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2017年10月30日

手の感覚麻痺と日常生活


Upper-limb sensory impairments after stroke: Self-reported experiences of daily life and rehabilitation.
2017  10月  スウェーデン

脳卒中患者のおおくは上肢の感覚麻痺(触覚、温覚、痛覚、深部感覚)を経験する。しかし上肢リハビリ研究は運動機能にフォーカスしたものが主で感覚麻痺は見過ごされがちである。

こんかい脳卒中で上肢感覚麻痺の個人的体験を内容分析して、日常生活への影響、対処のてだてや回復方法をしらべてみたそうな。


脳卒中患者15人に面談したところ、


次のことがわかった。

・5つのテーマが浮かび上がった。それぞれ、

・「感覚受容の変化」
 無感覚やうずき、温度感覚の変化、触覚や痛覚の過剰に敏感な状態。

・「運動コントロールへの影響」
 握力や上肢の正確な動作の困難。

・「日常生活での問題」
 身の回りや家事 余暇時間にまで影響するストレスフルな問題。

・「上肢障害への対処方略」
 感覚情報を視覚で補い、さらなる注意を払い、麻痺していない手を使って困難に対処。

・「感覚リハビリの欠如」
 有効な感覚麻痺のリハビリが存在しない現状。

脳卒中経験者は 上肢の感覚麻痺が日常生活にネガティブにおおきく影響し、そのリハビリ手段が無い状況を受け入れていた、


というおはなし。
図:脳卒中上肢感覚麻痺の日常生活


感想:

なるほど 柔らかいたべものを左手で握りつぶしてしまったり、握っていたスマホをいつのまにか落としていたりするわ。

2017年10月25日

感覚刺激で手が動くようになるは本当か?


Somatosensory stimulation to improve hand and upper limb function after stroke-a systematic review with meta-analyses.
2017  10月  オーストラリア

脳卒中になると運動機能の麻痺とともに感覚の麻痺がおきることがおおい。
感覚麻痺を放置すると頭頂葉の対応する脳皮質の範囲がちいさくなってしまう。

感覚刺激によって体性感覚野の機能が維持され運動機能の回復もすすむとする考え方がある。
これまでの研究から体性感覚刺激の上肢運動機能の改善効果をまとめてみたそうな。


関係する論文を検索 厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。
・被験者627人を含む14件の臨床試験がみつかった。

・内訳は、セラピストのタッチによる触覚刺激の研究が3件、

・筋収縮を伴わない微弱電気刺激が7件、

・温熱刺激2件、圧迫刺激2件 だった。

・いずれの研究もエビデンスレベルは低く、

・手や腕の運動機能の改善効果も確認できなかった。

上肢感覚刺激の運動機能改善効果はエビデンスレベルが低く確認できなかった、


というおはなし。
図:触覚刺激で手のリハビリ

感想:

触覚刺激にはいろいろと期待してるんだけど、手が動くようになるわけではないってことなんだな。
[触覚]の関連記事

2017年2月27日

末梢感覚刺激で脳梗塞が治る


Peripheral sensory stimulation is neuroprotective in a rat photothrombotic ischemic stroke model.
2016  8月  シンガポール

げんざい脳梗塞の有効な治療法はrtPAしかなくしかも適応になる患者は限られる。

末梢感覚刺激による脳の回復効果の報告があるので実験でたしかめてみたそうな。


ネズミを人為的に脳梗塞にした直後から 片方の前脚もしくは両前脚に微弱な電気パルス(末梢感覚刺激)を与えた。

脳波や梗塞体積を評価したところ、


次のことがわかった。

・末梢感覚刺激により体性感覚誘発電位、脳波がもとの状態にもどった。

・梗塞の体積は両前脚に刺激を与えたグループで最小になった。

脳梗塞直後の末梢感覚刺激による神経保護効果を確認できた、


というおはなし。
図:末梢感覚刺激と脳梗塞ボリューム

感想:

これら↓もおなじような理由かな。
太ももの裏をサワサワするとリハビリがはかどる

触覚刺激で脳がすぐに回復し その効果が10年以上続く可能性について

2017年2月4日

太ももの裏をサワサワするとリハビリがはかどる


Effect of sensory training of the posterior thigh on trunk control and upper extremity functions in stroke patients.
2017  1月  トルコ

