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2020年5月3日

日本人140万人からわかる2年再発率


Two-Year Recurrence After First-Ever Stroke in a General Population of 1.4 Million Japanese Patients - The Shiga Stroke and Heart Attack Registry Study
2020  4月  日本

脳卒中の再発予防のための多くの効果的戦略があるにもかかわらず、脳卒中経験者の再発リスクは高い。

そこで、日本の大規模調査から2年間の再発率をくわしくしらべてみたそうな。

2020年3月27日

中国50万人の脳卒中死亡率と再発率


Mortality and recurrent vascular events after first incident stroke- a 9-year community-based study of 0·5 million Chinese adults
2020  3月  中国

脳卒中は世界的に死亡および障害の主な原因である。

診断と治療の大幅な改善にもかかわらず、中国を含む低中所得国では、初回脳卒中後の短期および長期の予後についてはほとんど知られていない。

そこで脳卒中のタイプ別に、再発リスクと死亡率を短長期的にしらべてみたそうな。

2020年2月15日

貧困農家の5年再発率


Rate and Determinants of Recurrence at 1 Year and 5 Years After Stroke in a Low-Income Population in Rural China
2020  1月  中国
全世界で年間440万人が脳卒中で亡くなっていて、全死亡原因の9%をしめている。

高所得国での脳卒中発生率は低下傾向にあるものの、絶対発症者数は過去20年間で84%増加している。

また75歳未満の脳卒中経験者数は高所得国にくらべ中低所得国のほうが30%おおい。

アメリカ、イギリス、オーストラリアでのこれまでの調査では脳卒中の5年間の累積再発率は19-32%にあることがわかっている。

いっぽう中国では年間250万人があらたに脳卒中になり、脳卒中経験者は750万人いると考えられている。さらに都市部と農村部での脳卒中発生率は過去20年間上昇傾向にある。

脳卒中の再発率についての住民ベースの調査がすくないのでくわしくしらべてみたそうな。

2019年12月28日

脳梗塞の再発率 3年間 RMST解析


Time to recurrence after first-ever ischaemic stroke within 3 years and its risk factors in Chinese population- a prospective cohort study
2019  12月  中国

中国での脳卒中死亡率は年間10万人あたり157人で、再発率は年間11.2%と高い。

再発率を長期に予測するばあい、これまで関連要因によるハザード比が時間とともに変化しないという仮説(比例ハザード性)に基づいてきた。

今回、限られた時間範囲での平均生存期間(restricted mean survival time :RMST)の考え方を導入し、再発リスクの時間変化を考慮にいれた解析を脳梗塞後の3年間についておこなった。

再発のない期間がどれだけ失われうるか、その関連要因はなにか、についてくわしくしらべてみたそうな。

2019年10月30日

nature.com:失語症患者が再発しにくい理由


In-hospital recurrence in a Chinese large cohort with acute ischemic stroke
2019  10月  中国

急性脳梗塞は再発リスクが高い。ドイツでは院内での再発率は0.8%だったという報告がある。

中国での調査はまだないので院内再発の頻度とリスク要因についてくわしくしらべてみたそうな。



急性脳梗塞の入院患者1027人の記録について、最初の発症から24時間以上のちにおきた脳卒中イベントを「再発」としたところ、



次のことがわかった。

・14日前後の入院期間中5.68%が再発した。

・再発はおもに入院後5日以内に起きていた。

・再発患者の入院日数と死亡率はあきらかにおおきかった。

・再発のリスク要因は、主幹動脈のアテローム性動脈硬化、感染症、高血糖、だった。

・なぜか失語症患者は再発リスクが非常に低かった。

中国では脳梗塞患者の院内再発率はかなり高かった。再発はおもに入院後5日以内におきていた、


というおはなし。

図:失語症の再発リスク



感想:

失語症患者の再発リスクが低い理由として、彼らは症状をうまく訴えることができないから再発していてもスルーされているのではないか、、とのこと。

2019年9月10日

nature.com:脳梗塞が再発しやすい両上腕血圧差


Inter-arm Blood Pressure Difference is Associated with Recurrent Stroke in Non-cardioembolic Stroke Patients
2019  9月  韓国

