元
ラクナ梗塞患者の一部は初期に経過が変動し、進行性ラクナ症候群(PLS)と呼ばれる。
そこで、進行性ラクナ症候群の予測因子と短期転帰を、すぐに経過が安定した患者と比較してみたそうな。
2016年から2020年までのラクナ梗塞患者を対象とした単一施設での記録を解析した。
PLSは、新たな梗塞や出血性転化の画像所見がないにもかかわらず、神経症状NIHSSスコアが2点以上増加したものと定義した。
次のことがわかった。
・平均年齢63.17歳の患者216人のうち、56人(26%)にPLSが認められた。
・入院時の脳卒中重症度は2群間で同等であったが、退院時および1年後の転帰は、PLS群患者で不良であった。
・運動機能のみの障害、高トリグリセリド血症、血栓溶解療法の適用、はPLS群の予後不良の予測因子であったが、年齢、危険因子、梗塞部位、白質病変は関連性を示さなかった。
・視床梗塞と非典型的ラクナ症候群は安定した経過と関連していた。
ラクナ梗塞の4分の1は進行性であり、1年後の転帰は不良である。血栓溶解療法がこれら患者の予後を悪化させることがわかった、
というおはなし。
感想:
かるい脳梗塞に血栓溶解療法やってはいかんのよ↓。
私「新たな梗塞や出血性変化がないにもかかわらず神経症状が悪化するということは、血栓溶解薬になにか有害な作用があるのかもしれませんね」
AI「確かに、新たな梗塞や出血性変化が見られないにもかかわらず神経症状が悪化する状況では、血栓溶解薬が何らかの有害な作用を持つ可能性が考えられます。血栓溶解療法が一般的には大きな血管の梗塞に対して効果を発揮することが多い一方で、小さな血管(ラクナ梗塞が起こりやすい場所)に対する影響は限定的であるとされています。
一部の研究では、血栓溶解療法が進行性ラクナ梗塞症候群(Progressive Lacunar Syndrome, PLS)の患者で悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。具体的には、血栓溶解薬が小さな血管に影響を及ぼし、その結果、梗塞周辺の神経細胞がさらに損傷するといった仮説も存在します。
もしこのような状況が確認されれば、PLSなどの特定の症例に対しては、血栓溶解療法よりも他の治療法が優先される可能性があります。」