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2021年1月16日

ワインを飲むと脳梗塞になる根拠

2020  11月  日本


フランス人は高脂肪な食習慣にもかかわらず、他のヨーロッパ諸国にくらべ脳卒中など心血管疾患での死亡が少ない。これは「フレンチパラドックス」とよばれ、赤ワインの抗血栓効果を信じる根拠になっている。

さまざまな野菜や果物の抗血栓作用は主に、その品種によることが最近の研究でわかってきたので、ワインぶどうと心血管疾患との関連についても確認してみたそうな。

2020年8月1日

くも膜下出血の転帰 喫煙の影響

2020  7月  ノルウェー


喫煙がくも膜下出血のリスク因子として明らかになっているいっぽう、喫煙が転帰におよぼす影響についてはよくわかっていないので、くわしくしらべてみたそうな。

2020年3月16日

Stroke誌:喫煙パラドックスのからくり


Smoking Paradox in Stroke Survivors?
2020  3月  台湾

「喫煙パラドックス」は、心筋梗塞や脳梗塞からの回復良好者が喫煙者におおいことを指し、血栓溶解療法の効果にも同様のパラドックスが見られるという。

喫煙は脳卒中のリスク要因であるにもかかわらずこのような矛盾がみられる原因について いまだあきらかになっていない。

そこで、台湾の2つの大規模調査のデータをつかって、喫煙パラドックスをくわしくしらべてみたそうな。

2019年11月4日

「喫煙パラドックス」はなかった


"Smoking paradox" is not true in patients with ischemic stroke- a systematic review and meta-analysis
2019  10月  中国

喫煙は脳梗塞のリスク要因であり、喫煙歴だけでもネガティブな影響があるという。

さいきん喫煙者の血栓溶解治療成績が良好であるとする 「喫煙パラドックス」 "smoker's paradox" についての報告が数おおくなされている。
いっぽうそれを否定する研究者もいる。

そこで喫煙が脳梗塞の予後にあたえる影響をしらべるべくメタアナリシスをこころみたそうな。


2019年2月までの関係する研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、



次のことがわかった。

・21の研究がみつかった。

・予後不良になるオッズ比は0.96で、喫煙は脳梗塞予後になんのインパクトもなかった。

・脳梗塞の発症年齢の平均差は-10.05で、喫煙者は非喫煙者よりも10年早く脳梗塞になっていた。

喫煙に脳梗塞の予後を保護する効果はみられなかった。喫煙者が若くして脳梗塞を発症していることが喫煙パラドックスの理由かも、、


というおはなし。

図:喫煙パラドックス


感想:

虚血コンディショニング効果もあるかも。↓
脳梗塞の血管内治療と喫煙パラドックス

タバコのおかげで脳梗塞で死なずに済んだ患者が続出 [喫煙パラドックス]

2019年6月18日

恥ずかしくて病院にゆけない 脳卒中かもしれんけど


Reasons for delayed admission after stroke- results of a qualitative and quantitative survey
2019  5月  ドイツ

急性脳梗塞の再灌流治療には時間制限があって早ければ早いほど効果的と考えられる。

ひとつのタイムリミットである4.5時間以内に入院できる患者は全体の3分の1にとどまりその割合は20年間かわっていないという。

一人暮らしや症状が軽いばあいに病院到着が遅れがちであることがわかっていて、早期の入院をうながすための知識を啓発するキャンペーンがおこなわれている。

病院到着が遅れる患者の感情面での要因、たとえば 怖れ、拒絶、遠慮 などとの関連についてくわしくしらべてみたそうな。



まず病院到着に4.5時間以上かかった脳梗塞患者15人に面談して感情面でのテーマ分析をおこないアンケートを作成した。

このアンケートをつかって、
100人の患者(4.5時間以内30人、4.5時間超え70人)について定量評価をこころみた。



次のことがわかった。

・時間内到着にくらべ遅れてきた患者のおおくは、自分自身で症状に気づいていた。

・かれらにもっとも共通した感情は、確信のなさ(uncertainty)と恥ずかしさ(shame)だった。

・そして続くアクションとしてほとんどが 様子見(waiting)をえらんだ。

・彼らの脳卒中に関する知識レベルは中程度であったが知識に自信がないわけではなかった。

・脳卒中知識の情報源として雑誌が51%で医師からが26%だった。

・自由回答式ではない選択式の問いに関しては高い知識レベルを示していた。

自分自身で症状に気づいたあとの恥ずかしさと現状への確信のなさが病院へ遅れるおもな理由だった、


というおはなし。
図:はずかしい



感想:

「人様に迷惑をかけるな」「他人を巻き込まずに一人で氏ね」といったフレーズをさいきんよく目ににする。

だから手がしびれて舌がもつれるくらいで救急車は呼べない、恥ずかしくて。
nature.com:身内ほど救急車を呼ばないパラドックス

脳卒中なのに救急車を呼ばない理由

2019年3月28日

Stroke誌:脳内出血の肥満パラドックス


Obesity Paradox in Intracerebral Hemorrhage
2019  3月  アメリカ

脳内出血は脳卒中の10-15%をしめる。いっぽう肥満は 糖尿病、高血圧、冠動脈疾患、脳卒中のあきらかなリスク要因である。

肺高血圧や肝臓病、冠動脈疾患では肥満の患者ほど生存可能性が高いという「肥満パラドックス」が数多く報告されている。

脳内出血の肥満パラドックスについては報告がすくないので、きっちりとしらべてみたそうな。



データベース Nationwide Inpatient Sampleから 2007-2014の脳内出血患者99212人の記録について、

院内死亡率、退院先、入院期間、気管切開、胃ろう、脳室シャントとの関連を解析したところ、



次のことがわかった。

・肥満と病的な肥満では、肥満でない(BMI<30)患者にくらべ院内死亡率があきらかに低かった。

・ただし病的な肥満患者では気管切開や胃ろうになる率がたかく、

・ふつうに自宅へ退院できる可能性も低かった。

脳内出血患者のうち、肥満や病的肥満には院内死亡への保護効果がみられた。しかし病的肥満は気管切開や胃ろうになりがちで自宅に退院できないことがおおかった、


というおはなし。

図:肥満パラドックス


感想:

これまで↓よりもサンプル数が桁違いだ。
脳内出血の肥満パラドックス

脳内出血の肥満パラドックスがあきらかに

2019年3月19日

nature.com:身内ほど救急車を呼ばないパラドックス


Social networks and risk of delayed hospital arrival after acute stroke
2019  3月  アメリカ

心臓発作のシーンでは医療機関へかかるまでの時間が長くなると患者の死亡率が高くなる。この時間のおくれは患者の症状の目撃者が 状況を理解できず救急車をよばないことによると考えられている。

しかし1000人以上の心臓発作患者の調査では まったくの他人や会社の同僚はすぐに救急要請をするものの、患者に親しい家族とくに配偶者は救急車を呼ばないというパラドックスが報告されている。

これと同様の傾向が脳卒中患者についても見られるものかくわしくしらべてみたそうな。

2019年3月6日

脳卒中経験者の肥満の自覚と減量成果


Self-Reported Body Weight Changes, Perceptions, and Weight Loss Techniques among Stroke Survivors
2019  2月  アメリカ

脳卒中で障害をもつと不活発な生活になり体重が増えることが考えられる。実際、脳卒中経験者の過体重 肥満率は一般人の1.2倍という。

体重がおおいとリハビリの効果があがらない、死亡率が高いなどとされるいっぽう、かえって再発や心血管死亡リスクが下がり保護効果があるとする「肥満パラドックス」も報告されている。

これらはある時点での体重のみに着目しているので、脳卒中経験者の体重がどのように移り変わってきているのか大規模にしらべてみたそうな。



米国国民健康栄養調査(National Health and Nutrition Examination Survey: NHANES)の2011-2014のデータから50歳以上の脳卒中経験者387人、非経験者5085人を抽出した。