血圧管理の最新のガイドラインでは両腕での血圧測定をすすめている。

両腕で血圧が異なるケースは珍しくなく、両上腕血圧差(inter-arm blood pressure difference:IABD)と呼ばれ 一般人の4%、糖尿病の7%、脳卒中の10%に見られるという。

IABDは大動脈や鎖骨下動脈系の動脈硬化や狭窄を反映していると考えられている。

IABDと脳卒中の再発との関連についての研究はほとんどないのでくわしくしらべてみたそうな。



心原性タイプでない脳梗塞の患者1226人について、

24ヶ月間 再発ケースをフォローした。

入院時のABI(Ankle-brachial index:足関節上腕血圧比)検査からIABDをもとめて関連を解析したところ、



次のようになった。

・両腕の血圧差が10mmHg以上ある者は、収縮期血圧で9.7%、拡張期血圧で5.0%いた。

・この間に8.5%が脳梗塞を再発した。

・IABDが10mmg以上あった者の再発リスクは、収縮期血圧の場合で1.77倍、拡張期血圧では2.92倍だった。

両上腕血圧差が10mmHg以上あるとあきらかに脳梗塞が再発しやすかった、


というおはなし。

図:両上腕血圧差と生存曲線



感想:

以前はかったら15くらい差があって、ビビって2度とはかっていない。
脳卒中やったひとは両腕で血圧が違うかも

2019年8月9日

日本人の再発予防に適した血圧 JAMA Neurol.


Effect of Standard vs Intensive Blood Pressure Control on the Risk of Recurrent Stroke- A Randomized Clinical Trial and Meta-analysis
2019  8月  日本

2015年のSPRINT研究によると脳卒中の1次予防に適した収縮期血圧の目標値は140mmHgよりも120mmHgが適しているとされた。

この研究では脳卒中歴のある患者が除かれていたため2次予防に適した血圧目標値はあきらかにならなかった。

いっぽう、被験者3632人をふくむ最近の3つのランダム化比較試験では目標血圧が低いほうが脳卒中の再発予防に良さそうであることが示されている。

そこで日本人を対象にした脳卒中の再発研究 Recurrent Stroke Prevention Clinical Outcome:RESPECTスタディ にて目標血圧を120/80に設定する効果を検証してみたそうな。



日本の140の病院の脳卒中経験者1263人について血圧目標値を、

140/90 の通常グループ630人と、
120/80 の集中降圧グループ633人にわけた。

脳卒中の再発を4年ほどフォローしたところ、



次のことがわかった。

・この間の血圧の平均値は、通常グループ133.2/77.7、集中降圧グループ126.7/77.4 だった。

・年間再発率は、通常グループ 2.26%、集中降圧グループ 1.65%だったが有意な差ではなかった。

・そこでこのデータを直近の3つのRCTとあわせてメタアナリシスしたところ、相対リスク0.78倍の有意な差が得られた。

従来よりも低い降圧目標のほうが再発予防に適しているようにみえた。メタアナリシスでは130/80を下回ることが望ましいと考えられた、



というおはなし。

図:RESPECT スタディ



感想:

当初、ディオバンって降圧薬をだされて収縮期血圧が80まで下がって膝からくずれおちたことがある。

そんなこともあって降圧薬は2015年にきっぱりとやめた。

SPRINTこれ↓。
NEJM誌:脳卒中で死なない血圧は120未満だからね

2019年5月2日

若年脳梗塞の25年間再発率


The very long-term risk and predictors of recurrent ischaemic events after a stroke at a young age- The FUTURE study
2016  12月  オランダ

脳卒中の再発リスクは最初の1ヶ月間のみならずその後10年以上にわたって高い状態がつづくという。

比較的若くして脳卒中を経験した者はその後も数十年にわたる生活が期待される。しかし再発を長期フォローした研究のおおくはせいぜい5年間ていどである。

そこで若年脳卒中経験者の再発をさらに長期フォローして25年先まで予測してみたそうな。


18-50歳で脳梗塞を発症した656人について、
脳梗塞の再発(TIAをふくむ)、動脈イベント(心筋梗塞、冠動脈疾患など)、←これらいずれかの虚血イベントの発生を平均12.4年間フォローした結果、



