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2020年3月18日

アスピリンでくも膜下出血を予防できる?


Association between aspirin use and risk of aneurysmal subarachnoid hemorrhage- a meta-analysis
2020  3月  中国

くも膜下出血の発生率は、年間10万人あたり 全世界では9人、中国2人、中南米4.2人、フィンランド19.7人、日本22.7人 である。

28日間の致命率は42%で、生存者の50%が障害を負う。85%は脳動脈瘤の破裂によるという。

脳動脈瘤の治療技術の進歩にもかかわらず、その発生率にあきらかな変化はない。

脳動脈瘤の破裂には炎症反応が強く関わっていると考えられていて、抗炎症薬でもあるアスピリンは脳動脈瘤の破裂予防薬として期待されている。

しかしその効果については見解が一致していないので、これまでの研究のメタアナリシスから検証してみたそうな。

2019年7月25日

Stroke誌:手術するべき脳動脈瘤4つのチェック


Treatment Scoring of Unruptured Intracranial Aneurysms
2019  7月  フィンランド

くも膜下出血の発生率は低下傾向にあり平均年齢はあがっている。つまり若年者の発生が減少している。その理由として喫煙率の低下や診断精度の向上が考えられる。

いっぽうMRIの普及にしたがって症状のない未破裂脳動脈瘤の発見が増えている。

これらの状況から 未破裂脳動脈瘤がやがて破裂する(くも膜下出血となる)リスクはかなり低いことがわかる。

未破裂脳動脈瘤の治療(クリップやコイル手術)判断は、その根拠にできる研究が存在しない(選択バイアスが強く使えない)ため非常にむつかしい状況にある。

治療の可否を判断するためのスコア基準 UIA treatment score (UIATS)が提案されているものの とても複雑なうえ精度の検証もなされていない。

「唯一」40年以上まえにヘルシンキ大学がおこなった未破裂脳動脈瘤患者142人を治療せず生涯フォローした研究が使えそうなので、このデータをつかってUIATSを検証し よりすぐれたスコア法を開発してみたそうな。

2019年6月30日

nature.com:活発なひとはくも膜下出血になりやすい?


Physical activity associates with subarachnoid hemorrhage risk- a population-based long-term cohort study
2019  6月  フィンランド

くも膜下出血は致命率がおよそ40%で、その発生にはライフスタイルが深くかかわっているという。

喫煙、血圧、年齢、脂質、性別がリスク要因としてわかっている。

いっぽう身体活動は脳梗塞の予防には良いとされているが くも膜下出血についての調査はすくなく、身体活動によりかえってくも膜下出血がおきやすくなるとする報告もある。

その報告は身体活動の種類を区別していなかったので、余暇活動、通勤、仕事のそれぞれの身体活動度とくも膜下出血リスクとの関連について長期かつ大規模にしらべてみたそうな。



1972-2014にフィンランドの65521人について行われたFINRISK調査のデータを使用した。

身体活動を、余暇、通勤、仕事の3種類に分け、くも膜下出血発生との関連を解析したところ、



次のようになった。

・この間に534のくも膜下出血があった。

・週に30分間の余暇活動がふえるとくも膜下出血リスクが0.95倍になった。

・通勤の身体活動度も同様にくも膜下出血リスクを下げたが、退職年齢でその効果が消えた。

・対照的に、仕事での身体活動が中レベル以上にふえると くも膜下出血リスクは高くなった。

・余暇活動による予防効果は年齢や高血圧によらなかったが、現在喫煙者にはより一層の効果があった。

余暇や通勤での身体活動は男女ともにくも膜下出血リスクをさげる効果が見られた。とくに喫煙者で顕著だった、



というおはなし。

図:身体活動とくも膜下出血リスク 喫煙者



感想:

余暇の運動は予防で 仕事で運動するとコブがやぶれる。どういうメカニズムなんだろう。

2019年6月14日

Stroke誌:くも膜下出血のあと精神病になる割合


Antipsychotic Use Among 1144 Patients After Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage
2019  5月  フィンランド

くも膜下出血は55歳前後の若年者におおく、脳動脈瘤の破裂によるものがほとんどを占める。

脳動脈瘤は一般人口の3%にみられおおくは破裂にいたらないが年間10万人あたり7-12人がくも膜下出血をおこす。

くも膜下出血では頭蓋内出血、脳室内出血、遅延性脳虚血、水頭症、頭蓋内圧亢進症や再出血予防手術による合併症などにより脳の損傷がおきる。

くも膜下出血患者の長期の精神疾患と抗精神病薬の使用についての研究はなさそうなので大規模にしらべてみたそうな。



くも膜下出血後12ヶ月間生存できた1144人と年齢性別のいっちする一般人3432人について、その後の抗精神病薬の使用を9年前後フォローしたところ、



次のことがわかった。

・患者の12%がくも膜下出血のあとに抗精神病薬をはじめた。いっぽう一般人では4%だった。

・抗精神病薬の利用率は1年後6%、5年後9%で、一般人では順に1%、2%だった。

・回復良好患者(mRS0-1、シャントなし、脳内出血や脳室内出血なし)での抗精神病薬の5年後利用率は2%で、

・シャントや水頭症だった患者の抗精神病薬の5年後利用率は23%だった。

・抗精神病薬利用者の63%は抗うつ薬と抗てんかん薬を同時にのんでいた。

くも膜下出血を経験した患者は一般人にくらべあきらかに高率で抗精神病薬をのんでいた。かれらは抗うつ薬や抗てんかん薬もいっしょに飲んでいた。脳への直接のダメージがなかった者はこれらの薬を飲む割合が低かった、


というおはなし。

図:抗精神病薬 くも膜下出血後の



感想:

メンタルの不調をうったえるといろんな薬をもらえるんだな。

2019年4月15日

脳動脈瘤は歯周病のせい


Periodontitis and gingival bleeding associate with intracranial aneurysms and risk of aneurysmal subarachnoid hemorrhage
2019  4月  フィンランド

頭蓋内の動脈瘤は成人の2-3%にみられる。脳動脈瘤が破裂する率は年間10万人あたり10人ほどで非常にまれである。また 未破裂の脳動脈瘤が存命中に破裂する率は29%という。

いっぽうくも膜下出血の死亡率は40%と高く、
さらに 治療法とされるクリップやコイル塞栓術によって死亡または重度の障害を負う率は5-7%にもおよぶ。

要らぬ治療を避けるためにくも膜下出血のリスクを正しく評価する方法が求められている。

これまで動物実験では炎症によって脳動脈瘤が誘導されることがわかっている。また人の脳動脈瘤の壁から口腔内バクテリアのDNAが検出されている。
そして歯周病と腹部大動脈瘤との関連もあきらかになっている。

そこで、歯周病が脳動脈瘤の形成と破裂にも関連するものか、くわしくしらべてみたそうな。



未破裂脳動脈瘤の42人と破裂脳動脈瘤の34人、および年齢 性別のマッチするコントロール70人について歯周病の有病率をしらべた。

つぎに高血圧や喫煙 飲酒などのリスク要因を抱えた別の5170人についてくも膜下出血を13年間フォローして、口腔内検査をくわえて関連を解析したところ、



次のことがわかった。

・脳動脈瘤患者の歯周病の有病率は92%で、歯肉ポケット6mm以上の重度の歯周病は49%にみられた。

・とくに歯肉出血が歯列の7割以上の範囲で見られる場合、脳動脈瘤があるオッズ比は34.4倍だった。

・くも膜下出血のリスクは、歯3本以上におよぶ重度の歯周病の場合22.5倍、7割以上の範囲で歯肉出血がある場合は8.3倍に及んだ。

歯周病と歯肉出血は脳動脈瘤の形成および くも膜下出血とあきらかな関連があった、


というおはなし。
図:歯周炎とくも膜下出血率


感想:

よく読むと、未破裂脳動脈瘤へのクリップやコイルでくも膜下出血を防げるとするまともなエビデンスはないんだってね。
わかってたけど。


炎症には腸内細菌も関わっていて、、
Hypertension誌:脳動脈瘤は腸内細菌のせい
歯周病を治療すればくも膜下出血を防げるのだろうか?
歯周病と脳内出血の因果関係は

2019年1月3日

血圧とくも膜下出血 in チャイナ


Blood Pressure and Risk of Subarachnoid Hemorrhage in China
2018  12月  中国

くも膜下出血の発生率は国によってことなり、とくにフィンランドと日本で高いことが知られている。これまでの調査では中国のくも膜下出血発生率は欧米や他のアジア諸国にくらべ低かった。

くも膜下出血のリスク要因である高血圧や喫煙、飲酒の点ではハイリスクなはずの中国でなぜ発生率が低いのか確かめるために、大規模な調査をおこなったそうな。


50万人あまりの一般成人データをふくむ「中国カドーリバイオバンク」研究について くも膜下出血の発生をフォローして血圧などとの関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・被験者の平均年齢は51、平均血圧は130/78、

・約7年のフォロー期間中に553件のくも膜下出血があり、発生率は年間10万人あたり12.9人だった。

・血圧は 平均を超える域ではくも膜下出血リスクと正の相関があり、

・収縮期血圧で10mmHg, 拡張期血圧が5mmHgあがるごとにくも膜下出血リスクはそれぞれ1.21倍、1.20倍になった。

・年齢や性別との関連は確認できなかった。

・血圧上昇によると考えられるくも膜下出血が23%を占めていた。

中国のくも膜下出血発生率は欧米のそれと同レベルだった。血圧の上昇はくも膜下出血リスクと相関し、原因の4分の1を占めると考えられた、


というおはなし。

図:血圧上昇とくも膜下出血

感想:

なるほどフィンランドのくも膜下出血ネタがおおい。↓
[くも膜下出血 フィンランド]の関連記事

2018年8月8日

若年者の脳卒中入院率 最近の傾向


Stroke hospitalization trends of the working-aged in Finland
2018  8月  フィンランド

脳卒中の発生率は低下傾向にあるといわれているが、若年層に限定すると必ずしもそうはならず調査によりおおきく異なる。

これをフィンランドの全患者についてたしかめてみたそうな。


2005と2014に18-64歳だった脳卒中患者記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・10万人あたりの入院率は、この間に脳内出血で15.2%低下、くも膜下出血は26.5%低下していた。この傾向は男女で共通していた。

・脳梗塞については入院率の低下は男性のみで女性にはみられなかった。

・しかし男性の35-44歳に限定すると脳梗塞入院率は37.5%高くなった。

・全体として脳梗塞患者の入院期間は減少したが、

・脳内出血とくも膜下出血の入院期間は変わらなかった。

・院内死亡率は脳梗塞で42.8%低下したが、脳内出血とくも膜下出血では変わらなかった。

フィンランドでは労働年齢層の脳卒中入院率が低下傾向にあったが、35-44歳男性の脳梗塞についてはその限りではなかった。脳梗塞の入院期間と院内死亡率の低下は重症な患者の減少と治療技術の向上を意味するのかも、


というおはなし。
図:血栓溶解療法の適用率変化2004-2014

感想:

脳内出血とくも膜下出血の入院率低下は血圧や喫煙コントロールの成果なんだろうけど、一旦なっちゃうと結果は相変わらずってことか。

2018年6月29日

脳卒中患者から臓器を抜くための法改正の成果


Identification of potential organ donors after aneurysmal subarachnoid hemorrhage in a population-based neurointensive care in Eastern Finland
2018  6月  フィンランド

