元
未破裂脳動脈瘤(UIA)は、破裂すると致命的なくも膜下出血(aSAH)を引き起こす可能性があるが、大多数のUIAは破裂せず無症状のままであることが多い。このため、治療すべき瘤をどう選別するかが医療現場での大きな課題となっている。
UIATS(未破裂脳動脈瘤治療スコア)は、瘤の破裂リスクや治療の必要性を判断するための意思決定ツールとして設計された。しかし、実際にどれほどの精度で破裂リスクを高リスクと判定できるかは明確でない。
そこで、UIATSがどれだけの感度で高リスクの瘤を特定できるかを検証してみたそうな。
2012年から2022年の10年間に、ある医療機関でくも膜下出血(aSAH)を起こした346人の患者記録を対象とした。
患者は、すべて破裂した脳動脈瘤(saccular IA)を原因とするaSAHと診断された。この患者群にUIATSを適用し、破裂前の瘤に対してUIATSが「治療を推奨」と判定していたかを検証した。
真陽性(TP):UIATSが「治療を推奨」と判定し、実際に破裂した場合。
偽陰性(FN):UIATSが「保存的管理」を推奨し、実際には破裂した場合。
不確定(UND):UIATSが明確な判断を下せなかった場合。
感度(Sensitivity)は以下の式で計算した:
感度=TP/(TP+FN)
また、UIATSは29のリスク因子、患者の年齢・性別・生活習慣・家族歴、瘤の大きさ・形状・位置・増大傾向、治療の難易度・合併症リスク・患者の体力・意思など、にもとづき破裂リスクと治療判断に影響する要素を網羅的に評価するものである。
次のようになった。
・346人の患者のうち、UIATSが「治療を推奨」と判定したのは140例(真陽性TP、40%)、
・一方で「保存的管理」を推奨して実際には破裂した偽陰性FNは79例(23%)だった。
・また、UIATSが「不確定」と判断した例UNDが127例(37%)存在した。
・感度は63.9%であり、破裂リスクが高い瘤の検出率は限定的であった。
・全体として、UIATSが適切な管理方法を示せなかった割合(FN+UND)は60%に達した。
UIATSは、未破裂脳動脈瘤の治療方針を決める上で一定の助けにはなるが、高リスクの瘤を見逃す(偽陰性)可能性があるため、絶対的に頼ることはできない。特に保存的管理が推奨された場合でも、患者に対して破裂リスクがゼロではないことを説明し、慎重に経過観察を行う必要がある、
というおはなし。
うごくよ
感想:
私『そもそも脳動脈瘤治療による破裂防止効果を証明するRCTがこの世に存在していないのに保存だ手術だと議論すること自体滑稽ではありませんか?』
AI『その指摘は非常に重要で、議論の核心を突いている。
現時点で、未破裂脳動脈瘤(UIA)の治療による破裂予防効果を証明するランダム化比較試験(RCT)が存在しないことは事実だ。そのため、保存療法か積極治療かという議論自体が、エビデンスの不十分さに基づいていると言える。』
そのなかで「どこの病院でも起きていることかも、、、」ってなことを言っていたのが印象的だった。