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病院内での脳卒中では、すでに神経症状を有していることもあり、あらたな脳卒中の徴候を識別するのが困難な場合がある。
CT検査は脳卒中診断に不可欠ではあるが重篤な患者を検査室に移動させるにはリスクをともなう。
そこで、集中治療室で急な意識低下をしめした患者の脳卒中の可能性を、ベッドサイドで識別する予測因子をあきらかにするべく、くわしくしらべてみたそうな。
2007-2017年に、集中治療室で急な意識低下をしめし、その後CT検査を受けた患者の記録を解析した。
次のことがわかった。
・集中治療室の4360人の患者のうち113人が急な意識低下のためCT検査を受けた。
・このうち31%が脳梗塞、15%が脳内出血だった。
・これらの患者は非脳卒中患者よりも、動脈血のpHが有意に高かった。
・脳内出血患者では瞳孔異常が有意におおく(75%対9%)独立した予測因子であった。
・脳梗塞患者ではバビンスキー兆候が有意におおく(26%対9%)、アルカリ血症とともに独立した予測因子だった。
集中治療室で急な意識低下をしめした患者の46%が脳内出血または脳梗塞だった。瞳孔異常は脳内出血を、バビンスキー兆候とアルカリ血症は脳梗塞であることを予測した、
というおはなし。
感想:
FASTサイン以外に瞳孔異常とバビンスキー兆候を知っていると通ぶれるかも。
人工知能AI「バビンスキー兆候(Babinski sign)は、神経学的診察で用いられる重要な所見の一つである。この兆候は、主に脳や脊髄の障害を調べるために使用される。
患者の足の裏を、踵から足の外側、そして小指の下を通って大指の下に向かって、適度な圧力でゆっくりと刺激する。
バビンスキー兆候が陽性である場合、大趾が上に反り返り(背屈反応)、他の足の指が開く(扇状反応)。
バビンスキー兆候の陽性は、通常、上位運動ニューロン障害の存在を示す。これには、脳卒中、脊髄損傷、多発硬化症などの疾患が含まれることがある。
この兆候は、脳や脊髄の機能障害の所見として、神経学的評価において重要な意味を持つ。特定の疾患の診断に役立つため、神経科医などが診察で使用することが一般的である。」