脳卒中患者への触覚刺激が運動機能の回復をうながすとする報告がいくつかある。

実験で確かめてみたそうな。


慢性期脳卒中患者26人を触覚トレーニングと比較グループに分けた。

触覚トレーニングでは患者の両腿のうしろを次の方法で刺激する。

*トゲトゲボールをやさしくころがす。
*バイブレータで振動刺激をあたえる。
*硬さのことなるスポンジでこする。
*電気刺激をあたえる。

これら刺激の組み合わせを1回45分間、2週間で計10セッション行った。

両グループに通常のリハビリも施し、体幹、上肢、肩、バランス、ADL、触覚能力の評価を行ったところ、


次のようになった。

・セッション終了後、触覚トレーニングの患者で座位での上肢前方リーチ課題のスコアが明らかにすぐれていた。

・触覚トレーニングから10日後、生活自立度の向上も確認できた。

・触覚能力にグループ間の差はなかった。

ふともも裏への触覚刺激トレーニングを脳卒中リハビリに追加するべき、


というおはなし。
図:脳卒中の触覚トレーニング

感想:

こういう考え方は ボバース法に通じるところがあるんだって。

2017年1月15日

脳卒中患者がよだれをこぼす理由


Oral tactile sensitivity and masticatory performance are impaired in stroke patients.
2017  1月  スイス

脳卒中になると嚥下障害にならないまでも よだれや味覚低下がある。

そこで脳卒中患者の咀嚼(そしゃく)能力と口の触覚障害との関連をしらべてみたそうな。


脳卒中患者27人と健常者27人についてカラーガム等をつかった咀嚼能力テスト、唇や顎の筋力、触覚しきい値検査を行い比較したところ、


次のことがわかった。

・脳卒中患者は口の渇きやたべものを口からこぼすことが多かった。

・口腔内のあきらかな触覚低下は脳卒中の反対側にみられた。

・脳卒中患者のくちびるは両側ともに触覚がにぶかった。

・咀嚼能力とくちびるのちからは脳卒中患者で低かったが、

・噛む力は健常者と同レベルだった。

・口腔内の触覚と咀嚼能力には関連があった。

脳卒中は反対側の口腔内触覚に影響して、咀嚼能力が低下すると考えられる、


というおはなし。
図:脳卒中の咀嚼筋能力

感想:

顔はんぶん触覚がにぶくガムを噛んでると左の頬も噛んで血が出ることがよくある。そういうことだとおもう。

2016年12月15日

感じるのに感じない 脳卒中の感覚消失とは


An exploratory cohort study of sensory extinction in acute stroke: prevalence, risk factors, and time course.
2016  12月  スイス

感覚消失(sensory extinction)は 身体の右または左への単独の刺激は感知できるのに 同時に刺激を与えられたときにだけ一方がわからなくなる現象を指す。脳卒中などの脳損傷で起き、損傷脳と反対側の感覚(触覚、視覚、聴覚)が消失する。

脳卒中での感覚消失の頻度、回復過程、発症条件を調べてみたそうな。


脳卒中の急性期で神経症状が軽い(NIHSS平均1.6)患者73人を90日間フォローしたところ、


次のことがわかった。

・13.7%になんらかの感覚消失があった。

・触覚消失が8.2%でもっとも多かった。

・15日後にはすべての患者で感覚消失が治っていた。

・脳の病変体積2mL以上と半側空間無視が感覚消失の予測因子だった。

・島皮質、被殻、淡蒼球の損傷が感覚消失に関連していた。

感覚消失は軽症脳卒中患者にはまれな一時的なものだった。病変の大きさが2mL以上と半側空間無視があると感覚消失が起きやすかった


というおはなし。
図:感覚消失の起きやすい脳の部位

感想:

これがひどくなると感覚障害で、単独の刺激にも反応しなくなる、、、と考える。

2016年3月1日

重度麻痺にミラーセラピーをするメリットとは


Mirror therapy in chronic stroke survivors with severely impaired upper limb function: a randomized controlled trial.
2016  2月  スペイン