次のことがわかった。

・25年間の累積の予測再発率は、なんらかの虚血イベントが45.4%、脳梗塞やTIAが30.1%、動脈イベント27.0%だった。

・関連するリスク要因は、喫煙、腎機能低下、末梢動脈疾患、心臓病 だった。

若年脳梗塞経験者の再発リスクは長期にわたり高く、25年間でおよそ半数がなんらかの虚血イベントを、3分の1が脳梗塞やTIAを経験すると考えられた。腎機能低下や喫煙、末梢動脈疾患、心臓病があきらかなリスク要因だった、



というおはなし。

図:若年脳梗塞 長期再発率



感想:

腎機能低下とか末梢動脈疾患は糖尿病が原因なんだって。

2019年4月24日

TIAから脳卒中になる原因


Long-Term Stroke Recurrence after Transient Ischemic Attack- Implications of Etiology
2019  4月  スペイン

TIA(一過性脳虚血発作)のあと脳卒中がすぐに再発したばあいは、TIAも脳卒中も共通の原因であろうことが容易に想像できる。

しかし年単位の長期の間をおいて脳卒中が再発したばあい、おなじ原因と考えてよいものか実はよくわかっていない。

そこでTIA後の長期の再発とその原因、位置、ダメージについて詳しくしらべてみたそうな。



2005-2016のTIA患者706人について、5年ほどフォローしたところ、



次のことがわかった。

・17.7%に再発がみられ、率は年間100人あたり3.6人だった。

・原因は、複数要因が絡むケースと主幹動脈のアテローム硬化(large-artery atherosclerosis:LAA)が主だった。

・再発の70.4%はTIAの原因と同じもので、LAAが83.9%を占めていた。

・原因不明のTIAのばあい、その再発の62.5%は心原性の塞栓症(cardioaortic embolism )だった。

・再発の59.2%はおなじ位置でおきていた。

・再発の65.6%は、mRSスコアが1以上増えるほどの障害を残すもので、原因によらなかった。

TIAのあとの脳卒中の再発はおもに同じ原因と同じ位置でおきた。しかし原因不明のTIAについては心原性の再発がおおかった。再発ケースの半数以上であらたになんらかの障害が残った、


というおはなし。

図:TIA再発原因の一致と再発率



感想:

どういうわけか日本人では↓小血管疾患がメインの再発原因。
日本人のTIA再発原因1位は

そもそもTIAは原因がわからないはず。だから原因推定は使用できる検査機器におおきく影響される。

高解像度のMRIやCTの台数が日本に突出しているアンバランスさが、より小さく細かいものに原因をもとめる背景になっているんじゃないかな。

2019年3月26日

再発率急上昇中 in China


Trends in the incidence of recurrent stroke at 5 years after the first-ever stroke in rural China: a population-based stroke surveillance from 1992 to 2017

いっぱんに再発は脳卒中患者の30%以上をしめるという。

過去20年間で世界全体の脳卒中経験者数は84%増加するいっぽう、高所得国での脳卒中発生率は低下傾向にある。

中国では脳卒中発生率は上昇傾向にあるが、再発率についての集団ベース研究はほとんどないのでくわしくしらべてみたそうな。



1992-2017年の中国農村部での脳卒中患者768人について、その後の5年間の再発の有無をしらべ傾向を解析したところ、



次のことがわかった。

・5年間に全体の26.3%が再発を経験した。彼らは平均65歳で比較的若く 平均教育歴3年で 88%は中学校をでていなかった。脳内出血の32%、脳梗塞の25.2%が再発していた。年齢調整後の再発率は10万人あたり年間43.93人だった。

・2006-2012年の患者に限定すると、再発率は男性が107.79人で 65歳以上では557.76人だった。

・再発率はあきらかな上昇傾向にあり、1992-1998と比べると2006-2012では相対リスク6倍以上、女性はさらに高かった。

中国農村部の脳卒中患者の26%が発症後5年間に再発していた。再発率はおおきく上昇傾向にあった。緊急のリスク管理対策が求められる、


というおはなし。

図:中国の再発リスク傾向


感想:

リスク管理よりも基礎教育の普及がさきかな。

2019年1月16日

Neurology誌:かかりつけ医がいれば再発しないの?


