元2025 5月 中国
・参加者全体のうち、脳卒中を経験した人の割合は3.67%であった。・リボフラビンの摂取量が最も多いグループ(1日3.26mg以上)では、最も少ないグループ(1.42mg未満)と比べて、脳卒中のリスクが有意に低かった(調整後のオッズ比は0.57、95%信頼区間:0.38–0.85)。・また、リボフラビンの摂取量が1日あたり約4.95mgを超えると、それ以上はリスクがさらに下がることはなく、ある程度で効果が頭打ちになる「L字型の関係」が見られた。この傾向は、特に40〜59歳の人、BMIが25〜30の人、男性、そして糖尿病や高血圧、脂質異常症のない人で強く現れていた。
リボフラビン(ビタミンB₂)が「こんなに知名度がない」理由
リボフラビン(ビタミンB₂)が「こんなに知名度がない」理由には、いくつかの構造的・心理的・歴史的な要因が絡んでいる。以下に整理する。
🔍 1. 欠乏症が目立たない・死なない
- ビタミンB2が不足しても「死なない」。欠乏によって起きる症状(口角炎、舌炎、目の充血など)は軽微かつ曖昧で、「ただの疲れかな?」で済まされやすい。
- 一方、ビタミンC欠乏は壊血病、ビタミンB1欠乏は脚気など、「名前のついた病気」になる。これらは歴史的に脚光を浴びた。
🧬 2. 人体がリボフラビンを大量に「溜めない」性質
- リボフラビンは水溶性で、過剰分はすぐに尿で排出される。つまり「摂りすぎ注意」系の話題になりにくい。
- しかも、摂ると尿が黄色くなる程度で話が終わる。インパクトが薄い。
🗞 3. メディア・サプリ業界が「売りにくい」栄養素
- ビタミンB2単体を取り上げた「劇的な効果」が少ない。代謝の下支え、抗酸化サポート、補酵素としての役割は地味。
- ビタミンCやD、オメガ3脂肪酸のように「◯◯に効く!」という明確なイメージが作りにくい。
📚 4. 学校教育でも軽視されやすい
- 「ビタミンB群の一つ」でひとくくりにされがち。
- 「B1:脚気」「B12:悪性貧血」は覚えさせられるが、B2は「特に覚えなくてよい分類」に入りやすい。
🧠 5. 一般人には「どの食材にあるか」がイメージしづらい
- レバー、牛乳、納豆などに含まれているが、「ビタミンC=みかん」のように直感的なペアがない。
- リボフラビンという言葉自体がカタカナで親しみにくい。
🧪 6. 研究が地味に継続されてきたが、脚光を浴びにくい
- 近年になってようやくMTHFR遺伝子との関連や脳卒中リスクとの関係が明らかになってきた。
- しかしそれも「ビタミンDやオメガ3の時代」に埋もれがち。
💡一言で言うと:
「必要だけど話題になりにくい、縁の下の力持ち」
それがリボフラビンである。
だが、地味な存在ほど、実は人体にとって基盤的な役割を担っていることが多い。
この論文で改めて脚光が当たりはじめたのは、むしろこれからかもしれない。