脳卒中患者への上肢ミラーセラピーの研究は麻痺が軽いケースを対象にしたものが多かった。

そこで上肢が重度麻痺の慢性期脳卒中患者へのミラーセラピーの効果を調べてみたそうな。


患者31人をミラーセラピーグループ15人、受動運動グループ16人に分け、

訓練を1回45分x週3回、計24セッション行ったところ、


次のようになった。

・両グループともに運動機能テストの時間スコアは改善したが、

・いずれも運動機能自体に改善はなかった。

・しかしミラーセラピーグループで軽いタッチに対する触覚の有意な改善が確認できた。

慢性期脳卒中で上肢が重度麻痺の患者へのミラーセラピーは、運動機能の改善は期待できないが軽いタッチへの触覚の改善効果があるのかもしれない、


というおはなし。

図:軽い接触


感想:

脳卒中やって触覚の奥深さを知った。いまは左手が物に触れているかどうかが かろうじて分かる程度で質感はまったくわからない。

2015年12月7日

肩手症候群の触覚障害と痛みを治す方法について


High-Frequency Repetitive Sensory Stimulation as Intervention to Improve Sensory Loss in Patients with Complex Regional Pain Syndrome I.
2015  11月  ドイツ

周期的な触覚刺激により脳卒中患者のリハビリ効果が促されるという報告がある。

そこで、触覚障害と痛みを伴う複合性局所疼痛症候群(CRPS)患者について、周期的な触覚電気刺激の効果を調べてみたそうな。


CRPS患者20人について、触覚障害を起こしている手の指先すべてに電極を着けて1日45分間x5日間刺激を与えた。

高周波数(20Hz)グループ16人と低周波数(1Hz)グループ4人に分けて前後での触覚2点弁別能および触圧覚、疼痛の程度を測定した。


次のことがわかった。

・高周波数グループでは触覚弁別能が著しく改善し、

・4人の患者で痛みが30%以上減少した。

・低周波数グループでは全ての患者で触覚弁別能が低下し 触圧覚と痛みに変化はなかった。


CRPS患者への高周波数電気刺激は感覚障害に効くかもしれない。痛みの緩和にはさらに長い期間の刺激治療が必要だろう、


というおはなし。

図:高周波数電気刺激と触覚弁別能


感想:

脳卒中のあと肩が痛くなって手がむくむ肩手症候群は CRPSに分類されるってことで関心を持った。

2015年9月11日

ワレンベルグ症候群で顔面に触覚障害があった例


Ipsilateral Facial Tactile Hypesthesia in a Patient with Lateral Medullary Syndrome.
2015  9月  日本

延髄外側症候群いわゆるワレンベルグ症候群の患者ではさまざまな感覚障害が報告されている。症状は、梗塞と同側の顔面および反対側の体幹、四肢の温痛覚障害が典型的である。触覚が障害されることはほとんどない。

ワレンベルグ症候群の35歳男性でちょっと変わった症状があったそうな。


彼の神経症状とMRIを照らし合わせた結果、


次のことがわかった。

・後下小脳動脈解離により左側延髄外側に梗塞が起きた。

・左側顔面に触覚と温痛覚の障害があった。

・右側上下肢に温痛覚障害があった。


触覚には識別に関わる触覚と、温痛覚のような原始性触覚があり、顔面は識別性触覚と考えられている。

ワレンベルグ症候群についてこれまでは温痛覚にのみ注目していたが、今回の顔面の触覚障害のケースから、原始性触覚の神経解剖学的な経路について重要な情報が得られたと考える、


というおはなし。

図:ワレンベルグ症候群

感想:

ワレンベルグ症候群って患者ブログなどでたまーに目にする。なんのことやらよくわからなかったので この機会にと思い取り上げた。

2015年9月7日

損傷脳半球と同側の感覚障害について


Sensory deficits in ipsilesional upper-extremity in chronic stroke patients.
2015  9月  ブラジル
通常、脳卒中で損傷した脳半球と反対側に麻痺や感覚障害が現れる。

損傷脳の同側について感覚障害を調べてみたそうな。


慢性期脳卒中患者28人と健常者22人について、両方の手首や手の触覚、温度感覚、運動機能を測定した。


次のことがわかった。

・患者の25人は損傷脳の反対側に感覚障害があった。

・また、患者の18人(64%)には同側に感覚障害があった。

・同側の感覚障害は左利きの患者がもっとも酷かった。

・右脳損傷患者の同側の触覚は左脳損傷患者よりも悪くなかった。


脳卒中患者の損傷脳半球と同側に 深部感覚、触覚、温度感覚の低下が見られた。右脳損傷、右利き患者は同側の感覚障害になりにくかった、


というおはなし。

病変と同側


感想:

この種のはなしはときどき出てくる。

多かれ少なかれ両方の手に影響があるようなので、「非麻痺手」とか「健常側」とかいう表現を使うのは適切でないって言ってる。

2015年7月29日

指先の触覚感度を鋭くするノイズ刺激強度がわかった


Application of vibration to wrist and hand skin affects fingertip tactile sensation.
2015  7月  アメリカ

脳卒中患者の指先の触覚は、手首や手の甲に振動刺激を与えることで改善できる。

この振動刺激に適した強さを調べてみたそうな。


12人の健常者について、手首、手の甲、親指の腹など4箇所別々にホワイトノイズ刺激を与えた。

ホワイトノイズの強度は認知できる閾値の60%から120%まで変化させた。

各々の組み合わせ時の人差し指および親指先の触覚感度を測定した。


次のようになった。

・ホワイトノイズはその位置によらず指先の触覚感度におおきく影響を与えた。

・閾値の60%強度のとき指先の触覚感度はもっとも向上し、

・120%では逆に感度が低下した。

・80%では感度に明らかな変化が無かった。

・ノイズ強度と触覚感度の関係は確率共鳴現象のそれを示していた。

・ノイズ位置に依らないことからより高次の神経プロセスに関係していると考えられた。


離れた位置へのノイズ刺激によって指先の触覚感度を改善できた。ノイズ刺激が閾値の60%強度のとき触覚感度がもっとも向上した、


というおはなし。

指先触覚刺激

感想:

これ↓の続報。
確率共鳴現象によって脳卒中で麻痺した指先の感覚を簡単に改善してしまう方法が明らかに
おもしろい。別の種類の刺激でもいけるんじゃないのかな、、

2015年3月9日

脳卒中患者が傾く仕組みについて


Subliminal galvanic-vestibular stimulation recalibrates the distorted visual and tactile subjective vertical in right-sided stroke.
2015  3月  ドイツ

右脳損傷の脳卒中患者は垂直方向の認識にズレを生じることがある。これは前庭感覚にも由来していると考えられている。

そこで、前庭感覚電気刺激(GVS)を与えたときの垂直方向への視覚的、触覚的認識のズレを調べてみたそうな。


右脳損傷の脳卒中患者24人を主観的垂直方向のズレのある患者と無い患者に分けた。

患者の両耳の後ろにまったく感知できないレベルの弱い直流電気刺激を20分間与えた。

日を改めて電極の極性を変えた。


次のようになった。

・右ではなく左耳後ろにマイナス極を貼った場合に、視覚的な垂直認識のズレが有意に減少した。

・同時に 触覚的な垂直認識のズレも有意なほどではないが低下した。

・これらの変化は垂直認識のズレが大きい患者でのみ観察できた。


前庭感覚電気刺激は脳卒中患者の垂直認識の視覚的、触覚的ズレに直ちに影響した。垂直認識には前庭システムが重要な役割を担っているに違いない、


というおはなし。
GVS


感想:

tDCSを100%の自信を持って否定できない理由の1つがGVSなんだよね、、


この記事↓と似てる。
プッシャー現象 なぜ脳卒中患者は傾くのか

2015年1月26日

[感覚障害] 療法士さんはエビデンスに基づいた評価 治療をしているのか?


Somatosensory assessment and treatment after stroke: An evidence-practice gap.
2015  1月  オーストラリア

脳卒中患者の感覚障害は珍しくない。そこで、ひごろ療法士さんがこの問題にどう対応しているものか調べてみたそうな。


作業療法士および理学療法士172人にアンケート調査したところ、


次のことがわかった。

・現在進行形で脳卒中患者を扱っているOTの63%、PTの37%から回答が得られた。

・そのほとんどの療法士(93%)は日常的に脳卒中患者の感覚障害に遭遇していた。

・感覚障害を測定する方法の70%は標準的なやり方ではなかった。

・ほとんど全ての療法士(98%)は感覚障害に対して代替戦略または再学習を薦めていた。

・エビデンスに基づいた治療はまれで、多くは同僚の意見や直近の経験に従ったものだった。

・時間、件数、情報アクセス上の制約から エビデンスに基づいた治療を行う困難さを感じていた。


多くの療法士は感覚障害への対応の重要性を理解していた。しかし現場ではエビデンスを欠いた評価法 治療法が少なからず用いられており、理想と現実のギャップが存在していた、