Recurrent stroke in midlife is associated with not having a primary care physician
2019  1月  アメリカ

脳卒中患者にとってかかりつけ医(primary care physician)は再発予防のために高血圧やコレステロール、心房細動を管理し、喫煙 アルコールなどの生活習慣を長期に指導してくれるそんざいである。

そこで脳卒中になった時点でかかりつけ医をもっていた中高年患者の再発率についてくわしくしらべてみたそうな。


45-64歳で脳梗塞になった663人について、

かかりつけ医の有無を確認し、
再発と死亡を5年間フォローして関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・最初の脳梗塞時点で、77%にはすでにかかりつけ医がいた。

・全体の5年再発率は14.6%、死亡率は19.2%で、

・かかりつけ医がいなかった者の再発リスクは1.75倍だった。

・死亡リスクとは関連がなかった。

・他の関連要因で調整しても同様だった。

脳梗塞発症時点でかかりつけ医がいた患者の再発リスクはあきらかに低かった、


というおはなし。

図:かかりつけ医と脳卒中の再発


感想:

はたらきざかりで忙しいはずなのに 2時間まち15秒診察の医者のもとへ足繁く通うようなひとは、自身の将来を気遣う意識の高さが尋常ではない。

だから再発率がひくいのはかかりつけ医のおかげではないとおもう。たぶん まいとし初詣を欠かさない人たちについても同様の関連がみられるはず。

2018年10月11日

脳梗塞が再発して死亡する白人と黒人のちがい


Racial differences in recurrent ischemic stroke risk and recurrent stroke case fatality
2018  10月  アメリカ

脳梗塞の発生率は人種でことなり、白人にくらべ黒人は1.5-3倍以上高いという。

しかし再発率については報告によって状況はまったく異なる。

さらに30日致命率は、初回脳梗塞にくらべ再発では4倍になると言われているものの、人種差の報告はほとんどない。

そこで脳梗塞の1年間の再発率とその30日致命率を白人と黒人で大規模にくらべてみたそうな。


1999-2013のメディケイド加入者の医療記録からランダムに5%を抽出して解析したところ、


次のことがわかった。

・平均年齢80、128789人の脳梗塞記録がみつかり、11.1%が黒人だった。

・脳梗塞の再発は1年間に1000人あたり、白人が108人、黒人154人で、

・黒人の再発リスクは白人の1.36倍だった。

・再発後、30日以内の死亡は黒人の21%、白人16%で、

・関連要因である年齢、性別、収入、併存疾患等で調整すると、黒人の30日致命率は白人の0.82倍になった。

高齢脳梗塞患者の再発リスクは白人にくらべ黒人が高く、再発による30日致命率は黒人が低かった、


というおはなし。

図:脳梗塞再発率の人種差


感想:

黒人はラクナ梗塞がおおいため再発しやすく、白人には心房細動がおおいため心原性の脳梗塞で死に至りやすい、という背景があるようだ。

2018年9月15日

内臓脂肪がおおい運動嫌いが再発する


Moderate-to-vigorous physical activity and the risk of stroke recurrence in patients with a history of minor ischemic stroke in Japan
2018  9月  日本

脳卒中のあきらかなリスク要因として運動不足があげられる。

しかし脳梗塞の再発と運動不足との関連については研究例が限られていて、しかも運動強度が自己申告による主観指標を用いているものがおおかった。

そこで脳卒中患者に加速度計を着けての正確な運動強度測定と 再発の有無との関連をくわしくしらべてみたそうな。


平均年齢67、過去6年ほどの間に心原性でない軽い脳梗塞を経験した45人について、加速度計を10日間着けて運動状況をモニターし、内臓脂肪レベルも測定した。

医療記録からこれまでの再発の有無との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・9人が再発を経験していた。