移植臓器の不足は世界的なもんだいである。

脳死になる件数は外傷性の脳損傷よりもくも膜下出血患者のほうが2倍以上おおい。

これらのくも膜下出血患者から効率よく臓器摘出できれば移植待ちのおおくの患者を救うことができる。

フィンランドでは2010年に原則として本人の明らかな提供拒否(opt-out)の意思表示がないばあいには "推定同意"(presumed consent)にもとずく臓器摘出が可能になったことから この前後でのくも膜下出血患者の臓器提供率の変化について調べてみたそうな。


2005-2015のフィンランド東部地区のくも膜下出血患者769人のうち、14日以内に亡くなった145人(患者全体の19%、脳死を含む)を臓器提供の可能性があるとし、実際の臓器提供記録を分析したところ、


次のことがわかった。

・この145人のうち心停止者を除く83人(57%)が臓器提供候補者となった。

・さらに拒否者や不適合者を除いた49人(34%)が実際の臓器提供者になった。

・このときの臓器提供率は 49/83x100=59% だった。

・候補者のうち臓器提供に至らなかった者の 44%は近親者による拒否、53%は医療禁忌によるものだった。

・2005-2010には近親者による拒否が11件あり臓器提供率は52%だったが、

・新たな原則が適用された2010-2015には拒否数は3件のみで臓器提供率は74%になった。

くも膜下出血患者のおよそ20%が入院後14日以内に死亡し、その約半数が心肺停止していた。その結果、くも膜下出血患者の11%が臓器提供候補者になった。かれらが実際に臓器提供をした率は推定同意原則の導入前後で52%→74%に向上した。このプロセスをさらに効率よく運用してゆきたい、


というおはなし。
図:くも膜下出血患者の臓器提供率

感想:

じぶんの運転免許証の裏には「私は臓器を提供しません」の項目に二重丸をつけてある。

こういうこと↓あるからね。
すぐに亡くなるだろうと思って家族に臓器提供をお願いしたら患者にバッチリ聞かれていたという恐怖体験

2018年6月4日

コイル塞栓術が安全 はホントか


Outcome After Clipping and Coiling for Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage in Clinical Practice in Europe, USA, and Australia
2018  5月  フィンランド

くも膜下出血の再出血を防ぐための手術としてクリッピングとコイリングがある。

コイリングのほうが患者の予後が良いとするシステマチックレビューがでて以来、コイリングの比率が徐々に高まってきている。

この流行によりおおくの経験の浅い医師が参入するようになり またコイリングをアシストするあらたな器具も次々と投入されてきている。

そこで過去10年間のクリッピングとコイリングの現場状況を大規模にくらべてみたそうな。


ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアの22サイトが参加する行政管理データベースから患者7658人と、

ヨーロッパ2サイトの臨床データベースの1501人ぶんを別々に解析したところ、


次のことがわかった。

・行政データベースでは14日後の致命率は クリッピング6.4%、コイリング8.2% だった。

・臨床データベースでは14日後の致命率は クリッピング5.7%、コイリング9.0% だった。90日後の致命率もコイリングが高く、

・90日後の機能的回復不良率はコイリングのほうが低かった。

ワールドワイドな大規模調査ではくも膜下出血のコイリングは致命率が高くクリッピングよりすぐれているとは言えなかった、


というおはなし。
図:脳動脈瘤の位置とコイル クリップの棲み分け

感想:

うえのグラフみると、手の届きにくい場所ではほとんどコイルしか選択の余地がなく棲み分けができているようにも見える。

けどそれ以前に、再出血予防手術の必要性がいまだ理解できない、、、↓
くも膜下出血の超早期手術はじっさいどうなの?