というおはなし。
体性感覚


感想:

どんなものか知らないけど、そのエビデンスとやらにじゅうぶんな説得力がありさえすれば みな採用すると思うけどな、、

[感覚障害]の関連記事

2014年12月9日

感じないほどの弱い触覚刺激で手の動きが良くなることが明らかに


Effect of Remote Sensory Noise on Hand Function Post Stroke.
2014  11月  アメリカ

脳卒中で障害を受けた手の運動機能は、感覚刺激により改善する可能性があるという。

ほんとうかどうか実験してみたそうな。


脳卒中の慢性期で片麻痺でかつ手の感覚障害のある患者10人について、手首の背と腹に振動装置を貼り付けた。

この振動装置は触覚で感知できる最も小さい強度の60%相当の振動刺激を起こす。

振動をオンにしているときとオフにしているときでの手の器用さ(9ホールペグテスト、ボックスブロックテスト、つまみ力、関節可動域等)を交互に繰り返し測定し、比較した。


次のようになった。

・振動がオンの時に手の運動機能の明らかな向上が確認できた。

・閾値下の感覚刺激が脳皮質で隣合う運動野に影響を与えた結果と考えられた。


知覚できないほどの弱い触覚刺激によって手の運動機能が簡単に改善できた。リストバンドタイプの装置を作ればいつでもどこでも手が使えるようになるかもね、


というおはなし。
触覚刺激装置


感想:

つらい訓練に耐え続けてこそリハビリ、という思い込みが常識になっているなかで 「知覚できないほどの弱い刺激で一瞬に改善」ってところがヒジョーに興味深い。

2014年8月20日

手の触覚が鈍いのは自分だけなの?


The Prevalence and Magnitude of Impaired Cutaneous Sensation across the Hand in the Chronic Period Post-Stroke.
2014  8月  オーストラリア

脳卒中患者の手の皮膚感覚について調べてみたそうな。


42人の慢性期脳卒中経験者と36人の健常者について手の表面の各位置での知覚閾値テストを行った。

手の運動機能も評価し関連を解析した。


次のようになった。

・33%の患者が皮膚の知覚障害をもっていた。

・その程度は麻痺側の手の位置によっても異なり、健常者の40-84%知覚力が低下していた。

・健常者にとっては年齢による劣化をいちばん受けにくい手の背側で 知覚がもっとも障害された。

・運動機能障害との関連は指先および手のひらの知覚低下として確認できた。


慢性期脳卒中経験者の3分の1で皮膚感覚の障害を確認できた、


というおはなし。

触覚検査の位置



感想:

数日前、レモンの木を剪定した。枝にはトゲがあって右手で触れると痛くて仕方がない。そこで左手で枝をつまむと痛みをほとんど感じないのでどんどん作業が進んだ。

感覚麻痺でよかったなぁ と思った数少ないシーンのひとつ。

2014年7月24日

床屋で顔にカミソリあてられてもあまり感じないんだよね


Orofacial functional impairments among patients following stroke: a systematic review.
2014  7月  香港

脳卒中患者の口腔顔面機能の低下についてしらべてみたそうな。


医学論文データベースから関連する研究を厳選して内容を再吟味したところ、


次のことがわかった。

・脳卒中患者は健常人に比べ概ね 唇の力や唾液量、咀嚼機能が低下していた。

・麻痺側の咀嚼力や生活の質の変化の詳細についてははっきりしたことはわかっていない。


過去の調査を見直すことで 脳卒中患者の多くが口腔顔面機能の低下を経験していることがわかった。これらの機能低下が自発的に治ることは少ない。リハビリ的になにかできることはないだろうか…


というおはなし。

口腔顔面


感想:

いまだ顔左半分の触覚が鈍く、ご飯粒が付いても気づかない。ふと気を抜いたとき ヨダレが垂れることがある。ガムを噛んでいると 左頬の内側を噛んで血豆を作ることがよくある。

発症当初は顔が歪み、左目がとんでもない方向を向いていたことを考えると 現状は十分に満足すべき と考えている。


2014年6月29日

触覚刺激をしながらミラーセラピーをやってみたら…


Effect of mirror therapy combined with somatosensory stimulation on motor recovery and daily function in stroke patients: A pilot study.
2014  6月  台湾