・かれらはいずれも内臓脂肪レベルが高く、中レベル(3METS)以上の運動があきらかにすくなかった。

・他の要因を考慮にいれてなお内臓脂肪のおおさと中レベル以上の運動習慣が再発のあきらかなリスク要因だった。

軽い脳卒中を経験した 内臓脂肪がおおく中レベル以上の運動をあまりしない者は再発しやすい、


というおはなし。
図:運動量と内臓脂肪量と脳卒中再発

感想:

上のグラフがわかりやすくて気に入った。
「内臓脂肪のおおい運動嫌い」に再発が集中している。

2018年8月21日

脳卒中の再入院率さいきんのトレンド


Estimates and Temporal Trend for US Nationwide 30-Day Hospital Readmission Among Patients With Ischemic and Hemorrhagic Stroke
2018  8月  アメリカ
再入院率は病院ケアの質を反映していると考えられる。

脳卒中について全国レベルでの再入院率の傾向調査はまだないのでくわしくしらべてみたそうな。


アメリカ患者の半数をカバーする
医療費および利用状況に関する調査プロジェクト(Healthcare Cost and Utilization Project)
のデータベースをもちいて 2010-2015の脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血の再入院率の推移および病院の教育研究機関としてのステータスとの関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・平均年齢70、2078854人の患者を対象とした。

・30日再入院率は、脳内出血13.70%、脳梗塞12.44%、くも膜下出血11.48%の順に高かった。

・2010-2014に年率3.3%で再入院率が低下した。

・教育研究の機能を持たない病院をでた患者は再入院率があきらかに高く、病院が扱う患者数が増えるほど再入院率は上昇した。

・再入院の理由は再発、敗血症の順におおかった。

脳卒中患者で年間3.3%の再入院率の改善がおきている。患者数のおおい非教育研究病院の医療の質にさらなる改善の余地がありそうである、、


というおはなし。
図:脳卒中の再入院率と教育研究

感想:

大学病院のなっとくの安定感↑。

2018年5月18日

NEJM誌:軽い脳梗塞のあと5年間の再発率


Five-Year Risk of Stroke after TIA or Minor Ischemic Stroke
2018  5月  フランス

この10年間で脳卒中のリスク要因のおおくが改善され発生率もさがった。

これまで一過性脳虚血発作TIAや軽い脳梗塞のあと1年をこえて長期の再発リスクをフォローした調査はすくなく ひとつの病院施設についてのものしかない。

そこで5年間の再発リスクを多国間の記録から大規模にしらべてみたそうな。


21カ国61施設の2009-2011の患者記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・TIAまたは軽い脳梗塞の患者3847人を5年間フォローできた。

・このうち469人(12.9%)が脳卒中や急性冠症候群になった。彼らの50.1%は最初の脳卒中から2-5年後に発症した。

・脳卒中は345人(9.5%)におきて、このうち43.2%は2-5年後に発症した。

・5年間の各死亡率は、トータルで10.6%、心血管疾患2.7%、脳内出血1.1%、大量出血1.5% だった。

・同側の太い血管のアテローム性動脈硬化や心原性脳塞栓が原因のばあい再発リスクが高かった。

TIAや軽い脳梗塞のあと心血管イベントが起きる率は最初の1年間が6.4%で、その後は2-5年間に6.4%だった、


というおはなし。
図:TIAや軽症脳梗塞のあと5年間の再発率推移

感想:

きのうのニュースで西城秀樹はサウナが原因で2003に脳梗塞になった みたいな記事がおおかったけど、サウナは脳卒中予防にめっちゃいい。
Neurology誌:サウナが脳卒中予防によいはどの程度か
そして2011に再発 さらに食事中に急性心不全で、、ってことだから心原性のそれだったのかな。

2018年4月17日

消化性潰瘍を経験した脳梗塞患者の再発率


The Impacts of Peptic Ulcer on Stroke Recurrence.
2018  4月  中国

胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの「消化性潰瘍」が脳梗塞のリスクであるとする報告がさいきん増えている。

