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2024年2月22日

脳卒中回復の神話を打ち砕く!エビデンスで裏付けられた唯一の薬とは?

2024  1月  台湾


脳卒中の負担は、生産性の低下を伴う長期にわたる介護を必要とする障害によるところが大きい。

そこで、脳卒中後の障害または障害を改善する治療法として、様々な登録薬理療法に関する研究を同定、評価をこころみたそうな。




成人の脳卒中患者において、回復を促すとして研究されている治療薬を系統的に検索し、レビューを行った。

治療薬は、市場認可を受けている必要がある。

レビューに含まれたアウトカムは、神経学的障害と機能/障害評価であった。

研究デザイン、研究規模、に基づいて「入手可能な最良の研究」が選択され、コンセンサスによりエビデンスレベル(LOE)が評定された。



次のことがわかった。
 
・系統的検索により7,801件の引用が得られ、665件のフルテキスト論文をレビューした。

・25の薬理学的分類にわたる58の論文が「最良の研究」として選択された: 脳梗塞に関するものが31報、脳梗塞または脳出血に関するものが21報、脳内出血に関するものが4報、くも膜下出血(SAH)に関するものが2報であった。

・26報がシステマティックレビュー/メタアナリシス、29報がランダム化臨床試験(RCT)、3報がコホート研究であった。

・SAHに対するニモジピンのみが有益性を示すLOE Aであった。

・多くの研究は、治療効果を示したものもあったが、主にサンプルサイズが小さいか質が低いため、LOE C-LD(限定的エビデンス)と評価された。

・7件の介入は、治療効果のLOE B-R(中程度エビデンス)であった。

 
市販されている治療薬のうち、脳卒中における日常的な使用に耐えるエビデンスレベル Aのものは1つのみであった、


というおはなし。

ニモジピン

ニモジピン

ニモジピン

ニモジピン


感想:

ニモジピンはカルシウム拮抗薬で、くも膜下出血後の血管攣縮予防に良いという。

ようするに、脳卒中の回復に良い、とされている薬のおよそ98%にはまともなエビデンスがない、ってこと。


今回検討された薬理学的分類と、論文件数、

抗うつ薬、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)(1件)
MAO(モノアミン酸化酵素)阻害薬(2件)
三環系抗うつ薬(2件)
メチルキサンチン(3件)
植物由来薬(9件)
気分安定薬(1件)
カルシウム拮抗薬(4件)
ニューロペプチド(4件)
コリンヌクレオチド(2件)
NMDA(N-メチル-D-アスパラギン酸)受容体アゴニスト(1件)
コリン作動薬(2件)
NMDA受容体拮抗薬(2件)
中枢神経刺激薬(3件)
ノルアドレナリン/ノルアドレナリン作動薬(2件)
コロニー刺激因子(4件)
オピオイド拮抗薬(1件)
ドパミン作動薬(3件)
周辺化学受容体アゴニスト(1件)
エルゴット(1件)
ピラゾロン(4件)
GABA(γ-アミノ酪酸)受容体アゴニスト(1件)
ラセタム(2件)
血管拡張薬(2件)
カリウムチャネルブロッカー(1件)​


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