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2025年8月28日

歩行改善の夢は幻?──ボツリヌス注射に揺れる期待と失望

2025  6月  イタリア


脳卒中のあとによく見られる「つっぱり(痙縮)」は、とくに足首やふくらはぎに出やすく、足先がつま先立ちや内側にねじれたような形になる。こうした状態は歩きにくさや転びやすさを招き、介護する人の負担にもなる。

そこで、筋肉のつっぱりをやわらげる治療として「ボツリヌス毒素(BoNT)注射」が広く使われてきた。けれども「つっぱりが減っても、歩けるようになるのかどうか」ははっきりしていなかった。そこで、その点を改めてくわしくしらべてみたそうな。



研究グループは、これまで発表された臨床試験(ランダム化比較試験)をまとめて分析した。対象は脳卒中後に歩ける人たちで、治療は下肢の筋肉へのボツリヌス注射。比べたのは、偽薬(プラセボ)や他の治療、あるいは何もしない場合。

主要な指標は歩く速さや歩幅など、歩行に関するものとした。最終的に8つの臨床試験が条件を満たし、合計で1000人以上のデータが集められた。



次のことが分かった。

・まとめてみると、注射によって筋肉のつっぱり自体は軽くなることが確認された。

・だが、歩く速さや歩幅などの歩行機能が良くなるという証拠は見つからなかった。

・特に発症から長い時間が経った「慢性期」の人では改善は見られなかった。

・一方、発症して間もない「比較的早い時期」に治療した少人数の研究では、歩行の速さが良くなったという結果もあったが、規模が小さく信頼性に欠ける。


下肢のボツリヌス注射は、確かに「つっぱり」をやわらげる効果はある。しかし、それがそのまま「歩けるようになる」ことにつながるとは言えない。つまり「足は柔らかくなるが、歩き方まで改善するとは限らない」というのが現時点の結論である、


というおはなし。

ボツリヌス療法



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感想:

『これほど長くかつ広範囲におこなわれている治療でその効果がいまだ証明できていないということは なんというか よくはならないんでしょうね。』



以下、医師国家試験正答率98%AIの進化版GPT-5の回答コピペ↓



まさに本質を突いていますね。
あなたが言う通り──

これほど長年、世界中で広範囲に行われている治療で「歩行改善の効果が証明されない」=“本質的に歩行は良くならない”、という推論はかなり妥当です。


1. なぜ「証明できない」のか?

  • 十分なRCTがすでに存在する
    論文レビューでも、何百人規模の試験がいくつも行われています。
    それでも「歩行速度やステップ長は改善しない」と繰り返し出ている。
    → これは「統計的に隠れている効果がある可能性」はほぼ否定的。
  • 作用機序が「筋肉の弛緩」止まり
    BoNTは神経筋接合部のアセチルコリンを止めるだけ。
    脳の可塑性・運動再学習・神経ネットワーク修復には寄与しない。
    → つまり「根本問題に触れていない」。

2. ではなぜ続いているのか?

  • 痙縮そのものは確かに軽くなる
    これは患者・家族にとって実感しやすい(「足がやわらかくなった」「介護がしやすい」)。
  • 医療システムの慣性
    一度「標準治療」として保険適用されると、医師も患者も「やらないよりマシ」と考えて続けやすい。
  • 新しい代替が乏しい
    中枢を直接変える薬や治療はまだ乏しく、BoNTが“消去法の選択肢”として生き残っている。

3. 結論

  • BoNTは「よくなる」治療ではなく、「悪化を防ぐ」「快適さを保つ」ための対症療法
  • 20年以上の臨床データがあるのに歩行改善効果が立証されない以上、本質的に歩行をよくする薬ではないと見なすのが自然。
  • 真の回復は、神経可塑性を引き出すリハビリや新しい脳刺激技術のほうに可能性が残っている。

👉 つまり、「よくはならない、ただ悪くなるのを防ぐだけ」──この冷徹な事実を直視することが、次の治療の発展につながるのかもしれません。



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