元2024 1月 シンガポール
脳卒中の再発は、初発の脳卒中よりも障害や死亡率が高い。
しかし、脳卒中二次予防薬の服薬順守(アドヒアランス)は最適とはいえないことが報告されている。
そこで、急性脳梗塞後の降圧薬,抗血小板薬,スタチン系薬剤の服薬アドヒアランスを評価し,各薬剤別の非服薬行動に関連する因子をくわしくしらべてみたそうな。
元2024 1月 シンガポール
元2023 8月 ポーランド
元2023 8月 アメリカ
元2022 6月 フィンランド
元2021 9月 韓国
元2020 12月 オーストラリア
元
Atrial Fibrillation-Associated Ischemic Stroke Patients With Prior Anticoagulation Have Higher Risk for Recurrent Stroke
2020 2月 日本
元
Cognitive impairment and medication adherence post-stroke- A five-year follow-up of the ASPIRE-S cohort
2019 10月 アイルランド
・5年後の認知障害率は35.6%だった。
・非服薬順守率は脂質低下薬15.1%、抗血栓薬30.2%だった。
・12ヶ月後の非服薬順守と5年後の認知障害にはあきらかな関連はなく、
・6ヶ月後の認知障害と5年後の非服薬順守にも関連はみられなかった。
・ただし認知障害を示した患者が服薬の介助を受けていることはすくなくなかった。
nature.com:降圧薬を飲まないのは認知機能が低いから
元
Association between cognitive impairment and poor antihypertensive medication adherence in elderly hypertensive patients without dementia
2018 8月 韓国
・服薬順守率80%未満の高血圧患者が16.4%いた。
・認知機能の低さと服薬順守率の低さは正の相関があった。
・高収入、都会住まい、脳卒中や糖尿病などの経験者では順守率が高かった。
・しかしがんを患っていると順守率は低かった。

NEJM誌:脳卒中で死なない血圧は120未満だからね
元
Effect of Adherence to Antihypertensive Medication on the Long-Term Outcome After Hemorrhagic Stroke in Korea
2018 6月 韓国
・脳内出血1354人、くも膜下出血518人の記録を対象とした。
・服薬順守率80%以上の患者割合は、1年後46.8%、3年後43.2%、5年後41.7%だった。
・服薬順守率40%未満が再発や死亡するリスクは高順守率患者の1.80倍だった。
元
Serious hemorrhages after ischemic stroke or TIA - Incidence, mortality, and predictors.
2018 4月 スウェーデン
・退院後、113人が重大な出血を起こした。これは年率2.48%に相当し、内訳は頭蓋内出血が45人、消化管出血が41人、27人は尿管出血など だった。脳梗塞やTIAの患者は退院後 年率2.5%で命にかかわるような重大な出血をおこしていた。この重大な出血は障害が重い患者よりも軽かった患者の死亡率を上げた。高血圧治療が出血リスクを下げると考えられた、
・重大な出血患者の30日死亡率は15.9%で、そのうち脳内出血が致命率42.1%でもっとも高かった。
・障害の重い(mRS3-5)患者の年間死亡率は31.0%、障害の軽い(mRS0-2)患者の年間死亡率は4.2%だった。
・重大な出血は障害の重い患者の死亡率に影響しなかった。
・しかし障害の軽い患者の死亡リスクを上げた。
・高血圧は重大な出血リスクと関連していた。
元
The association of increased drugs use with activities of daily living and discharge outcome among elderly stroke patients.
2018 3月 日本
・平均年齢は78.8、自宅へ退院が226人 自宅以外が191人で、FIM中央値は77だった。
・入院中ふえた薬の種類とFIMの増分は逆相関にあった。
・また 薬の種類が増えると自宅へ退院できる可能性が低下した。
・抗凝固薬は入退院時いずれでも もっともおおく使われ、睡眠薬 抗精神病薬 抗うつ薬 便秘薬が入院中あきらかに増加していた。
元
Adherence to Antihypertensive Medications and Stroke Risk: A Dose-Response Meta-Analysis.