2018年1月30日

さいきん脳動脈瘤がちいさくなっている


Size of Ruptured Intracranial Aneurysms Is Decreasing
2018  1月  フィンランド

近年、くも膜下出血の発生率は低下傾向にある。フィンランドではとくに50歳未満でこの傾向がいちじるしい。

そこで、破裂脳動脈瘤のサイズと位置についてさいきんの傾向をしらべてみたそうな。


1989→2008年のくも膜下出血患者2660人について調査したところ、


次のことがわかった。
・患者の59%は女性で、44%は50歳未満だった。

・この間に、50歳未満では破裂脳動脈瘤のサイズが男性で16%(9.2→7.7mm)、女性では13%(9.3→8.1mm)小さくなった。

・50歳以上の患者では破裂脳動脈瘤サイズに変化はなく、

・後方循環系に発生した破裂脳動脈瘤の割合が5→13%のおよそ3倍に増加した。

若年患者の破裂脳動脈瘤のサイズは縮小傾向にあった。いっぽう50歳以上では後方循環系の脳動脈瘤破裂の割合が増加した、


というおはなし。
図:破裂脳動脈瘤のサイズトレンド

感想:

瘤がちいさくなった理由は喫煙率や高血圧の減少で、

後方循環云々は救急医療の進歩でいままで突然死としてカウントされていなかった生還者が入ってきたせいではないか、、、といってる。


かならずしも瘤が成長したあげくに破裂するわけではないんだな。

今後どうするんだろ、ちっちゃい瘤をつまんだり詰め物したりするのかね?

2017年7月26日

くも膜下出血で突然死する人の特徴


Risk Factors of Sudden Death From Subarachnoid Hemorrhage
2017  7月  フィンランド

くも膜下出血患者の4人に1人は入院することなく突然に死亡するといわれている。
ところがくも膜下出血についての研究のおおくは入院患者について行われているため患者選択のかたよりが避けられない。

フィンランドでは突然死にはすべて検死解剖が義務付けられている。そこで くも膜下出血が原因で突然死した者と入院した患者とのリスク要因の違いをしらべてみたそうな。


フィンランド人65521人を20年ほどフォローした研究記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・くも膜下出血で98人が突然死して445人が入院した。

・喫煙量が増えるにしたがい入院よりも突然死するリスクのほうが高くなった。

・同様に収縮期血圧が高くなるほど突然死リスクが上がった。

・一人暮らしは突然死リスクが高く、入院のリスクは上がらなかった。

・50歳未満で標準血圧 非喫煙者のくも膜下出血での突然死例はなかった。

くも膜下出血の突然死リスクは喫煙や高血圧、一人暮らしの者で高かった。50歳未満 標準血圧 非喫煙者での突然死は極めて稀といえる


というおはなし。
図:くも膜下出血で突然死 血圧と喫煙
右:突然死、実線:喫煙、黒:高血圧


感想:

病院へ間に合わなくて死亡するのではなくて、それまで動脈瘤はおろか何の心血管症状もなかった元気なひとがいきなりくも膜下出血で死ぬんだって。

ポックリ逝きたければ ひとり暮らしで高血圧は放置、たばこを吸いながらその時を待て ということ。
脳卒中で突然死 若年者のばあい

2017年4月19日

検索ボリュームからみたクモ膜下出血の季節性


Internet search volumes in brain aneurysms and subarachnoid hemorrhage: Is there evidence of seasonality?
2017  4月  カナダ

クモ膜下出血には起きやすい季節がある という報告があるが詳細は確認されていない。

そこでクモ膜下出血と季節の関連をネットの検索ボリューム変化からしらべてみたそうな。


無料のサービス Google Trendsを使用して、「脳動脈瘤」「クモ膜下出血」といったキーワード検索量の変化を2004-2016で調査した。
対象国をアメリア、カナダ、フィンランド、日本にも絞って解析したところ、


次のようになった。
・検索件数ではアメリカがもっともおおかった。

・検索語句では "brain aneurysm" のつぎに "cerebral aneurysm"が多かった。

・どの国でも季節との関連をしめす結果は得られなかった。

クモ膜下出血についてのインターネット検索ボリューム変化からは季節との関連は確認できなかった、


というおはなし。

図:クモ膜下出血のGoogle Trends

感想:

あいかわらず鼻水が止まらないので [花粉症 vs.インフルエンザ]でしらべてみた。
このくらいのビッグキーワードになると季節性とボリューム比がはっきりとわかる。

2017年3月4日

Stroke誌:クモ膜下出血で手術をしなかったときの死亡率


Natural History of Ruptured but Untreated Intracranial Aneurysms
2017  3月  フィンランド

げんざいクモ膜下出血にはガイドラインで手術が強く勧められているため、手術をしない保存処置を選んだばあいの1年間死亡率=63%という数値は1960年台の調査結果を用いざるをえない。

そこで、さいきん40年間のデータを用いて、クモ膜下出血を手術せず保存処置したばあいの病状経過をしらべてみたそうな。


1968-2007 クモ膜下出血で手術をしなかった患者で、発症時期と入院 死亡までをフォローできた事例510件を解析したところ、


次のことがわかった。

・発症から死亡までの日数の中央値は20日間だった。

・全体的に1年間死亡率は65%だったが、これは入院までの日数でおおきく変化した。

・たとえば、発症から入院に1ヶ月以上間があった患者の1年間死亡率は13%だった。

・重症でなく 発症から1週間以内に入院した患者の1年間死亡率は75%だった。

手術しなかったばあいのクモ膜下出血の死亡率はこれまで考えられていたものよりも悪かった、


というおはなし。
図:クモ膜下出血 入院の遅れと死亡率


感想:

ここに結論ありきのトリックがあって、
「保存処置の対象者は手術拒否(3%)以外に、重症(40%)、手術困難(19%)、超高齢(2%)、瘤が小さすぎ(1%)、そして手術前に死亡した患者(16%)を含む」って書いてある。死亡率が高いのはとうぜんだわな。
図:くも膜下出血の保存処置の条件

これら為すすべがなく早期に死亡した患者が淘汰されたあとに入院すると死亡率が "劇的に低下"(86→13%)する。
これこそが手術をしなかった場合でのほんとうの死亡率に近いのではないか?


2016年8月16日

くも膜下出血と喫煙 さいきんの傾向


Incidence of subarachnoid hemorrhage is decreasing together with decreasing smoking rates
2016  8月  フィンランド

くも膜下出血は死亡率が非常に高いため入院まえに亡くなる場合が少なくない。多くの国ではこのようなケースは心不全に分類されるなどして正確な統計が得られにくい。

そこで、検死解剖をきっちりとやる習慣のあるフィンランドでのくも膜下出血と発症リスクとしての喫煙率のさいきんの推移を調べてみたそうな。


1998-2012のくも膜下出血患者と喫煙調査の結果を解析したところ、


次のことがわかった。

・この間に6885人のくも膜下出血があり、このうち26%が病院外または救急救命室で死亡していた。

・全体的に、くも膜下出血の発生率は10万人あたり6.2-10.0人だった。

・70-75歳の女性で発生率はもっとも高く 22.5人/10万人だった。

・この15年間に、50歳未満ではくも膜下出血が女性で45%、男性で38%減少し、

・50歳以上では女性16%、男性26%の減少だった。

・15-64歳の喫煙率は30%減少していた。

くも膜下出血の発生率は特に若年者で減少傾向にあり、喫煙率と連動しているようだった、


というおはなし。

図:くも膜下出血15年間の傾向


感想:

クモは高齢女性に多いんだな、、

2016年7月24日

くも膜下出血が女性に多い理由は、、「喫煙」か?