25歳時点での体重、現在もしくは脳卒中発症時点から10年前、1年前の体重をアンケート調査したところ、



次のことがわかった。

・脳卒中経験者の54%は脳卒中のあとにもっとも体重がおおくなった。

・脳卒中経験者 非経験者ともに70%が過体重か肥満だった。

・脳卒中経験者の24%のみが体重を減らそうとしていた。非経験者では35%が減量を試みた。

・そして過去1年間にいずれのグループも10-15%のみが5%以上の減量を達成できていた。

・おもな減量方法は、食事を減らす、運動、フルーツや野菜をおおく摂る、だった。

脳卒中経験者のおおくは脳卒中のあと体重がさらに増え、その後減量を試みた者のほとんどが失敗していた、


というおはなし。

図:脳卒中経験者の肥満


感想:

ちまたの健康情報にまどわされずゴーイングマイウェイな姿勢に好感。
Stroke誌:脳卒中でなお太ろうとする肥満の率

2019年1月10日

Stroke誌:内臓脂肪からみた肥満パラドックス


Impact of Visceral Adipose Tissue on Clinical Outcomes After Acute Ischemic Stroke
2019  1月  韓国

肥満や過体重の脳卒中患者は死亡率が低く回復が良いとするいわゆる「肥満パラドックス」が数多く報告されている。いっぽう「そんなものは存在しない太り過ぎは減量するべき」とする研究結果もある。

このようなちがいが起きる原因として、これまでの調査では肥満指標としてBMI(ボディマス指数)をもっぱら採用してきたことが考えられる。

BMIは筋肉や脂肪といった体組成の差を反映していない。そこで BMIにくわえて内臓脂肪を考慮にいれて肥満と脳卒中回復との関連をしらべてみたそうな。


急性脳梗塞で血栓溶解治療に間に合った患者127人について、

入院時にへその位置で撮影したCT画像から内臓脂肪比率をもとめ、
3ヶ月後の生活自立度mRSスコアとの関連を解析したところ、


次のようになった。

・内臓脂肪比率がたかくなるほどmRS2または1以下の回復良好者数が減少した。

・これは他の関連要因で調整してもおなじだった。

・BMI25以上の肥満患者は肥満でない患者よりも回復が良かった。

・肥満患者のうち、mRS1以下のとくに回復のよかった患者では内臓脂肪比率があきらかに低かった。

内臓脂肪比率のひくい脳梗塞患者はその後の回復が良かった。肥満でかつとくに回復の良かった患者には内臓脂肪があきらかにすくなかった、


というおはなし。

図:内臓脂肪と脳卒中のmRS

感想:

わかりやすく言うと、
筋肉のすくない脂肪でぶよぶよの肥満は好ましくはないけれど、痩せているよりはマシってことのようだ。

だから被験者に内臓脂肪型の肥満がおおいと肥満パラドックスは観測されにくくなる。

2018年8月20日

nature.com:喫煙と高血圧はくも膜下出血患者に良い


Impact of Comorbidities and Smoking on the Outcome in Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage
2018  8月  ドイツ

くも膜下出血は脳卒中の5%を占め女性におおい。その発生率はこの10年間で低下していて、喫煙や高血圧、飲酒習慣の改善によると考えられている。

くも膜下出血の予後にたいする喫煙や高血圧の影響についてはこれまで相反する結果がえられているため、くわしくしらべてみたそうな。


くも膜下出血で脳動脈瘤治療ずみの患者203人について12ヶ月後までフォローした結果、


次のことがわかった。

・55.7%が回復良好(mRS 0-2)で、42.4%は回復不良(mRS 3-6)だった。

・1年後の回復不良リスクは喫煙習慣があると0.21倍、高血圧では0.18倍になり、いずれも保護効果を示した。

・1年後の死亡リスクについても同様で、喫煙と高血圧があきらかな予防因子だった。

・糖尿病や高コレステロール血症ではこのような保護効果はみられなかった。
くも膜下出血の発生要因である喫煙と高血圧が、回復良好の予測因子でもあった、


というおはなし。
図:喫煙 高血圧 くも膜下出血の予後悪化リスク


感想:

rt-PAが喫煙患者によく効くパラドックスと似ている。

喫煙や動脈硬化で日頃から虚血気味な脳は、くも膜下出血のあとの血管攣縮のえいきょうに鈍感になっているのではないか、、

[喫煙パラドックス]の関連記事

2018年8月16日

体重が少ないひとの心原性脳塞栓


Low Body Mass Index is a Poor Prognosis Factor in Cardioembolic Stroke Patients with NonValvular Atrial Fibrillation
2018  8月  日本