そこで、消化性潰瘍が脳梗塞の再発リスクにもなりうるものなのかしらべてみたそうな。


脳梗塞で入院した患者に、過去5年間に内視鏡検査で消化性潰瘍と診断されたことがあるか を聞き取りした。

さらに1年間フォローして脳梗塞の再発との関連を解析したところ、


次のようになった。

・脳梗塞患者2577人の5.0%に消化性潰瘍歴があった。

・1年間内に脳梗塞の再発があった率は、12.4 vs 7.2% で消化性潰瘍歴グループに高かった。

・消化性潰瘍歴がある場合の脳梗塞再発リスクは1.85倍だった。

消化性潰瘍を経験した脳梗塞患者は再発リスクが高かった。消化性潰瘍の治療が再発予防になるかも、、


というおはなし。
図:消化性潰瘍と脳卒中再発リスク

感想:

どうやらピロリ菌があるとアテローム性動脈硬化がすすんでどうのこうのというメカニズムがありうるようだ。

[ピロリ菌]の関連記事

2018年1月24日

脳梗塞後の心筋梗塞と脳卒中再発率


Long-Term Risk of Myocardial Infarction Compared to Recurrent Stroke After Transient Ischemic Attack and Ischemic Stroke: Systematic Review and Meta-Analysis.
2018  1月  フランス

脳梗塞またはTIAを経験した患者がひきつづき心筋梗塞を起こすリスクについて実はよくわかっていないので、これまでの研究をまとめてみたそうな。


関係する信頼性の高い研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。

・131299人の脳梗塞/TIA患者を含む58の研究が見つかった。

・心筋梗塞は年間1.67%で、近年(1970-2010)低下傾向にあるが発症から10年間のリスク変化はなかった。

・いっぽう脳卒中再発率は年間4.26%で、近年 変化はないものの発症からの年数にしたがいおおきく低下した。

・致命的心筋梗塞のリスクは再発脳卒中による死亡リスクの半分だった。

脳梗塞やTIAのあとの心筋梗塞リスクは年間2%未満で、心筋梗塞よりも脳卒中の再発で死亡するケースのほうがずっと多かった、


というおはなし。
図:TIA後の脳卒中再発リスクの推移

感想:

発症後、脳卒中の再発リスクは年々さがるけど心筋梗塞リスクはかわらない。けど、亡くなる人は再発脳卒中がおおい。

ようするに脳梗塞のあとの心筋梗塞はあまり気にしなくてもいいと。

2018年1月14日

脳卒中の5年再発率 イランでは


Five-Year Recurrence Rate and the Predictors Following Stroke in the Mashhad Stroke Incidence Study: A Population-Based Cohort Study of Stroke in the Middle East.
2018  1月  イラン

脳卒中の再発率は国ごとに異なるとかんがえられるが、低中所得国での調査はおおくない。

そこでイラン第二の都市マシュハド周辺住民を対象にくわしくしらべてみたそうな。


2006年の初回脳卒中患者624人について再発の有無を5年間フォローしたところ、


次のようになった。
・最初の1年間の再発率は5.6%で、5年間では14.5%だった。

・高齢と重度の神経症状が再発の主なリスク要因だった。

・30日死亡率は初回脳卒中患者の24.7%にたいし、再発患者では43.2%だった。

イランでの脳卒中再発率は高所得国の10年前の状況に相当していた。再発時の致命率はとても高く高所得国の20年前相当だった、


というおはなし。
図:脳卒中累積再発率の5年間推移

感想:

自動車の代わりにラクダが走っていて 半世紀くらい遅れている印象があった。けどあまり違わないんだね。

2017年12月22日

心原性脳梗塞で再発や出血する可能性


Recurrent Stroke and Bleeding Events after Acute Cardioembolic Stroke-Analysis Using Japanese Healthcare Database from Acute-Care Institutions.
2017  12月  日本

脳卒中のうち75.9%は脳梗塞で、さらにそのうちの27.7%が心原性である。心原性脳梗塞は高齢者におおく症状が重い。再発率も高く 久山町研究では10年で75.2%の再発率だった。

