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2012年7月21日

上肢リハビリは努力しただけ見返りがあるのか?


Effects of intensity of arm training on hemiplegic upper extremity motor recovery in stroke patients: a randomized controlled trial.
2012  7月  中国




リハビリ訓練の集中度を変えると

片麻痺上肢の回復に違いが出るかどうか調べたそうな。




32人の脳卒中患者について、

1回当たりの訓練を、

1時間、2時間、3時間の3グループに分けて、


週5日×6週間リハビリさせた。




訓練前、2,4,6週間後の回復程度を評価した結果

次のことがわかった。


・いずれのグループも上肢機能の著しい回復があった。

・上肢の運動機能は1回3時間の訓練グループでダントツに向上した。

・日常生活動作に関わる能力はどのグループでも差はなかった。








人一倍長い時間努力すれば

麻痺した上肢の運動機能は より改善するけれど、

すぐに手が使えるようになるわけではないことがわかった




というおはなし。

2021年4月20日

Neurology誌:上肢リハビリには認知機能が影響する

2021  4月  アメリカ


脳卒中からの運動能力の回復には認知機能がおおきく影響する可能性がある。

これを確かめるために、認知的要求度のことなる2つの運動課題をおこない、
それらパフォーマンスと認知障害や脳の損傷部位との関連をくわしくしらべてみたそうな。

2018年4月8日

脳卒中患者に楽器を演奏させてわかったこと


Music-supported therapy in the rehabilitation of subacute stroke patients: a randomized controlled trial.
2018  4月  スペイン

楽器の演奏訓練をとおして上肢リハビリをおこなう 音楽サポート療法 "music supported therapy" は脳卒中患者の運動機能の回復に期待できるとする報告がいつくかあるが、レベルの高い研究はほとんどない。

そこで、音楽サポート療法の効果を確かめるべくランダム化比較試験をおこなってみたそうな。


亜急性期の脳卒中患者を20人ずつ
音楽サポート療法(+従来型リハビリ)と
従来型リハビリのみのグループ、にわけた。

両グループともトータルの訓練時間が同じになるようにした。

4週間の訓練ののち、運動機能、認知機能、心理状態、QoLを 3ヶ月間フォローしたところ、


次のようになった。

・両グループともに運動機能があきらかに改善したが、

・グループ間の違いはまったく見られなかった。

・QoL評価の言語ドメインにのみ差がみられた。

・しかし 音楽にたいして喜びを感じる能力調査(Barcelona Music Reward Questionnair)の結果と3ヶ月後の運動機能との相関がみられた。

従来型リハビリに音楽サポート療法を付け加えても運動機能の回復にすぐれた効果はなかった。しかし音楽活動に喜びをみいだす患者は運動機能の回復もよかった、


というおはなし。

図:音楽サポート療法の効果

感想:

ようするに演奏させるかどうかにかかわらず、音楽センスのある患者ほど運動機能が回復しやすい、ってことなんだな。

2018年11月16日

上肢感覚リハビリの方法と効果予測


Initial severity of somatosensory impairment influences response to upper limb sensory retraining post-stroke
2018  10月  オーストラリア

脳卒中患者のおよそ半数は触覚や深部感覚の障害を経験する。しかしリハビリテーションはおもに運動機能にフォーカスしているため感覚障害はあつかわれないことがすくなくない。

上肢の運動機能障害に関しては Proportional Recovery Rule(比例回復則)があって、初期の障害程度に比例した自発的回復が予想できる。
しかし重度の障害患者ではこのルールに則らないことがわかっている。

そこで感覚障害患者に積極的な感覚リハビリをおこなったときに、その回復が初期の障害程度に比例するものか実験してみたそうな。


感覚の弁別能と認識能を再訓練するための方法 "SENSe therapy" (→7つの原理の 詳しいYoutubeリンク)を用いた2つの臨床試験のデータを用いた。

脳卒中で上肢感覚麻痺の80人の患者について、感覚訓練の効果を質感弁別、手首の深部感覚、触覚による物体認識について訓練前後で評価したところ、


次のことがわかった。

・訓練後の感覚障害の回復は訓練まえの障害程度に比例していた。

脳卒中で上肢感覚麻痺患者への感覚訓練の効果は、訓練まえの障害程度と比例関係にあり予測が可能だった。この感覚訓練は重度の感覚障害にも期待できる、


というおはなし。

図:脳卒中感覚障害の比例回復

感想:

比例回復則からのおちこぼれ(non-fitter)を救えるんだね この感覚リハビリは。
感覚障害も比例回復則するの?

