう刺激豊富な環境が脳の回復をうながすという報告が数多くある。どの種類の環境刺激が脳にいいのかアストロサイトに着目してしらべてみたそうな。


人為的に脳虚血にしたネズミを5つのグループにわけた。

*運動刺激環境(PE):ひろいケージに1匹で遊具がいっぱい
*社会刺激環境(SE):ひろいケージに12匹飼い
*運動社会刺激環境(PSE):ひろいケージに遊具と仲間12匹
*虚血+通常環境(IS):せまいケージに食べ物だけ
*虚血なし+通常環境:せまいケージに食べ物だけ


次のことがわかった。

・行動テストの結果は通常環境にくらべて刺激豊富な環境のネズミで回復がおおきかった。

・梗塞体積が減少したのは運動刺激のあるPE,PSEグループのみだった。

・PE,PSEグループではSEグループにくらべアストロサイトとBDNF(脳由来神経栄養因子)が激増していた。

・アストロサイトとBDNFの増加は機能回復度とよく相関していた。

アストロサイトとBDNFの点で、環境刺激のうち "身体活動" が脳卒中からの回復により重要な刺激要素であった、


というおはなし。
図:梗塞体積と刺激豊富な環境

感想:

これ↓思い出した。
刺激豊富な環境で脳梗塞が治る理由

2016年12月1日

やはり長時間労働は脳卒中のもとなのか


The effect of long working hours on 10-year risk of coronary heart disease and stroke in the Korean population: the Korea National Health and Nutrition Examination Survey (KNHANES), 2007 to 2013.
2016  11月  韓国

長時間労働は健康を損ねると考えられる。そこで脳卒中との関連を男女別に調べてみたそうな。


2008-2012の韓国の国民栄養調査の13799人ぶんの脳卒中データから 10年間リスクを推定したところ、


次のことがわかった。

・週あたりの労働時間と脳卒中リスクは男女ともに明らかに相関していた。

・特に女性の長時間労働の脳卒中リスクは男性よりもかなり高かった。

1週間あたりの労働時間が長いと明らかに脳卒中になりやすかった。とくに女性で顕著だった、


というおはなし。
図:長時間労働と脳卒中リスク

感想:

グラフみると男は暇すぎるほうが脳卒中になりやすいみたい。
とおもったら これは十分な量の仕事に就けない非正規労働者または健康上の問題で働けない人々を反映しているのかも、、、という解説があった。

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