ボディマス指数BMIと脳卒中との関連については数多くの研究があって、BMIが高いほど脳梗塞になりやすく、日本人ではBMIが低いとその予後はよくないとされている。

さらに日本では高齢化がすすみ心房細動由来の心原性脳塞栓がふえている。また欧米にくらべ肥満はすくなく低体重がおおい。

そこで心房細動で心原性脳塞栓の患者の予後とBMIとの関連をしらべてみたそうな。


心臓弁に異常のない心房細動で心原性脳塞栓の患者419人について、BMIで 低(<18.5)、標準(18.5-25.0)、肥満(>25.0)の3グループにわけて、

入院時の重症度、退院時の回復度をくらべたところ、


次のようになった。

・入院時の重症度NIHSSは、低>標準>肥満の順に高く、低体重グループがもっとも重かった。

・退院時の回復度mRSも、低>標準>肥満の順に高く、低体重グループがもっとも悪かった。

・低体重は重症かつ予後不良のあきらかな要因だった。

・肥満は重症度や回復度に影響しなかった。

低体重で心房細動の心原性脳塞栓になった患者は 重症でかつ回復が良くなかった、


というおはなし。
図:心原性脳塞栓の予後と肥満度

感想:

スリムで健康そうに見えるひとがじつはいちばん酷かった、という意味での肥満パラドックスか。

2018年5月8日

脳梗塞の血管内治療と喫煙パラドックス


Impact of smoking on stroke outcome after endovascular treatment.
2018  5月  スイス

喫煙習慣はあきらかに脳卒中のリスク要因の1つである。いっぽう喫煙習慣のある脳卒中患者への経静脈血栓溶解療法の効果が非常に高く回復が良いとする「喫煙パラドックス」についての報告も増えている。

この関連が血栓の機械的除去や動脈内血栓溶解療法(ウロキナーゼ)などの血管内治療についてもみられるものか詳しくしらべてみたそうな。


2003-2015に脳梗塞で血管内治療をうけた935人について調査したところ、


次のことがわかった。

・21.8%の患者に喫煙習慣があった。

・彼らは年齢が若く、男性がおおく、高血圧がすくなかった。

・また 治療から3ヶ月後の回復がきわめて良好(mRS1以下)の割合が 39.1%vs.23.1% で喫煙者におおく、動脈再開通率も高く 死亡率は低かった。

・脳内出血率に喫煙者と非喫煙者でちがいはなかった。

・関連要因を考慮にいれてもなお、喫煙習慣があるだけで3ヶ月後の回復がきわめて良かった。

脳梗塞患者に喫煙習慣があると血管内治療後の回復が非常によかった。だからといって喫煙が健康に良いわけではないので勘違いしないように、


というおはなし。
図:血管内治療の喫煙習慣パラドックス

感想:

どうやら虚血コンディショニング効果ではないか、、って言ってる。

[虚血 コンディショニング]の関連記事

2018年4月29日

脳内出血の肥満パラドックス


Racial differences in intracerebral haemorrhage outcomes in patients with obesity
2018  4月  アメリカ

肥満が脳卒中リスクであることは はっきりしている。いっぽう 肥満の脳卒中患者は予後が良いとする「肥満パラドックス」もいくつも報告されている。

肥満パラドックスについては 脳内出血や人種の違いでの研究が少ないので やってみたそうな。


脳内出血患者428人の記録を解析したところ、


次のようになった。

・BMIの肥満カテゴリに相当する患者は自宅へ退院できない率が高かったが、肥満は血腫増大には影響しなかった。

・人種別にみて、肥満は血腫増大に影響しなかったが非白人では自宅へ退院できない率が高かった。

今回の調査では脳内出血患者に肥満パラドックスはみられなかった。むしろ肥満で非白人だと予後不良になりやすかったが血腫増大はなかった、


というおはなし。
図:肥満度と脳内出血予後不良率

感想:

肥満は善みたいなはなしばかりだったから安心したよ。

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2018年4月22日

くも膜下出血のあと太らせるべき根拠


Increased Body Mass Index Associated With Reduced Risk of Delayed Cerebral Ischemia and Subsequent Infarction After Aneurysmal Subarachnoid Hemorrhage.
2018  4月  アメリカ

脳動脈瘤の破裂によるくも膜下出血では遅発性脳虚血がおきやすい。遅発性脳虚血は可逆的ではあるもののさらに進んで梗塞になる患者もいる。

高BMI(ボディマス指数)で脳卒中の予後が良いとする肥満パラドックスはくも膜下出血でも報告されているが、BMIと遅発性脳虚血からの梗塞 との関連についての研究はないのでしらべてみたそうな。


くも膜下出血患者161人の記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・平均BMIは28.9、遅発性脳虚血は31.1%で起き、つづいて梗塞が9.3%で起きた。

・BMIが29.4以上だとあきらかに遅発性脳虚血と梗塞が少なかった。

・BMIが29.4以上でも生活自立度が不良(mRS>2)というわけではなかった。

・超音波装置で測定した最大脳血流速が高いほど遅発性脳虚血と梗塞が起きやすかったがBMIとの関連は確認できなかった。

BMIが高いくも膜下出血患者には遅発性脳虚血や梗塞がおきにくかった。積極的に患者を太らせたほうがいいのかも、


というおはなし。
図:BMIと脳内血流速

感想:

BMIが29.4っていったら じぶんはあと30キロ以上体重ふやさないといかん。

2017年12月10日

脳内出血の肥満パラドックスがあきらかに


Does the obesity paradox predict functional outcome in intracerebral hemorrhage?
2017  12月  アメリカ

脳卒中など心血管疾患で太っている患者の死亡率が低いとする報告があり「肥満パラドックス」と呼ばれている。さいきんでは肺炎でも報告されている。

脳内出血の肥満パラドックスについては短期的には関連がないとする韓国の調査があるのみなので、確認してみたそうな。


救急搬送されてきた平均年齢61の脳内出血患者202人について、
BMIが25以上と25未満のグループにわけ、
3ヶ月時点での生存率および回復状況との関連を解析したところ、


次のようになった。
・90日時点での死亡率は41%で、

・回復良好(mRS:1-3)患者は、BMI25未満では24%、BMI25以上だと39%だった。

・重症度、性別、高血圧等を考慮にいれると、BMI25以上の回復良好のオッズ比は2倍だった。

脳内出血で入院した患者のうちBMIが25以上の太った患者はあきらかに回復がよかった、


というおはなし。
図:脳内出血の肥満度とmRS

感想:

上の図わかりやすい。mRS 6は死亡。

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2017年10月31日

脳卒中やったのにタバコやめない人


Persistent smoking after a cardiovascular event: A nationwide retrospective study in Korea.
2017  10月  韓国
WHOによると脳卒中など心血管疾患での死亡の10%は喫煙が原因という。さらに心血管疾患後に喫煙を再開 継続することで再発率は1.5-2倍になるという報告もある。

心血管疾患のあとは禁煙がのぞましいにもかかわらず多くの患者が喫煙をやめない。その割合については調査によりまちまちで脳卒中患者のばあい50-80%のひらきがある。

そこで韓国の国民健康保健データベースを使ってひろくしらべてみたそうな。


2003-2012に心血管疾患と診断され その前後に健診を受けていた1700人の記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・心血管疾患発症前の喫煙者割合は28.6%で、

・そのうちの49.4%は発症後も喫煙を続けていた。

・この割合は脳卒中や虚血性心疾患でほぼおなじだった。

・喫煙の量と期間が長かった者ほど発症後も喫煙が続いていた。

脳卒中など心血管疾患経験者のおよそ50%が喫煙を継続していた、


というおはなし。
図:脳卒中後に禁煙しない人の割合

感想:

のこりの50%は禁煙をはじめたわけで、悲観することでもないとおもう。

しかも喫煙が必ずしも悪いとはかぎらないし。

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2017年10月15日

高血圧の認知能力の低下は肥満で防げる?