2019年7月7日

運動イメージ訓練の上肢リハビリ効果


Efficacy of motor imagery additional to motor-based therapy in the recovery of motor function of the upper limb in post-stroke individuals: a systematic review
2019  7月  ブラジル
脳卒中経験者の85%は上肢機能になんらかの障害をもつとする報告がある。その回復は神経可塑性によることになるが、これを促す方法の1つとして運動イメージ訓練(motor imagery)がある。

腕や指を「動かそう」という意思だけで、関連する脳のネットワークが活性化するとされている。

やり方には2種類あって、心の中で一人称視点で動作をシミュレートするものと、一人称または三人称視点で視覚化された動作パフォーマンスを観察する方法がある。

今回、通常のリハビリに運動イメージ訓練を組み合わせたときの効果についてのこれまでの研究のシステマチックレビューをこころみたそうな。



脳卒中上肢麻痺への運動イメージ訓練に関係するランダム化比較試験を厳選して、その効果とエビデンスの質を評価したところ、



次のようになった。

・被験者104人を含む エビデンスレベル(PEDroスコア)中-高 の4つの研究に絞り込んだ。

・すべての研究で統計学的有意な上肢運動機能の改善が見られた。

・肘や手首、指の曲げ伸ばしといった総体的な運動機能の向上は全研究でみられたものの、

・髪をまとめたり 物を取ったりする日常生活動作の向上がみられたのは1つの研究のみだった。

通常の上肢リハビリへの運動イメージ訓練の追加が効果的である とする確かなエビデンスが存在する。より効果的な訓練頻度や手法の研究が期待される、


というおはなし。
図:運動イメージ訓練研究のPEDroスコア



感想:

数あるリハビリ法のうち、もっとも成果をあげているのが運動イメージ訓練(イメージトレーニング、メンタルプラクティス、メンタルリハーサルともいう)なんやで。
磁気刺激上肢リハビリに運動イメージ訓練を足してみた

中低所得国で成果をあげている脳卒中リハビリとは

メンタルプラクティスの上肢リハビリ効果

上肢の運動イメージ訓練とネットワーク変化

2014年7月29日

重度に手が麻痺した患者の回復可能性がわかった


Can stroke survivors with severe upper arm disability achieve clinically important change in arm function during inpatient rehabilitation? A multicentre, prospective, observational study.
2014  7月  オーストラリア

脳卒中で重度の上肢麻痺になった患者のうち、まともに回復できる人の割合を調べてみたそうな。


16ヶ所のリハビリ施設に入院した重度上肢麻痺の脳卒中患者618人について、入院時と退院時の上肢機能を評価した。

そのスコアから、

ⅰ)統計学的有意な改善、
ⅱ)臨床的に意義のある最小レベルの改善、
ⅲ)重度→軽度への明らかな改善

おのおのに当てはまる者の割合を調べた。


次のようになった。

・226人が退院時に統計学的有意に改善した。

・そのうち68%(155人)が臨床的に意義のある最小レベルの改善を示した。

・また、45%(102人)は重度から軽度への明らかな改善が見られた。

・大きく改善した者には、発症からリハビリ入院までの期間が非常に短いという特徴があった。


脳卒中で重度上肢麻痺になった患者は、リハビリ病院入院中に臨床的に明らかな回復を示しうる、


というおはなし。



感想:

618人全員に対する割合で計算すると、重度上肢麻痺患者のうち 実感できる程度に回復する者の割合は20%前後になる。

なるほど って感じかな、、

2014年5月17日

上肢リハビリに効く迷走神経刺激のタイミングと量について


The timing and amount of vagus nerve stimulation during rehabilitative training affect poststroke recovery of forelimb strength.
2014  5月  アメリカ