Sex, Smoking, and Risk for Subarachnoid Hemorrhage
2016  7月  フィンランド

これまでの研究によるとくも膜下出血のリスクは男性にくらべ女性が なぜか1.4-1.9倍高い。

喫煙習慣を考慮にいれても同様の関連が見られるものか調べてみたそうな。


65521人を21年ほどフォローした結果、


次のことがわかった。

・この間に492件のくも膜下出血があった。

・男女ともに喫煙本数とくも膜下出血リスクは比例関係にあった。

・1日に喫煙20本以上のくも膜下出血リスクは、非喫煙者に比べ 女性で8.35倍、男性は2.76倍だった。

・途中で喫煙をやめた人のくも膜下出血リスクは非喫煙者なみに下がった。

喫煙本数が増えるほどくも膜下出血のリスクは上昇し、特に女性で顕著だった。喫煙脆弱性が くも膜下出血が女性に多い原因なのかも、


というおはなし。

図:喫煙とくも膜下出血 男女の違い

感想:

くも膜下出血は女性におおいんだ、、、しらんかった。

追記:
いつからクモ膜下出血に女性が多くなったのか?

2010年12月28日

赤肉の好きな女性は脳梗塞になりやすい


Red Meat Consumption and Risk of Stroke in Swedish Women.
2010 12月 フィンランド


牛や豚などの赤肉やソーセージなどの加工肉をよく摂る女性は
脳梗塞にたいへんなりやすいことがわかった、という話。

脳出血やくも膜下出血には関連ないとのこと。


赤身肉を摂る女性は脳梗塞になる

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音楽サポート療法の「音楽」はほんとうに必要なのか?
患者に毎日好きな音楽を聴かせたところ、脳に構造改革が起きた模様
感情失禁になる患者の割合について
脳の可塑性のおかげで2年経っても運動機能が回復することが判明
【悲報】脳卒中後、杖を使い続けると麻痺していない手まで動かなくなる
血圧が高いひとは、他人の気持ちがわからない

生活習慣を改めれば脳卒中の再発は防げるの?
カニ歩きと後ろ歩き 片麻痺リハビリに効果的なのは、、
鍼治療の「得気」は小脳のはたらきだった
脳梗塞実績No.1漢方薬 → ほようかんごとう
閉じ込め症候群の患者にあえて生活の質を問うてみた結果、、
砂糖の代わりに甘味料を使うと脳梗塞がさらにひどくなることが判明
ダメージを負った脳組織が勝手に再生する仕組みが明らかに
指ストレッチはいいらしいから さっそくこのビデオで実践することにした
【肥満パラドックス】脳梗塞で長生きするBMIが判明
リハビリの合間のお昼寝は大切 → 訓練がはかどるゾ

刺激豊富な環境で脳梗塞が治る理由
猫を飼う女性は脳卒中で死なないことが判明!
美容院で脳卒中になる女性が続出!
「ストレスが原因」と語る脳卒中患者ほど実はなにもわかっていない
傷ついた脳に効くBDNFが増えるサプリメントが明らかに
運転リハビリに良さそうなおすすめドライブゲーム
【アロマテラピー】ラベンダーの香りが脳梗塞にすごく効く
脳卒中後の疲労感は 只の疲労とはわけが違う
脳卒中がきっかけでホモになることがあるらしい
ダイエットコーラを毎日飲むと脳卒中になることが判明

高コレステロールに朗報 葉酸サプリの脳卒中予防効果
BDNFが7年かけて脳を修復してくれるという根拠について
朝ごはんを食べない日本人は脳内出血になることが判明!
脳卒中予防に最適なビタミンBサプリメントの組み合わせがわかった!
脳卒中経験者の血圧を十分に下げたら死亡者が続出した
痙縮が治る ただの風呂と温泉を比較した
歩きスマホが脳卒中患者のリハビリに適しているという根拠について
磁気嵐が脳卒中を引き起こす と判明!
リハビリは動かせばイイってもんじゃぁない. 本人がやる気になるまで待て.
『足首を鍛えたいのに麻痺して動かないの』→『もう一方の足を鍛えなさい』