元2023 5月 中国
遷延性意識障害(Prolonged Disorders of Consciousness)は、昏睡が28日以上つづく状態を指す。
これら患者の約20%は、1-5年後に意識を取り戻すことができたとする報告があり、より積極的なリハビリテーションが求められている。
経皮的三叉神経電気刺激(TNS)は片頭痛やてんかん、うつ病への効果が示されている。
ラットをつかった実験では脳損傷に対する脳保護効果が認められているので、遷延性意識障害の患者でTNSのランダム化比較試験をおこなったそうな。
脳卒中や外傷などで意識喪失が28日以上あり、植物状態または最小意識状態(minimally consciousness state)とされた男女60人を、TNS群と偽TNS群に分け、
4週間の介入とさらに8週間のフォローをおこなった。
TNS経皮的三叉神経電気刺激は、顔の両側に取り付けた電極に低周波のパルス電流を30秒おきに1日3時間あたえた。
次のようになった。
・TNS群は28人が植物状態2人が最小意識状態、偽TNS群では26人が植物状態4人が最小意識状態だった。・グラスゴーコーマスケール(Glasgow Coma Scale)および昏睡回復スケール(Coma Recovery Scale-Revised)スコアは2週間以降、4、8、12週時点のすべてでTNS群が有意に優れていた。・2週間時点でのFDG-PETでは、右海馬傍皮質、右楔前部、両側中帯状皮質の代謝がTNS群で有意に増加したことがわかった。
経皮的三叉神経電気刺激は、脳代謝や脳活動を改善することで意識の回復を促すと考えられ、遷延性意識障害にある患者にたいする治療法として期待できる、
というおはなし。
感想:
用語がよくわからなかったのでAI人工知能にたずねてみた。
私「昏睡と最小意識状態、植物状態、の違いをわかりやすく教えてください」
AI「昏睡 (Coma): 昏睡状態の患者は、眼を開けることなく、反応や自覚的な活動を示すことがありません。覚醒と睡眠のサイクルが存在しないのが特徴です。身体的な反応も最小限にとどまります。
植物状態 (Vegetative State, VS): 植物状態の患者は、覚醒と睡眠の周期を持つことができますが、自分自身や周围の環境に対する認識はありません。つまり、彼らは目を開け、無意識の身体的反応を示すことがありますが、それは意識的なものではありません。
最小意識状態 (Minimally Conscious State, MCS): 最小意識状態は、植物状態と完全な意識回復の間の状態を指します。これらの患者は、限定的ながらも環境に対する意識的な反応を示すことがあります。これは、痛みへの反応、視覚的な追従、意図的な動き、単純な指示への応答などの形で示されます。」
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