リハビリ訓練中の迷走神経刺激によって、脳梗塞にしたネズミの前脚の機能を回復できることがわかっている。

そこで 迷走神経刺激のタイミングと刺激量がどう影響するものか、調べてみたそうな。


人為的に脳梗塞にしたネズミについて、
・リハビリ訓練の2時間後に迷走神経刺激したグループはリハビリ訓練中に迷走神経刺激したグループよりも回復度が非常に低かった。

・また、リハビリ訓練中に迷走神経刺激を何倍も多く行ったグループも回復度が低かった。

・迷走神経刺激の代わりにリハビリ訓練を延長したグループに比べると、迷走神経刺激を遅らせたり多くしたりしたグループの方が回復度は高かった。

・しかしリハビリ訓練中の運動に合わせて行われる迷走神経刺激での回復度には及ばなかった。


リハビリ訓練に迷走神経刺激を組み合わせた時の前脚機能回復効果が確認できたと同時に、その刺激タイミングと刺激量の最適化が必要であることもわかった、


というおはなし。




以下の記事の続報にあたる。
迷走神経を刺激しながらリハビリするとすっごく回復するらしい

この研究についてのニュースビデオ

2020年4月15日

蛋白質エネルギー栄養障害と運動機能


Preventing protein-energy malnutrition after cortical stroke enhances recovery of symmetry in forelimb use during spontaneous exploration
2020  4月  カナダ

脳卒中のあと "蛋白質エネルギー栄養障害"(PEM:protein-energy malnutrition)がよくみられる。

PEMは嚥下障害や意識低下、うつ、上肢の麻痺などによっておきやすくなる。PEMはまた高死亡率、機能回復不良とも関連している。

そこで、PEM予防による脳卒中の前足機能、梗塞サイズ、への改善効果を動物で実験してみたそうな。

2019年10月1日

安静時脳ネットワークにみるイメージ訓練の効果


The reorganization of resting-state brain networks associated with motor imagery training in chronic stroke patients
2019  9月  中国

運動イメージ訓練(motor imagery training:MIT)は脳卒中患者の上肢リハビリで高い成果をあげている。

その効果は脳皮質上の活動変化として いくつものタスクベースのfMRI研究で確認されている。

いっぽう安静時fMRIをつかった研究はまだ1件しかない。

そこでMITの脳卒中リハビリへの効果が安静時fMRIのネットワーク解析結果にどう反映されるものか、実験してみたそうな。



慢性期の脳卒中で片麻痺の34人を、
通常リハビリ
通常リハビリ+MIT
の2グループにわけた。

MITはリラックスした状態の1人称視点で手の動作を思い描く。これを1日30分間x4週間おこなった。

この前後での安静時fMRIを測定し、上肢の機能回復度(FM-UL)との関連を解析したところ、



次のようになった。
・MITグループでFM-ULスコアがよりおおきく改善した。

・両グループともに半球間結合が高まり、損傷脳半球内での一次運動野(M1)間の結合が低下した。

・しかしMITグループでは、損傷脳半球内のM1と中心前回および中心後回 中部帯状回 縁上回の結合がたかまった。いっぽう通常リハビリグループではこれらの結合は低下していた。

・脳ネットワークのクラスター係数はMITグループでのみあきらかに上昇していて、これはFM-ULスコアと正の相関があった。

運動イメージ訓練は脳内ネットワークの再編をとおして運動機能の回復にむすびついていると考えられる、


というおはなし。

図:MITの上肢機能とクラスタリング係数



感想:

安静時fMRIだから手をうごかせない患者でもMITリハビリの進展をモニターできるな。
運動イメージ中の脳ネットワーク結合を調べた結果、、

2022年11月23日

脳卒中運動機能リハビリテーション 2004年からの傾向

2022  11月  中国


脳卒中後の運動機能障害は後遺症の50-70%を占める。

運動機能のリハビリテーションは生活の質の向上と機能回復のための重要な手段である。

そこで 2004年から2022年までの運動機能リハビリテーション論文の傾向と新分野をあきらかにするべく書誌解析をこころみたそうな。

2023年5月5日

上肢不使用で日本人脳卒中患者の日常生活向上

2023  4月  日本



脳卒中患者における姿勢制御能力の回復は、最も重要な治療目標の1つである。

そこで、上肢を使ったタッチコンタクトをともなう姿勢制御エクササイズをおこなった群と、上肢を使わない姿勢制御エクササイズ群の間で、機能的自立度FIMの違いをくわしくしらべてみたそうな。

