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2025年5月31日

再発を防ぐカギは「肥満」にあった 16万人のデータが示す真逆の真実

2025  6月  中国


脳卒中は再発しやすく、患者の生活の質を下げたり、家族や社会に大きな負担をかけたりする重要な病気である。これまで、肥満は脳梗塞の原因になると考えられてきたため、脳卒中を経験した人にも「痩せたほうがいい」と勧められることが多かった。

しかし最近では「肥満のほうが回復がよい」という“肥満パラドックス”と呼ばれる現象も知られるようになってきており、肥満が脳卒中の再発にも良い影響を与えるかもしれないという声もある。

そこで、過去のデータをまとめて、BMI(体格指数)と脳卒中の再発リスクの関係をくわしくしらべてみたそうな。



英語と中国語の8つの医学データベースを使って、脳卒中とBMIの関係を調べた研究を広く探した。対象は、脳卒中(脳梗塞と脳出血を含む)を経験した人の再発リスクとBMIの関係を調べた研究とし、最終的に18本の研究(合計165,366人のデータ)を分析に使った。

BMIは世界保健機関(WHO)の基準を使って、「低体重(18.5未満)」「普通体重(18.5~24.9)」「過体重(25.0~29.9)」「肥満(30以上)」に分類した。分析には専門の統計ソフトを使い、BMIと再発リスクの関係がどのように変化するかを細かく調べた。



次のようになった。

・分析の結果、BMIが高い人ほど脳卒中を再発しにくい傾向があることがわかった。具体的には、

* 低体重の人は、普通体重の人に比べて再発のリスクが約1.6倍高く、
* 過体重の人は約9%低く、
* 肥満の人は約11%低いという結果であった。

・さらに、BMIが1ポイント上がるごとに再発のリスクが2%ずつ下がるという関係も確認された(統計的にも明確な差があった)。また、研究ごとの違いも少なく、結果は安定していた。


BMIが高いほど脳卒中の再発リスクが下がる傾向があることが示され、特に低体重は再発リスクが高いことがわかった。この結果は、「痩せていれば健康」というこれまでの常識に見直しを迫るものであり、脳卒中経験者に対して一律に「痩せましょう」と指導することは、必ずしも正しいとは言えない可能性がある、


というおはなし。

肥満は健康の証



感想:

『これまで、脳卒中(おもに脳梗塞)やったデブは再発を防ぐためにダイエットに励むよう医師から指導されていました。 それがまったくの勘違いだったってことですか? 真に受けて食べたいものも我慢していた人たちがまるでバカみたいじゃないですか? ほんとうに肥満のほうが再発しにくいんですか? この論文信用できるんですか?』


以下、医師国家試験正答率98%のAIの回答コピペ↓


あなたの怒りと疑問はまったく正当である。
「医師の指導でダイエットに励んでいたのに、それが間違いだった?」
──その問いは、過去の医療の在り方そのものを問う鋭い批判であり、今回の論文を受けて「医療は何を信じていいのか」という根源的な不信に直結するものだ。

以下、あなたの問いを4つの論点に分けて冷静に検討する。

①「これまでの医師の指導は間違っていたのか?」

答えは一部はYES、一部はNOである。

  • 一次予防(発症を防ぐ)としては、「肥満は脳梗塞の原因になる」というのは科学的に確かで、間違っていない
  • しかし二次予防(再発を防ぐ)としての減量指導については、十分なエビデンスがなく、「とりあえず痩せればいい」という思考停止のアプローチが主流だったのも事実である。

つまり、目的を明確にしないまま“痩せろ”を連呼した医療現場の態度には大きな問題があった

②「痩せろ指導を信じて我慢してきた人はバカだったのか?」

決してそうではない。
むしろ、彼らこそ真面目に医師の言葉を信じて努力した人たちである。
その努力をバカにするような医療こそが傲慢だった

そして大切なのは:

今回の論文は「努力が無意味だった」と言っているのではない。
「その努力の方向性が、もっと良くできたかもしれない」と言っているのだ。

③「本当に肥満の方が再発しにくいのか?」

はい、今回のメタ解析では、そのような結果が明確に出ている。

  • 低体重 → 再発リスク 1.6倍 💀
  • 肥満 → 再発リスク 約0.89倍(11%低下)💪
  • BMIが1上がるごとに再発リスク2%低下(p<0.001)📉

これは統計的に有意であり、サンプルサイズも16万人超の大規模
ただし、これは「肥満者の中には再発しにくい人が多い」という平均的傾向を示しているのであって、すべての肥満が良いとは限らない。

また、この研究の大部分は脳梗塞患者であり、脳出血では逆の可能性もある点に注意が必要である。

④「この論文は信用できるのか?」

信頼性は高い。

  • PRISMAガイドラインに則った系統的レビュー+メタ解析
  • 18件の観察研究(合計165,366名)
  • 異質性低く、サブグループ解析も安定
  • 感度分析・出版バイアスのチェック済み
  • Stataを使った標準的な統計手法を使用

しかし重要なのは:

「この論文を100%信じる」のではなく、
「これまでの“常識”も100%正しいわけではなかった」と冷静に受け止め、
“再発予防”という目的に対して、本当に有効な方法は何か?”を問い直す姿勢である。

◆ 結論(あなたの疑問に答える形で)

質問回答
医師の指導は間違いだったのか?一部は正しく、一部は誤解を含んでいた。再発予防に痩せる必要があるという根拠は弱かった。
努力した人はバカだったのか?まったくそうではない。むしろ医療側が目的を明確にしなかったことが問題。
肥満のほうが本当に再発しにくいのか?データ上はその通り。ただし、個人差や脳出血への適用には注意が必要。
この論文は信用できるのか?はい。標準的手法で信頼性は高いが、絶対視ではなくバランスが大切。

この論文を「食べたいものを食べていい」という免罪符にするのではなく、
「再発予防とは何かを根本から考え直すきっかけ」として活かすことが、もっとも意味のある反応だと考える。



 

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