日本人の心原性脳梗塞について再発率の推移、抗凝固薬と出血率との関連をくわしくしらべてみたそうな。


2008-2013のヘルスケアデータベースから心原性脳梗塞 9804人の患者記録を抽出して解析したところ、


次のことがわかった。

・観察期間の中央値68日間では10.3%が脳卒中を再発し、その率は年間100人あたり20.8人だった。

・同様に、心原性脳梗塞の再発率は16.6人/100人年で、頭蓋内出血率は13.2人/100人年だった。

・抗凝固薬使用者の脳梗塞再発率は低かったが脳出血率が非常に高かった。

・再発リスクは 脳卒中歴、糖尿病、高血圧、心房細動などで、

・脳出血リスクは高血圧、腎不全、プロトンポンプ阻害薬使用だった。

心原性脳梗塞の患者は再発率が高かった。抗凝固薬は脳梗塞の再発率の低下に効果的だったが、脳出血リスクが非常に高くなった、


というおはなし。
図:抗凝固薬の脳出血率推移

感想:

うえのグラフを見てなお抗凝固薬を飲みつづける勇気とは。

2017年10月7日

軽い脳梗塞やTIAの1年再発率


One-Year Outcomes After Minor Stroke or High-Risk Transient Ischemic Attack
2017  9月  韓国

軽い脳梗塞やTIAのあと3ヶ月時点での再発率は西洋人で10-17%といわれ、アジア人ではその割合はさらに高いとする報告もある。

これを韓国人を対象に大規模に調べてみたそうな。


発症後7日以内に入院できた軽症脳梗塞またはTIA患者9506人について、3ヶ月後、1年後の再発 死亡事例をフォローし、

抗血栓療法の種類も調査したところ、


次のようになった。

・退院時、95.2%が抗血栓薬(抗血小板薬37.1%、抗凝固薬15.3%)を、86.2%がスタチンを処方された。

・3ヶ月後、脳卒中の再発は4.3%、死亡は2.0%だった。1年後はそれぞれ、6.1%、4.1%だった。

・抗血栓療法をうけていない患者の再発率はアスピリン単剤の1.5倍だった。
韓国人を対象にした軽症脳梗塞やTIA後の再発率は これまで報告のあった値よりも低かった。抗血栓療法のおかげだろう、


というおはなし。
図:脳卒中再発率と抗血栓療法

感想:

アスピリン単剤がいちばんいいみたい。
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触覚刺激で脳がすぐに回復し その効果が10年以上続く可能性について
脳が再生する運動強度がわかった
緑茶とコーヒーを飲むと相互作用で脳出血リスクが3割減ることが判明

脳卒中で復職可能な年数がわかった
ランセット誌:塩分減らすとかえって脳卒中になる
オナニーがきっかけで脳出血になる割合
手の痙縮を解く低周波治療器の効果的使用法が判明!
睡眠8時間を超える人は問答無用で脳卒中リスク46%増し
カップラーメンを週2回以上食べる女性が脳卒中になりやすい理由について
怒りと脳卒中との関連が明らかに
難しい理屈はいいからスクワットをやれ
1日に6000歩以上で脳卒中の再発予防になることを日本の研究者が解明
脳出血で損傷した脳が勝手に再生する可能性について

脳卒中患者がネットを使いこなす理由
若年脳卒中患者は脳の老化が10-20年進んでいた
マルチビタミンの脳卒中予防効果は〇〇年後に現れる
最新の音楽療法 バイノウラルビート (Binaural Beat)
脳卒中になりやすい労働時間がわかった ランセット誌
脳卒中が軽症だからって運転させていいの?
健康のために毎日いっしょけんめい運動するとかえって脳卒中になりやすいことが100万人の調査で明らかに
足をクロスしていたら半側空間無視 確定か?
療法士さんよりもビデオゲームの方が優れていると判明!
両手準備運動をすると脳が刺激されて上肢リハビリが加速することが判明!