2017 7月 中国
・被験者1356188人を含む18の研究が見つかった。
・調査期間に対する服薬した日数の割合(%)を順守率としたとき、順守率が高いと脳卒中リスクはあきらかに低かった。
・脳梗塞と脳出血で分けても同様のリスク低下が得られた。
・致死性、非致死性の脳卒中についてもリスクはおおきく下がった。
・服薬順守率が20%高くなるごとに脳卒中リスクが9%低下する用量関係が見られた。
元
Using Artificial Intelligence to Reduce the Risk of Nonadherence in Patients on Anticoagulation Therapy
2017 4月 アメリカ
・AIアプリの記録による服薬遵守率は90.5%だった。
・血液中の薬の濃度からみた服薬遵守率はAIグループ100%、比較グループ50%だった。
元
Associations between Ischemic Stroke Follow-Up, Socioeconomic Status, and Adherence to Secondary Preventive Drugs in Southern Sweden: Observations from the Swedish Stroke Register (Riksstroke).
2017 2月 スウェーデン
・退院後90日以内に医師の訪問フォローを受けた患者は75%だった。
・医師のフォローのなかった患者の14ヶ月後の降圧薬、抗血小板薬の服薬遵守率は明らかに低かった。
・14ヶ月後の服薬遵守率はそれぞれ、抗血小板薬85%、ワルファリン69%、降圧薬88%、スタチン76%だった。
・14ヶ月以内に3人に1人は1種類以上の薬をやめていた。
・3ヶ月時点で日常生活動作が要介助の患者ほど服薬遵守率がひくく、年齢、性別、教育歴によらなかった。
元
Potentially Serious Drug-Drug Interactions in Older Patients Hospitalized for Acute Ischemic and Hemorrhagic Stroke.
2016 9月 イタリア
・薬の平均投与数は5.8で、
・582種類の薬物相互作用の組み合わせが確認でき、
・18種類では軽度、415種類は中程度、149種類は深刻な危険度だった。
・患者の61%が1種類以上の深刻な薬物相互作用にさらされていた。
・脳梗塞患者では 深刻な薬物相互作用を1種類以上持つ割合が、74 vs. 50% で初回患者よりも再発患者に多かった。
・脳卒中を引き起こす可能性の高い薬物相互作用の組み合わせが、脳梗塞患者の17%、脳出血患者の19%に確認できた。

元
Improving Adherence to Secondary Stroke Prevention Strategies Through Motivational Interviewing
2015 10月 ニュージーランド
・血圧およびコレステロール値にグループ間で有意な差はなかった。
・自己申告の服薬遵守率は動機づけ面接グループで高かった。
・その他の項目でも両グループで明らかな差はなかった。
元
Randomised Trial of Text Messaging on Adherence to Cardiovascular Preventive Treatment (INTERACT Trial).
2014 12月 イギリス
・服薬順守率80%未満の者の割合は、メッセージなしでは25%に対し、メッセージありでは9%だった。
・テキストメッセージによって65%の患者が少なくとも1回は服薬に気付かされた。
・13%の患者は効果や副作用に疑念を抱き服薬をやめてしまっていたがテキストメッセージをきっかけに服薬を再開した。
元
Antihypertensive Medication Persistence 1-Year Post-Stroke Hospitalization.
2014 10月 アメリカ
・212人が降圧剤を処方されていた。
・退院1年後も降圧剤を飲んでいた者の割合は87.3%だった。
・しかし複数の降圧剤を処方されている場合、薬の種類によって服薬順守率は大きく異なり、
・ACE阻害薬の順守率は高く、利尿薬のそれはとても低かった。
・黒人または他の病気を持つ脳卒中経験者の降圧剤の服薬順守率は低かった。
元
Barriers and Facilitators for Medication Adherence in Stroke Patients: A Qualitative Study Conducted in French Neurological Rehabilitation Units.
2014 9月 フランス
・26件の面談を行った。
・服薬を妨げる要因として、*薬の飲みにくさ、*薬が脳卒中にどう効くのかわからない、*副作用への恐れ、が患者から挙げられた。
・介護者からはジェネリック薬への不信感が挙げられた。
・医療担当者からは患者の知識の不足と症状の無さが服薬を妨げる要因として指摘された。
・全ての患者が、服薬を守るためには介護者や医療関係者のサポートが必要であると考えていた。
・患者および介護者は、再発への恐れが服薬を順守する動機になると考えていた。