Higher Adiposity Is Associated With Slower Cognitive Decline in Hypertensive Patients: Secondary Analysis of the China Stroke Primary Prevention Trial.
2017  10月  中国

肥満は脳卒中など心血管疾患のリスク要因の1つである。

いっぽう肥満の心血管疾患患者は生存率が高く回復も良いとする いわゆる「肥満パラドックス」は数多く報告されているものの、認知能力との関連はよくわかっていない。

そこで高血圧患者について肥満と認知能力との関連を大規模にしらべてみたそうな。


45-75歳、およそ4年半の間に認知機能検査を2回以上うけた高血圧の男女16791人について、そのスコア変化と肥満度との関連を解析したところ、


次のことがわかった。

・この間に男性の15.3%と女性の33.1%に認知障害が確認された。

・標準体重にくらべ肥満の男性は 11.3% vs. 18.0%で、女性では 30.1% vs. 36.5%で認知障害が少なかった。

高血圧を対象とした調査では 肥満度が高いほど認知能力の低下がゆっくりだった、


というおはなし。
図:肥満とミニメンタル検査スコア

感想:

肥満を見る目がかわったよ。

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2017年10月5日

カロリー制限後の脳卒中とその回復


Caloric restriction stabilizes body weight and accelerates behavioral recovery in aged rats after focal ischemia.
2017  9月  スイス

肥満は脳卒中になる要因の1つである。

事前のカロリー制限が脳卒中後の結果にどう影響するものか実験してみたそうな。


高齢で肥満のネズミに、人為的に脳梗塞にする8週間前からカロリー制限食を与えた。

食べ放題ネズミと比べたところ、


次のようになった。
・脳卒中のあと、食べ放題ネズミの体重は10日後まで減少を続けた。

・しかしカロリー制限ネズミに体重減少は起きず、5日目から体重が急速に増え始めた。

・さらにカロリー制限ネズミでは、複雑な感覚運動スキルや皮膚感受性 感覚運動統合 空間記憶力が必要な課題の動作が改善した。

・同様に、インスリン様成長因子や糖代謝、動脈新生に関連する遺伝子発現が明らかに増加していた。

カロリー制限で体重を適切に保っていた高齢ネズミは脳梗塞後の回復がとても良かった、


というおはなし。
図:高齢ネズミのカロリー制限と脳梗塞体積

感想:

人間様のばあい「肥満パラドックス」ってのがあって、実際は太っているもの勝ち のもよう。

2017年6月4日

肥満度と東アジア人の脳梗塞予後


Association of body mass index with mortality and functional outcome after acute ischemic stroke.
2017  5月  中国

脳卒中後の生存率や回復度は肥満気味の患者のほうがすぐれているという報告がすくなくないが、そのおおくは西洋人を対象にしたものである。

中国人について脳梗塞患者の肥満と機能回復度や死亡率との関連をしらべてみたそうな。


4782人の急性脳梗塞患者の記録を解析したところ、


次のことがわかった。

・12ヶ月死亡率や3,12ヶ月後の要介助率は、過体重と肥満いずれも標準体重患者とあきらかな差はなかった。

・しかし低体重患者については、これらリスクはすべて 著しく高かった。

中国人の脳梗塞患者について肥満や過体重は死亡率の低下や良好な機能回復と関連がなかったが、低体重はあきらかな予後不良因子だった、


というおはなし。
図:肥満度と東アジア人の脳梗塞予後

感想:

東アジア人には肥満パラドックスはないんだな。

2017年3月20日

脳卒中の肥満パラドックスってホント?