2020年3月20日

慢性期での触覚訓練の効果


Sensory retraining improves light touch threshold of the paretic hand in chronic stroke survivors- a single-subject A-B design
2020  3月  イラン

触覚(light touch)の障害は脳卒中経験者の32-89%にみられるという。

触覚の再訓練による触覚しきい値や上肢運動機能の改善についての研究はほとんどないのでくわしくしらべてみたそうな。

2018年4月6日

サイエンス誌:脳卒中リハによく効く薬を日本が開発


CRMP2-binding compound, edonerpic maleate, accelerates motor function recovery from brain damage
2018  4月  日本

脳卒中からのリハビリ訓練による回復過程で シナプス変化の中心的役割を司るAMPA受容体の一連のプロセスにCRPM2というタンパク質が関わっている。

日本企業が開発したアルツハイマー病治療に期待のかかる "edonerpic maleate" という化合物がCRPM2に作用することから脳卒中リハビリにも役立つものか動物実験してみたそうな。

2017年6月17日

乗馬や音楽で慢性期患者のリハビリを工夫してみた


Long-Term Improvements After Multimodal Rehabilitation in Late Phase After Stroke
2017  6月  スウェーデン

慢性期脳卒中患者への多様な刺激をもたらす治療法として、リズム音楽療法と乗馬療法をためしてみたそうな。


発症後10ヶ月-5年の脳卒中患者123人を、リズム音楽療法と乗馬療法、通常リハビリの3グループに分けた。

これら治療を週2回x12週間継続し、回復度の自己評価、バランス、歩行、上肢機能、認知機能を6ヶ月後までフォローしたところ、


次のようになった。
・回復度の自己評価は 乗馬療法>リズム音楽療法>通常リハビリ の順であきらかに高かった。

・この回復効果は乗馬とリズムの両グループで6ヶ月後も持続していた。

・バランス、歩行、握力、認知機能も改善していた。

脳卒中の慢性期であってもリハビリ方法をいろいろと工夫することであらたな回復を実感させることができた、


というおはなし。
図:リズム音楽療法と乗馬セラピーの脳卒中回復効果

感想:

Stroke誌に載って やたらニュースになっていたので関心をもった。

でも乗馬はやり過ぎだと思う。
シングルブラインドだから被験者はだれが乗馬療法に当たったかハズれたかがわかる。

つまり当選者は馬に乗れて上機嫌、落選者(通常リハ)は不機嫌。
こういう結果になるのは実験するまでもないと思うんだ。

[乗馬]の関連記事

2014年3月18日

両手をパタパタ動かしてからリハビリすると左右の脳がシンクロしてどうのこうの…


Bilateral Priming Before Wii-based Movement Therapy Enhances Upper Limb Rehabilitation and Its Retention After Stroke: A Case-Controlled Study.
2014  3月  オーストラリア

両手準備運動には 脳卒中によって崩れた脳半球間のバランスを整える効果があるという。

実際のところどうなのか実験してみたそうな。


10人の脳卒中患者について14日間の上肢リハビリを行う。

リハビリに際して 15分間の両手準備運動を行い、つづいてゲーム機Wiiを用いた運動訓練を行った。

両手準備運動は健側の手首と連動する器具を用い麻痺手が受動的に動く仕組みになっている。

併行して両手準備運動の無い比較グループも用意した。

訓練前後の運動機能を評価した。


次のようになった。

・両グループともに上肢機能が改善した。

・両手準備運動グループで上肢機能スコアがずっと優れていた。

・この効果はリハビリのあと28日間以上継続していた。


上肢リハビリのまえに両手準備運動をすると回復がとてもはかどることが確認できた、


というおはなし。

写真:両手準備運動装置


感想:

元はといえば前脚だから、歩行訓練と同じように左右同期運動させるのはアリだと思う。

2020年6月5日

迷走神経刺激の上肢1年間リハビリの効果

2020  6月  イギリス

迷走神経刺激(Vagus nerve stimulation:VNS)と上肢訓練の組み合わせ効果が動物実験のほか人でもいくつか報告されている。


しかし長期にフォローしたものはほとんどないのでくわしくしらべてみたそうな。

2012年5月13日

重度の麻痺手が動くようになるCHASE療法とは


A pilot study of contralateral homonymous muscle activity simulated electrical stimulation in chronic hemiplegia.
2012  5月  日本



