元2025 2月 サウジアラビア
脳卒中は世界的に主要な死亡原因の一つであり、再発は患者の予後に大きな影響を与える。再発を防ぐことは、機能回復や生活の質を維持する上で極めて重要である。
しかし、どのような要因が再発リスクを高めるのかは、まだ十分に解明されていない。
特に、サウジアラビアなどの特定の地域におけるリスク因子のデータは限られているので、1,244人の脳卒中患者を対象に1年間の追跡調査を行い、脳卒中再発と死亡に関連する要因をくわしくしらべてみたそうな。
2016年から2022年にかけて脳卒中で入院した患者のデータを解析した。対象は急性・亜急性期の虚血性脳卒中（脳梗塞）患者であり、脳出血や一過性脳虚血発作（TIA）の患者は除外された。
解析には、コックス比例ハザードモデルを用い、再発や死亡のリスク因子を特定した。研究では、以下の2つの主要な指標が調査された。
- 脳卒中再発率（1年以内）
- 脳卒中再発または死亡の発生率（1年以内）
次のことがわかった。
・ 脳卒中再発率は9.96%、再発または死亡の発生率は21.83%・再発や死亡のリスクを高める要因として、
- 過去に脳卒中を経験している（再発リスク3.65倍、死亡リスク2.37倍）- tPA（血栓溶解療法）を受けた（リスク2.84倍）- 発作（てんかんなど）を発症した（リスク1.96倍）- うつ病を抱えている（リスク2.26倍）- 高齢（1歳上がるごとにリスク1.02倍）- ICU入院歴がある（リスク3.70倍）- 肺炎を発症（リスク1.47倍）- 脳浮腫を発症（リスク2.36倍）
脳卒中再発を防ぐには、血圧管理や抗血栓療法を徹底し、生活習慣を見直すことが不可欠である。tPAを受けた人は再閉塞リスクに注意し、発作やうつ病を抱えている場合は適切な治療を受けることが重要だ、
というおはなし。
感想：
1年後の再発率9.96％および再発/死亡率21.83％のとき、5年後の再発者の割合は？
AI（ChatGPT o1）『5年後、全体1,244人のうち39.3％が少なくとも一度は脳卒中を再発したと推定される。ただし、5年後に生き残っているのは661人（初期の約53%に相当）であり、この生存者中での再発者の割合は73.9％になる。』
