2019年12月2日

認知or運動の機能障害 神経科医が選ぶシナリオは


Self-perceptions on cognitive versus motor disability among neurologists
2019  11月  アメリカ

修正ランキンスケール(modified Rankin Scale:mRS)は脳卒中患者の機能回復度の評価によく用いられる。

0-6のスケールがあって、0は無症状、6は死亡をあらわす。
通常、0-2または0-3を「回復良好」とし4-6を「回復不良」と評価する。

たとえば介助なし歩行ができず 認知機能に問題ない場合、mRSは4の回復不良となる。

いっぽう運動機能にはまったく問題なくて 認知障害のために会社をクビになった場合でも、mRSは2となり回復良好とされる。

神経科医が患者に治療法をすすめる際には、臨床試験の結果から「回復良好」となりうる手段をえらぶことになるが、かれらが認知機能と運動機能のどちらに価値を見出しているのかによってはその意味するところがかならずしも患者と一致しなくなる。

そこで神経科医たちの価値観をしらべてみたそうな。



神経科医45人にメールでアンケートをおこなった。

自分なら次のどちらのシナリオを好むかを尋ねた。

a.認知機能上は正常で仕事にも支障がない。しかし車椅子が必要で一人では身の回りのことをすべてこなすことができない。(mRS4相当)

b.介助なしで自由に動き回ることができる。しかし認知障害があって医師を続けることができない。(mRS2相当)



次のようになった。

・神経科医の69%は30-45歳、24%は45-60歳だった。

・45人中44人が車椅子のシナリオ(mRS4)をQoL的に好ましいと判断した。

98%の神経科医は運動機能よりも認知機能に人生の価値をおいていて、mRSの評価に逆行する選択をした、


というおはなし。

図:神経科医への質問


感想:

さいきんQoL評価をする報告をよく目にするのはこんな背景があるのかもしれんね。

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