心を改め運動を始めるだけで脳の可塑性は復活する
知らない音楽を聴くと脳が広く活動して新しい回路が、
なんとか復職しても仕事は続けられるのだろうか?
NEJM誌:脳卒中で死なない血圧は120未満だからね
脳卒中の言語障害はウェルニッケやブローカのせいではなかった!
手の指を繰り返し動かしてあげても脳への影響はゼロ
片足立ち20秒未満 →小さな脳梗塞や脳出血の可能性高!
[住みやすい国] 日本の脳卒中と自殺との関連について
再発予防のために血圧を120以下にすると長生きできない
【いますぐ実践】片鼻呼吸法で失語症が改善することが明らかに

悪玉善玉比L/Hが低いと脳内出血で死ぬことが明らかに
鼻炎のメリット→脳梗塞予防効果
脳卒中 幹細胞治療のダークサイドについて
ランセット誌:握力よわくなったら脳卒中が近いと知りなさい
だいたい5年後に脳卒中経験者が悩んでいること
ハゲを治そうとして脳卒中になってしまった日本人2例
退院したての元患者が感じていること
麻痺側の触覚を刺激し続けると梗塞を最小限にできる可能性について
脳卒中経験者は自動車運転をナメきっていることが判明
減塩に真面目な人ほど脳卒中で死亡するという事実

納豆を食べると脳卒中で死なない 2万9千人調査
NEJM誌:幹細胞ツアーに参加したら癌ができた
脳梗塞から脳出血へ コレステロールとの関連が明らかに
脳出血で死なないための睡眠時間が判明!
音楽サポート療法の「音楽」はほんとうに必要なのか?
患者に毎日好きな音楽を聴かせたところ、脳に構造改革が起きた模様
感情失禁になる患者の割合について
脳の可塑性のおかげで2年経っても運動機能が回復することが判明
【悲報】脳卒中後、杖を使い続けると麻痺していない手まで動かなくなる
血圧が高いひとは、他人の気持ちがわからない

生活習慣を改めれば脳卒中の再発は防げるの?
カニ歩きと後ろ歩き 片麻痺リハビリに効果的なのは、、
鍼治療の「得気」は小脳のはたらきだった
脳梗塞実績No.1漢方薬 → ほようかんごとう
閉じ込め症候群の患者にあえて生活の質を問うてみた結果、、
砂糖の代わりに甘味料を使うと脳梗塞がさらにひどくなることが判明
ダメージを負った脳組織が勝手に再生する仕組みが明らかに
指ストレッチはいいらしいから さっそくこのビデオで実践することにした
【肥満パラドックス】脳梗塞で長生きするBMIが判明
リハビリの合間のお昼寝は大切 → 訓練がはかどるゾ

刺激豊富な環境で脳梗塞が治る理由
猫を飼う女性は脳卒中で死なないことが判明!
美容院で脳卒中になる女性が続出!
「ストレスが原因」と語る脳卒中患者ほど実はなにもわかっていない
傷ついた脳に効くBDNFが増えるサプリメントが明らかに
運転リハビリに良さそうなおすすめドライブゲーム
【アロマテラピー】ラベンダーの香りが脳梗塞にすごく効く
脳卒中後の疲労感は 只の疲労とはわけが違う
脳卒中がきっかけでホモになることがあるらしい
ダイエットコーラを毎日飲むと脳卒中になることが判明

高コレステロールに朗報 葉酸サプリの脳卒中予防効果
BDNFが7年かけて脳を修復してくれるという根拠について
朝ごはんを食べない日本人は脳内出血になることが判明!
脳卒中予防に最適なビタミンBサプリメントの組み合わせがわかった!
脳卒中経験者の血圧を十分に下げたら死亡者が続出した
痙縮が治る ただの風呂と温泉を比較した
歩きスマホが脳卒中患者のリハビリに適しているという根拠について
磁気嵐が脳卒中を引き起こす と判明!
リハビリは動かせばイイってもんじゃぁない. 本人がやる気になるまで待て.
『足首を鍛えたいのに麻痺して動かないの』→『もう一方の足を鍛えなさい』