Obesity paradox in stroke - Myth or reality? A systematic review.
2017  3月  スイス

肥満は脳卒中のリスク要因の1つではあるが 予後に与える影響についてはよくわかっていない。いっぽうで肥満の脳卒中患者は予後が良いとする報告が少なくない(肥満パラドックス)。

そこでこれまでの研究をまとめて肥満と脳卒中予後との関連をしらべてみたそうな。


関係する過去の研究を厳選してデータを統合 再解析したところ、


次のことがわかった。
・被験者299750人を含む25の研究がみつかった。

・死亡率に関する12の研究のうち10で ボディマス指数BMIが高い脳卒中患者は明らかに死亡率が低かった。

・死亡以外の予後(機能回復や再発)に関する9の研究のうち7で過体重の脳卒中患者は回復が良かった。

・血栓溶解治療を受けた患者についての6つの研究では相反する結果がでた。

・多くの研究で肥満の定義やBMIの測定精度、データの偏りに問題があった。

ほとんどの研究で脳卒中患者の "肥満"は生存に有利だった。しかし研究手法に問題も見られた。血栓溶解治療の患者については肥満パラドックスは確認できなかった、


というおはなし。
図:

感想:

肥満の定義として BMIではなく脂肪の割合やウエスト・ヒップ長比をつかうと結果がぜんぜんちがうだろうって書いてあった。

境界域限定のはなしで、痩せているよりはマシですよってことなんだと思う。
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麻痺側の触覚を刺激し続けると梗塞を最小限にできる可能性について
脳卒中経験者は自動車運転をナメきっていることが判明
減塩に真面目な人ほど脳卒中で死亡するという事実

納豆を食べると脳卒中で死なない 2万9千人調査
NEJM誌:幹細胞ツアーに参加したら癌ができた
脳梗塞から脳出血へ コレステロールとの関連が明らかに
脳出血で死なないための睡眠時間が判明!
音楽サポート療法の「音楽」はほんとうに必要なのか?
患者に毎日好きな音楽を聴かせたところ、脳に構造改革が起きた模様
感情失禁になる患者の割合について
脳の可塑性のおかげで2年経っても運動機能が回復することが判明
【悲報】脳卒中後、杖を使い続けると麻痺していない手まで動かなくなる
血圧が高いひとは、他人の気持ちがわからない

生活習慣を改めれば脳卒中の再発は防げるの?
カニ歩きと後ろ歩き 片麻痺リハビリに効果的なのは、、
鍼治療の「得気」は小脳のはたらきだった
脳梗塞実績No.1漢方薬 → ほようかんごとう
閉じ込め症候群の患者にあえて生活の質を問うてみた結果、、
砂糖の代わりに甘味料を使うと脳梗塞がさらにひどくなることが判明
ダメージを負った脳組織が勝手に再生する仕組みが明らかに
指ストレッチはいいらしいから さっそくこのビデオで実践することにした
【肥満パラドックス】脳梗塞で長生きするBMIが判明
リハビリの合間のお昼寝は大切 → 訓練がはかどるゾ

刺激豊富な環境で脳梗塞が治る理由
猫を飼う女性は脳卒中で死なないことが判明!
美容院で脳卒中になる女性が続出!
「ストレスが原因」と語る脳卒中患者ほど実はなにもわかっていない
傷ついた脳に効くBDNFが増えるサプリメントが明らかに
運転リハビリに良さそうなおすすめドライブゲーム
【アロマテラピー】ラベンダーの香りが脳梗塞にすごく効く
脳卒中後の疲労感は 只の疲労とはわけが違う
脳卒中がきっかけでホモになることがあるらしい
ダイエットコーラを毎日飲むと脳卒中になることが判明

高コレステロールに朗報 葉酸サプリの脳卒中予防効果
BDNFが7年かけて脳を修復してくれるという根拠について
朝ごはんを食べない日本人は脳内出血になることが判明!
脳卒中予防に最適なビタミンBサプリメントの組み合わせがわかった!
脳卒中経験者の血圧を十分に下げたら死亡者が続出した
痙縮が治る ただの風呂と温泉を比較した
歩きスマホが脳卒中患者のリハビリに適しているという根拠について
磁気嵐が脳卒中を引き起こす と判明!
リハビリは動かせばイイってもんじゃぁない. 本人がやる気になるまで待て.
『足首を鍛えたいのに麻痺して動かないの』→『もう一方の足を鍛えなさい』