ミラーセラピーに触覚刺激を組み合わせたときの効果を調べてみたそうな。


脳卒中で片麻痺の慢性期患者16人について、

*ミラーセラピーのみ
*触覚刺激+ミラーセラピー

の2グループに分けて両手の動作訓練を行った。

触覚刺激は、金属繊維の織り込まれた手袋に微弱電流を通して与えた。

1回1時間半x週5日x4週間の訓練ののち、


次のことがわかった。
・手の機能を評価する複数の指標で触覚刺激グループの方がスコアが明らかに優れていた。


ミラーセラピーに触覚刺激を加えることで、ミラーセラピーのみの場合よりも麻痺手の機能が大きく改善した、


というおはなし。


感想:

国立台湾大学がなにかの理由があってこの手袋を推したかったんだろうな…と思った。

2014年5月9日

体性感覚刺激でリハビリがはかどる は本当か?


The Effect of Combined Somatosensory Stimulation and Task-Specific Training on Upper Limb Function in Chronic Stroke: A Double-Blind Randomized Controlled Trial.
2014  5月  イギリス

体性感覚(皮膚および深部感覚)刺激を加えると脳卒中リハビリがはかどると言われている。

そこで課題志向型訓練に組み合わせたときの効果を調べてみたそうな。


33人の慢性期脳卒中患者を体性感覚刺激グループと偽刺激グループに分けて2時間の課題志向型訓練を12セッション行った。

体性感覚刺激は訓練の30分前に上肢肘周辺の3つの神経を対象に電気パルスを与えた。

メカニズムを調べるためにTMS検査も行った。

訓練のあと2日目、3ヶ月、6ヶ月後に効果をフォローした。


次のようになった。

・訓練後、リアル刺激グループで上肢機能の大きな改善があった。

・しかしその効果は3ヶ月以降は見られなかった。

・皮質脊髄路の興奮性に変化はなかった。


体性感覚刺激を課題志向型訓練に加えたときの効果を確認できた。しかしそれは長く続かなかった


というおはなし。

図:体性感覚

2014年3月23日

触覚刺激で脳がすぐに回復し その効果が10年以上続く可能性について


Sensory Stimulation-Based Complete Protection from Ischemic Stroke Remains Stable at 4 Months Post-Occlusion of MCA.
2013  11月  アメリカ

ネズミを使った実験で、脳梗塞の直後にヒゲの触覚刺激を行ったら24時間後には脳のダメージがほぼ完全復活した。

この効果が長く続くものかどうかさらに実験してみたそうな。


人為的に脳梗塞にしたネズミに同様の実験(直後にヒゲ刺激)を行い、4ヶ月後(人間の10-15年に相当)の脳と行動を評価し、健康ネズミと比較した。

ヒゲ刺激は脳梗塞にした直後に、秒間5回ほどの刺激を数十秒間隔で2時間行った。


次のようになった。
・4ヶ月ののちも神経、血管、行動、組織学的に健康ネズミと同様だった。



脳梗塞直後の感覚刺激による皮質活動が、神経の完全保護に働きその効果が持続した、


というおはなし。
写真:ヒゲ刺激



感想:

脳卒中になったら身体の敏感なところをしばらく擦ってあげる 「くすぐり療法」みたいなものがあってもいいかもな・・・

と思って検索したら「くすぐり療法」がいくつもみつかった。

ただ、熱心にやりすぎて逮捕されてしまった理学療法士の例もあった。

2014年2月27日

着けているだけで指の触覚がもどる手袋を開発


Brain stimulation at your fingertipsStimulation glove for stroke patients improves sense of touch and motor skills
2014  2月  ドイツ

脳卒中患者の触覚を改善するための特殊な手袋を開発したそうな。
写真:指先刺激手袋

健康な人の指先を20Hzほどの微弱な電気パルスで数10分間刺激するだけで触覚がかなり鋭くなることがわかった。

図:末梢電気刺激と2点識別

この技術を高齢で触覚の鈍った被験者に試したところ同様の結果を得て、改善可能であることがわかった。

次に脳卒中患者50人について試したらこれも良かった。


そこで指先電気刺激機能を内蔵した着けているだけで触覚が改善する手袋を企業と開発して販売を開始した。

というおはなし。

製品カタログ(pdf)

感想:

触覚が相変わらずひどく鈍いので使ってみたい。

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