CHASE療法を患者で実験してみたそうな。(by 脳情報研究所


脳卒中慢性期で重度の片麻痺患者3人について

両手首と指を伸ばす訓練を行った。


このとき、健常側の手の筋肉電流を記録して、

同様のパターンの電流刺激を麻痺手に与えた。(CHASE療法)


これを1日30分 x 2週間続けたところ、

・患者3人全てで手首伸ばしが改善した。

・痙縮も改善して、

・2人のフーゲルマイヤー評価スコアも向上した。




CHASE療法は重度片麻痺患者の上肢運動治療に使えるかも知れない、


というおはなし。

CHASE療法


感想:

CHASE療法をいままで知らなかった。

検索すると同じ研究者によるCHASE療法の資料があった。

運動制御の神経科学から機能回復支援へ
-脳卒中重度片麻痺回復への挑戦-
(pdf)


やってることはともかく 重度片麻痺患者を治療しようというはすばらしいと思う。


以下、共感した部分を引用

...CI療法を初め回復効果が実証されている療法の多くは、麻痺が比較的軽い人を対象としており、数多くの重度片麻痺の人には適用できません。
...

非損傷側の脳による機能回復を促進するには、麻痺手と同時に非麻痺手を動かすこと(両手協調運動)に一定の効果がある...

2020年8月14日

第一週の上肢の使用頻度

2020  8月  アメリカ


アメリカでは脳卒中経験者の88%に上肢運動機能の問題が生じ、日常生活や社会参加に影響が及んでいるという。

上肢のリハビリのタイミングや量、非麻痺手の扱いについては動物実験でのさまざまな知見が得られてきた。

とくに脳卒中ネズミの 発症から5日後以降に開始の上肢(前脚)トレーニングでは、非麻痺手の使用が麻痺手を圧倒してしまい麻痺手のスキル獲得を妨げてしまうことがわかった。

そこで、同様のことが人でも起きうるものか実験してみたそうな。

2019年8月12日

エビデンスレベルⅠ 推奨度Aの脳卒中リハビリ法とは


Motor imagery as a complementary technique for functional recovery after stroke- a systematic review
2019  7月  スペイン

脳卒中後のリハビリのおおくは特定動作を繰り返させるやり方にもとずいている。しかし重い麻痺をかかえている患者にとってこのような方法はほとんど意味をなさない。

その点、運動イメージ訓練(Motor Imagery:MI)は実際の動作をともなうことなく頭のなかだけで訓練が完結するので重度麻痺にも適している。

運動イメージ訓練により運動野から小脳 大脳基底核が活性化し機能の再構築がすすむという。

運動イメージ訓練には2種類あって、1つは暗示的(Implicit)MIとよばれ、他人の動作やビデオを見てミラーニューロンシステムを介するもの。

もう1つは明示的(Explicit)MIと呼ばれ、意識的 自発的にイメージ動作を構築するものである。

そこでこれまでの研究について脳卒中患者への運動イメージ訓練の効果のシステマティックレビューをこころみたそうな。



関係する論文を、2007-2017に出版されたものに限って厳選した。



次のことがわかった。

・13のランダム化比較試験がみつかった。

・方法論的 研究の質を CriticalReview Form-Quantitative Studiesで評価したところ、15点中9-13点に相当した。

・エビデンスレベルと推奨度を U.S. Preventive Services Task Force (USPSTF) assessment で評価したところ、最高レベルの IA 、II-B1 に相当した。

・とくに上肢機能、バランス、歩行機能であきらかな改善がみられていた。

運動イメージ訓練を通常のリハビリに加えると脳卒中患者の機能回復に効果的である、


というおはなし。

図:運動イメージ訓練のエビデンスレベル


感想:

数あるリハビリ法のなかでもっとも成果をあげているのが運動イメージ訓練なんよ(イメージトレーニング、メンタルプラクティス、メンタルリハーサルともいう)。
Stroke誌:上肢リハビリ 良い方法 & ダメな方法

2022年3月6日

ロボット支援上肢リハビリで動作回数を増やしたら

2022  2月  フランス


上肢リハビリテーションにロボット支援を取り入れると、難度の高い繰り返し訓練を高用量かつ低コストに提供できる利点がある。

しかし訓練用量と効果との関連はあきらかでないのでくわしくしらべてみたそうな。
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